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管弦楽曲

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。


スケルツォ 嬰ヘ短調 作品1

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
GIMENO, GustavoOrchestre Philharmonique du Luxembourg2016PentatonePTC 5186622SACD
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1982BMG-Melodiya74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Olympia-OCD194, Icon-ICN-9415-2, Venezia-CDVE03220

G. Gimeno/Orchestre Philharmonique du Luxembourg
5'13" 
特別な仕掛けもなく、生真面目に真正面から取り組んでいるが、それが却って音楽の楽しさや美しさを素直に描出する結果となっている。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
5'02" 
端正な演奏。資料としてだけではなく、ショスタコーヴィチがいかに天分に恵まれた少年だったのかを音楽で納得させてくれる。

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主題と変奏 変ロ長調 作品3

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BOTSTEIN, LeonLondon Symphony Orchestra2004TelarcSACD-60642
GIMENO, GustavoOrchestre Philharmonique du Luxembourg2016PentatonePTC 5186622SACD
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1982BMG-Melodiya74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Olympia-OCD194, Icon-ICN-9415-2, Venezia-CDVE03220
BOBRITSKAYA, Rimma (Pf)1983MelodiyaC50 20749 006LP, Arr. for Piano by Composer.

L. Botstein/London Symphony Orchestra
15'37" 
丁寧で落ち着いた演奏で、ショスタコーヴィチ特有の和声やリズムの感覚が違和感なく表現されている。オーケストラの響きも美しい。
G. Gimeno/Orchestre Philharmonique du Luxembourg
15'25" 
特別な仕掛けもなく、生真面目に真正面から取り組んでいるが、それが却って音楽の楽しさや美しさを素直に描出する結果となっている。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
15'32" 
真摯な態度で演奏している。各変奏毎にしっかりと表情付けをしているのが好ましい。
R. Bobritskaya (Pf)
15'19" 
作曲者自身によるピアノ用編曲で、唯一の録音。管弦楽の原曲に比べると地味なのは致し方がないが、真摯な演奏振りに好感が持てる。作品に新たな光を与えるような演奏ではないものの、なかなか楽しい演奏である。

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スケルツォ 変ホ長調 作品7

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
GIMENO, GustavoOrchestre Philharmonique du Luxembourg2016PentatonePTC 5186622SACD
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1982BMG-Melodiya74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Olympia-OCD194, Melodiya-MCD 008, Venezia-CDVE03220

G. Gimeno/Orchestre Philharmonique du Luxembourg
3'56" 
特別な仕掛けもなく、生真面目に真正面から取り組んでいるが、それが却って音楽の楽しさや美しさを素直に描出する結果となっている。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
3'36" 
ショスタコーヴィチ特有のリズムが見られ始める作品であるが、きちんとそのことを意識した演奏となっている。

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タヒチ・トロット 作品16

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1991Decca433 702-2Decca-UCCD-3597
COMISSIONA, SergiuHouston Symphony Orchestra1986Pro ArteCDD 250
FREEMAN, PaulChicago Sinfonietta1990FANFARECDD 551
JANSONS, MarissPhiladelphia Orchestra1996EMI7243 5 55601 2 4
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1987ChandosCHAN 8587
JÄRVI, PaavoOrchestre Philharmonique de Radio France2002-3Virgin7243 5 45609 2 7
LITTON, AndrewSingapore Symphony Orchestra2019BISBIS-2472
METZMACHER, IngoPhilharmonisches Staatsorchester Hamburg2002SonySXP 130082Live(31 Dec.).
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257
ROZHDESTVENSKY, GennadyLeningrad Philharmonic Orchestra1979BMG-Melodiya74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Venezia-CDVE03220
ROZHDESTVENSKY, GennadyBBC Symphony Orchestra1981BBCBBCL 4242-2Live(14 Aug.)
SLOANE, StevenRundfunk-Sinfonieorchester Berlin2004Capriccio71 096
SUTHERLAND, IainIain Sutherland Concert Orchestra
altoALC 1250
SVETLANOV, EvgeniUSSR State Symphony Orchestra1977VictorVIC-2288LP
YABLONSKY, DmitryRussian State Symphony Orchestra2001Naxos8.555949
LONDON BRASS1988Teldec243 713-2Arr. David Purser
MAKAROVA, Maria (Org)1996OlympiaOCD 585Arr. for Org.

