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交響曲第12番 イ長調 作品112

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指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirRoyal Philharmonic Orchestra1992Decca436 760-2
BARSHAI, RudolfWDR Sinfonieorchester1995Brilliant6324Brilliant-8128
BOULT, AdrianBBC Symphony Orchestra
IntaglioINCD 7431
CAETANI, OlegOrchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi2005Arts47705-8SACD, Live(July)
DEPREIST, JamesHelsinki Philharmonic Orchestra1994OndineODE 846-2
DURJAN, OganGewandhausorchester Leipzig1967Philips434 172-2
GIELEN, MichaelSWR Symphony Orchestra1995Arte Nova74321 63649 2
HAITINK, BernardConcertgebouw Orchestra, Amsterdam1982LondonPOCL-9255/66
INBAL, EliahuWiener Symphoniker1994DenonCOCO-78968
INOUE, MichiyoshiKyoto Symphony Orchestra1997ColumbiaGES-11235→36Live(12 May)
INOUE, MichiyoshiNagoya Philharmonic Orchestra2007Octavia RecordsOVCL00777Live(5 Dec.)
JANSONS, MarissSymphonieorchester des Bayerischen Rundfunks2004EMI0946 3 35994 2 0
JÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Orchestra1990DGPOCG-1424
KITAENKO, DmitriGürzenich-Orchester Köln2003Capriccio71 029SACD
KOFMAN, RomanBeethoven Orchestra Bonn2006MDG937 1206-6SACD
KONDRASHIN, KirilMoscow Philharmonic Symphony Orchestra1972VictorVICC-40094/103Melodiya-MEL CD 10 01065
MEISTER, CorneliusORF Radio-Symphonieorchester Wien2017CapriccioC5352Live(17 Oct.)
MRAVINSKY, EvgenyLeningrad Philharmonic Orchestra1961VeneziaCDVE 04405Live(1 Oct.)
MRAVINSKY, EvgenyLeningrad Philharmonic Orchestra1961VictorVICC-40118/23Praga-PR 254017
MRAVINSKY, EvgenyLeningrad Philharmonic Orchestra1984VictorVDC 25028Live(29 Apr.), Russian Disc-RD CD 10 912
PETRENKO, VasilyRoyal Liverpool Philharmonic Orchestra2009Naxos8.572658
POLYANSKY, ValéryRussian State Symphony Orchestra1996ChandosCHAN9585
PRÊTRE, GeorgesPhilharmonia Orchestra1963OdeonALP 2009LP
RAYCHEV, RouslanBulgarian Radio & Television Symphony Orchestrac.1975MonitorMCS 2148LP
ROSTROPOVICH, MstislavLondon Symphony Orchestra1995Teldec4509-95070-2
ROZHDESTVENSKY, GennadyPhilharmonia Orchestra1962BBC15656 91832Live(4 Sept.), BBC-BBCL 4242-2
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra1983VictorVICC-40001/11
SHOSTAKOVICH, MaximPrague Symphony Orchestra2006SupraphonSU 3890-2Live(8-9 Mar.)
SLOVÁK, LadislavCzecho-Slovak Radio Symphony Orchestra1989Naxos8.550626
TABAKOV, EmilBulgarian National Radio Symphony Orchestra2015Gega NewGD 388
UEDA, MasashiTokyo Symphony Orchestra1962UniversalTOGE-11115Live(12 Apr.)
