現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、★印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。
演奏者 | 録音年 | レーベル | 番号 | 備考 | 評価 |
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ALEXANDER QUARTET (Zakarias Grafilo, Frederick Lifsitz, Paul Yarbrough, Sandy Wilson) | 2005 | Foghorn | CD1991 | ||
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Vasily Shirinsky, Fyodr Druzhinin, Sergei Shirinsky) | 1964 | Triton | MECC-26019 | Live(20 Nov.) | |
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Vasily Shirinsky, Fyodr Druzhinin, Sergei Shirinsky) | 1965 | Consonance | 81-3009 | ||
BORODIN QUARTET (Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexsandrov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky) | 1967 | Shinsekai | SMK-7525-9 | LP, Chandos-CHAN10064(4), Praga-PRD 250 331 | |
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky) | 1981 | Victor | VICC-40018/23 | Live | |
BRODSKY QUARTET (Michael Thomas, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas) | 1989 | Teldec | 244 919-2 | ||
QUATUOR BYRON (Wendy Ghysels, François James, Robin Lemmel, Coralie Devars) | 2010 | Aparté | AP012 | ||
QUATUOR DANEL (Marc Danel, Gilles Millet, Tony Nys, Guy Danel) | 2001 | Fuga Libera | FUG512 | ||
DARTINGTON QUARTET (Colin Sauer, Malcolm Latchem, Keith Lovell, Michael Evans) | 1973 | Amon Ra | CD-SAR 1 | CD-R | |
QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Anne Ménier, Vincent Deprecq, Yannick Callier) | 2002 | Arion | ARN 68596 | ||
ÉDER QUARTET (György Selmeczi, Péter Szüts, Sándor Papp, György Éder) | 1994 | Naxos | 8.550973 | ||
ELEONORA QUARTET (Eleonora Yakubova, Irina Pavlikhina, Anton Yaroshenko, Mikhail Shumsky) | 1994 | Etcetera | KTC 1182 | ||
EMERSON QUARTET (Philip Setzer, Eugene Drucker, Lawrence Dutton, David Finckel) | 1998 | DG | 463 284-2 | Live | |
FITZWILLIAM QUARTET (Christopher Rowland, Jonathan Sparey, Alan George, Iaon Davis) | 1975 | London | F00L-29155/60 | ||
GOLDMUND QUARTET (Florian Schötz, Pinchas Adt, Christoph Vandory, Raphael Paratore) | 2017 | Berlin Classics | 0301068BC | ||
GOSTELERADIO QUARTET OF GEORGIA (Levan Chkheidze, Georgy Khintibidze, Archil Kharadze, Revaz Machabeli) | 1990 | Art & Electronics | AED-10212 | ||
JERUSALEM QUARTET (Alexander Pavlovsky, Sergei Bressler, Amichai Gross, Kyril Zlotnikov) | 2004 | harmonia mundi | HMC 901865 | ||