R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
3'33" 
ソツのない演奏。だが、楽譜にないポルタメントをヴァイオリンにつけさせたり、フレーズの終りで頻繁にルバートをかけたりするのが煩わしい。
S. Comissiona/Houston Symphony Orchestra
4'12" 
ややゆったりとしたテンポの寛いだ演奏。特記すべきことはない。
P. Freeman/Chicago Sinfonietta
3'42" 
きれいにまとまっているが、楽しい雰囲気が伝わってくるわけでも、オーケストレイションの妙を感じさせてくれるわけでもない。
M. Jansons/Philadelphia Orchestra
3'30" 
非常に豪華な響きで楽しいのだが、サクソフォーンを付加してスコアに手を入れているのが気になる。また、コーダの部分でオリジナルのデュナーミクを無視しているのも感心しない。
N. Järvi/Scottish National Orchestra
3'23" 
弦楽器がやや弱いが、管楽器の音色を生かしたバランスが効果的。トロンボーンの対旋律の強調などに個性を見せている。きらびやかな響きを持った、なかなかの演奏。
P. Järvi/Orchestre Philharmonique de Radio France
3'36" 
曲自体の雰囲気とオーケストラの響きの相性がよく、パーヴォ・ヤルヴィならではのロシア情緒が相まって、なかなか楽しい演奏に仕上がっている。
A. Litton/Singapore Symphony Orchestra
4'17" 
つつがなく上品な出来。よく整った聴きやすい演奏だが、あまり印象には残らない。これは、無味無臭なシンガポール響のキャラクターにもよるのだろう。
I. Metzmacher/Philharmonisches Staatsorchester Hamburg
3'27" 
ジルベスター・コンサートのライヴ録音ということもあり、リラックスしたノリのよい音楽が実に楽しい。また、編曲の妙を強調するような遊び心に満ちた解釈も良い。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
4'17" 
好感の持てる爽やかな演奏だが、全体にどこか気の抜けたような弛緩した印象が残るのが惜しい。
G. Rozhdestvensky/Leningrad Philharmonic Orchestra
3'20" 
何といっても音色が最高。余程のことがない限り、誰が演奏しても同じようになる曲だが、音色のおかげで一頭抜きん出た魅力を持った演奏となっている。
G. Rozhdestvensky/BBC Symphony Orchestra
3'45" 
プロムスのライヴ録音。編曲の仕掛けを面白おかしく聴かせているだけでなく、他のどの演奏よりも美しい響きを引き出しているところが何よりも素晴らしい。有名なリフレインを演奏に合わせてハミングする聴衆との一体感も曲の雰囲気に相応しく、聴いているだけで幸せな気分になれる、本当に素敵な記録である。
S. Sloane/Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
3'56" 
全てにおいて整った、上品な仕上がり。
I. Sutherland/Iain Sutherland Concert Orchestra
4'05" 
遅めのテンポで、全体に締まりのなさが気になる。
E. Svetlanov/USSR State Symphony Orchestra
3'31" 
木管楽器の音程が少し気になる部分もあるが、オーケストレイションの意図をよく汲んだ、スコアをしっかりと読み込んだ演奏。しかし、この演奏の素晴らしい点は、この曲が何ともロシア的なイントネーションで演奏されていること。ショスタコーヴィチの乾いたオーケストレイションと、スヴェトラーノフの濃密な歌いまわしとのミスマッチ加減がなかなかイける。
D. Yablonsky/Russian State Symphony Orchestra
4'10" 
よく整った、雰囲気の良い演奏。特記することのない淡々とした演奏ではあるが、肩の力が抜けた音楽の流れは心地好い。
London Brass
2'41" 
ショスタコーヴィチの編曲に従って、金管アンサンブルで演奏したもの。カットがいくつかある。ショスタコーヴィチのオーケストレイションと同列に論じる訳にはいかないが、あまり華やかさも覇気も感じられない演奏である。
M. Makarova (Org)
4'23" 
オルガンの響きは心地好いが、やや単調である。

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D.スカルラッティの2つの小品 作品17

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ROZHDESTVENSKY, GennadySoloists Ensemble1979BMG-Melodiya74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Praga-PR 250 090

G. Rozhdestvensky/Soloists Ensemble
I: 3'42"
II: 3'38" 
特に小細工をしていないおかげで、才気走ったショスタコーヴィチのオーケストレーションの魅力が引き出されている。こういう曲には、このように素直な演奏が望ましい。

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E.ドレッセルの歌劇「コロンブス」のための2つの小品 作品23

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
POLYANSKY, ValeriRussian State Symphony Orchestra1998ChandosCHAN 9792‘Overture’
ROZHDESTVENSKY, GennadyMoscow Conservatory Students' Orchestra1977MelodiyaC 10-12547-50LP, ‘Overture’, Live(10 Feb.), EMI-ASD 3633(LP), Brilliant-9019
ROZHDESTVENSKY, GennadyLeningrad Philharmonic Orchestra1979VictorVICC-40053/4‘Overture’, Praga-PRD 250 356
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra & USSR Ministry of Culture Chamber Choir (Chorusmaster: Valeri Polyansky)1984BMG74321 63461 2‘Finale’

V. Polyansky/Russian State Symphony Orchestra
I: 3'41"
II:   
ソツなくまとめられてはいるが、やや精彩に欠ける印象が残る。いかにも巨匠の習作といった感じの演奏であるが、録音も良く、それなりに楽しめる。
G. Rozhdestvensky/Moscow Conservatory Students' Orchestra
時間不詳
若々しい覇気と、イケイケの勢いに満ちた楽しい演奏。学生オーケストラとはいえ、技術的な不満はなく、作品に対する丁寧な取り組みにむしろ好感が持てる。
G. Rozhdestvensky/Leningrad Philharmonic Orchestra
I: 3'31"
II:   
初期ショスタコーヴィチの特徴が発揮された好演。個性的な音色を見事に再現しており、単に資料にとどまらない価値を持っている。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra & USSR Ministry of Culture Chamber Choir
I:  
II: 4'22" 
曲自体にあまり魅力がないせいか、演奏にも若干集中力を欠いた散漫な印象が残る。とはいえ、資料的価値は抜群。

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5つの断章 作品42

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirRoyal Philharmonic Orchestra1987London421 120-2
BLAZHKOV, IgorKiev Chamber Orchestra1974Melodiya33 C 10-05191-2LP, Praga-PRD 250 356
ELDER, MarkCity of Birmingham Symphony Orchestra1992United88001 CD
GIMENO, GustavoOrchestre Philharmonique du Luxembourg2016PentatonePTC 5186622SACD
ROSTROPOVICH, MstislavLondon Symphony Orchestra1998AndanteSC-AN-4090Live(26 Feb.).
SCHWARZ, GerardSeattle Symphony2005Naxos8.557812
ZWEDEN, Jaap vanChicago Symphony Orchestra2014DirigentCD-R. DIR-1547Live(June).