WIGGLESWORTH, MarkNetherlands Radio Philharmonic Orchestra2005BISBIS-SACD-1563SACD

V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
第1楽章: 14'16"
第2楽章: 11'25"
第3楽章: 4'26"
第4楽章: 10'58" 
優秀な録音とも相まって、非常に響きがきれいな演奏。良質な映画のサントラ盤を思わせる。ただし、それだけ。ただ音符を羅列しただけの音楽は美しいが、何も訴えたり惹きつけたりするものをもたない。
R. Barshai/WDR Sinfonieorchester
第1楽章: 12'46"
第2楽章: 10'04"
第3楽章: 4'08"
第4楽章: 10'08" 
異様なまでに重苦しい冒頭以外は、取り立てて特徴的な解釈もなく、わざとらしいまでに素っ気なく過ぎ去る。引き締まった音楽の流れ自体はなかなか立派でオーケストラもよく健闘しているが、作品の成立背景などを反映したこういう演奏は、今となっては逆に新鮮味に欠けるようにも思われる。
A. Boult/BBC Symphony Orchestra
Total Time: 37'42" 
第1楽章の序奏部が締まりのない演奏でがっかりさせられたが、主部に入って豹変する。暴力的なまでの速いテンポ、打楽器がやや甘いものの強奏の迫力も素晴らしい。この引き締まった緊張感は、ショスタコーヴィチの本質をよく捉えている。オーケストラの技術的な限界で勝負している感じがたまらない。終演後の拍手が十分に収録されていないのが残念。
O. Caetani/Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi
第1楽章: 12'39"
第2楽章: 8'21"
第3楽章: 4'03"
第4楽章: 9'58" 
颯爽とした格好良さを感じさせながらも、スマートな熱さと表現意欲に満ちた秀演。このコンビの魅力が存分に発揮されている。第2楽章でも緊張感が途切れることなく、作品のあるべき姿を再現した演奏と言っても過言ではないだろう。
J. DePreist/Helsinki Philharmonic Orchestra
第1楽章: 13'28"
第2楽章: 12'54"
第3楽章: 3'58"
第4楽章: 10'33" 
非常に格調の高い演奏。この曲の持つ複雑な表情や、狂気に満ちた音色感といったものが、実に自然に“交響曲”という形式の中に落ち着いている。全ての部分に節度が感じられ、人によっては物足りないと思う向きもあるだろうが、これだけ立派な造形力を見せ付けられるとただただ感心するしかない。
O. Durjan/Gewandhausorchester Leipzig
第1楽章: 13'41"
第2楽章: 13'39"
第3楽章: 4'33"
第4楽章: 10'29" 
音色はまさしくドイツのものだが、引き締まって颯爽とした推進力に満ちた演奏は非常に素晴らしい。この曲にはこういう行き方がよく似合う。第1楽章展開部最後の部分などで作為的なテンポ変動があるのが惜しい。これさえなければ、風格に満ちた壮麗な演奏として手放しに賞賛できただろう。
M. Gielen/SWR Symphony Orchestra
第1楽章: 13'54"
第2楽章: 11'59"
第3楽章: 4'08"
第4楽章: 9'42" 
響きも構成も実に緻密に練り上げられた演奏。風格さえ漂わせる立派な解釈だが、ここまで整然と整理されてしまうと一種の物足りなさを覚えるのも事実。“裏の意味”をどこまで読み取るのかということとは別の次元で、もう少し自然な昂奮を表出してもらいたいところだ。
B. Haitink/Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
第1楽章: 13'30"
第2楽章: 14'03"
第3楽章: 4'22"
第4楽章: 10'35" 
実に自然な流れを持った、爽やかな好演。ショスタコーヴィチの音楽が持つ嫌味もマイルドに処理され、この曲に好感を持たない人にも抵抗なく受け入れられるだろう。その分、第2楽章の底の浅さが露呈されたようにも感じられる。それなりにケレン味がないと、こういう曲は物足りない。あくまで入門用の演奏といえるだろう。
E. Inbal/Wiener Symphoniker
第1楽章: 12'54"
第2楽章: 11'51"
第3楽章: 4'28"
第4楽章: 10'16" 
よく考えられた、隙のない解釈。しかし、上品で落ち着いたオーケストラの音色が、この曲の場合にはあまりマッチしていないように感じられる。もっと発散するような響きがあってこそ、内省的な部分が生きてくるのではないだろうか?
井上道義/京都市交響楽団
第1楽章: 14'04"
第2楽章: 10'58"
第3楽章: 4'29"
第4楽章: 9'58" 
京都市交響楽団の1997年欧州ツアーの記念アルバム。拍子抜けするほどに流麗に奏でられる冒頭から、不思議と力みというものが一切感じられない。もちろん、第3楽章の大砲炸裂の箇所などは、思い切り賑やかに盛り上げられるが、淀みのない滑らかな音楽の流れには、虚無感すら覚える。例のEsBC音型も、ことさらに強調されないが故に、その異質さが最後まで引っかかる。
井上道義/名古屋フィルハーモニー交響楽団
第1楽章: 13'09"
第2楽章: 9'47"
第3楽章: 4'20"
第4楽章: 10'05" 
全編に渡って漲る気合いの凄まじさに圧倒される。第2楽章ですら、退屈する瞬間が皆無である。解釈も演奏の技術的な水準も優れた名演。
