ENGLISH


交響曲第14番 作品135

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。指揮者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、*印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

ソプラノバス指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
VISHNEVSKAYA, GalinaRESHETIN, MarkBARSHAI, RudolfMoscow Chamber Orchestra1969Russian DiscRD CD 11 192Live(6 Oct.). Venezia-CDVE 04256, Brilliant-9010*****
MIROSHINIKOVA, MargaritaVLADIMIROV, EvgeniBARSHAI, RudolfMoscow Chamber Orchestra1970VictorVICC-2117Victor-VIC-5006(LP)*****
KASRASHVILI, MakvalaNESTERENKO, EvgeniBARSHAI, RudolfMoscow Chamber Orchestra1975Tokyo FMTFMC-0038Live(16 May).*****
SIMONI, AllaVANEEV, VladimirBARSHAI, RudolfWDR Sinfonieorchester2000Brilliant6324Brilliant-8128*****
KUBIAK, TeresaBUSHKIN, IsserBERNSTEIN, LeonardNew York Philharmonic1976SONYSMK 47617
****
CAHILL, TeresaFISCHER-DIESKAU, DietrichBERTINI, LeonardKölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester1988AltusALT162Live(8 Feb.). Sung in original languages.****
VISHNEVSKAYA, GalinaREZHETIN, MarkBRITTEN, BenjaminEnglish Chamber Orchestra1970BBCBBCB 8013-2Live(14 June)****
POPLAVSKAYA, MarinaDAVIDOV, MikhailCAETANI, OlegOrchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi2006Arts47723-8SACD, Live(June)****
HARTWIG, HildegardMEVEN, PeterCHUNG, Myung-WhunRundfunk-Sinfonieorchester Saarbrücken
KochCD 311033 F1Sung in German.****
KORPACHEVA, JuliaMIGNOV, PetrCURRENTZIS, TeodorMusicAeterna2009AlphaALPHA 159
*****
DOLUKHANOVA, ZaraNESTERENKO, EvgeniGOZMAN, LazarLeningrad Chamber Orchestra1976MelodiyaC10-07673-4LP****
VARADY, JuliaFISCHER-DIESKAU, DietrichHAITINK, BernardConcertgebouw Orchestra, Amsterdam1980LondonPOCL-9255/66Sung in original languages.*****
BERNARD, Marie-StéphanePEINTRE, LionelHAYRABEDIAN, RolandMusicatreize1996Opus 111OPS 30-165Sung in original languages.***
PROKINA, ElenaALEKSASHKIN, SergeiINBAL, EliahuWiener Symphoniker1993DenonCOCO-78821
****
GOGOLEWSKAJA, LarissaALEKSASHKIN, SergeiJANSONS, MarissSymphonieorchester des Bayerischen Rundfunks2005EMI0946 3 56830 2 8