V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
I: 1'07"
II: 1'05"
III: 2'55"
IV: 2'10"
V: 1'45" 
アシケナージ自身は特別なことをしていないのだが、オーケストラの安定した技術がこの演奏を優れたものに仕上げている。不思議な美しさに満ちた好演。
I. Blazhkov/Kiev Chamber Orchestra
時間不詳
少々スケールは小さいものの、明解にまとめられたなかなかの好演。あっさりした仕上がりで謎めいた雰囲気には欠けるが、作品の姿を素直に聴き取ることができる。
M. Elder/City of Birmingham Symphony Orchestra
I: 1'24"
II: 1'18"
III: 3'43"
IV: 2'36"
V: 1'24" 
各楽器の音色が今一つなので、この曲を美しいと感じさせるには至っていない。演奏している側がどこかとまどっている印象を受ける。
G. Gimeno/Orchestre Philharmonique du Luxembourg
Total Time: 11'00" 
細部まで目の行き届いたニュアンス豊かな表情の多彩さが素晴らしい。この繊細な滑らかさは、数少ない本作品の録音中でベストを争う出来である。
M. Rostropovich/London Symphony Orchestra
Total Time: 13'18" 
淡々としているものの作品の玄妙な響きが十分に引き出された秀演。演奏の精度はいまひとつか。
G. Schwarz/Seattle Symphony
I: 1'21"
II: 1'02"
III: 3'48"
IV: 2'51"
V: 1'33" 
もう少し響きに多彩さが欲しいところではあるが、作品への丁寧で真摯な取組みが好ましい。
J. v. Zweden/Chicago Symphony Orchestra
I: 1'35"
II: 1'10"
III: 4'35"
IV: 3'38"
V: 1'55" 
オーケストラの機能的な長所を活かしきった演奏である。全ての音とリズムが明晰に響き渡り、断片化された旋律やリズムの残骸が、余裕を持って音楽として再構成されている。

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祝典序曲 作品96

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
AKIYAMA, KazuyoshiChubu Philharmonic Orchestra2021Chubu Philharmonic OrchestraCP20210807Live(7 Aug.)
ANCERL, KarelCzech Philharmonic Orchestra1964SupraphonCOCO-75321
ASHKENAZY, VladimirRoyal Philharmonic Orchestra1990Decca436 762-2Decca-UCCD-3597
ASHKENAZY, VladimirPhilharmonia Orchestra2001ExtonOVCL-00058Live(27 July). Signum-SIGCD135
BÁTIZ, EnriqueOrquesta Sinfónica del Estado de México2005Orquesta Sinfónica del Estado de México752435 18142Live(5 Sept.)
DAVISON, ArthurNational Youth Orchestra of Wales
Music for PleasureMFP 57009LP
DEPREIST, JamesHelsinki Philharmonic Orchestra1990DelosDE 3089
DEPREIST, JamesMalmö Symphony Orchestra1992BISBIS-CD-570
ENTREMONT, PhilippeShenzhen Symphony Orchestra2008CascavelleVEL 3137
FIEDLER, ArthurBoston Pops Orchestra
DGPOCG-5025
GAUK, AlexanderState Radio Orchestra of the USSR1955monitorMC 2015LP, Revelation-RV10061(CD), Melodiya-CM 03357-60(LP)
GIBSON, AlexanderScottish National Orchestra
QualityV 1704LP
GOULD, MortonLondon Symphony Orchestra1979ChalfontSDG 301LP
HANDLEY, VernonBBC Philharmonic Orchestra1995ChandosCHAN 7025
JANSONS, MarisBBC Welsh Symphony Orchestra1986BBCREN 637 XLP. BBC-ZCN 637X(MT)
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1987ChandosCHAN 8587
JORDANIA, VakhtangRussian Federal Orchestra1999Angelok1CD-9932
KOSTEKANETZ, AndréColumbia Symphony Orchestra1977SonySBK 62 642
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine2004Brilliant6735Brilliant-8128
KUNZEL, ErichCincinnati Pops Orchestra1987TelarcCD-80170
LANTZ, HarryHouston All-City Symphony Orchestra1967Silver CrestHL-111767LP, Live.
LANTZ, HarryHouston All-City Symphony Orchestra1969Silver CrestHO-101569LP, Live.
LITTON, AndrewLondon Philharmonic Orchestra1988Virgin7243 5 61134 2 8
LITTON, AndrewDallas Symphony Orchestra1998DelosDE 3246
LYNDON-GEE, ChristopherNew Zaeland Symphony Orchestra1994Naxos8.553126
MACKERRAS, CharlesRoyal Philharmonic Orchestra1994Platinum2837Quadromania-222171-444
MELIK-PASHAEV, AlexanderBolshoi Theatre Orchestra1955MelodiyaM10 42777 000LP
MRAVINSKY, EvgenyLeningrad Philharmonic Orchestra1955Russian DiskRDCD 10902Live (21 Apr.)
MUTI, RiccardoPhiladelphia Orchestra1992EMICDC 7 54803 2
NELSONS, AndrisBoston Symphony Orchestra2017DG483 6728Live(Apr.-May)
PETKOV, DobrinPlovdiv State Philharmony
BalkantonBCA 10212LP
PLETNEV, MikhailRussian National Orchestra1993DG439 892-2
PRÊTRE, GeorgesPhilharmonia Orchestra1963OdeonALP 2009LP
ROZHDESTVENSKY, GennadiGrand Symphony Orchestra of All-Union Radio and Television1972RevelationRV10084Live(11 Apr.), Brilliant-9019
ROZHDESTVENSKY, GennadyLondon Symphony Orchestra1985BBCBBCL 4220-2Live(8 July)
SEAMAN, ChristopherNational Youth Orchestra of Scotland1993nyosNYOS 01
SHOSTAKOVICH, MaximLondon Symphony Orchestra1990Collins11082
SMITH, Lawrence LeightonMoscow Philharmonic Orchestra1986Sheffield LabCD-27
SOKHIEV, TuganOrchestre national du Capitole de Toulouse2010NaïveV5252
SVETLANOV, EvgeniUSSR State Symphony Orchestra1977VictorVIC-2288LP, Melodiya-C10 21717 004(LP)
SVETLANOV, EvgeniState Symphony Orchestra of Russian Federation & Bolshoy Theatre Orchestra Brass Section1992CanyonPCCL-00164
TEMIRKANOV, YuriSt. Petersburg Philharmonic Orchestra1996RCA09026 68844 2
TJEKNAVORIAN, LorisArmenian Philharmonic Orchestra
ASVCD QS 6180
WILLIAMS, JohnBoston Pops Orchestra1996Sony ClassicalSRCS 8009
【編曲】
BOYD, JohnPhilharmonia à Vent1998ELFELFCD 1003Arr. by Donald Hunsberger
HUNSBERGER, DonaldEastman Wind Ensemble1990Sony ClassicalSRCR 8840Live(June), Arr. by Donald Hunsberger
JENSEN, JørgenDanish Concert Band1985Rondo GrammofonRLP 8313LP, Arr. by Donald Hunsberger
MØLLER, HerbertHjørring Brass Band1985Rondo GrammofonRLP 8317LP, Arr. by Peter Kitson
NOBLE, WestonLuther College Concert Band
Franco ColomboBP-102Arr. by Donald Hunsberger
NOZY, NorbertSymphonic Band of the Belgian Guides
René GaillyCD87 105Arr. by Donald Hunsberger
PANDOLFI, NedoWaterford High School, Waterford, Connecticut1985Custom Recording by John BrooksJB8559Live(7-9 Mar.), LP, Arr. for Wind Band.
EMPIRE BRASS1992TelarcCD-80305Arr. by S. Pilafian
MASHIKO, Tetsu & NISHIHARA, Masaki (Pf)2006JASRACR0681077CD-R, Live(10 June), Arr. for 2 pianos.

