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ピアノ三重奏曲第1番 作品8

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

演奏者録音年レーベル番号備考評価
ARS TRIO DI ROMA (Marco Fiorentini (Vn), Michele Chiapperino (Vc), Laura Pietrocini (Pf))2006AmadeusAM 201-2
BARTOS TRIO (Galina Danilova (Vn), Csaba Bartos (Vc), Irina Ivanickaia (Pf))1997HungarotonHCD 31780
BEAUX ARTS TRIO (Daniel Hope (Vn), Antonio Meneses (Vc), Menahem Pressler (Pf))2005Warner2564 62514-2
CHUNG TRIO (Kyung-Wha Chung (Vn), Myung-Wha Chung (Vc), Myung-Whun Chung (Pf))1988EMICDC 7 49865 2
CLEMENTI TRIO (Daniel Spektor (Vn), Manuel Gerstner (Vc), Deborah Richards (Pf))1986Largo7243 5 56618 2 1
COPENHAGEN TRIO (Søren Elbæk (Vn), Troels Svane Hermansen (Vc), Morten Mogensen (Pf))1992Kontrapunkt32131
EGGNER TRIO (Georg Eggner (Vn), Florian Eggner (Vc), Christoph Eggner (Pf))2008Gramola98837
FUJITA PIANO TRIO (Arisa Fujita (Vn), Honoka Fujita (Vc), Megumi Fujita (Pf))2006Intim MusikIMCD 104
GRAND AIR TRIO (Dimiter Tchernookov (Vn), Guillaume Grosbard (Vc), Justyna Maj (Pf))2011
000000001GAT/1
GRIEG TRIO (Sølve Sigerland (Vn), Ellen Margrete Flesjø (Vc), Vebjørn Anvik (Pf))1998SimaxPSC 1147
GUARNERI TRIO PRAGUE (Cenek Pavlík (Vn), Marek Jerie (Vc), Ivan Klánsky (Pf))2001PragaPRD 250 162
JOHANNES-KREISLER-TRIO (Christoph Schickedanz (Vn), Mathias Beyer-Karlshoj (Vc), Holger Spegg (Pf))2014telos musicTLS 212
KAGAN, Oleg (Vn), GUTMAN, Natalia (Vc), WIRSSALADZE, Elisso (Pf)1982Live ClassicsLCL 110Live(27 July)
KALICHSTEIN LAREDO ROBINSON TRIO (Jaime Laredo (Vn), Sharon Robinson (Vc), Joseph Kalichstein (Pf))1995-6ArabesqueZ6698
LOM PIANO TRIO (Joan Orpella (Vn), José Mor (Vc), Daniel Ligorio (Pf))2007Columna Música1CM0180
LONDON CONCHORD ENSEMBLE (Maya Koch (Vn), Thomas Carroll (Vc), Julian Milford (Pf))2009Orchid ClassicsORC100009
MACEČEK, Petr (Vn), PRAUSE, Petr (Vc), KASMAN, Yakov (Pf)2006CalliopeCAL 9370
MOSCOW CONTEMPORARY MUSIC ENSEMBLE (Alexander Melnikov (Vn), Natalia Sabinova (Vc), Victor Yampolisky (Pf))1994TritonMECC-28004
MOSCOW TRIO (Vladimir Ivanov (Vn), Mikhail Utkin (Vc), Alexander Bonduriansky (Pf))1993Saison RusseRUS 288 088
MÜNCHNER KLAVIERTRIO (Ilona Then-Bergh (Vn), Gerhard Zank (Vc), Michael Schäfer (Pf))
MD+GL 3334
MÜNCHNER KLAVIERTRIO (Rudolf J. Koeckert (Vn), Gerhard Zank (Vc), Hermann Lechler (Pf))1999OrfeoC 465 991 A
OSLO TRIO (Stig Nilsson (Vn), Aage Kvalbein (Vc), Jens Harald Bratlie (Pf))1981-2SimaxPSC 1014
PRITCHIN, Aylen (Vn), BUZLOV, Alexander (Vc), GENIUŠAS, Lukas (Pf)2016MelodiyaMEL CD 10 02491Live(29 Nov.)
RACHLIN, Julian (Vn), MAISKY, Mischa (Vc), GOLAN, Itamar (Pf)2006OnyxONYX 4026Live(13 Dec.)
