ENGLISH


交響曲第13番 変ロ短調 作品113

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。指揮者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、*印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

独唱者合唱指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALEXASHKIN, Sergei (B)Choral Academy MoscowBARSHAI, RudolfWDR Sinfonieorchester2000Brilliant6324Brilliant-8128****
KUDINOV, Pavel (B)Coro Sinfonico di Milano Giuseppe VerdiCAETANI, OlegOrchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi2006Arts47708-8SACD, Live(May)****
ALEXASHKIN, Sergei (B)Moscow Chamber Choir (chorusmaster: Vladimir Minin)FEDOSEEV, VladimirTchaikovsky Symphony Orchestra of Moscow Radio2006ReliefCR991081Live(14 Oct.)****
RINZLER, Marius (B)Gentlemen from the Choir of Concertgebouw Orchestra, AmsterdamHAITINK, BernardConcertgebouw Orchestra, Amsterdam1984LondonPOCL-9255/66
*****
HOLL, Robert (B)Chorus ViennensisINBAL, EliahuWiener Symphoniker1993DenonCOCO-75887
***
ALEXASHKIN, Sergei (B)Chor des Bayerischen RundfunksJANSONS, MarissSymphonieorchester des Bayerischen Rundfunks2005EMI7243 5 57902 2 4
****
KOTSCHERGA, Anatoly (B)National Male Choir of EstoniaJÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Orchestra1995DG449 187-2
****
STOROJEV, Nikita (B)Men of the CBSO Chorus, City of Birmingham Choir, and University of Warwick ChorusKAMU, OkkoCity of Birmingham Symphony Orchestra1987ChandosCHAN 8540
****
KOTCHINIAN, Arutjun (B)Prague Philharmonic ChorusKITAENKO, DmitriGürzenich-Orchester Köln2004Capriccio71 029SACD*****
SHTONDA, Taras (B)Czech Philharmonic Choir Brno (Petr Fiala)KOFMAN, RomanBeethoven Orchestra Bonn2005MDG337 1205-2
*****
GROMADSKY, Vitaly (B)State Academic Choir & Yurlov Russian ChoirKONDRASHIN, KirillMoscow Philharmonic Orchestra1962Russian DiscRD CD 11 191Live(20 Dec.)*****
GROMADSKY, Vitaly (B)Bass Group of the Russian Choral CappellaKONDRASHIN, KirillMoscow Philharmonic Orchestra1963/5(?)Everest3181LP, Live(20 Nov.), Revised version. Moscow State Conservatory-SMC CD 0018, Venezia-CDVE03217****
EIZEN, Artur (B)Bass Group of RSFSR Russian ChorusKONDRASHIN, KirillMoscow Philharmonic Symphony Orchestra1967VictorVICC-40094/103Revised version. Melodiya-MEL CD 10 01065*****
SHIRLEY-QUIRK, John (B)Male Chorus of the Bavarian RadioKONDRASHIN, KirillOrchestra of the Bavarian Radio1980Philips27PC-54Live(18 & 19 Dec.), LP, Philips-PROA-30*****
LEIFERKUS, Sergei (B)New York Choral ArtistsMASUR, KurtNew York Philharmonic1993TeldecWPCS-4036Live(Jan.).*****
RAIMONDI, Ruggero (B)Coro di Roma della RAIMUTI, RiccardoOrchestra Sinfonica di Roma della RAI1970MemoriesHR 4101Live(31 Jan.), Sung in Itarian.****
KRAUSE, Tom (Br)Male Chorus of the Mendelssohn Club, Philadelphia (chorusmaster: Robert E. Page)ORMANDY, EugenePhiladelphia Orchestra1970RCACRL3-1284LP. RCA-BVCC-38298****
MARTYROSYAN, Ayik (B)Russian State Symphonic CappellaPOLYANSKY, ValeriRussian State Symphony Orchestra1996ChandosCHAN 9690
