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交響曲第2番 ロ長調「十月革命に捧ぐ」 作品14

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。指揮者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

指揮者合唱オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirBrighton Festival Chorus (Laszio Heltay)Royal Philharmonic Orchestra1989Decca436 762-2
BARSHAI, RudolfRundfunkchorWDR Sinfonieorchester1995Brilliant6324Brilliant-8128
BLAZHKOV, IgorStudents' Choir of the Krupskaya Institute of Culture (Chorusmaster: Ivan Poltavtsev)Leningrad Philharmonic Symphony Orchestra1965MelodiyaCM 01883-4LP, Live(1 Nov.). Russian Disc-RD CD 11 195, Praga-PRD 250 356
CAETANI, OlegCoro Sinfonico di Milano Giuseppe Verdi (Romano Gandolfi)Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi2005Arts47705-8SACD, Live(July)
ELDER, MarkBBC Symphony Chorus & Geoffrey Mitchell Choir (Stephen Jackson)BBC Symphony Orchestra1996BBCBBC MM50Live(17 Feb.)
GERGIEV, ValeryMariinsky Chorus (Chorusmaster: Andrei Petrenko)Mariinsky Orchestra2010MariinskyMAR0507SACD
GOULD, MortonRoyal Philharmonic Chorus (Chorusmaster: John McCarthy, Chorusdirector: Igor Buketoff)Royal Philharmonic Orchestra1968RCARB 6755LP, RCA-SB 6755(LP)
HAITINK, BernardLondon Philharmonic Chorus (Chorusmaster: John Alldis)London Philharmonic Orchestra1982LondonPOCL-9255/66
INBAL, EliahuChorus Viennensis (Chorusmaster: Guido Mancusi) & Damenchor des Wiener Singvereins (Chorusmaster: Johannes Prinz)Wiener Symphoniker1992DenonCOCO-75719
INOUE, MichiyoshiRitsuyu-Kai ChoirSt. Petersburg Symphony Orchestra2007Octavia RecordsOVCL00777Live(3 Nov.)
JANSONS, MarissChor des Bayerischen Rundfunks (Michael Gläser)Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks2004-5EMI0946 3 35994 2 0
JÄRVI, NeemeGothenburg Symphony Chorus (Pär Fridberg)Gothenburg Symphony Orchestra2000DG469 525-2
KITAENKO, DmitriPrague Philharmonic ChorusGürzenich-Orchester Köln2004Capriccio71 029SACD
KOFMAN, RomanNational Ukrainian Choir »Dumka« (Evgeni Savchuk)Beethoven Orchestra Bonn2004MDG937 1206-6SACD
KONDRASHIN, KirilRSFSR Russian Chorus (Alexander Yurlov)Moscow Philharmonic Symphony Orchestra1972VictorVICC-40094/103Melodiya-MEL CD 10 01065
PETRENKO, VasilyRoyal Liverpool Philharmonic ChoirRoyal Liverpool Philharmonic Orchestra2011Naxos8.572708
ROSTROPOVICH, MstislavLondon Voices (Terry Edwards)London Symphony Orchestra1993Teldec4509-90853-2
ROZHDESTVENSKY, GennadyRSFSR Russian ChorusUSSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra1984VictorVICC-40001/11
SHOSTAKOVICH, MaximPrague Philharmonic Choir (Jan Svejkovsky)Prague Symphony Orchestra2005SupraphonSU 3890-2Live(6-7 Dec.)
SLOVÁk, LadislavSlovak Philharmonic Choir (Ján Mária Dobrodinsky)Slovak Philharmonic Orchestra1967Opus9110 0382LP, Supraphon-SUA ST 50958(LP)
SLOVÁK, LadislavSlovak Philharmonic ChorusCzecho-Slovak Radio Symphony Orchestra1990Naxos8.550624
TABAKOV, EmilBulgarian National Radio Mixed Choir (Chorusmaster: Rumen Raichev)Bulgarian National Radio Symphony Orchestra2013Gega NewGD 388
WIGGLESWORTH, MarkNetherlands Radio Choir (Celso Antunes)Netherlands Radio Philharmonic Orchestra2010BISBIS-SACD-1603SACD