秋山和慶/中部フィルハーモニー交響楽団
時間不詳
中部フィルハーモニー交響楽団の創立20周年記念コンサートにおける演奏。非常に折り目正しい演奏で、隅々まで神経の行き届いていることがよく分かり、好感が持てる。ただ、安全運転で小ぢんまりとまとめられている感は否めず、物足りない。
K. Ancerl/Czech Philharmonic Orchestra
5'50" 
肩肘張らない、自然体でスマートにまとめた秀演。全ての旋律が無理なく伸びやかに歌われ、リズムの魅力が素直に表出されている。大見得を切るような部分は皆無だが、こうした端正なまとめ方でもこの曲の魅力を引き出すことができるという好例である。
V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
5'51" 
一聴すると、清潔で整った演奏のように聴こえるが、これは単に録音が良いのと西側の(そこそこの技量を持った)オーケストラだというだけのこと。管楽器のバランスを聴いただけで指揮者のコントロールが行き届いていないのがよく分かるし、弦楽器の細かいパッセージも気がを抜いているのか、非常に雑である。ホルンの汚い音色にも我慢できない。
V. Ashkenazy/Philharmonia Orchestra
5'44" 
演奏から受ける印象は、旧盤とほとんど変化していない。テンポの微妙な乱れというかリズムの不安定感に、相変わらずアシュケナージのバトンテクニック上の問題をかいま見ることができる。オーケストラは確かにソツなくこなしているが、それだけに何の個性も感じられない仕上がり。録音は少々人工臭がきついものの、優れている。
E. Bátiz/Orquesta Sinfónica del Estado de México
10'31" 
爆演の雰囲気は強いが、演奏自体はむしろ真面目で端正なもの。これは、音にエネルギーが感じられない録音の影響があるのかもしれない。バンダ無しの演奏。
A. Davison/National Youth Orchestra of Wales
時間不詳
残念ながらユース・オーケストラの活動記録という以上の価値が見出せない。1970年頃の技術水準としては平均的なのかもしれないが、粗さばかりが耳につく。アンサンブル上の配慮からか非常に遅いテンポが採られているが、これではまるで違う曲である。
J. DePreist/Helsinki Philharmonic Orchestra
6'17" 
無理のない自然な流れを持った爽やかな演奏。丁寧な仕上がりなのだが、やや締まりのないところが気になる。嫌味は全くない。録音は素晴らしい。
J. DePreist/Malmö Symphony Orchestra
6'07" 
よく整えられていて好感は持てるのだが、オーケストラの音に今一つ力がない。端正に微笑むような演奏と言えるだろうが、この曲の魅力を表出しきるところまでは達していない。
P. Entremont/Shenzhen Symphony Orchestra
6'27" 
オーケストラは、弦楽器に洗練されていない響きが散見されるものの、技術面で目くじらを立てるほどではない程度の水準には達している。音色にこれといった個性がある訳ではないが、特に管楽器のアンサンブルは整っているので、安心して聴き通すことができる。アントルモンの解釈も、隅々まで均質に整えることに注力しているようで、和声の効果的な強調などとは無縁の演奏である。テンポ設定も中庸であり、こういう演奏を聴くと、ショスタコーヴィチが完全にクラシカルな作曲家として受容されるようになったことを痛感させられる。
A. Fiedler/Boston Pops Orchestra
5'32" 
全体に音が軽め(特にトランペット)なことに不満が残るが、技術的な問題は大体クリアしている。こういう軽快な演奏も悪くはないが、コーダでバンダが加わらないことが致命的な欠点。様々な事情があったのだろうが、録音する以上は最低楽譜に書いてある楽器程度は用意すべきだろう。
A. Gauk/State Radio Orchestra of the USSR
5'37" 
細かいアンサンブルには粗い部分も多いのだが、一本筋の通った緊張感が保たれているため、乱れというものは全く感じられない。終始早目のテンポでグイグイとおしていく疾走感が心地よい。残念ながら録音が悪いので、コーダでのバンダのパワーは捉えられていない。
A. Gibson/Scottish National Orchestra
時間不詳
雰囲気は悪くない。技術的には大いに不満が残るものの、それなりに楽しく聴ける。
M. Gould/London Symphony Orchestra
5'53" 
これといった個性は感じられないものの、端正かつ真摯にまとめられた好演。もちろん、これを“退屈”と感じる聴き手も多いだろうが、むやみやたらと勢いに任せる演奏よりははるかにマシ。
V. Handley/BBC Philharmonic Orchestra
5'52" 
ここまで清澄な演奏は珍しい。オーケストラの技量はあまり高くないが、決して無理することなく伸び伸びと旋律を歌っているのが好ましい。ロシアのアクの強い響きを求める向きには薦められないが、僕は好みのタイプではないもかかわらず、結構感心しました。
M. Jansons/BBC Welsh Symphony Orchestra
時間不詳
イギリスのオーケストラから、的確にロシアの響きを引き出している。テンポ設定もごく自然なもので、オーケストラが無理なくのびのびと歌っている様子が見て取れる。オーケストラの技術が若干粗いことを除けば、模範的な演奏。
N. Järvi/Scottish National Orchestra
5'52" 
テンポ、雰囲気、強烈な音色、いずれも素晴らしい。アンサンブルは結構雑なのだが、曲のもつ勢いを自然に生かすことで、優れた演奏となっている。
V. Jordania/Russian Federal Orchestra
5'56" 
素直な音楽作りが心地よい。技術的な精度はそれほど高くないが、十分に楽しめる。
A. Kostekanetz/Columbia Symphony Orchestra
6'28" 
練習番号3〜4と26〜33にカット有り。バンダを使わないための策なのだろうが、これではまともな鑑賞には向かない。アンサンブルは粗いものの、雰囲気は悪くないだけのもったいない。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