****
PETKOV, Dimiter (B)London Symphony ChorusPREVIN, AndréLondon Symphony Orchestra1979EMI7243 5 73368 2 6
*****
GHIUSELEV, Nicola (B)Men of the Choral Arts Society of WashingtonROSTROPOVICH, MstislavNational Symphony Orchestra1988EratoWPCC-4764
****
SAFIULIN, Anatoly (B)RSFSR Russian ChorusROZHDESTVENSKY, GennadiUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1985VictorVICC-40001/11Melodiya-MCD 008(2nd mov. only.)*****
ALEXASHKIN, Sergei (B)Nederlands Concert KoorROZHDESTVENSKY, GennadiResidentie Orkest the Hague1998Residentie OrkestRO 100Live(8 Nov.)*****
SHIRLEY-QUIRK, John (Br)Städtischer Musikverein zu DüsseldorfSHALLON, DavidDüsseldorfer Symphoniker1991Koch3-1393-2 H1Live(Feb.)***
MIKULÁS, Peter (B)Male Choirs of the Philharmonic Choir and of the Kühn Mixed ChoirSHOSTAKOVICH, MaximPrague Symphony Orchestra1995SupraphonSU 0160-2 231Live(1 Feb.), Supraphon-SU 3890-2*****
LEIFERKUS, Sergei (Br)Leeds Festival Chorus & Huddersfield Choral SocietySINAISKY, VassilyBBC Philharmonic1998BBCBBCP 1002-2Live(21 Aug.)****
MIKULÁS, Peter (B)Slovak Philharmonic ChorusSLOVÁK, LadislavCzech-Slovak Radio Symphony Orchestra1990Naxos8.550630
****
ALEXASHKIN, Sergei (B)Chicago Symphony ChorusSOLTI, GeorgChicago Symphony Orchestra1995LondonPOCL-1551
****
BAIKOV, Sergei (B)Estonian National Male-Voice ChoirSONDECKIS, SauliusSt. Petersburg Camerata(Orchestra of the State Hermitage Museum) and Lithuanian Chamber Orchestra1994SonySMK 66 591
*****
SELEZNEV, Georgy (B)
TEMIRKANOV, YuriLeningrad Philharmonic Orchestra1983Brilliant8818Live(16 June)****
ALEXASHKIN, Sergei (B)Bass Voices of the St. Petersburg Television & Radio Chorus and United Bass Chorus of St. PetersburgTEMIRKANOV, YuriSt. Petersburg Philharmonic Orchestra1996RCABVCC-34144Live(16 & 17 May)****

S. Alexsashkin (B), R. Barshai/WDR Sinfonieorchester etc.
第1楽章: 17'09"
第2楽章: 8'28"
第3楽章: 12'44"
第4楽章: 11'55"
第5楽章: 12'29" 
よく整理された見通しの良い佳演。声楽陣の安定感は素晴らしい。指揮者とオーケストラのどちらの問題かは判断しかねるが、全体に管弦楽の表現力に不満が残る。音量やアンサンブルの精度ではなく、音の強さ、あるいは凄みが強奏部・弱奏部問わず感じられない。結果として確かに丁寧で精緻な印象を受けるものの、他の立派な演奏と比較してこの演奏でなければというセールスポイントに欠けるのが惜しい。
P. Kudinov (B), O. Caetani/Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi etc.
第1楽章: 13'51"
第2楽章: 7'51"
第3楽章: 10'45"
第4楽章: 10'47"
第5楽章: 12'24" 
少し流麗に過ぎる。全体に速めのテンポで推進力のある音楽ではあるが、腰が軽くてこの作品では物足りなさが残る。これは独唱により顕著で、美声ではあるがそれを前面に押し出し過ぎなのか、肺腑を抉るような切実さが感じられない。一方で、弱奏部などで聴かせる繊細なまでの音色への配慮は立派なもの。
S. Alexsashkin (B), V. Fedoseev/Tchaikovsky Symphony Orchestra of Moscow Radio etc.
第1楽章: 14'43"
第2楽章: 8'15"
第3楽章: 11'29"
第4楽章: 8'17"
第5楽章: 13'45" 
極めて個性的な演奏である。テンポの扱いが独特で、早めのin tempoで颯爽と突き進むかと思えば、スコアにはない大胆なアゴーギクをつけてみたり、時には思い切りルバートをかけて気の済むまで歌い込んでみたりする。“交響曲”というよりは“歌曲集”といった風情の、実に自由な解釈である。ショスタコーヴィチ本人は間違いなく眉を顰めるだろうが、これはこれで面白いことも事実。アレクサーシキンも、こういう解釈でしかなし得ないような踏み込んだ表現を聴かせている。オーケストラは相変わらず良い響きだが、ライヴ収録のためか、Vnソロなどが“ヘタウマ”に感じられるのは、正直なところ微妙。