SERAPHIN TRIO (Wilhelm F. Walz (Vn), Jörg Metzger (Vc), Arne Torger (Pf))1986ChristophorusCHE 0070-2
STOCKHOLM ARTS TRIO (Dan Almgren (Vn), Thorleif Thedéen (Vc), Stefan Bojsten (Pf))1995Naxos8.553297
ST. PETERS TRIO (Ilya Ioff (Vn), Sergei Slovachesky (Vc), Igor Uryash (Pf))
BeauxBEAUX 2023
TRIO BAMBERG (Jewgeni Schuk (Vn), Stephan Gerlinghaus (Vc), Robert Benz (Pf))1998ThorofonCTH 2397
TRIO CERESIO (Anthony Flint (Vn), Johann Sebastian Paetsch (Vc), Sylviane Deferne (Pf))2008DoronDRC 3070Live(23 Nov.)
TRIO D'ANTE VIENNA (Valya Dervenska (Vn), Teodora Miteva (Vc), Donka Angatscheva (Pf))2011Gramola98934
TRIO DI PARMA (Ivan Rabaglia (Vn), Enrico Bronzi (Vc), Alberto Miodini (Pf))2005stradivariusSTR 33706
TRIO DI TORINO (Sergio Lamberto (Vn), Dario Destefano (Vc), Giacomo Fuga (Pf))1996RS051-0176
TRIO FINNICO (Nachum Erlich (Vn), Hannu Kiiski (Vc), Risto Lauriala (Pf))1988FinlandiaFACD 364Finlandia-8573-81969-2
TRIO METRAL (Joseph Metral (Vn), Justine Metral (Vc), Victor Metral (Pf))2019la dolce voltaLDV 81
TRIO PAIAN (Carl-Magnus Helling (Vn), Marin Smesnoi (Vc), Alexandra Neumann (Pf))2005Coviello ClassicsCOV 50502SACD
TRIO UNA CORDA (Thierry Koehl (Vn), Matthieu Lejeune (Vc), Emmanuelle Le Cann (Pf))2006QuantumQM 7059Live(15 Oct.)
TRIO WANDERER (Jean-Marc Phillips-Varjabédian (Vn), Raphaël Pidoux (Vc), Vincent Coq (Pf))2003harmonia mundiHMC 901825
TRIO ZELIHA (Manon Galy (Vn), Maxime Quennesson (Vc), Jorge González Buajasan (Pf))2019MirareMIR522
VIENNA PIANO TRIO (Wolfgang Redik (Vn), Marcus Trefny (Vc), Stefan Mendl (Pf))1998NimbusNI 5572
VISONTAY, Zsolt-Tihamér (Vn), LIDSTRÖm, Mats (Vc), ASHKENAZY, Vladimir (Pf)2015Decca478 9382
WIENER SCHUBERT TRIO (Boris Kuschnir (Vn), Martin Hornstein (Vc), Claus-Christian Schuster (Pf))1986PANPAN 170 012LP
ZÜRCHER KLAVIERTRIO (Gabriel Adorján (Vn), Joël Marosi (Vc), Christiane Frucht (Pf))2005Claves50-2605

Ars Trio di Roma
12'32" 
この団体の結成間もない時期の録音。室内楽的なまとまりの良さと清潔な響きで奏でられる音楽には大上段に構えた気負いはなく、自然体の美しさに好感が持てる。
Bartos Trio
12'41" 
素朴で若々しい音色と音楽が好ましい。妙に凝ったことをしようとせずに、素直に音楽の流れに身を任せている感じが非常に良い。情熱と抒情とのバランスが十分にとれた好演。
Beaux Arts Trio
13'32" 
個人の確かな技量に基づく安定したアンサンブルはさすが。ただ、音色に艶があまり感じられないのは不満。もう少し甘い抒情を歌い上げてほしいところだ。
Chung Trio
12'12" 