MANDELRING QUARTET (Sebastian Schmidt, Nanette Schmidt, Roland Glassl, Bernhard Schmidt) | 2007 | audite | 21.411 | ||
MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde) | 1990 | ESS.A.Y | CD1010 | ||
MORGAUA QUARTET (Eiji Arai, Takashi Aoki, Hisashi Ono, Ryoichi Fujimori) | 1996 | EMI | TOCE-9306 | ||
QUARTETTO NOÛS (Tiziano Baviera, Alberto Franchin, Sara Dambruoso, Tommaso Tesini) | 2021 | Brilliant | 96418 | ||
PACIFICA QUARTET (Simin Ganatra, Sibbi Bemhardsson, Masumi Per Rostad, Brandon Vamos) | 2012 | Cedille | CDR 90000 138 | ||
RASUMOWSKY QUARTET (Dora Bratchkova, Ewgenia Grandjean, Gerhard Müller, Alina Kudelevic) | 2005 | OEHMS | OC 562 | ||
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos) | 1998 | Globe | GLO 5181 | ||
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos) | 2002 | Brilliant | 6429 | Brilliant-8128 | |
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin) | 1985 | Olympia | OCD 533 | Melodiya-C10 28483 000(LP) | |
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin) | 1992 | Sacrambow | OMCC-1001 | ||
SORREL QUARTET (Gina McCormack, Catherine Yates, Sarah-Jane Bradley, Helen Thatcher) | 2001 | Chandos | CHAN 9955 | ||
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Alexei Koptev, Leonid Shukaev) | 2000 | Hyperion | CDA67155 | ||
TANEYEV QUARTET (Vladimir Ovcharek, Grigori Lutsky, Vissarion Soloviev, Iosif Levinzon) | 1978 | Victor | VICC-40104/9 | ||
VOCES INTIMAE QUARTET (Jorma Rahkonen, Ari Angervo, Nauri Pietikäinen, Veikko Höylä) | 1974 | EMI | 5 E 063-35038 | LP | |
MEMBERS OF PHILHARMONIA VIRTUOSI (Mela Tenenbaum, Heidi Stubner, John Dexter, Roger Shell) | 1993 | ESS.A.Y | CD1036 | 3rd mov. only. |
Alexander Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'19" | 第2楽章: | 4'04" | 第3楽章: | 4'00" | 第4楽章: | 4'00" | 第5楽章: | 11'23" | |||||
透明感のある美しさが耳を惹くが、終楽章が安全運転に過ぎて全く盛り上がらず、不満が残る。 | ||||||||||||||
Beethoven Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 3'58" | 第2楽章: | 3'02" | 第3楽章: | 3'46" | 第4楽章: | 3'18" | 第5楽章: | 8'43" | |||||
初演の歴史的ライヴ録音。ヴィオラがボリソーフスキイからドルジーニンに交代して最初のショスタコーヴィチ演奏ということになるが、存分にその実力を発揮しているだけではなく、全体の響きをも若々しいものにしている。尋常ならざる熱気と共感が漲った演奏は素晴らしく、特に第5楽章の大熱演には、やみくもに興奮させられる。その場に居合わせられないことを、これほど悔しく感じる演奏も珍しい。初演にして最高の名演。 | ||||||||||||||
Beethoven Quartet | ||||||||||||||
Total Time: | 23'44" | |||||||||||||
初演者の貫禄に満ちた快演。力強く暖かい響きと引き締まったリズムが、ショスタコーヴィチの音楽を見事に描き出している。劇的な盛り上がりも立派なもので、作曲者の意図が全て音になっている感がある。録音の悪さが残念。 | ||||||||||||||