M. Rinzler (B), B. Haitink/Concertgebouw Orchestra, Amsterdam etc.
第1楽章: 17'07"
第2楽章: 8'16"
第3楽章: 13'04"
第4楽章: 12'22"
第5楽章: 13'21" 
独唱、合唱共に声楽の軽い響きが気になるが、オーケストラは素晴らしい出来。派手な音響や演出とは無縁な、言ってみれば非常に地味な演奏だが、曲の本質をしっかりと捉えた力強さと美しさに満ちた秀演である。各楽章の内容を深く抉り出しただけではなく、交響曲としての造形にも秀でていて大変素晴らしい。
R. Holl (B), E. Inbal/Wiener Symphoniker etc.
第1楽章: 14'52"
第2楽章: 7'32"
第3楽章: 12'11"
第4楽章: 11'55"
第5楽章: 13'16" 
破綻はない。それだけ。独唱者の声量が不足しているためか、全体に響きが薄っぺらで、音楽の力強さはもちろんのこと、細やかな和声の美しさまでが犠牲になっている。やや早目のテンポで過度の思い入れを避けた解釈自体は悪くないが、それを聴かせるだけの説得力は全くない。インバルの交響曲全集の中でも最も不出来な部類に入る演奏だろう。
S. Alexashikin (B), M. Jansons/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks etc.
第1楽章: 16'11"
第2楽章: 8'16"
第3楽章: 12'22"
第4楽章: 11'22"
第5楽章: 12'04" 
よく整えられた響きは、いかにも近年のショスタコーヴィチ演奏といった感じ。だが、随所にあざとさすら感じさせるような思い切った表情付けがなされていて、必ずしも“スマート”な演奏とは言い切れない。洗練された音響と、どこか垢抜けない解釈とのミスマッチを面白いと感じるかどうか。正直なところ、僕には印象が薄い。
A. Kotscherga (B), N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 14'18"
第2楽章: 7'50"
第3楽章: 12'08"
第4楽章: 10'35"
第5楽章: 12'43" 
やや渋めながらも、充実した響きが立派な演奏。ソツなくまとめあげられており、仕上がりに不満を抱く部分はほとんどないが、コチェルガの歌唱共々どちらかといえば軟派な節回しには若干違和感を覚えなくもない。また、表現と響きにあまり真実味が感じられず、全体にどこか作り物のような印象が残る。
N. Storojev (B), O. Kamu/City of Birmingham Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 17'30"
第2楽章: 9'04"
第3楽章: 12'57"
第4楽章: 12'35"
第5楽章: 14'13" 
丁寧な演奏で好感は持てるのだが、全体に生ぬるい。特に中途半端に甘い独唱には違和感がある。演奏者が皆健闘している割には、クライマックスでのエネルギー感にも乏しい。どこか空回りしているのだろう。惜しい。
A. Kotchinian (B), D. Kitaenko/Gürzenich-Orchester Köln etc.
第1楽章: 17'20"
第2楽章: 8'12"
第3楽章: 13'50"
第4楽章: 12'41"
第5楽章: 12'10" 
徹底的に作品の美しさを描き出した異色の演奏と言ってよいだろう。これは、少なからずバスのコチニアンの明るく若々しい声質がもたらした影響だが、決して悪くはない。オーケストラも全体に透明感のある響きが貫かれていて、ともすれば作品の内容が持つ圧倒的な力の影であまり意識せずに聴き過ごしてしまうような、響きの密やかな美しさが十分に引き出されている。もちろん、合唱も含めて音の力に不足することはなく、バランスのとれた秀演である。
T. Shtonda, R. Kofman/Beethoven Orchestra Bonn etc.
第1楽章: 16'03"
第2楽章: 8'07"
第3楽章: 12'43"
第4楽章: 11'43"
第5楽章: 13'06" 
作品の持つ響きの美しさが際立っている演奏。野性的な力感に満ちた魂の叫びには欠けるが、その陰に隠れていた官能的なまでの響きが存分に引き出されており、物足りなさを感じるどころか、恍惚とした満足感すら覚える。この作品をよく聴き知った人にこそ聴いて欲しい一枚と言えるだろう。