M. Jansons/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
第1楽章: 13'19"
第2楽章: 12'23"
第3楽章: 4'06"
第4楽章: 10'03" 
よく整えられた滑らかな演奏で、バイエルン放送SOならではの音色も楽しむことができる。が、作品に対する共感や熱意といったものが全く感じられず、どこかお仕事的な雰囲気が漂う、平凡な音楽になっているのが残念。交響曲全集を完結させるという義務感だけで演奏しているかのような、空虚な内容。
N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra
第1楽章: 12'16"
第2楽章: 12'59"
第3楽章: 4'27"
第4楽章: 9'22" 
アシケナージ盤と同様の傾向を持つ美演。ヤルヴィの方が表現力において勝る。技術的にも決して上等ではないオーケストラにここまでの響きを出させる力量にも感心する。ただ、どうしても感覚的な心地好さに流されがちなところが、演奏の品格を損なっている。この曲には、もう少し透徹した緊張感が欲しい。
D. Kitaenko/Gürzenich-Orchester Köln
第1楽章: 13'05"
第2楽章: 13'30"
第3楽章: 3'57"
第4楽章: 10'31" 
どちらかといえばきびきびとした速めのテンポで、堅実に響きを紡いでいく演奏スタイルは、作品によく合っている。全体に節度を持った抑制がなされていて、やみくもな暴発で聴き手を圧倒することはないが、逆に第2楽章のような部分でしっかりと聴かせてくれているのが立派。
R. Kofman/Beethoven Orchestra Bonn
第1楽章: 13'41"
第2楽章: 12'36"
第3楽章: 4'10"
第4楽章: 10'03" 
全体を貫く素朴な熱気が好ましいが、オーケストラに更なる威力を求めたくなる瞬間は少なくない。
K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra
第1楽章: 12'20"
第2楽章: 11'04"
第3楽章: 3'40"
第4楽章: 9'41" 
ごく標準的な内容を持った演奏。ショスタコーヴィチ特有の響きや音楽の流れが立派に再現されており、作品の内容を適切に伝えているが、如何せん技術的に相当荒い。土臭い魅力は確かにあるのだが、総合的に見るとやはり最高級の評価を下す程のレベルには達していないように思われる。
C. Meister/ORF Radio-Symphonieorchester Wien
第1楽章: 13'41"
第2楽章: 12'31"
第3楽章: 3'24"
第4楽章: 10'14" 
精緻にコントロールされた響きの透明感が特徴である。芝居っ気のない理知的な音楽の運びはいかにも現代的と言うべきなのだろうが、この作品においては退屈でしかないのが残念。
E. Mravinsky/Leningrad Philharmonic Orchestra
第1楽章: 11'39"
第2楽章: 11'30"
第3楽章: 4'27"
第4楽章: 10'01" 
初演が作曲当時に作曲家の考えていた作品の姿を再現しているとは必ずしも言えないが、この異様に速く、猛烈なエネルギーが随所で暴発する演奏は、まさに初演ライヴの醍醐味を凝縮したかのような内容である。ライヴならではの技術的な瑕疵は決して少なくないが、当時の最高水準の演奏家が奏でる猟奇的な轟音の突進は、毀誉褒貶のあるこの曲の真価を聴き手に突きつけているかのようですらある。録音状態からしても今となってはヒストリカル音源であるが、近年の現代的な演奏解釈を好むファンの心も揺さぶるに違いはない、多くの聴き手にとって一聴の価値がある録音である。
E. Mravinsky/Leningrad Philharmonic Orchestra
第1楽章: 11'28"
第2楽章: 11'30"
第3楽章: 4'24"
第4楽章: 9'38" 
初演直後に行なわれた、ムラヴィーンスキイ最後のスタジオ録音。若干マスターに起因するノイズが入るが、それよりも演奏の素晴らしさに耳を奪われる。特に1楽章の狂暴な音楽には我を忘れてしまいそうだ。ショスタコーヴィチの作品としては決して良質のものではないこの曲を、尋常ならざる緊張感と完成度で聴かせる名演。
E. Mravinsky/Leningrad Philharmonic Orchestra
第1楽章: 12'03"
第2楽章: 11'24"
第3楽章: 4'47"
第4楽章: 10'18" 
ムラヴィーンスキイ最後の録音。初演から歳月を経て最晩年に至ったムラヴィーンスキイの至高の境地が示されている。快速なテンポは相変わらずだが、そこに漂う余裕と風格が音楽をとてつもなくスケールの大きなものにしている。曲の内容を演奏がはるかに上回った、凄い演奏である。ただし、残念ながら4楽章301小節で2拍子から3拍子に変わる部分をムラヴィーンスキイが振り間違えたため(ヴィデオでもはっきりと確認できる)、4拍子になるまでの4小節ほどの間アンサンブルが大きく乱れている。もしかしたら、この事故が以後一切録音をしなかった(させなかった?)理由なのかもしれない。
V. Petrenko/Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
第1楽章: 12'40"
第2楽章: 10'44"
第3楽章: 3'31"
第4楽章: 9'55" 