****
KAZARNOVSKAYA, LjubaLEIFERKUS, SergeiJÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Orchestra1992DG437 785-2
****
MONOGAROVA, TatianaLEIFERKUS, SergeiJUROWSKI, VladimirLondon Philharmonic Orchestra2006London Philharmonic OrchestraLPO-0028Live(18 Feb.)***
PETRESCU, EmilliaTESCHLER, FredKEGEL, HerbertRundfunk-Sinfonieorchester Leipzig1972WeitblickSSS0040-2Live(28 Mar.), Sung in German.****
SHAGUCH, MarinaKOTCHINIAN, ArutjunKITAENKO, DmitriGürzenich-Orchester Köln2003Capriccio71 029SACD****
TAMAR, IanoSHTONDA, TarasKOFMAN, RomanBeethoven Orchestra Bonn2004MDG937 1211-6SACD****
TSOLOVALNIK, EvgeniyaNESTERENKO, EvgeniKONDRASHIN, KirilMoscow Philharmonic Symphony Orchestra1974VictorVICC-40094/103Melodiya-MEL CD 10 01065*****
KORPACHEVA, YuliaKUZNETSOV, FyodorKREMER, GidonKremerata Baltica2004ECM2024Live(Nov.)****
KASRASHVILI, MakvalaKRUTIKOV, MikhailLAZAREV, AlexanderOrchestre de Chambre de Lausanne1990VirginVC 7 91434-2
****
CURTIN, PhyllisESTES, SimonORMANDY, EugenePhiladelphia Orchestra1971RCACRL3-1284LP. RCA-BVCC-38299*****
MATTILA, KaritaQUASTHOFF, ThomasRATTLE, SimonBerliner Philharmoniker2005EMI0946 3 58077 2 1Live(16-19 Sept.)****
VISHNEVSKAYA, GalinaRESHETIN, MarkROSTROPOVICH, MstislavMoscow Philharmonic Symphony Orchestra Soloists' Ensemble1973MelodiyaSUCD 10-00241
*****
VISHNEVSKAYA, GalinaRESHETIN, MarkROSTROPOVICH, MstislavMoscow Chamber Orchestra1973RevelationRV10101Live(12 Feb.). Venezia-CDVE 04283*****
KASRASHUBILI, MakuaraSAFIULIN, AnatolyROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra1985VictorVICC-40001/11Melodiya-MCD182, BMG-74321 59057 2, Melodiya-MCD 008(9th mov. only.)****
SHAGUCH, MarinaRYSSOV, MikhailSHOSTAKOVICH, MaximPrague Symphony Orchestra1999SupraphonSU 3890-2Live(7-8 Dec.)***
HAJÓSSYOVÁ, MagdalénaMIKULÁS, PeterSLOVÁK, LadislavCzech-Slovak Radio Symphony Orchestra1991Naxos8.550631
****
HAVERINEN, MargaretaSALOMAA, PetteriSWENSEN, JosephTapiola Symphonietta1994OndineODE 845-2Sung in original languages.*****