V. Ashkenazy/Royal Philharmonic Orchestra
17'01" 
前半部分は何をやっているか、さっぱり分からない。サイレンの音が強烈に収録されていて目が醒めかかるが、後半はやたらと管楽器を強調した安直な演奏で、全くもってどうでもよい中身のない音楽である。しかも、合唱の音程が悪くて聞き苦しいというおまけ付き。いくらなんでも、もう少しマシな曲だと思うのだが。
R. Barshai/WDR Sinfonieorchester
18'47" 
前半部分では、いかにもバルシャーイらしい整然とした音楽の運びと、錯綜した部分の自然な高揚感とが非常に魅力的。それだけに意図はわかるものの、不自然なほど漫然とした後半部分とのバランスが悪く、少々残念。サイレンは控えめな方。
I. Blazhkov/Leningrad Philharmonic Symphony Orchestra
16'07" 
ライヴということもあってか、全体に張り詰めた意志と高揚感が漲った好演。その意欲はかなり荒々しい音となって表現されているが、特に前半部分においてそれが魅力をもたらしている。後半の合唱はやや平凡だが、素直な盛り上げ方には好感が持てる。
O. Caetani/Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi
16'55" 
洗練された音楽の運びと素直な昂奮とのバランスが心地好い。このコンビの魅力が存分に発揮された秀演である。やや軽いものの合唱も悪くはない。ただ、サイレンの選択には疑問が残る。
M. Elder/BBC Symphony Orchestra
18'58" 
素直な高揚感を持った佳演。ライヴということもあってか細部は荒っぽいものの、全体にバランスのとれた仕上がりで作品の姿を適切に表現しているといえるだろう。後半の合唱にはやはりロシアン・ヴォイスの響きを望みたいところだが、まぁ健闘しているといって良いだろう。
V. Gergiev/Mariinsky Orchestra
19'25" 
無難にまとめただけで、これといった聴かせどころがなく、物足りない。
M. Gould/Royal Philharmonic Orchestra
時間不詳
ソツのない、きれいな仕上がり。ただ、響きのなめらかな感触に若干の違和感が残る。結果としてこの曲の持つ前衛性が後退してしまっているが、逆に前半部分と後半部分とのバランスが良くなっていることを考えると一長一短であろうか。合唱は特に男声が弱い。複数の録音が存在する現在、この演奏の存在価値は残念ながらそれほど高くないといわざるを得ないだろう。なお、サイレンは使われていない。
B. Haitink/London Philharmonic Orchestra
20'55" 
前半部分が非常に真面目で、しっかりとした内容を持った好演。音色や節回しにこれといった魅力は感じられないものの、安定した技術と確かな譜読みが光る。ただし、後半部分がどうにも退屈。ここを聴かせるためには、もっと別の要素が必要だろう。
E. Inbal/Wiener Symphoniker
17'22" 
大変丁寧な演奏で、好感が持てる。ここまで響きをすっきりと整えあげた演奏も珍しい。しかしながら、やはりこの曲には内容の薄さを補う響きの濃さが不可欠なように思われる。ひたすら柔らかい合唱も含めて、この演奏では曲の退屈さだけが際立ってしまう。サイレン使用。
井上道義/St. Petersburg Symphony Orchestra
19'02" 
前半はどうにもエンジンがかからない感じで、前衛時代のショスタコーヴィチの面白さが表出されているとは言い難いが、合唱が入る後半からの盛り上がりは素晴らしい。特筆すべきはサイレンの音質と音量の見事さ。日本とソ連とで工場のサイレンの音色にどのような違いがあるのかを知らないので、もしかしたらこの演奏のサイレンは日本的なのかもしれないが、いずれにせよ、理想通りのサイレンである。
M. Jansons/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
18'48" 
よく整えられた滑らかな演奏で、バイエルン放送SOならではの音色も楽しむことができる。が、作品に対する共感や熱意といったものが全く感じられず、どこかお仕事的な雰囲気が漂う、平凡な音楽になっているのが残念。合唱の入りの表現がやや個性的だが、それ以外はこれといったひねりもなく、淡々と音楽が流れていく。
N. Järvi/Gothenburg Symphony Orchestra
18'20" 
独奏ヴァイオリンのセンス悪いアゴーギグなどが気になるものの、いつものヤルヴィらしい覇気に満ちた歌はなかなか心地好い。管楽器の音色の利かせ方もなかなか。そうした前半部分の好印象を一気に打ち破るのがサイレン。こんなに安っぽくて非音楽的なサイレンは随一。それに続く合唱の下手なこと!一体どうしてしまったのだろうか?コーダのトランペットの音程も変だが、これは確信犯か?いずれにしても、全体としては“トンデモ”演奏としてしか評価できない。
