現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、★印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。
演奏者 | 録音年 | レーベル | 番号 | 備考 | 評価 |
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ALEXANDER QUARTET (Zakarias Grafilo, Frederick Lifsitz, Paul Yarbrough, Sandy Wilson) | 2005 | Foghorn | CD1988 | ||
ARTEMIS QUARTET (Vineta Sareika, Anthea Kreston, Gregor Sigl, Eckart Runge) | 2018 | Erato | 0190295540760 | ||
ATRIUM QUARTET (Alexei Naumenko, Anton Ilyunin, Dimitri Pitulko, Anna Gorelova) | 2008 | Zig-Zag Territoires | ZZT080702 | ||
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Vasily Shirinsky, Vadim Borisovsky, Sergei Shirinsky) | Melodiya | 33 D 2400-01 | 10" mono. Melodiya-33 D 015785-86(LP) | ||
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Vasily Shirinsky, Vadim Borisovsky, Sergei Shirinsky) | 1960 | Triton | MECC-26018 | Live | |
BORODIN QUARTET (Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexsandrov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky) | 1967 | Shinsekai | SMK-7525-9 | LP, Chandos-CHAN10064(4), Praga-PRD 250 323 | |
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky) | 1984 | Victor | VICC-40018/23 | ||
BRODSKY QUARTET (Michael Thomas, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas) | 1989 | Teldec | WPCC-4298 | ||
QUATUOR DANEL (Marc Danel, Gilles Millet, Tony Nys, Guy Danel) | 2005 | Fuga Libera | FUG512 | ||
QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Dominique Lonca, Vincent Deprecq, Yannick Callier) | 2000 | Arion | ARN 68534 | ||
QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Marc Vieillefon, Vincent Deprecq, Cédric Conchon) | 2015 | Evidence | EVCD018 | ||
ÉDER QUARTET (György Selmeczi, Péter Szüts, Sándor Papp, György Éder) | 1995 | Naxos | 8.550974 | ||
EMERSON QUARTET (Philip Setzer, Eugene Drucker, Lawrence Dutton, David Finckel) | 1999 | DG | 463 284-2 | Live | |
FITZWILLIAM QUARTET (Christopher Rowland, Jonathan Sparey, Alan George, Iaon Davis) | 1976 | London | F00L-29155/60 | ||
MANDELRING QUARTET (Sebastian Schmidt, Nanette Schmidt, Roland Glassl, Bernhard Schmidt) | 2007 | audite | 21.411 | ||
MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde) | 1990 | ESS.A.Y | CD1008 | ||
MORGAUA QUARTET (Eiji Arai, Takashi Aoki, Hisashi Ono, Ryoichi Fujimori) | 1996 | EMI | TOCE-9306 | ||
QUARTETTO NOÛS (Tiziano Baviera, Alberto Franchin, Sara Dambruoso, Tommaso Tesini) | 2021 | Brilliant | 96418 | ||
PACIFICA QUARTET (Simin Ganatra, Sibbi Bemhardsson, Masumi Per Rostad, Brandon Vamos) | 2010 | Cedille | CDR 90000 127 | ||
RASUMOWSKY QUARTET (Dora Bratchkova, Ewgenia Grandjean, Gerhard Müller, Alina Kudelevic) | 2005 | OEHMS | OC 562 | ||
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos) | 2002 | Brilliant | 6429 | Brilliant-8128 | |
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin) | 1984 | Olympia | OCD 532 | Melodiya-C10 28483 000(LP) | |
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin) | 1996-7 | Sacrambow | ATCO-1015 | ||
SORREL QUARTET (Gina McCormack, Catherine Yates, Sarah-Jane Bradley, Helen Thatcher) | 2004 | Chandos | CHAN 10248 | ||