HOLLEQUE, ElizabethSTOROJEV, NikitaTUROVSKY, YuliI Musici de Montreal1988ChandosCHAN 8607
****
RODGERS, JoanTOMLINSON, JohnWIGGLESWORTH, MarkBBC National Orchestra of Wales1999BISBIS-CD-1173
***

G. Vishnevskaya, M. Reshetin, R. Barshai/Moscow Chamber Orchestra
第1楽章: 4'21"
第2楽章: 2'18"
第3楽章: 7'35"
第4楽章: 6'27"
第5楽章: 2'45"
第6楽章: 1'47"
第7楽章: 8'37"
第8楽章: 1'50"
第9楽章: 4'03"
第10楽章: 4'39"
第11楽章: 1'34"
モスクワ初演時のライヴ録音。第4楽章の入りをヴィシネーフスカヤが間違っているなど、些細な(ショスタコーヴィチにとっては大問題だったようだが…)瑕はあるものの、モスクワ室内Oの驚異的な合奏力には言葉もない。特に、第2楽章や第3楽章に象徴されるような尋常ならざる突進は、他の演奏では聴くことができない。録音条件など不満がないわけではないのだが、それをはるかに超越する音楽の力がある。ショスタコーヴィチ・ファンならば必聴の一枚。なお、一番最後に打楽器が付加されているが、これがバルシャーイの提案に応じてショスタコーヴィチが渋々用意した別稿なのだろうか?興味深い。
M. Miroshinikova, E. Vladimirov, R. Barshai/Moscow Chamber Orchestra
第1楽章: 4'22"
第2楽章: 2'30"
第3楽章: 8'08"
第4楽章: 6'45"
第5楽章: 2'53"
第6楽章: 1'49"
第7楽章: 8'41"
第8楽章: 1'59"
第9楽章: 4'08"
第10楽章: 4'31"
第11楽章: 1'21"
初演コンビによる、最高の名演。凄惨でありながら官能的という、この曲の持つ複雑な響きを余すところなく表現しきっている。研ぎ澄まされたアンサンブルが醸し出す尋常ならざる緊張感も素晴らしい。歌手、オーケストラ共に冷ややかな感触を持つ音色も、非常に適切。テンポや解釈についても、これ以外に考えられないという説得力に満ちている。技術的な完成度も全く文句なし。完璧である。
M. Kasrashvili, E. Nesterenko, R. Barshai/Moscow Chamber Orchestra
第1楽章: 3'45"
第2楽章: 2'31"
第3楽章: 7'48"
第4楽章: 6'13"
第5楽章: 2'50"
第6楽章: 1'43"
第7楽章: 7'37"
第8楽章: 1'57"
第9楽章: 3'44"
第10楽章: 4'09"
第11楽章: 1'41"
ライヴゆえの瑕は散見されるが、スコアを見ながら仔細に聴くのでなければ、それほど気にはならない。バルシャーイの基本的な解釈は初演時から変わっていないものの、全体に角が取れて、いかにもレパートリー然とした余裕のある落ち着いた仕上がりには、好みが分かれるかもしれない。もちろん、モスクワCOの鋭利な響きと卓越したアンサンブルの精度は、全曲通じて堪能することができる。歌手は2人とも、当時はまだ若手だったこともあってか、安全運転に終始している感は否めないが、声そのものの魅力で無難にまとめている。
A. Simoni, V. Vaneev, R. Barshai/WDR Sinfonieorchester
第1楽章: 4'23"
第2楽章: 2'50"
第3楽章: 8'00"
第4楽章: 6'13"
第5楽章: 2'59"
第6楽章: 1'32"
第7楽章: 8'20"
第8楽章: 2'07"
第9楽章: 3'44"
第10楽章: 4'23"
第11楽章: 1'04"
引き締まったアンサンブル(オーケストラの力量のせいか若干乱れもあるが)と、確信に満ちた作品解釈が光る好演。過剰に色づけをすることなく、忠実に楽譜を再現することでこの作品の持つ異様な雰囲気を描き出しているのは、実に素晴らしい。切れ味はモスクワ室内管と比べるわけにはいかないが、淡々とした音楽の運びと相まって独特の暖かみを感じさせているのは面白い。
T. Kubiak, Bushkin, L. Bernstein/New York Philharmonic
第1楽章: 5'22"
第2楽章: 2'52"
第3楽章: 7'47"
第4楽章: 7'10"