Borodin Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'13" | 第2楽章: | 6'01" | 第3楽章: | 3'47" | 第4楽章: | 4'37" | 第5楽章: | 9'56" | |||||
音楽的にも技術的にも、非の打所のない名演。ドゥビーンスキイ時代のこの団体がまさに絶頂期にあったことがわかる。正確な音程と切れ味鋭い精密なリズム、すみずみまで心の通った音色、いずれをとっても完璧と言って過言ではないだろう。やみくもに勢いだけで押すのではなく、楽譜の正確な再現を通して内面から沸き起こってくる高揚感がたまらない。 | ||||||||||||||
Borodin Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'21" | 第2楽章: | 5'05" | 第3楽章: | 3'44" | 第4楽章: | 4'08" | 第5楽章: | 9'31" | |||||
この団体の実力と魅力が余すところなく発揮された、圧倒的な名演。ライヴゆえの荒っぽさが皆無とは言えないが、卓越した技術の冴えはもの凄い。逞しい強奏から緊張感漲る弱奏に至るデュナーミクの幅広さと、ただ一つの音符も逃さない濃密な表現力は、弦楽四重奏における一つの極致とすら言えるだろう。全集収録音源にもかかわらず、拍手がそのまま残されているのも納得。 | ||||||||||||||
Brodsky Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'29" | 第2楽章: | 4'21" | 第3楽章: | 4'17" | 第4楽章: | 2'34" | 第5楽章: | 9'36" | |||||
この団体らしいスムーズな音楽の運びが心地よいが、全体に掘り下げ不足は否めない。終楽章など、逆にもう少し勢いに任せても良いと思うくらい、表現の密度が薄い。技術的には無難な出来。 | ||||||||||||||
Quatuor Byron | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'06" | 第2楽章: | 3'59" | 第3楽章: | 4'05" | 第4楽章: | 3'27" | 第5楽章: | 9'48" | |||||
適正な解釈ではあるものの、第1Vnをはじめとして技術面での微妙なもたつきが気になる。洗練された響きの割に音楽が鈍重で冴えないのは、何とも惜しい。 | ||||||||||||||
Quatuor Danel | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'43" | 第2楽章: | 4'22" | 第3楽章: | 4'13" | 第4楽章: | 3'42" | 第5楽章: | 10'26" | |||||
解釈自体は正統的だが、それを表現する技術に不足がある。本来ならばこの作品でこそ威力を発揮するであろう、この団体の特徴でもある野生的な高揚感が、実際の音として実現していない。再録音を望みたいところだ。 | ||||||||||||||
Dartington Quartet | ||||||||||||||
Total Time: | 25'09" | |||||||||||||
ロシア風の野生味には欠けるが、伸びやかな歌と溌剌としたリズムが清新な印象を醸し出す美演である。テンポ設定も極めて妥当で、ほぼ同時期に録音されたフィッツウィリアムQの全集に匹敵するばかりか、素朴な熱量という点ではそれを上回る出来栄えである。 | ||||||||||||||
Quatuor Debussy | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'28" | 第2楽章: | 4'07" | 第3楽章: | 3'52" | 第4楽章: | 3'32" | 第5楽章: | 10'07" | |||||
、丁寧で真摯な解釈と高いアンサンブル技術は立派なのだが、少々落ち着き過ぎで力強さに不足するように感じられる。楽章毎の性格付けもやや単調。 | ||||||||||||||
Éder Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'26" | 第2楽章: | 3'59" | 第3楽章: | 3'53" | 第4楽章: | 3'37" | 第5楽章: | 10'02" | |||||
実に伸びやかな美しい演奏。終楽章の圧倒的な高揚感もなかなか。いわゆるショスタコーヴィチらしさよりは、音楽の持つ響きと歌の魅力を素直に描き出した演奏といえるだろう。確かに一つの側面に偏った解釈ではあるが、これはこれで十分に立派で説得力がある。 | ||||||||||||||
Eleonora Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'45" | 第2楽章: | 4'57" | 第3楽章: | 3'54" | 第4楽章: | 4'43" | 第5楽章: | 10'03" | |||||
無難と言えば無難なのだろうが、面白味に欠ける演奏。ロシア流儀の音色ではあるが、線も細く、技術的にもやや頼りない。解釈そのものはマトモなものだが、リズムも響きも今一つ中途半端に終始している。 | ||||||||||||||
Emerson Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'24" | 第2楽章: | 3'47" | 第3楽章: | 4'02" | 第4楽章: | 3'00" | 第5楽章: | 9'29" | |||||