5'46" 
勢いと雰囲気は悪くないが、全体にまとまりを欠く。
E. Kunzel/Cincinnati Pops Orchestra
6'28" 
オーケストラの技量を考え、決して無理しないテンポで丁寧に演奏した好演。全ての音がきちんと演奏されるだけで十分曲の魅力が引き出されることを再認識させられる。Telarcの優秀な録音がコーダでのスケール感に寄与している。やや人工的な音ではあるが、録音でこの曲を楽しむという観点に立てば、これは非常に立派な演奏だと評価できる。
H. Lantz/Houston All-City Symphony Orchestra
時間不詳
ヒューストン市の学生選抜オーケストラが1967年にメキシコ・ツアーをした時の記念アルバム。恐らくは公演時のライヴ録音なのだろう。率直に言って、時代も国も違う、縁もゆかりもない聴き手にとっては、演奏技術のみならず音楽的な水準においても一般的な聴取に耐えるものではない。
H. Lantz/Houston All-City Symphony Orchestra
時間不詳
ヒューストン市の学生選抜オーケストラが1969年にイングランド・ウェールズ・ツアーをした時の記念アルバム。内容は1967年盤 と同様。
A. Litton/London Philharmonic Orchestra
5'50" 
ソツのない、きれいな演奏。今一つ音に締まりがなく、物足りない。
A. Litton/Dallas Symphony Orchestra
6'05" 
きれいにまとめられた演奏。可もなければ不可もなし、という感じ。十分楽しめるが、何か物足りなさを感じるのもまた事実。
C. Lyndon-Gee/New Zaeland Symphony Orchestra
5'57" 
丁寧に演奏されてはいるのだが、音もリズムも軽すぎる。技術的な問題はないが、これといった魅力もない。
C. Mackerras/Royal Philharmonic Orchestra
5'50" 
非常に端正な演奏。すみずみまで丁寧に仕上げられていて、模範的な美演となっている。ロシア風の荒々しさは全くないものの、こういう爽やかな響きも悪くない。
A. Melik-Pashaev/Bolshoi Theatre Orchestra
5'50" 
初演コンビによる録音。主部の技術的に無理のないゆったりとしたテンポは、この曲が“序曲”であることを再認識させてくれるような独特の大らかな雰囲気を醸し出している。オーケストラの技量は残念ながら低く、139小節のホルン・ソロなどは高い音が吹けないほどだが、勢い一辺倒で演奏されがちなこの曲を見直すためにも、一聴の価値は十分にある。ただし、録音は極めて悪い。
E. Mravinsky/Leningrad Philharmonic Orchestra
5'45" 
演奏記録を見る限りでは、この曲をレニングラード・フィルとの実演で取り上げたのはたったの2回であり、そのうちの1回を収録した貴重な録音。ただし録音状態はかなり悪く、最後の拍手も後から合成したもののような感じを受ける。しかし演奏内容は、非常に早いテンポに貫かれた、いかにもムラヴィーンスキイらしい演奏である。非常に劇的な曲だけに、多くの演奏ではリズムや細部に雑なところが散見されることもあるが、さすがはムラヴィーンスキイ。出だしの3連譜の完璧な合い方など、よほど厳しい練習を積んだのではないかと想像される。弦楽器のメロディーをテヌート気味に歌わせているのが特徴的であるが、この極度に暴力的でなおかつ異様に緻密で整ったアンサンブル(練習番号18のピッチカートなど)には、第10交響曲の2楽章に通じる雰囲気すら感じられる。この曲でそうした深淵を覗かせてくれるのは、ムラヴィーンスキイをおいて他にはいない。
R. Muti/Philadelphia Orchestra
6'20" 
出だしの柔らかく美しいトランペットが印象的。全体を通してその印象が変わることはなく、ひたすら美しい響きとスマートな流れでまとめている。コーダでバンダが入っても決して絶叫することはない。こういう演奏も良い。
A. Nelsons/Boston Symphony Orchestra
6'15" 
極上の響きで、技術上の欠点は皆無。申し分の無い美演ではあるが、この作品はそれだけではつまらない。
D. Petkov/Plovdiv State Philharmony
時間不詳
技術的な問題に起因するリズムの悪さが目立ち、残念ながら十分に楽しむことはできないが、コーダでバンダが加わった時の素朴なオルガンのような響きは実に魅力的である。
M. Pletnev/Russian National Orchestra
5'37" 
オーケストラの高い技量が楽しめる。これだけ早いテンポで一糸乱れぬアンサンブルを実現しているのは素晴らしい。根底に流れているのはロシアの響きだが、洗練された音色を持っているのがこの団体の特徴だろう。レガート主体の歌わせ方が個性的。序奏部練習番号3番の辺りでトランペットのピッチが悪いのが残念。
G. Prêtre/Philharmonia Orchestra
時間不詳
少々荒っぽいものの、雰囲気はよく出た演奏。コーダなどはもっと豪華に鳴らしてもいいような気がするが、一気呵成にあっさりと音楽が流れていくので、人によって好みは分かれるだろう。
G. Rozhdestvensky/Grand Symphony Orchestra of All-Union Radio and Television
5'53" 
この曲には、こういう爆裂型の演奏がふさわしい。もちろん、アンサンブルも整っており、曲の造形もしっかりしている。それに加えて、どこか自制心を失ったような響きがあることで、魅力的な演奏に仕上がっている。
G. Rozhdestvensky/London Symphony Orchestra
5'57" 
大柄でありながらも整然とした余裕を感じさせる秀演である。力任せではないのに、華やかな響きはロジデーストヴェンスキイの真骨頂。
C. Seaman/National Youth Orchestra of Scotland
6'02" 
ユース・オーケストラである以上、技術的に物足りないのは仕方ないところだが、音楽のテンションが持続せずに、あちこちで弛緩してしまうのには感心しない。冒頭のファンファーレはそれなりに輝かしい響きがしているものの(音程は悪い)、主部に入ってからは、特に弱奏の部分で音楽の流れまで失われてしまう。