第5楽章: 3'12"
第6楽章: 2'10"
第7楽章: 9'36"
第8楽章: 2'14"
第9楽章: 4'56"
第10楽章: 5'22"
第11楽章: 1'11"
よくまとまった演奏。技術的な不満は感じない。よく言えば人間的な温かみを湛えた演奏といえるのだろうが、この曲の持つ透徹した緊張感には欠ける。和声の処理やリズムのキレに、ショスタコーヴィチというよりはバーンスタインを強く感じる。聴き手によって好き嫌いははっきり分かれるだろう。
T. Cahill, D. Fischer-Dieskau, L. Bertini/Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester
第1楽章: 5'10"
第2楽章: 2'58"
第3楽章: 9'02"
第4楽章: 7'53"
第5楽章: 2'54"
第6楽章: 2'09"
第7楽章: 9'27"
第8楽章: 2'08"
第9楽章: 4'43"
第10楽章: 6'14"
第11楽章: 1'02"
ロシア語ではない「原語」での歌唱で、言葉の響きに大きな違和感があることは否めない。どこか柔らかく漂うような歌の響きは、ふくよかで官能的なオーケストラの響きと渾然一体となって、陶然とした印象を生み出している。男声がバスではなくバリトンであることも影響しているのかもしれない。個性的な解釈の部類に入るだろうが、これがこの作品の一つの側面であることもまた事実。特に第9楽章以降は、たまらなく美しい。
G. Vishnevskaya, M. Rezhetin, B. Britten/English Chamber Orchestra
第1楽章: 5'09"
第2楽章: 2'48"
第3楽章: 8'37"
第4楽章: 6'45"
第5楽章: 3'00"
第6楽章: 1'49"
第7楽章: 9'14"
第8楽章: 2'06"
第9楽章: 4'30"
第10楽章: 5'14"
第11楽章: 1'34"
被献呈者であるブリテンによる演奏ということで期待してしまうが、決して悪くはないものの今一つ冴えない。これはオーケストラの技術的な不安が原因だろう。この難曲に対してビクビクしながら演奏に臨んでいるような感じすらする。音のキレがあまり良くないので、この曲の響きをきちんと再現しているとは言い難い。一方、歌手は抜群。理想的な歌声と確信に満ちた風格ある歌唱で、聴き手を圧倒する。
M. Poplavskaya, M. Davidov, O. Caetani/Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi
第1楽章: 4'00"
第2楽章: 3'16"
第3楽章: 9'01"
第4楽章: 6'12"
第5楽章: 3'09"
第6楽章: 1'50"
第7楽章: 8'38"
第8楽章: 1'59"
第9楽章: 4'03"
第10楽章: 4'01"
第11楽章: 0'56"
とにかく2人の独唱者達の出来が素晴らしい。声質だけではなく、楽曲の雰囲気を適切に捉えた響きの作り方が絶妙である。オーケストラも丁寧な演奏で好感が持てるが、響きが明るすぎるのに違和感が残る。また、どちらかといえば穏やかすら感じさせる音楽も、個人的には物足りない。
H. Hartwig, P. Meven, M. Chung/Rundfunk-Sinfonieorchester Saarbrücken
Total Time: 50'21"
独訳詩による歌唱。手堅くまとめられているものの、(主にオーケストラの責任だろうが)ずいぶんと大人しく表現力に乏しい。とはいえ、冷めた感触は悪くない。
J. Korpacheva, P. Mignov, T. Currentzis/MusicAeterna
第1楽章: 5'14"
第2楽章: 2'40"
第3楽章: 8'35"
第4楽章: 7'56"
第5楽章: 3'09"
第6楽章: 2'07"
第7楽章: 9'22"
第8楽章: 1'55"
第9楽章: 4'45"
第10楽章: 5'18"
第11楽章: 1'14"
ライナーノーツの写真を見ると、古楽器を使用している団体のようだが、ここでは全てを古楽器で演奏しているのではなさそうだ。ただし、控えめなヴィブラートをはじめとして、明らかにモダン楽器の流儀とは異なった風合いを持った響きである。豊饒な響きではないがゆえに、個々の音が持つ鮮烈さが際立つ表現主義的な演奏に仕上がっており、作品の本質に深く合致した音楽が紡ぎ出されている。2人の歌手もオーケストラと一体となって、非常に訴求力のある歌唱を聴かせる。楽曲にのめり込んで同化するようなタイプの熱演とは正反対で、スコアから浮かび上がる多彩な表情を余すところなく自然に、しかし繊細に音化し切った名演である。時代の刻印と無縁のショスタコーヴィチ演奏としては、最上級のものと言ってよい。