整ってはいるものの、強烈に訴えかけるもののない地味な演奏。全体に響きがこもりがちで、表現に鮮烈さが欠ける。決して下手ではないが技術的な切れ味にも不足し、物足りなさだけが残る。終演後の熱狂的な拍手には、残念ながら共感できない。 | ||||||||||||||
Fitzwilliam Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'23" | 第2楽章: | 4'38" | 第3楽章: | 4'00" | 第4楽章: | 3'35" | 第5楽章: | 10'55" | |||||
丁寧で堅実な演奏。ショスタコーヴィチの音世界が素直に表現されている。ただ、特に終楽章などもう少しやみくもな高揚感があってもよいだろう。まとまってはいるものの、少々物足りない。 | ||||||||||||||
Goldmund Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'24" | 第2楽章: | 3'55" | 第3楽章: | 4'06" | 第4楽章: | 3'21" | 第5楽章: | 9'40" | |||||
いわゆる「美音」のような煌びやかな音ではないものの、実に良い音のする団体である。アンサンブルの技術も一流と言って差し支えない。テンポ設定などの基本的な解釈も模範的であり、水準以上の演奏と評すべきなのだろう。しかしながら、全てが予想の範囲内で展開される予定調和的な音楽であり、私はそこに物足りなさを感じてしまう。 | ||||||||||||||
Gosteleradio Quartet of Georgia | ||||||||||||||
第1楽章: | 2'35" | 第2楽章: | 4'11" | 第3楽章: | 4'13" | 第4楽章: | 3'06" | 第5楽章: | 8'56" | |||||
安定した勢いのある演奏だが、突き抜けたものがない。使用楽器の質もあるのだろうが、音色にも荒さしか感じられないのは残念。解釈そのものは真っ当なものだが、表現の底がいかにも浅い。 | ||||||||||||||
Jerusalem Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 3'59" | 第2楽章: | 4'36" | 第3楽章: | 3'44" | 第4楽章: | 4'02" | 第5楽章: | 9'35" | |||||
旺盛な表現意欲と覇気に満ちた素晴らしい演奏である。丁寧に磨きあげられたアンサンブルと大柄な推進力が、作品の魅力を十二分に引き出している。 | ||||||||||||||
Mandelring Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'29" | 第2楽章: | 4'34" | 第3楽章: | 4'15" | 第4楽章: | 3'03" | 第5楽章: | 8'49" | |||||
個人技の切れ味はそれほどでもないが、表現意欲に満ちたアンサンブルの集中力と燃焼度が非常に素晴らしい。特に、高揚感に満ちた終楽章は聴き手を満足させてくれる。 | ||||||||||||||
Manhattan Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 3'54" | 第2楽章: | 3'52" | 第3楽章: | 3'49" | 第4楽章: | 3'42" | 第5楽章: | 10'00" | |||||
かさついた音に魅力はないが、しっかりと積み上げられたアンサンブルには好感が持てる。作品の把握もしっかりとしたものだが、勢いに任せた盛り上げや静謐な部分での歌い込み等に、やや底の浅さが感じられるのが惜しい。 | ||||||||||||||
Morgaua Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'26" | 第2楽章: | 3'40" | 第3楽章: | 4'01" | 第4楽章: | 3'00" | 第5楽章: | 9'21" | |||||
この団体らしい熱演だが、その熱気がやや空回りしているように感じられる。作品の持つ多様な側面が十分に描ききれていないのが残念。 | ||||||||||||||
Quartetto Noûs | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'28" | 第2楽章: | 4'28" | 第3楽章: | 4'06" | 第4楽章: | 3'34" | 第5楽章: | 9'41" | |||||
イタリアの団体なので当然ながらロシア流儀の弾き方ではなく、ロシア情緒を前面に押し出しているわけでもないのに、実に良いショスタコーヴィチの音がしている。力強い切れ味と木の温もりを感じさせる厚みのある響きは、非ロシアの団体に限って言えば他の追随を許さない。音楽的なバランスの良い好演である。 | ||||||||||||||
Pacifica Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'47" | 第2楽章: | 5'06" | 第3楽章: | 3'59" | 第4楽章: | 3'42" | 第5楽章: | 9'48" | |||||
ライヴ録音でありながらも演奏には終始余裕があり、明晰な解釈と手慣れた音楽の運びは楽曲に対する深い理解を窺わせる。骨太で重量感のある響きが硬派な高揚感を導き出しており、爆発力のある力強さが魅力的な演奏である。 | ||||||||||||||