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Andrei Dogadin, Leonid Shukaev) | 1994 | Sony | SMK66592 | ||
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Alexei Koptev, Leonid Shukaev) | 2000 | Hyperion | CDA67155 | ||
TANEYEV QUARTET (Vladimir Ovcharek, Grigori Lutsky, Vissarion Soloviev, Iosif Levinzon) | 1978 | Victor | VICC-40104/9 | Praga-PR 250 077 |
Alexander Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'32" | 第2楽章: | 8'53" | 第3楽章: | 10'53" | |||
第2楽章の透明感に強く惹かれるが、両端楽章のいささか野暮ったさを感じさせる音楽の運びも、この作品には相応しい。冷静ではあるが、内面の燃焼度も十分に高い。 | ||||||||
Artemis Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'21" | 第2楽章: | 8'52" | 第3楽章: | 9'48" | |||
非の打ち所がない模範的な解釈と、如何なる局面においても貫禄すら感じさせる余裕たっぷりな音楽の運び、そして透明ではあるが無機質ではない響きの美しさ、いずれをとっても見事な出来である。とりわけ、神経質さも、技をこれ見よがしに披歴するような嫌らしさもない、ピアニッシモの感覚的な美しさが印象的である。 | ||||||||
Atrium Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'54" | 第2楽章: | 8'23" | 第3楽章: | 10'24" | |||
言われなければロシアの団体であると気づかないほど、洗練されたインターナショナルな響きである。やや線が細くてこじんまりとしたアンサンブルだが、普段は勢いに呑まれてしまう箇所の繊細な美しさに気付かされるので悪くない。 | ||||||||
Beethoven Quartet | ||||||||
時間不詳 | ||||||||
第一ヴァイオリンだけが突出するバランスに古めかしさを感じるものの、演奏そのものは模範的な解釈と安定した技巧で素晴らしい。作品の持つ多様な側面が見事に描き出されている。しかし、残念ながら録音状態はかなり悪い。ちなみにこの5番だけがConsoleレーベルの全集復刻から唯一漏れた音源だが、理由はよく分からない。 | ||||||||
Beethoven Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'07" | 第2楽章: | 7'43" | 第3楽章: | 9'07" | |||
腹の底から沸き上がってくるような熱い音楽に、ショスタコーヴィチの強靭な精神を感じさせられる。現代の水準からみると技術的に傑出しているとは言えない団体だけに細かい瑕が気にならなくもないが、4人が一体となって音楽に没入している様には素直に感動させられる。同時代人の共感に満ちた秀演。 | ||||||||
Borodin Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'54" | 第2楽章: | 8'10" | 第3楽章: | 10'28" | |||
鋭い緊張感と人間的な暖かみ、地に足のついた骨の太い高揚感。この作品が求めている全ての要素を理想的な形で音化した名演。洗練されたアンサンブルの中に、ほのかに香るロシアの匂いがたまらない魅力。不満らしい不満は全くない。 | ||||||||
Borodin Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'19" | 第2楽章: | 9'04" | 第3楽章: | 11'12" | |||
繊細な美しさと骨太で圧倒的な力感とが見事に共生した名演。圧巻は第3楽章で、コーダの緊張感溢れる美しさと意味深さを兼ね備えた響きには言葉もない。この団体の力量が存分に発揮されている。 | ||||||||
Brodsky Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'48" | 第2楽章: | 10'49" | 第3楽章: | 10'14" | |||
無難にまとめられているものの、強く訴えかけるものが感じられない。響きの美しさと音楽の流れの良さはなかなかだが、この曲には更に聴き手を圧倒するような力感や縛り付けるような緊張感も求めたいところだ。 | ||||||||
Quatuor Danel | ||||||||
第1楽章: | 11'14" | 第2楽章: | 9'41" | 第3楽章: | 11'21" | |||
充実した秀演。作品の劇性を適切に把握した、緊張感に貫かれた音楽の運びが素晴らしい。スケールの大きな歌心にも不足していないので、作品に対する親しみやすさすら感じさせる。 | ||||||||
Quatuor Debussy | ||||||||
第1楽章: | 10'37" | 第2楽章: | 7'23" | 第3楽章: | 9'53" | |||
充実した内容をもつ秀演。元来線の細い団体ではあるが、過剰に肩肘張ることなく自然体で作品に取り組んだことが立派な結果につながっている。素直な高揚感はやみくもな昂奮とは無縁で、静謐な部分の集中力と美しさを存分に引き立たせている。強烈なロシア臭よりは洗練されたまとまりが際立っている。 | ||||||||
Quatuor Debussy | ||||||||
第1楽章: | 10'38" | 第2楽章: | 7'57" | 第3楽章: | 10'07" | |||
表面的な美観に拘ることなく作品が有する劇性を表出した、スケールの大きな演奏である。ごく正攻法の解釈ではあるが、どこか荒っぽさすら感じさせる盛り上がりには、一世代前の同時代的共感が感じられて懐かしい。完成度の高い秀演。 | ||||||||
Éder Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'11" | 第2楽章: | 9'20" | 第3楽章: | 10'08" | |||
この団体ならではの艶やかで美しい響きに加え、激しいまでの熱気が盛り込まれた素晴らしい演奏。特に奇を衒ったり、あざとい表現をしている訳ではないが、非常に雄弁でスケールの大きな音楽に仕上がっている。ショスタコーヴィチのドラマトゥルギーと美しさが余すところなく表現された名演。 | ||||||||