Z. Dolukhanova, E. Nesterenko, L. Gozman/Leningrad Chamber Orchestra
Total Time: 48'35"
深くじっくりと作品の響きを引き出した佳演。鋭さはあまり感じられない代わりに、切ないまでの抒情性が際立つ。僕の持つ作品のイメージとはやや距離があるものの、これはこれで立派な演奏である。ドルハーノヴァは少々線の細さが気になるものの、ネステレーンコは貫禄の歌唱。
J. Varady, D. Fischer-Dieskau, B. Haitink/Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
第1楽章: 4'42"
第2楽章: 2'37"
第3楽章: 8'38"
第4楽章: 6'41"
第5楽章: 2'58"
第6楽章: 1'52"
第7楽章: 8'46"
第8楽章: 2'02"
第9楽章: 4'43"
第10楽章: 5'24"
第11楽章: 1'11"
原詩による歌唱。この曲が連作歌曲ではなく、交響曲であることを再認識させるような造形力に満ちた演奏。歌手、指揮者ともに極めて理性的なアプローチで、この難解な大作に挑んでいる。曲に対する深い理解と共感の感じられる優れた演奏だが、やはり歌詞の響きには違和感が残る。
M.-S. Bernard, L. Peintre, R. Hayrabedian/Musicatreize
第1楽章: 5'43"
第2楽章: 2'47"
第3楽章: 8'45"
第4楽章: 6'38"
第5楽章: 2'53"
第6楽章: 2'05"
第7楽章: 8'56"
第8楽章: 1'58"
第9楽章: 4'14"
第10楽章: 5'07"
第11楽章: 1'03"
原詩による歌唱。歌手の声質に全く魅力的はなく、オーケストラも技術的な冴えがない。破綻のない演奏ではあるが、これではこの曲の素晴らしさを味わうことはできない。
E. Prokina, S. Aleksashkin, E. Inbal/Wiener Symphoniker
第1楽章: 4'47"
第2楽章: 2'56"
第3楽章: 8'45"
第4楽章: 6'52"
第5楽章: 3'00"
第6楽章: 2'05"
第7楽章: 10'15"
第8楽章: 2'01"
第9楽章: 4'49"
第10楽章: 4'53"
第11楽章: 1'09"
独唱、オーケストラ共に安定した技術で丁寧な演奏をしているのだが、全くと言って良いほど作品に対する共感が感じられない。インバルの解釈も今一つ焦点が定まっていないようで、単なる音の羅列にしかなっていない。退屈な演奏。
L. Gogolewskaja, S. Aleksashkin, M. Jansons/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
第1楽章: 4'47"
第2楽章: 2'55"
第3楽章: 8'35"
第4楽章: 6'10"
第5楽章: 2'58"
第6楽章: 1'40"
第7楽章: 9'00"
第8楽章: 1'57"
第9楽章: 4'06"
第10楽章: 4'43"
第11楽章: 1'10"
ごくオーソドックスな解釈で、スコアの再現という点では上質の演奏ということができるだろう。ゴーゴレフスカヤが精彩を欠くものの、アレクサーシキンの歌唱は流石に貫禄を感じさせる。しかし、この作品にはもっと鬼気迫る叫びや、凍てつくような静寂、病的な美しさ…といった常軌を逸した表現が必要不可欠のはず。あまりにも常識的な音楽に終始しているこの演奏では、この作品の魅力や凄さを知ることはできない。
L. Kazarnovskaya, S. Leiferkus, N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra
第1楽章: 4'47"
第2楽章: 2'51"
第3楽章: 9'06"
第4楽章: 8'02"
第5楽章: 3'13"
第6楽章: 2'17"
第7楽章: 9'17"
第8楽章: 2'00"
第9楽章: 4'24"
第10楽章: 5'33"
第11楽章: 1'15"
よく整えられているのだが、ただ単に音がきちんと羅列されている以上の印象はない。レイフェルクスの美声はなかなかだが、カザルノフスカヤのまるで鼻唄のようなクセのある歌唱は気に入らない。オーケストラの表現力は不足しており、この作品が本来持っている鋭さや輝かしさ、陰鬱さなどを表現しきれていない。ひたすら魅力のない地味な響きがしている。