この曲の最高の演奏である。3人の中ではチェロがやや弱いが、この比較はあまりにも酷というもの。実際、チェロに不満を感じることは全くない。キョンファの美しく情熱的なヴァイオリンを、ミョンファのチェロがそっと寄り添いながらも確実に支え、ミョンフンのピアノが二人を大きなスケールで包み込む。リズミカルな部分も叙情的な部分も、これ以上ないくらいに的確に表現し尽くしている。コーダの壮大な歌い上げには、思わず目頭が熱くなる。まさに非の打ち所のない名演。
Clementi Trio
13'40" 
抒情性が前面に出た、甘い演奏。特に問題となる箇所もない代わりに、格別印象的な箇所もない。
Copenhagen Trio
13'32" 
澄んだ美しさをもちながらも線の細さを感じさせない、豊かな振幅を持った好演。若書きの作品というよりは、大曲に臨むような演奏スタイルに違和感を覚えなくもないが、曲の魅力を伝える優れた演奏であることは間違いない。
Eggner Trio
12'34" 
洗練された明るい響きでとても聴きやすい演奏。国籍や時代の縛りから解き放たれた、いかにも現代的な音楽である。素直な高揚感が好ましい。
Fujita Piano Trio
12'49" 
鋭利な肌合いの熱気溢れる演奏。とりわけ硬質なピアノの響きが全体を支配しており、抒情的な流れよりも力感に満ちた推進力の印象が強い。素直な音楽作りは悪くないが、表情がやや直線的で伸びやかさに欠けるのが惜しい。
Grand Air Trio
13'24" 
ソリスティックな華やかさと室内楽的な一体感とのバランスが秀逸で、瑞々しい熱気に満ちたスケールの大きな快演である。この曲のベストを争う演奏であろう。
Grieg Trio
12'53" 
熱気のこもった真摯な演奏。多少音が粗くなるのは惜しいが、余計な色付けの無い素直な仕上がりに好感が持てる。
Guarneri Trio Prague
12'21" 
技術的な問題が特にあるわけではなく、テンポ設定や解釈がおかしいわけでもないのだが、どうも冴えない。作品の持つ若々しい抒情性を表現するには、今一つ伸びやかさに欠けるようだ。
Johannes-Kreisler-Trio
12'35" 
端正でバランスの良い演奏だが、これと言った特徴には欠ける。
O. Kagan (Vn), N. Gutman (Vc), E. Wirssaladze (Pf)
9'41" 
3人の名手による貫録の演奏。しかしながら、演奏のスケールの大きさが楽曲の小ぶりな佇まいに対してミスマッチな印象が強く、純朴さに欠ける。
Kalichstein Laredo Robinson Trio
11'57" 
安定した大柄な演奏。ソロイスティックなスタイルには好き嫌いが分かれるかもしれないが、これはこれで悪くない。興味深いのはコーダが通常聴かれるものと異なっていること。使用楽譜等の表記がなく、解説書にも全く触れられていないために詳細は不明。
LOM Piano Trio
12'46" 
一本調子なところはあるものの、十分に彫琢された音楽となっており、安心して聴き通すことができる。
London Conchord Ensemble
13'04" 
後期ロマン派ならではの大柄で臆面のない華やかさが楽しい。技術的にも瑕疵はなく、若書きの作品をいかにも青臭く感情を爆発させて演奏しているのが潔い、聴き応えのある好演。
P. Maceček (Vn), P. Prause (Vc), Y. Kasman (Pf)
11'00" 
ピアノに比べるとヴァイオリンとチェロが少し物足りなくはあるが、ごく自然な音楽の流れが好ましい。これと言った特徴はないが、その分、ショスタコーヴィチの音楽世界に浸ることができる。
Moscow Contemporary Music Ensemble
11'12" 
早目のテンポで、やや乾いた感じの仕上がり。この曲の和声やリズムの特徴を丁寧に描き出してはいるが、あまりにあっさりし過ぎているところで好き嫌いが分かれるだろう。個人的には、もう少し抒情的に歌い上げるタイプの演奏が好みだ。
Moscow Trio
10'40" 
かなり早目のテンポでスマートにまとめた演奏だが、ロシア流儀の逞しい音色と線の太い歌い回しのおかげで、全く物足りなさを感じさせない。若々しい情熱のほとばしりを素直に伝えてくれる佳演。
Münchner Klaviertrio
13'06" 
堅実で好感の持てる演奏。取り立ててアピールするような部分はないが、安心して聴くことができる。この演奏を聴いてこの曲を嫌いになることはないだろう。
Münchner Klaviertrio
13'52" 
堅実な仕上がりは旧盤と同様だが、音楽的意思が細部にまで徹底された品の良い歌心が際立つ、より優れた演奏である。
Oslo Trio
13'34" 
早い部分は安定した演奏で好感が持てるが、緩徐部分に物足りなさが残る。線の細さが、青臭い抒情を魅力的に聴かせるのに妨げとなっている。
A. Pritchin (Vn), A. Buzlov (Vc), L. Geniušas (Pf)
12'38" 
自然な勢いに満ちた高揚感が好ましい。ただ、音色の多彩さには乏しく、響きにはそれほど魅力を感じない。
J. Rachlin (Vn), M. Maisky (Vc), I. Golan (Pf)
11'33" 