V. Gromadsky (B), K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Orchestra etc.
第1楽章: 14'59"
第2楽章: 7'48"
第3楽章: 11'06"
第4楽章: 10'30"
第5楽章: 12'03" 
モスクワで行なわれた、初演2日目のライヴ録音。どこか落ち着かない客席のノイズが、否が応にも当時の雰囲気を伝えてくる。細かいアラは数多くあるが、演奏は極めて高い水準のもの。特にオーケストラと合唱の音色は抜群で、録音の悪さを超えて迫ってくる。ただ、後年の録音に比べると、表現が全体に直線的なのは致し方のないところであろう。グロマツキイは万全の出来とは言えないものの、無難にこの大役を果している。当然ながら、オリジナルの歌詞による演奏。
V. Gromadsky (B), K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Orchestra etc.
第1楽章: 14'55"
第2楽章: 8'01"
第3〜5楽章: 33'14" 
コンドラーシンの自伝にも出てくる、“世界初録音”と称して西側で出回った海賊版のライヴ録音。改訂版の初演ライヴである可能性が高い。このコンビならではのアクの強さは相変わらずだが、録音状態が影響しているのか、初演ライヴの昂奮に比べると大分大人しい演奏になっている。オーケストラの集中力も今一つで、ミスがかなり多い(特にティンパニ)。グロマツキイの独唱も自由というよりはかなり勝手気ままなもので、演奏全体が散漫な仕上がりになっているのが残念。
A. Eizen (B), K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 13'38"
第2楽章: 8'05"
第3楽章: 10'50"
第4楽章: 9'50"
第5楽章: 11'41" 
改訂版による演奏だが、その演奏の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。ショスタコーヴィチ作品の全録音、そしてコンドラーシンの全録音中でも間違いなく筆頭に挙げられる凄絶な大名演である。テンポから音色に至るまで、あらゆる要素に全て納得させられる。録音の悪さまでもがこの音楽に欠かざる要素であるように聴こえてくる。全ての音に強烈な意志と魂が込められ、聴き手に無意識でいることを許さない。この作品の持つ恐ろしさ、強さ、美しさが完璧に表現されている。全身全霊を込めたエイゼンの独唱も凄いが、男声合唱の素晴らしさも特筆に値する。時に絶叫と言ってよい歌唱でありながら決して音楽性を失わない。ショスタコーヴィチ・ファンのみならず、全人類必聴の名盤である。
J. Shirley-Quirk (B), K. Kondrashin/Orchestra of the Bavarian Radio etc.
第1楽章: 14'04"
第2楽章: 8'03"
第3〜5楽章: 31'34" 
典型的なドイツの響きだが、見事にショスタコーヴィチ独特のアクが引き出されている。早めのテンポから導かれる極度に引き締まった音楽は、この作品の本質を余すところなく表現している。演奏の精度もライヴとは思えない程立派なものであり、このオーケストラ独特のホルンの音色も素晴らしい。西側の演奏団体によるものとしては、もっとも満足のいく名演。
S. Leiferkus (B), K. Masur/New York Philharmonic etc.
第1楽章: 15'16"
第2楽章: 7'57"
第3楽章: 11'01"
第4楽章: 11'26"
第5楽章: 12'17" 
泥臭さとは無縁の、洗練されたスマートな演奏。特にレイフェルカスの名唱が光る。ライヴ録音だが、おそらく修正も数多く入っているのだろう、瑕は全くと言ってよいほどない。どこか無色透明で鋭く澄んだ響きが印象的で、居ても立ってもいられなくなるような興奮とは無縁ながらも、立派なたたずまいを持った佳演。エフトゥシェーンコ自身による「バビ・ヤール」の朗読も収録。
R. Raimondi (B), R. Muti/Orchestra Sinfonica di Roma della RAI etc.
時間不詳
イタリア語による歌唱。そのためか、実に朗々とした気持ちの良い歌声に独特の魅力を感じる。もっとも、この曲の魅力とは異質ではあるが。ムーティーは決して巧いとは言えないオーケストラを無難にまとめあげ、やや外面的ではあるものの、ショスタコーヴィチの音世界をソツなく描き出している。録音は、あまり良くない。