T. Monogarova, S. Leiferkus, V. Jurowski/London Philharmonic Orchestra
第1楽章: 4'43"
第2楽章: 2'39"
第3楽章: 7'31"
第4楽章: 6'50"
第5楽章: 2'50"
第6楽章: 2'01"
第7楽章: 8'59"
第8楽章: 1'57"
第9楽章: 3'55"
第10楽章: 4'44"
第11楽章: 1'57"
演奏内容に、特に取り立てて聴くべきものはない。完璧とは言い難いまでも整然としたアンサンブルは、しかし聴き手に何かを表出することはない。
E. Petrescu, F. Teschler, H. Kegel/Rundfunk-Sinfonieorchester Leipzig
第1楽章: 4'28"
第2楽章: 2'48"
第3楽章: 9'05"
第4楽章: 6'57"
第5楽章: 3'02"
第6楽章: 1'36"
第7楽章: 8'33"
第8楽章: 1'50"
第9楽章: 3'56"
第10楽章: 4'33"
第11楽章: 1'21"
透徹した音世界は、ケーゲルならではのもの。響きの抽象性と緊密な構成感が傑出している。ドイツ語歌詞による歌唱なので響きの感触が異なることと、オーケストラの技量不足が残念。
M. Shaguch, A. Kotchinian, D. Kitaenko/Gürzenich-Orchester Köln
第1楽章: 4'52"
第2楽章: 3'10"
第3楽章: 8'19"
第4楽章: 6'35"
第5楽章: 3'17"
第6楽章: 1'37"
第7楽章: 10'38"
第8楽章: 2'02"
第9楽章: 4'42"
第10楽章: 4'36"
第11楽章: 1'16"
少々印象に乏しい。落ち着いたテンポ設定が、しばしば単なる安全運転に感じられてしまう。速ければ良いわけではないが、この作品にはもう少し鬼気迫るものが欲しい。バスのコチニアンは安定した技術に基づく丁寧な歌唱で健闘しているが、ソプラノのシャグチには物足りなさが残る。
I. Tamar, T. Shtonda, R. Kofman/Beethoven Orchestra Bonn
第1楽章: 5'32"
第2楽章: 2'36"
第3楽章: 9'00"
第4楽章: 6'12"
第5楽章: 3'08"
第6楽章: 1'39"
第7楽章: 10'01"
第8楽章: 2'15"
第9楽章: 4'32"
第10楽章: 4'55"
第11楽章: 1'15"
冴えない演奏に終始する。“安全運転”という形容の否定的な側面を集めたような印象。確かに破綻はないのだが、それほど技量の高くない団体がこういう演奏をすると、単に面白味がなくなるだけではなく、逆に余計危なっかしく聴こえてしまう。コフマンの演奏姿勢がマイナスに働いた例だろう。
E. Tsolovalnik, E. Nesterenko, K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra
第1楽章: 4'52"
第2楽章: 2'36"
第3楽章: 8'44"
第4楽章: 6'30"
第5楽章: 3'17"
第6楽章: 2'00"
第7楽章: 8'47"
第8楽章: 1'52"
第9楽章: 4'12"
第10楽章: 4'37"
第11楽章: 1'10"
非常に格調の高い名演。二人の独唱者の名唱が光る。決して上滑りになることなく、腰の落ち着いた安定感が素晴らしい。コンドラーシンの指揮はいつもの野生的な表情が影を潜め、深淵を覗き込むような静寂を丁寧に描き出しているところに、この指揮者の奥深さを垣間見ることができる。とかく緊張感と鋭さが前面に出がちなこの作品から、官能的なまでの美しさをひきだしているところが個性的。
Y. Korpacheva, F. Kuznetsov, G. Kremer/Kremerata Baltica
第1楽章: 4'49"
第2楽章: 2'42"
第3楽章: 9'10"
第4楽章: 7'33"
第5楽章: 3'07"
第6楽章: 2'15"
第7楽章: 8'49"
第8楽章: 2'02"
第9楽章: 4'07"
第10楽章: 4'50"
第11楽章: 1'16"
さすがにこの複雑なアンサンブルを指揮者無しで捌くのには無理があったようで、終始安全運転に徹してしまった感じ。ライヴ録音ということで、その傾向に一層拍車がかかったのだろう。クレーメルの芸風とこの作品との相性は悪くないと想像していただけに、期待はずれの感は否めない。悪くはないが、積極的に評価したい要素もない。歌手は安定した歌唱を披露しているが、安全運転のアンサンブルに取り込まれているのが惜しい。本来ならば、もっと立派な歌唱が可能だろう。