若々しく、時に荒っぽい情熱の迸りが素直に表出されている。緩徐部分でのこれ見よがしな歌に品のなさを感じるとはいえ、余裕を持って見事にまとめられているところに貫禄を感じる。
Seraphin Trio
14'20" 
荒っぽい演奏。勢いに任せた一本調子の演奏は、確かに若き情熱を感じさせると言えなくもないが、抒情的な美しさが犠牲になっているのには納得しかねる。もっとも、技術的な破綻があるわけではないので、うるさいことを言わずに聴き通すことも可能。
Stockholm Arts Trio
13'16" 
少し考えすぎなのか、音楽の流れがあまり良くない。線の細い音色も魅力に欠ける。緩徐部分でチェロのピッチカートがarcoで弾かれているが、どういう理由があるのかさっぱり分からない。
St. Peters Trio
12'19" 
熱い情熱が迸る佳演である。細部に凝った繊細な演奏よりも、こういう大柄で勢いの良い演奏の方が、この作品には相応しい。
Trio Bamberg
12'47" 
派手さはないが、落ち着いた手堅い演奏で好感が持てる。素直に曲の若々しい響きを楽しむことができる。
Trio Ceresio
13'41" 
室内楽的な抑制の利いた上品な演奏。もう少し才気煥発な鋭い活力を求めたいところだが、これはこれで作品の持つ歌謡的な要素が自然に表出されていて悪くはない。
Trio D'Ante Vienna
12'37" 
ロマンティックな雰囲気を醸し出しつつも爽やかに流れる音楽で、若者らしい屈託のない清々しさが好ましい。
Trio di Parma
13'19" 
ロシア臭がほとんど感じられない、こぢんまりとした音楽である。特筆するほどの美音ではないながらも、隅々まで丁寧な目配りの届いた演奏なので、聴き易いと感じる向きもあるだろう。
Trio di Torino
13'47" 
地味ながらも実力派の演奏……という雰囲気なのだが、表面的な盛り上がりとは裏腹に、ピアノをはじめとしてデリカシーのない音が妙に気になる、無機質で一切の感情移入が感じられない平坦な音楽に終始する。
Trio Finnico
13'23" 
透き通った美しさを感じさせる佳演。特にピアノが素晴らしい。何より、音楽が自然に流れていくのが良い。ただ、弦楽器の(特に高音域での)癖が気にならなくもない。大した問題ではないが。
Trio Metral
14'00" 
3人兄弟のアンサンブルだが、一体感はあるものの、各人の技量に不足していることは否めない。艶のない音色と若干の不安定さを感じさせる線の細さに不満が残る。
Trio Paian
12'57" 
なかなかの秀演。端正に整えられたアンサンブルときれいな音だけでも十分に魅力的ではあるが、自然な高揚感を持った気持ちの良い音楽づくりが特に素晴らしい。
Trio Una Corda
13'31" 
室内楽的な完成度が非常に高い、優れた演奏である。ソリスティックな華やかさや大柄な迫力はないが、3人が一体となったきめ細やかな表現の真実性には特筆すべきものがある。3人のバランスも良く、線の細さなどは感じられない。屈託のない歌い上げが、とりわけ心地好い。
Trio Wanderer
12'24" 
共感に満ちた熱い音楽。若きショスタコーヴィチの抒情を素直に引き出しているのが好ましい。全体に、もう一歩磨きあげた美しさを求めたいところではあるが。
Trio Zeliha
時間不詳
若手らしく直情的で爽快な音楽が心地好い。ピアノの派手なスタイルが支配的でヴァイオリンとチェロには線の細さを感じなくもないが、繊細ながらも伸びやかな弦楽器の歌と、リズミカルで腕っぷしの強いピアノとのアンサンブルは、室内楽的な一体感とソリスティックなピアノ三重奏の魅力とが綯い交ぜになっていて楽しい。
Vienna Piano Trio
12'46" 
非常に美しい名演。よく練られたアンサンブルでこの曲を等身大に描き出し、その美質を余すところなく音化している。緩徐部分の美しさは特筆すべき出来。
Z.-T. Visontay (Vn), M. Lidström (Vc), V. Ashkenazy (Pf)
13'10" 
音楽的な主導権はアシケナージのピアノにあるが、殊更に前面に出てくることはなく、それでいて的確に踏み込んでいく様に、指揮者としてもキャリアを積んだ音楽家アシケナージの円熟の境地が示されている。全体に極端な表現が取られることはなく、穏当な音楽に仕上げられているものの、その着実な音楽の運びの端々に味わい深い響きを聴くことができる。
Wiener Schubert Trio
12'46" 
ごく自然に一致した音色の感覚と緊密なアンサンブルによって、ピアノ三重奏曲特有のソリスティックな側面よりは三者が織り成す内向的ながらも熱い情感が印象的な作品の魅力と美しさが余すところなく表出されている。
Zürcher Klaviertrio
13'44" 
音色はまさしくドイツ流儀のものだが、伸びやかな歌心と素直な高揚感が印象的で、作品と演奏者双方の魅力が存分に発揮された秀演である。

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Last Modified 2023.12.09

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