D. Kitaenko/Gürzenich-Orchester Köln
21'16" 
非常に優れた演奏。隅々まで丁寧に磨き上げられた音楽は、他の録音と比較しても傑出している。細部まですっきりと捉えた録音も秀逸。合唱も十分力強くて、それほど違和感がない。ただ、サイレンの音色は乾いた汽笛みたいでちょっと拍子抜け。
R. Kofman/Beethoven Orchestra Bonn
18'55" 
全体を貫く素朴な熱気が好ましく、楽曲の面白さや楽しさを味わうことができる。
K. Kondrashin/Moscow Philharmonic Symphony Orchestra
16'44" 
この曲に関する限り、考えうる最高の演奏。サイレンは使っていないが、むしろそれが交響曲としてのまとまりを与える結果となっている。錯綜したポリフォニックな書法を完璧に把握し、早目のテンポと引き締まったリズムで理想的に統率されている様は圧巻。特筆すべきは後半の合唱で、これ以外はありえないと断言できる声の響きには我を忘れてしまいそう。練習番号94の「これこそは旗、これこそは生きる世代の名。10月、コミューン、そしてレーニン!」という部分の絶叫の凄まじさには、形容する言葉もない。前半と後半のつながりも良く、これこそ演奏芸術の真髄といえるだろう。
V. Petrenko/Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
18'28" 
初期ショスタコーヴィチの尖った部分が全て自然に解決され、前衛とは対極のまろやかな音楽となっている。サイレンすらも当たり前のように溶け込んでいる演奏は他になく、ショスタコーヴィチが「古典」となったことを端的に象徴しているようにも思われる。ただ、合唱はいかにも軽量で、私にはどうしても物足りない。
M. Rostropovich/London Symphony Orchestra
18'53" 
ダイナミックレンジは広いが、音楽そのものはしなやかな流れを持ったスマートなもの。強烈な個性を聴かせる演奏ではないが、作品の内容を適正に音化していると言えるだろう。この演奏で素晴らしいのは、後半の合唱。ロシアの団体とは全く異なる響きだが、確かな技術に裏打ちされた格調高い歌唱には耳を惹きつけられる。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra
21'20" 
ゆったりとしたテンポで、とにかく細部を徹底的に磨き上げた演奏。非常に凝った印象はあるが、全体の流れは鈍重。合唱が入った後半は、巧みに劇的な盛り上がりを創出しているが、スコアの希薄さが露呈されてしまったのは否めない。
M. Shostakovich/Prague Symphony Orchestra
18'26" 
アンサンブルに難があり、全体に締りがない。サイレンの音色自体は良いが、音程は作曲者の指示通り(F♯)ではなく、変化するのがいただけない。
L. Slovák/Slovak Philharmonic Orchestra
時間不詳
自然でありながらも十分にメリハリの利いた好演。ロシア風の音の力はあまり感じられないが、ただ耳に優しいだけではなく、意味深い響きにまとめあげられている。合唱はやや情緒に流され気味だが、特に悪いというわけでもない。
L. Slovák/Czecho-Slovak Radio Symphony Orchestra
19'29" 
全体にあっさりと流しすぎている印象はあるが、特に前半部分は悪くない。しかし曲も大詰め、合唱のシュプレヒコール直前で意味不明のカット(編集上の問題か?)があるのは極めて残念。これではこの曲を聴く意味がない。
E. Tabakov/Bulgarian National Radio Symphony Orchestra
19'17" 
作品の実験的な要素の扱いに工夫がなく、どのエピソードも漫然と流れていく凡庸な演奏。このコンビの魅力でもある野卑すれすれの迫力も影を潜めており、何となく肩透かしを喰らったような気分になる。
M. Wigglesworth/Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
20'02" 
冷静に紡がれる端正な音楽は、ウィグルスワースの特徴。この作品では、それが退屈さに繋がってしまうのが残念。整然とした合唱を聴いていると、作品の弱い部分ばかりが強調されているようにすら聴こえてしまう。なお、ダイナミックレンジが広すぎる録音は、この作品においてはとりわけ聴き辛い。

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Last Modified 2022.12.01

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