M. Kasrashvili, M. Krutikov, A. Lazarev/Orchestre de Chambre de Lausanne
第1楽章: 4'31"
第2楽章: 3'09"
第3楽章: 8'58"
第4楽章: 6'25"
第5楽章: 3'09"
第6楽章: 1'56"
第7楽章: 9'52"
第8楽章: 1'59"
第9楽章: 4'01"
第10楽章: 4'59"
第11楽章: 1'13"
わりあいスマートながらも、オーソドックスな演奏。これといったセールスポイントには欠けるが、安心して聴くことができる。
P. Curtin, S. Estes, E. Ormandy/Philadelphia Orchestra
第1楽章: 4'29"
第2楽章: 3'04"
第3楽章: 8'38"
第4楽章: 6'10"
第5楽章: 3'04"
第6楽章: 2'06"
第7楽章: 8'22"
第8楽章: 2'09"
第9楽章: 4'40"
第10楽章: 5'01"
第11楽章: 1'10"
響きの美しさが際立つ秀演。妖艶とすら形容できるような甘い響きは、このコンビならではのもの。暖かく贅沢な響きが聴き手を包み込む異色の演奏と言えるだろう。ロシア語の発音はやや不明瞭ながらも、2人の歌手も立派な出来。戦慄、恐怖、鋭さといった側面が後退していることは否めないが、丁寧にスコアを読み込んだ極めて説得力のある演奏である。オーケストラの技術水準も非常に高い。
K. Mattila, T. Quasthoff, S. Rattle/Berliner Philharmoniker
第1楽章: 5'14"
第2楽章: 2'50"
第3楽章: 9'27"
第4楽章: 7'28"
第5楽章: 3'10"
第6楽章: 1'57"
第7楽章: 10'06"
第8楽章: 2'08"
第9楽章: 4'34"
第10楽章: 5'36"
第11楽章: 1'14"
丹念に整えられたアンサンブルは流石で、これほど滑らかな美しさを持った演奏も珍しいだろう。しかし、終始(おそらく)意図的に抑制された表現は、逆にこの作品が持つ内面的な力強さを削いでいる。これはソプラノの線の細さも影響しているのだろうが、結果として何を言いたいのかよくわからない音楽になってしまった。
G. Vishnevskaya, M. Rezhetin, M. Rostropovich/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra Soloists' Ensemble
時間不詳
荒々しいまでの勢いと集中力に満ちた名演。極めて情熱的なエネルギーに貫かれた熱い演奏。凶暴なオーケストラと、それに対峙する圧倒的な二人の歌手のバランスが非常に素晴らしい。冷徹なバルシャーイ盤の対極にある演奏だが、ショスタコーヴィチの精神の力強さを別の側面から明らかにしている。引き締まったリズム、太く厚みがありながらもどこか冷めた感触を持つ音色、そして全曲を通して決して途切れることのない張り詰めた緊張感。いずれをとっても全く申し分がない。ロストロポーヴィチが指揮したショスタコーヴィチの交響曲中、最高の出来である。
G. Vishnevskaya, M. Rezhetin, M. Rostropovich/Moscow Chamber Orchestra
第1楽章: 4'53"
第2楽章: 2'23"
第3楽章: 8'21"
第4楽章: 7'02"
第5楽章: 2'53"
第6楽章: 2'02"
第7楽章: 8'37"
第8楽章: 1'57"
第9楽章: 4'13"
第10楽章: 5'16"
第11楽章: 1'04"
音質が大分落ちるものの、演奏自体はMelodiya盤と優劣のつけ難い傑出した出来。演奏の精度も申し分ない。むしろ、オーケストラの技術的な洗練度はライヴにもかかわらず本盤の方が上。冷徹な響きで猛烈な音楽を完璧に描き出す様はバルシャーイ盤を彷彿とさせ、Melodiya盤とはまた違った魅力がある。二人の歌手は、改めて言うまでもなく圧倒的に素晴らしい。
M. Kasrashubili, A. Safiulin, G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra
第1楽章: 4'14"
第2楽章: 2'47"
第3楽章: 8'49"
第4楽章: 6'30"
第5楽章: 3'09"
第6楽章: 1'43"
第7楽章: 8'46"
第8楽章: 2'00"
第9楽章: 4'26"
第10楽章: 4'46"