Emerson Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'18" | 第2楽章: | 8'29" | 第3楽章: | 10'23" | |||
無難に音楽が流れていくだけで、作品に対する共感や内なる情熱は感じられない。作品を客観的に捉えていると言えなくもないが、これといった演出もないために聴いていて退屈する。 | ||||||||
Fitzwilliam Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'53" | 第2楽章: | 9'26" | 第3楽章: | 10'37" | |||
スケールの大きな緊張感が張り詰めた、豊かな内容を持った名演。勢いに任せることのない内面から沸き上がる高揚感は実に素晴らしい。いかにも西欧風の音色だが、不思議と違和感はない。特に第2楽章の美しさと深い内容は、この団体がショスタコーヴィチの様式に精通していることを示していると言えるだろう。 | ||||||||
Mandelring Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'26" | 第2楽章: | 8'54" | 第3楽章: | 10'23" | |||
全編に渡って力強い表現意欲が漲る秀演である。抑えきれずに噴出してしまうかのような高揚感には、有無を言わさず惹き込まれてしまう。 | ||||||||
Manhattan Quartet | ||||||||
第1楽章: | 12'01" | 第2楽章: | 9'47" | 第3楽章: | 11'10" | |||
全編に漲る熱気と集中力はなかなかだが、技術の不足が致命的でただ荒いだけの整理されていない音楽にしか仕上がっていない。第2楽章も美感に不足するだけでなく、多彩な表情の描写も十分ではない。 | ||||||||
Morgaua Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'04" | 第2楽章: | 8'57" | 第3楽章: | 9'54" | |||
猛烈なテンションの高さが際立つ熱演。冒頭からグイグイと聴き手を引き込む音楽の力は立派なもの。しかしながら、曲が進んでいくにつれて、表現の幅の狭さが気になってくる。技術的にももう一段上の精度を求めたいところ。雰囲気はよく出ているだけに惜しい。 | ||||||||
Quartetto Noûs | ||||||||
第1楽章: | 11'28" | 第2楽章: | 9'42 | 第3楽章: | 11'00" | |||
イタリアの団体なので当然ながらロシア流儀の弾き方ではなく、ロシア情緒を前面に押し出しているわけでもないのに、実に良いショスタコーヴィチの音がしている。力強い切れ味と木の温もりを感じさせる厚みのある響きは、非ロシアの団体に限って言えば他の追随を許さない。音楽的なバランスの良い好演である。 | ||||||||
Pacifica Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'30" | 第2楽章: | 9'27 | 第3楽章: | 10'47" | |||
ライヴ録音でありながらも演奏には終始余裕があり、明晰な解釈と手慣れた音楽の運びは楽曲に対する深い理解を窺わせる。骨太で重量感のある響きが硬派な高揚感を導き出しており、大柄な迫力を備えたシンフォニックな演奏は、彼らのショスタコーヴィチ演奏の中でも白眉であろう。 | ||||||||
Rasumowsky Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'45" | 第2楽章: | 9'08 | 第3楽章: | 10'05" | |||
透明感のある明るい響きが作品とよくあっている。ただ、クライマックスの力感には物足りなさも残る。 | ||||||||
Rubio Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'44" | 第2楽章: | 10'41" | 第3楽章: | 10'25" | |||
派手さはないが、充実した内容が立派な好演。弱奏部の美しさが魅力的。ヴィオラとチェロを中心に積み上げた響きは、この団体が持つ線の細さをあまり感じさせない。 | ||||||||
Shostakovich Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'00" | 第2楽章: | 8'40" | 第3楽章: | 10'40" | |||
力感に満ちたなかなかの好演。作品をしっかりと手中に収めた自信が窺える。独特のノンヴィブラートを駆使した弱奏部もなかなか魅力的。この作品を分かりやすくまとめた演奏と言えるだろう。 | ||||||||
Shostakovich Quartet | ||||||||
第1楽章: | 12'12" | 第2楽章: | 9'08" | 第3楽章: | 10'56" | |||
手堅く安定したアンサンブルが繰り広げられているが、技術上の制約からか表現の振幅があまり大きくない。強靭な精神力よりは屈折した抒情を美しく描き出すタイプの解釈自体は、独特の魅力を持っている。 | ||||||||
Sorrel Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'31" | 第2楽章: | 8'54" | 第3楽章: | 11'07" | |||
無難なアンサンブルが繰り広げられているが、より一層の力感が欲しいところ。特筆すべき特徴はない。 | ||||||||
St Petersburg Quartet | ||||||||
第1楽章: | 10'24" | 第2楽章: | 8'17" | 第3楽章: | 10'08" | |||
技術的にも音楽的にも極めて充実した名演。特に、両端楽章の叩き付けるような激情には、有無を言わさず引き込まれてしまう。決して一本調子になることはなく、作品の多様な襞を立派に音化しているところが素晴らしい。緩徐楽章にはやや表面的な部分もあるものの、その美しい響きは十分に立派な出来である。この団体のショスタコーヴィチ演奏の中でも、白眉の1曲である。 | ||||||||
St Petersburg Quartet | ||||||||
第1楽章: | 11'55" | 第2楽章: | 9'12" | 第3楽章: | 11'08" | |||
旧盤と比較すると一層の深まりを見せている。的確かつ安定した音楽の運びには、この作品を手中に収めた自信と風格すら感じられる。ただ、激情の迸りが後退しているのは、個人的にやや残念。 | ||||||||
Taneyev Quartet | ||||||||
第1楽章: | 12'01" | 第2楽章: | 9'08" | 第3楽章: | 10'51" | |||
手堅いまとめ上げと、繊細かつ強靭な弱音の響き(特に第2楽章)が素晴らしい。ただ、この団体のいつもの演奏に比べると、情熱的な盛り上がりや躍動感溢れるリズムには欠けているようにも感じられる。 |
Last Modified 2024.04.19