M. Shostakovich/London Symphony Orchestra
5'33" 
トランペットの音程が気になるところも若干あるが、まずは安定した標準的な演奏といえるだろう。取り立てて個性的なところもなく、スコアを自然に音にしたという印象を受ける。数ある録音の中から敢えてこの演奏を選び出すことはないだろうが、これを聴いてことさらに不満を覚えることもないだろう、といった感じ。
L. L. Smith/Moscow Philharmonic Orchestra
6'16" 
いかにもロシアのオーケストラという響きがしているのは嬉しいが、妙に粘ったテンポと歌い回しが音楽の流れを妨げている。弱音部もただ極端に弱くしているだけなので、強奏部とのバランスが悪い。最終音で(おそらく3番トランペット)間違ってE音が出ているのもライヴ録音ではないので解せない。
T. Sokhiev/Orchestre national du Capitole de Toulouse
時間不詳
スマートな演奏で、卓越したリズム感に導かれる淀みのない音楽の流れの中に、刺激的な咆哮や甘美な歌が効果的に散りばめられた、有無を言わさず聴き手を熱狂させる仕上がりである。現代風に洗練されたカラヤン、といった雰囲気で、とにかく格好良い理想的な演奏である。敢えて不満を言うならば、オーケストラの響きにロシア色が感じられないことくらいか。これも私個人の趣味の問題で、演奏の価値を損なうものではない。
E. Svetlanov/USSR State Symphony Orchestra
5'54" 
序奏部の重厚なテンポと、主部の超快速テンポとのバランスが良い。当然のように細かいアラがないわけではないが、理想的な各楽器の音色(特に弦楽器と金管楽器)と淀みのない音楽の勢いが卓越しているため、全く気にならない。コーダでバンダが加わる部分の録音はお世辞にも良いとはいえないが、演奏自体は素晴らしい高揚感を持った非常に優れたものである。
E. Svetlanov/State Symphony Orchestra of Russian Federation & Bolshoy Theatre Orchestra Brass Section
6'32" 
旧盤に比べるとテンポが遅くなって、全体に整然としたまとまりが感じられる。伸びやかな歌と壮麗な音響に満ちた演奏で、この曲の魅力を素直に表出している。録音も非常に優秀で、コーダの華麗な響きも十分に楽しむことができる。
Y. Temirkanov/St. Petersburg Philharmonic Orchestra
5'21" 
かなり早いテンポでスマートにまとめた演奏。響きも洗練されていて、軽量級の演奏に仕上がっている。肩の力が抜けた気楽さは悪くないが、全体に集中力が欠けている感じがするのは気になる。オーケストラの完成度はあまり高くなく、アンサンブルは精緻とは言い難い。
L. Tjeknavorian/Armenian Philharmonic Orchestra
5'38" 
新鮮な感覚で、丁寧に演奏しているのがなかなか良い。模範的な演奏ではあるが、オーケストラの技術が少し弱いため聴き劣りするのが残念。
J. Williams/Boston Pops Orchestra
6'19" 
基本的にカンゼル盤と似たような解釈だが、木管の魅力はこちらの方が上回っている。一方、弦楽器が冴えないのは録音のせいもあるだろう。ただ、練習番号30に突入する部分で楽譜にないリタルダンドをかけたり、コーダの374小節で打楽器にしかないpの指定を全体に適用したりなど、特に後半で望ましくない解釈がなされている。
J. Boyd/Philharmonia à Vent
6'20" 
吹奏楽の安っぽい響きしか耳に残らない、酷い演奏。録音のせいもあるのだろうが、今時の日本の中学生の方が余程良い演奏をする。
D. Hunsberger/Eastman Wind Ensemble
6'06" 
吹奏楽用の編曲者自身による初録音で、大阪ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ録音である。細かいアンサンブルの乱れもあるが、技術的には大変立派な出来である。しかし、この編成ではどうしても響きが安っぽくなる欠点を逃れ得ていない。序奏やコーダは雰囲気が出ているだけに惜しい。
J. Jensen/Danish Concert Band
6'06" 
吹奏楽に感じることが多いサウンド上の不満は、一切感じない。ホルンが非力で不安定という弱点はあるものの、清涼感のある響きで清潔にまとめられた祝典序曲は、この編曲の最も優れた演奏である。
H. Møller/Hjørring Brass Band
6'49" 
技術水準にかなりの物足りなさがあり、編曲の良し悪しなどを論ずるレヴェルに達していない。
W. Noble/Luther College Concert Band
時間不詳
技術的な精度は、残念ながら冴えない。音楽的にも踏み込んだ表現などはなく、堅実な安全運転。模範的な模範演奏、といった印象である。
N. Nozy/Symphonic Band of the Belgian Guides
5'46" 
残響の多い録音や木管の人数なども影響しているのだろうが、非常に原曲に近い豊かな響きが実現されている。このような演奏だと、管楽器だけによる柔らかい響きの良さが強く感じられる。この編成では最良の録音の一つだろう。ただ、序奏から主部に入るところのテンポ変化は奇妙である。
N. Pandolfi/Waterford High School, Waterford, Connecticut
時間不詳
複数の高校から選抜されたメンバーによる演奏。さすがに、プロの演奏と比較するわけにはいかない。ゆったりとしたテンポをとっただけに、余計技術的なアラが露呈している。
Empire Brass
6'34" 
金管五重奏(+トランペット1本)による演奏。大編成による録音と同じ次元で論じるわけにはいかないが、この技術の冴えは素晴らしい。曲よりも演奏を楽しむべき録音だろう。
益子徹 & 西原昌樹 (Pf)
6'55" 
ショスタコーヴィチ自身による編曲と表記されているが、疑問が残る。演奏に関しては、申し訳ないが、内容を云々するような仕上がりではない。