第11楽章: 1'07"
ソプラノがきれいなものの、肝心なところでの力強さに欠けるのが最大の欠点。第4楽章などは大変良いが、第2楽章とか第5楽章などで強く物足りなさを感じる。バスは素晴らしい。全体に余裕を持って美しく演奏されているが、胃が痛くなるような緊張感とはあまり縁のない演奏。リズムが個性的だが軽い感じであることが大きな理由か。技術的には問題ない。第5楽章と第6楽章はアタッカのはずだが、CDでも大きな間が空いているのは大問題。
M. Shaguch, M. Ryssov, M. Shostakovich/Prague Symphony Orchestra
第1楽章: 4'32"
第2楽章: 3'03"
第3楽章: 8'47"
第4楽章: 7'02"
第5楽章: 3'07"
第6楽章: 1'54"
第7楽章: 8'43"
第8楽章: 1'49"
第9楽章: 4'13"
第10楽章: 4'42"
第11楽章: 1'48"
第5楽章でトム=トムやシロフォンが落ちたりするなど、アンサンブルは極めて不安定。第2、3楽章などは、合わせるのに精一杯な様子が手に取るように分かる。この演奏で唯一傾聴に値するのは、シャグチの気高く品のある歌唱。抉るような鋭さはあまりないが、とても美しい。リソフも、ややもっさりしているが安定している。
M. Hajóssyová, P. Mikulás, L. Slovák/Czech-Slovak Radio Symphony Orchestra
第1楽章: 4'44"
第2楽章: 2'48"
第3楽章: 8'28"
第4楽章: 6'23"
第5楽章: 3'03"
第6楽章: 1'41"
第7楽章: 9'55"
第8楽章: 2'03"
第9楽章: 4'47"
第10楽章: 4'53"
第11楽章: 1'05"
きれいな仕上がりだが、特にオーケストラの表現力が弱い。和声の美しさに関しては普通に味わえるが、張り詰めた精神の強靭さのようなものが全く表出されておらず、物足りないこと極まりない。
M. Haverinen, P. Salomaa, J. Swensen/Tapiola Symphonietta
第1楽章: 5'17"
第2楽章: 2'47"
第3楽章: 8'51"
第4楽章: 6'13"
第5楽章: 3'04"
第6楽章: 2'04"
第7楽章: 9'26"
第8楽章: 2'09"
第9楽章: 4'43"
第10楽章: 4'48"
第11楽章: 1'08"
原詩による歌唱。歌手の発音には若干の不明瞭さがあるが、何よりも非常に美しい演奏。オーケストラは極めて丁寧に、どんな瞬間も決して荒々しくならずこの曲の美観を描き出している。戦慄の走るような壮絶さとは無縁の演奏だが、この曲の魅力を別の側面から聴かせてくれる。
E. Holleque, N. Storojev, Y. Turovsky/I Musici de Montreal
第1楽章: 4'42"
第2楽章: 2'58"
第3楽章: 9'02"
第4楽章: 7'06"
第5楽章: 3'02"
第6楽章: 2'00"
第7楽章: 9'34"
第8楽章: 2'16"
第9楽章: 4'28"
第10楽章: 5'31"
第11楽章: 1'14"
演奏に対する姿勢は真摯なのだが、いかんせん技術が足りない。CDとして繰り返し聴くことはできる程度に整えられているが、何かを表現するというレベルではない。指揮者のセンスもあまり良くなく、ときどき悪趣味なアーティキュレイションが顔をのぞかせるのも嬉しくない。歌手はごく標準的なレベル。
J. Rodgers, J. Tomlinson, M. Wigglesworth/BBC National Orchestra of Wales
第1楽章: 5'41"
第2楽章: 2'50"
第3楽章: 9'17"
第4楽章: 7'21"
第5楽章: 3'15"
第6楽章: 2'09"
第7楽章: 11'17"
第8楽章: 2'08"
第9楽章: 4'59"
第10楽章: 5'45"
第11楽章: 1'22"
録音の良さもあって、きれいな響きが印象に残る。ただ、一部の楽章に聴かれる非常にもったいぶった極めて遅いテンポ設定には、首を傾げざるを得ない。第3楽章後半の2発の鐘など文字通りただ驚くだけで、音楽的な意味は取り立てて感じられはしない。歌手の発音がやや不明瞭なのも気になる。技術的には手堅くまとめられているので聴き苦しいということはないが、積極的に評価する気にはなれない演奏である。

 作品リストに戻る


 ShostakovichのHome Pageに戻る

Last Modified 2013.02.08

inserted by FC2 system