T. Krause (Br), E. Ormandy/Philadelphia Orchestra etc.
第1楽章: 16'54"
第2楽章: 8'33"
第3楽章: 11'07"
第4楽章: 12'00"
第5楽章: 12'30" 
オーマンディらしい、上質の響きに満ちた好演。破綻の全くない安定したアンサンブルと、しっかり鳴りきった贅沢な音響は、この音楽の魅力を十二分に描き出している。ソリストも安心感のある出来だが、声質の軽さに物足りなさを感じる。
A. Martyrosyan (B), V. Polyansky/Russian State Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 16'36"
第2楽章: 7'51"
第3楽章: 13'08"
第4楽章: 11'59"
第5楽章: 12'25" 
きれいな響きにまとまめられた聴きやすい演奏。独唱は無難だが、声質がやや軽く物足りない。オーケストラも余裕を持って健闘しているものの、作品が持つ響きの強さや美しさが十分に引き出されているとは言えず、表面的なスマートさに終始しているのが惜しい。
D. Petkov (B), A. Previn/London Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 16'52"
第2楽章: 8'30"
第3楽章: 11'59"
第4楽章: 12'48"
第5楽章: 12'31" 
格調の高い、美しい演奏。男声合唱の声質に物足りなさを覚えるものの、オーケストラの音楽は実に力強く、それでいて気品すら感じられるのが素晴らしい。独唱も立派。荒々しいまでにメッセージをぶつけてくるような演奏ではないが、じっくりと耳を傾けると切実なメッセージがしっかりと聴こえてくる。また、自然と耳を傾けさせられるような力のある演奏である。
N. Ghiuselev (B), M. Rostropovich/National Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 16'14"
第2楽章: 8'31"
第3楽章: 12'09"
第4楽章: 12'57"
第5楽章: 12'20" 
全体の流れや雰囲気は悪くないが、オーケストラ、歌手共表現力に乏しいために表面をなぞっただけのような演奏に終始している。特に音色というものがないことに不満を感じる。第2楽章で聴かれるような小手先の表情付けも、音楽のスケールを小さくしてしまっている。
A. Safiulin (B), G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 16'41"
第2楽章: 8'02"
第3楽章: 13'50"
第4楽章: 12'07"
第5楽章: 12'06" 
オーケストラには粗い部分が散見されるが、アクの強い凄絶な音楽は大変素晴らしい。肺腑をえぐるような鋭いアクセントだけではなく、戦慄を覚えずにはいられない密やかな弱奏部も凄い。地に足のついたリズム感で、どっしりとした仕上がりながらも決して鈍重にはなっていない。音楽のスケールも大きく、聴き応えのある名演。デジタル録音と称しているわりには録音が悪いのには閉口するが。
S. Alexashkin (B), G. Rozhdestvensky/Residentie Orkest the Hague etc.
第1楽章: 17'26"
第2楽章: 8'22"
第3楽章: 13'09"
第4楽章: 14'23"
第5楽章: 13'04" 
なかなか素晴らしい演奏。全体にゆっくりとしたテンポがとられているが、鈍重さや退屈さとは無縁で、地の底から這い上がってくるような力強さが格別。第2楽章のリズム感などにロジデーストヴェンスキイらしさが発揮されているが、第5楽章に聴かれるような美しさもこの演奏の特筆すべき特徴。アレクサーシキンの自在な歌唱も立派なもの。男声合唱にさらなる強靭さを求めたいところだが、オーケストラは十分に健闘している。