Rasumowsky Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'37" | 第2楽章: | 3'57" | 第3楽章: | 4'12" | 第4楽章: | 3'33" | 第5楽章: | 9'48" | |||||
端正な佇まいを保ちながらも、熱血度は高い。ただ、最後の盛り上がりは物足りない。 | ||||||||||||||
Rubio Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'23" | 第2楽章: | 4'32" | 第3楽章: | 3'52" | 第4楽章: | 3'24" | 第5楽章: | 9'45" | |||||
真摯に作品に対峙している姿勢には好感が持てるが、今一つ力量不足の感が否めない。終楽章などでそれが顕著で、作品が内に秘めている力強さを十分に表現し尽くすことができていない。結果として平板な仕上がりであり、物足りなさが残る。 | ||||||||||||||
Rubio Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'20" | 第2楽章: | 4'34" | 第3楽章: | 3'47" | 第4楽章: | 3'32" | 第5楽章: | 9'54" | |||||
楽曲解釈とアンサンブルは実に模範的なもの。ただ、この作品に求められる力感を十分に表出できていない点に不満が残る。少々スマートに過ぎる、ということもできるかもしれない。 | ||||||||||||||
Shostakovich Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'16" | 第2楽章: | 4'43" | 第3楽章: | 3'46" | 第4楽章: | 4'43" | 第5楽章: | 10'46" | |||||
全曲に渡って緊張感と力感の漲る熱演。作品をよく弾き込んだ安定感がある。弱奏部の表現力は若干劣るものの、特徴的なリズムや和声の処理は模範的なもの。音楽の持つ力強さが愚直なまでに音にされた感じで、聴き手は否が応にも引き込まれてしまう。 | ||||||||||||||
Shostakovich Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'10" | 第2楽章: | 4'30" | 第3楽章: | 3'54" | 第4楽章: | 3'43" | 第5楽章: | 10'15" | |||||
明るい抒情が素直に表現された好演。やや表現の幅が狭いものの、音色の生かし方はなかなか効果的。第3楽章の引き締まったリズムも良いが、第5楽章の少々泥臭い高揚感が素晴らしい。 | ||||||||||||||
Sorrel Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'20" | 第2楽章: | 5'36" | 第3楽章: | 3'52" | 第4楽章: | 4'13" | 第5楽章: | 9'19" | |||||
少し複雑な書法の部分になると、途端に雑然として聴き苦しくなる。終楽章などがそう。平明な部分の表現力にも難があり、勢いに任せた単調な盛り上げに終始している。 | ||||||||||||||
St Petersburg Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'27" | 第2楽章: | 4'22" | 第3楽章: | 4'05" | 第4楽章: | 4'01" | 第5楽章: | 10'06" | |||||
いかにも現代的な洗練された流れをもった演奏だが、ロシア風の骨太な響きが雰囲気をよく醸し出している。丁寧に楽譜を読み込んだ堅実な作品解釈も立派なもの。整然としたまとまりの中に、熱い情感がしっかりとこめられた秀演。 | ||||||||||||||
Taneyev Quartet | ||||||||||||||
第1楽章: | 4'06" | 第2楽章: | 3'41" | 第3楽章: | 4'01" | 第4楽章: | 3'27" | 第5楽章: | 10'14" | |||||
洗練された音楽性と土臭い音色との絶妙のバランスが、この作品に非常によく合っている。繊細な抒情、ひねくれた諧謔性、力強いクライマックス、全てが理想的に再現されている。何より、ショスタコーヴィチの持つローカル性が自然な形で表出されているのが素晴らしい。 | ||||||||||||||
Voces Intimae Quartet | ||||||||||||||
時間不詳 | ||||||||||||||
地味ながらも充実した内容を持つ佳演。技術的な派手さはないものの、地に足のついた表現力で全体をしっかりとまとめあげている。若々しい表情を持ちながらも、しっとりとした響きを引き出しているところが立派。 | ||||||||||||||
Members of Philharmonia Virtuosi | ||||||||||||||
第1楽章: | 第2楽章: | 第3楽章: | 4'06" | 第4楽章: | 第5楽章: | |||||||||
破綻はないものの、決して技術水準は高くない。第3楽章だけをアンコールピースとして取り出した意図が分かるほど、気の利いた仕上がりにはなっていない。 |
Last Modified 2022.12.06