勇壮さを排除した悲愴な第1楽章の序奏に、現在ならではの楽曲解釈が見られるものの、然るべき盛り上がりにも不足しないオーソドックスな演奏である。
V. Polyansky/Russian State Symphony Orchestra
第1楽章: 13'50"
第2楽章: 12'48"
第3楽章: 4'24"
第4楽章: 10'56" 
洗練されていながらも、アクの強い金管楽器と打楽器の音色に雰囲気がある。しかしながら、悠然たるというにはあまりに弛緩したテンポや、精彩を欠いたリズムには不満が残る。
G. Prêtre/Philharmonia Orchestra
時間不詳
全体的な雰囲気は決して悪くないのだが、ところどころに聴かれる恣意的で不自然な表情付けにセンスの悪さを感じてしまう。大きくテンポを動かすところでアンサンブルが乱れるのも聴き苦しい。中でも終楽章コーダのテンポ設定には首をかしげてしまう。
R. Raychev/Bulgarian Radio & Television Symphony Orchestra
第1&2楽章: 26'45"
第3&4楽章: 14'20" 
力で押すことのない、落ち着いた内容のある佳演。オーケストラがそれほど上手くないことが地味な印象に拍車をかけているが、逆にこの独特の雰囲気に貢献しているともいえる。打楽器などに物足りなさを感じるものの、緩徐楽章などでは時折はっとする響きも聴こえる。
M. Rostropovich/London Symphony Orchestra
第1楽章: 14'43"
第2楽章: 10'59"
第3楽章: 3'48"
第4楽章: 11'07" 
技術的な不満はほとんどないが、これほどまでに熱気のない空虚な演奏も珍しい。この作品の背景等をロストロポーヴィチなりに考えた結果の解釈なのだろうが、実際の音よりも思想が先走ることの危険性を明らかにしている以外に聴くべき点はない。この作品を駄作とする人は多いが、いくら何でもここで聴かれるよりははるかに感動的で内容のある作品だろう。
G. Rozhdestvensky/Philharmonia Orchestra
第1楽章: 11'17"
第2楽章: 11'08"
第3楽章: 3'41"
第4楽章: 8'19" 
ややぼやけた録音も影響しているのだろうが、冴えない演奏。漫然と音楽が流れて行き、退屈する。アンサンブルもあまり整っていない。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra
第1楽章: 13'48"
第2楽章: 12'38"
第3楽章: 4'32"
第4楽章: 10'38" 
ロシアン・ブラス全開、効果満点の秀演。音響的には(確かに荒い部分も多いのは事実だが)かなり優秀な出来。もちろん、内容も十分に真摯なものなのだが、やや息の短いフレージングのせいか、曲の底の浅さが妙に露呈してしまったようにも感じられる。この曲に何を求めるかで聴き手の評価も変わるだろう。
M. Shostakovich/Prague Symphony Orchestra
第1楽章: 13'39"
第2楽章: 11'47"
第3楽章: 4'39"
第4楽章: 10'58" 
第1楽章の序奏と主部の対比など、金管が非力すぎて盛り上がらないせいか、抒情性と颯爽とした格好良さのバランスが悪い。ただし第2楽章は、彫りの深い音楽で立派。終楽章のコーダは完全に息切れしている。
L. Slovák/Czecho-Slovak Radio Symphony Orchestra
第1楽章: 14'16"
第2楽章: 10'17"
第3楽章: 4'16"
第4楽章: 10'03" 
響きのない音色、ギクシャクしたリズム、不安定な音程、いずれをとっても技術的にこの曲を演奏するレベルには達していない。彼らとしては健闘している部類に入るのだろうが、解釈をうんぬんする価値はない。
E. Tabakov/Bulgarian National Radio Symphony Orchestra
第1楽章: 13'10"
第2楽章: 10'06"
第3楽章: 4'14"
第4楽章: 10'38" 
今ひとつ冴えない。いわゆる爆演の部類に入るとは思うが、作品本来の構成の弱さを補うことができておらず、爆発に至るプロセスが散漫なので、演奏に没入することができない。
上田仁/東京交響楽団
第1楽章: 13'04"
第2楽章: 12'25"
第3楽章: 4'29"
第4楽章: 10'19" 
日本初演ライヴ。歴史的史料として手元に置いておきたい一枚ではある。ムラヴィーンスキイを想起させるような、かなり引き締まった硬派な音楽に意表を突かれる思いがする。オーケストラの能力の限界もあったのだろうが、音量的な盛り上がりや一気呵成な突進力には欠けるが、楽曲を格調高く纏めた立派な演奏と言ってよいだろう。
M. Wigglesworth/Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
第1楽章: 13'00"
第2楽章: 10'25"
第3楽章: 3'56"
第4楽章: 10'16" 
過度な思い入れを排した機能的な演奏ながらも推進力に不足することはなく、整然とした佇まいながらも意味深さを仄めかすような含蓄のある響きと表情が光る秀演である。

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Last Modified 2024.01.19

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