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ロシアとキルギスの民謡による序曲 作品115

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BÁTIZ, EnriqueRoyal Philharmonic Orchestra1990ASVCD DCA 707
HAITINK, BernardConcertgebouw Orchestra, Amsterdam1982LondonPOCL-9255/66
JÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Orchestra1988DGF00G 20441
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine2004Brilliant6735Brilliant-8128
LEUNG, JacksonBohuslav Martinů Philharmonic Orchestra2005CentaurCRC 2799
SHOSTAKOVICH, MaximMoscow Radio Symphony Orchestra1971AngelSR-40192LP, Praga-PR 250 040(Kiril Kondrashin)
SHIOZAWA, YasuhikoTokyo Kosei Wind Orchestra1991SonySRCR 9892Arr. by G. Duker

E. Bátiz/Royal Philharmonic Orchestra
10'25" 
主部の中間辺りで、何も考えずに力で押しまくっている感じが、なぜか心地好い。金管楽器と打楽器を強調して盛り上げる、安直な解釈ではあるが、それなりに相応しい響きを引き出している。ただ、序奏部の弛緩したテンポと、コーダの直前でどこか気の抜けた感じがするのは残念。
B. Haitink/Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
9'41" 
非常に真面目な演奏。錯綜するリズムの取り扱いなどにハイティンクの巧さが光るが、断片毎の繋がりが悪いために曲の大きな流れが表出されていないのが残念。音色も平均的に整えられ過ぎており、輝かしさや刺激に乏しい。
N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra
9'58" 
手堅くまとめられているが、大変退屈。曲に対する共感のようなものが全く感じられない。もともと地味な音色のオーケストラである上に、技術的に余裕がないために響きに精彩を欠くのが残念。フォーカスの甘い録音も、この傾向に拍車をかけている。せめて覇気だけでもあれば良かったのだが…。ヤルヴィの良くない面が前面に出た演奏。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
9'19" 
録音のせいかもしれないが、響きが整理されてなく、雑然とした印象。力強さにも欠ける。
J. Leung/Bohuslav Martinů Philharmonic Orchestra
10'05" 
技術的には中の上といった感じの仕上がり。民謡主題の歌いまわしに加えて、主部に入ってからのリズムのノリに不満が残る。
M. Shostakovich/Moscow Radio Symphony Orchestra
9'12" 
細かな瑕(最も大きなものは、42小節でホルンの入りが遅れたために、45小節でフルートだけが2拍飛び出している)はいくつか見受けられるが、全体の刺激的な響き、勢いに満ちたリズム、適切なテンポが素晴らしく、雰囲気豊かな名演に仕上がっている。録音のために強奏部が歪むのが残念だが、他の演奏とはその質において比較にならない。各旋律の処理やリズムの扱い等には結構単調さも見えるが、曲の規模から考えると全体の流れの良さを評価すべきだろう。何より、典型的なロシアの響きであることが嬉しい。
※Pragaレーベルから発売されているキリル・コンドラーシンのライヴ録音は、この演奏をLPから盤起こしして拍手を後から付け加えたものである。
汐澤安彦/東京佼成ウインドオーケストラ
9'53" 
編曲者のデュッカーは元イリノイ大学の教師で、イリノイ大学バンドの創立100周年を記念してこの吹奏楽用編曲を行った。編曲は、原曲で弦楽器が担当している部分の音の薄さが最悪。ほぼ原曲通りの金管楽器の強奏が非常に間抜けに聴こえる。曲の構成を全く理解していない演奏がそれに拍車をかけている。これだとただ単に色々な旋律が並列されているだけの曲にしか聴こえない。リズムの処理も極めてアバウトで、不満が残る。

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交響的哀悼前奏曲 作品130

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirRoyal Philharmonic Orchestra1992Decca436 763-2
ROZHDESTVENSKY, GennadyMoscow Radio Symphony Orchestra1967Brilliant9019

V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
2'43" 
不満は全くない。欲を言えば、ロシアン・ブラスのアクの強い音色が全開になった演奏を聴きたいところだが、この演奏頻度の極めて低い曲をこれだけ整った演奏で聴ける意義の方が上回る。
G. Rozhdestvensky/Moscow Radio Symphony Orchestra
2'34" 
Chandos社のDVD/CD-ROMに収録されていた音源と同一のもの。ジャケットに表記されている録音データが正しいとすれば、スターリングラード戦の英雄達を追悼する記念碑の除幕式で用いられた音源そのものということになる。そうした歴史的価値を別にしても、テンポも音色もまさにこうでなければならないという理想が完璧に達成されている。この曲に関しては、本盤さえあれば十分であろう。