J. Shirley-Quirk (Br), D. Shallon/Düsseldorfer Symphoniker etc.
第1楽章: 16'21"
第2楽章: 7'58"
第3楽章: 13'30"
第4楽章: 12'53"
第5楽章: 12'32" 
平凡な演奏。BGMにしても良いくらいだが、この曲をそんな風に聴いても楽しくもなんともない。
P. Mikulás (B), M. Shostakovich/Prague Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 16'44"
第2楽章: 8'21"
第3楽章: 12'53"
第4楽章: 13'31"
第5楽章: 13'11" 
ゆったりとした風格の感じられる演奏で、すみずみまで気持ちが入っているのが素晴らしい。時折マクシームの唸り声も聴こえるが、その気合いが空回りすることの多いマクシームにしては珍しく(?)充実した内容を引き出すことに成功している。オーケストラの仕上がりも申し分なく、スケールの大きさと響きの美しさを感じさせる佳演となっている。男声合唱にもう少し力強さが欲しいことと、さらに尋常ならざる緊張感を求めたいところだが、全体的には良い演奏だといえるだろう。
S. Leiferkus (Br), V. Sinaisky/BBC Philharmonic etc.
第1楽章: 14'13"
第2楽章: 8'03"
第3楽章: 10'21"
第4楽章: 9'55"
第5楽章: 11'48" 
ライヴであることを考えると、なかなか健闘していると言えるだろう。特に、バリトンではあるもののレイフェルカスの歌唱は貫禄十分。しかし、オーケストラ・合唱の双方に音の力がなく、内側から圧倒するような音楽の力強さが表出しきれない部分にもどかしさを感じる。
P. Mikulás (B), L. Slovák/Czech-Slovak Radio Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 14'51"
第2楽章: 7'35"
第3楽章: 12'23"
第4楽章: 12'12"
第5楽章: 11'35" 
丁寧に仕上げられた佳演。ミクローシュの落ち着いた味わい深い歌唱が光る。男声合唱はやや地味だが、堅実で悪くない。オーケストラも輝かしさは感じられないものの、ソツなくこなしている。
S. Alexashkin (B), G. Solti/Chicago Symphony Orchestra etc.
第1楽章: 15'57"
第2楽章: 8'15"
第3楽章: 12'54"
第4楽章: 11'50"
第5楽章: 12'50" 
これほど整然とかつ完璧にこのスコアが音化された演奏も珍しい。ここまで来ると“機能美”という表現もできよう。しかし文字通り“作り物”の音楽で、これだけ圧倒的な音楽が全く心に響いてこないというのも、また珍しい。この曲をよく知っている人が聴けば「こんな響きがあったのか」と発見することもあるだろうが、馴染みのない聴き手に対して曲の真価を知らしめることはないだろう。
S. Baikov (B), S. Sondeckis/St. Petersburg Camerata(Orchestra of the State Hermitage Museum) and Lithuanian Chamber Orchestra etc.
第1楽章: 15'43"
第2楽章: 7'48"
第3楽章: 12'21"
第4楽章: 11'19"
第5楽章: 12'22" 
良い意味で“軟派”な演奏。全体にしっとりとした美しさが強調され、ロシア風の音色を残しながらも決して粗くなることがない。各部分を取り上げると物足りないところも多いが、全体を通して聴くとこの曲が持つ後期作品特有の艶かしい美しさを堪能することができる。僕個人の趣味とは違うが、個性的で立派な演奏である。
G. Seleznev (B), Y. Temirkanov/Leningrad Philharmonic Orchestra etc.
第1楽章: 15'17"
第2楽章: 6'48"
第3楽章: 11'13"
第4楽章: 10'01"
第5楽章: 11'41" 
ただならぬ緊迫感や、抑えきれずに暴発してしまうような昂奮は非常に印象的だが、全体の仕上がりはさすがに荒過ぎる。ギリギリのところで踏みとどまって格好よくきめる第2楽章や、いかにも魂の叫びといった風情の第3楽章は悪くないが、第4楽章以降がどうにも納得しかねる。全曲を貫くテミルカーノフの想いには共感できるのだが、ここまで破綻している演奏を無条件に賛美するわけにはいかないだろう。
S. Alexashkin (B), Y. Temirkanov/St. Petersburg Philharmonic Orchestra etc.
第1楽章: 15'23"
第2楽章: 7'00"
第3楽章: 12'01"
第4楽章: 11'08"
第5楽章: 12'03" 
音楽がどうにも上滑りしている感が強く、聴き手に訴えかける切実さに欠ける。ライヴゆえの瑕はともかくとして、音響自体はそれなりに壮麗なだけに、一層空虚な印象が強い。不自然に速いテンポ設定にも大いに疑問が残る。

 作品リストに戻る


 ShostakovichのHome Pageに戻る

Last Modified 2010.12.06

inserted by FC2 system