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交響詩「十月革命」 作品131

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirRoyal Philharmonic Orchestra1992Decca436 762-2
BÁTIZ, EnriqueRoyal Philharmonic Orchestra1990ASVCD DCA 707
DUDAROVA, VeronikaMoscow Symphony Orchestra1982OlympiaOCD 201
HIROKAMI, Jun'ichiNorrköping Symphony Orchestra1993Fun HouseFHCE-2014
JÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Orchestra1988DGF00G 20441
KONDRASHIN, KirillMoscow Philharmonic Symphony Orchestra1967MelodiyaMEL CD 10 01065Live
KOSLER, ZdenekPrague Radio Symphony Orchestra1977PragaPR 254 055
MURAKAWA, ChiakiTokyo Ro-on Symphony Orchestra1971Asia RecordLM 3676LP, Live(14 or 15 Dec.).
NOSEDA, GianandreaBBC Philharmonic2005ChandosCHAN 10358
SCHWARZ, GerardSeattle Symphony2000Naxos8.557812

V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
12'36" 
空虚な演奏。高弦と低弦とのアンサンブルは全く合っていないが、それを管楽器のバランスを(録音上)強くすることでごまかしているのは、プロとして何とも情けない。楽譜に書いてあるアクセントのニュアンスがどうとかいう高級な次元で批評するには値しない。世界初録音だとでもいうのであればそれなりに評価できるのだろうが、他に複数録音が存在していることを考えると、もう少し考えて演奏して欲しいところだ。
E. Bátiz/Royal Philharmonic Orchestra
15'43" 
この指揮者らしからぬ、退屈な凡演。ゆったりとしたテンポの割にアンサンブルは乱れるし、全楽器が強奏している中でティンパニだけが異様に低いテンションなのも気になる。盛り上がりが空々しいのは解釈なのかもしれないが、ショスタコーヴィチのオーケストレイションの魅力まで損なっているのはいただけない。
V. Dudarova/Moscow Symphony Orchestra
14'00" 
それなりに雰囲気が出ていて悪くないのだが、リズムが若干不安定で、指揮がオーケストラを把握しきれていないように聴こえる。オーケストラは特別巧いわけではないものの、それなりの響きを出しているだけに惜しい。ただ、全体に細かいニュアンスには不足している。
広上淳一/Norrköping Symphony Orchestra
12'52" 
荒々しい力強さには欠けるが、過不足なくきれいに仕上げた好演。自然な音楽の流れが素晴らしい。素朴な高揚感もあり、この曲の真価を適正に伝える演奏と言えよう。
N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra
12'28" 
ソツのない手堅い演奏。録音等で耳にする機会の少ない曲だけに、こういうアプローチは逆に好ましい。テンポも妥当なものだし、オーケストラも(細部ではアラが見えるが)健闘している。これでさらに余裕があれば、もっと大きな音楽の流れが表出され、格調高い演奏になったことだろう。
K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra
12'43" 
スタイリッシュにさりげなく始まる冒頭から、どこかゴツゴツした感触の響きが印象的である。コンドラーシンの手堅い音楽作りは、この作品にもショスタコーヴィチらしい職人的な構成美があったことを思い出させてくれる。闇から勝利へ向かうドラマトゥルギーの設計も万全で、凄まじいまでのコーダに必然性すら感じられる辺りは、コンドラーシンの本領発揮といったところ。コーダではアンサンブルが乱れまくり、小太鼓はバランスを逸してやみくもな打撃音を轟かせている(録音技術上の問題も大きいのだろうが)といった感じで、ライヴゆえの荒っぽさが気にならなくもないが、この作品の精神をこれほどまでに伝えてくれる演奏は、少なくとも今の時点ではないし、今後現れる可能性も高くはないだろう。
Z. Kosler/Prague Radio Symphony Orchestra
12'30" 
雰囲気は悪くないのだが、勢いに任せてただ弾いただけといった感じが強い。同じような節が繰り返される楽想も影響して、聴いていて少し退屈する。オーケストラも今一つアカ抜けない。
村川千秋/東京労音交響楽団
時間不詳
東京労音交響楽団はアマチュアの団体だが、本作品の日本初演の記録である。録音状態は商用録音の水準には達しておらず、オーケストラの技術水準もプロの演奏と比較はできないが、舞台上の高揚感は伝わってくる。
G. Noseda/BBC Philharmonic
13'21" 
余裕を持った温かみのあるオーケストラの音が魅力的で、スケールの大きな落ち着いた音楽ながら高揚感にも不足しない秀演。
G. Schwarz/Seattle Symphony
13'10" 
伸び伸びと歌い上げた演奏は、スケール感にも不足していない。地味な響きではあるが、アクが強くない分、聴きやすさも増している。

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ソヴィエト民警行進曲 作品139

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ROZHDESTVENSKY, GennadyStockholm Concert Band1995ChandosCHAN 9444
TIEN, ArjanMarine Band of the Royal Netherlands Navy2018Channel ClassicsCCS 40818

G. Rozhdestvensky/Stockholm Concert Band
1'29" 
極めて珍しい録音。主部の音形に苦しんでいる様子が聴いてとれるが、この曲を耳にできる価値は大きい。
A. Tien/Marine Band of the Royal Netherlands Navy
1'31" 
まろやかで気品のあるサウンドに耳を奪われる。柔らかな高級感が卓越しているが、これをどう捉えるかは聴き手の趣味次第だろう。

交響的断章(未完)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
FITZ-GERALD, MarkPolish National Radio Symphony Orchestra2008Naxos8.572138

M. Fitz-Gerald/Polish National Radio Symphony Orchestra
6'42" 
交響曲第9番として書き始められたものだとされる、未完の断片である。第4番の世界を第8番の響きで表出したような、とにかく暴力的なまでの推進力が印象的な作品である。テンションの高い演奏は、若干の乱れがないわけではないものの、この作品が未完に終わったことを聴き手に惜しませるに十分なもの。

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Last Modified 2024.03.28

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