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弦楽四重奏曲第3番 ヘ長調 作品73

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演奏者録音年レーベル番号備考評価
AMATI QUARTET (Willi Zimmermann, Barbara Suter, Nicolas Corti, Johannes Degen)1987Jecklin-DiscoJD 620-2
*****
QUATUOR ANTON (Anton Matalaiev, Elena Yakovleva, Dimitri Khlebtsevitch, Igor Kiritchenko)1990Le Chant du MondeLDC 2781047
***
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Vasili Shirinsky, Vadim Borisovsky, Sergei Shirinsky)1960Consonance81-3007RCD-16617*****
BORODIN QUARTET (Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexsandrov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1967ShinsekaiSMK-7525-9LP, Chandos-CHAN10064(4)*****
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1983VictorVICC-40018/23BMG-74321 40713 2*****
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1990Virgin0777 7590412 3
*****
BRODSKY QUARTET (Michael Thomas, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas)1989TeldecWPCC-3184
****
CAILIN QUARTET (Clara Bæk, Sophia Bæk, Stine Hasbirk, Therese Åstrand)1998ClassicoCLASSCD 265Quadromania-222171-444****
CIURLIONIS QUARTET (Rimantas Siugzdnis, Saulius Kiskis, Aloyzas Grizas, Saulius Lipcius)1985MelodiyaC10 23563 000LP***
QUATUOR DANEL (Marc Danel, Gilles Millet, Tony Nys, Guy Danel)2003Fuga LiberaFUG512
****
QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Dominique Lonca, Vincent Deprecq, Yannick Callier)1999ArionARN 68506
****
ÉDER QUARTET (György Selmeczi, Péter Szüts, Sándor Papp, György Éder)1995Naxos8.550974
*****
ELEONORA QUARTET (Eleonora Yakubova, Irina Pavlikhina, Anton Yaroshenko, Mikhail Shumsky)1994EtceteraKTC 1182
****
EMERSON QUARTET (Philip Setzer, Eugene Drucker, Lawrence Dutton, David Finckel)1999DG463 284-2Live****
FINE ARTS QUARTET (Leonard Sorkin, Abram Loft, Bernard Zaslav, George Sopkin)
MercuryMG 10049LP****
FINE ARTS QUARTET (Ralph Evans, Efim Boico, Jerry Horner, Wolfgang Laufer)1989Ades14.161-2
****
FITZWILLIAM QUARTET (Christopher Rowland, Jonathan Sparey, Alan George, Iaon Davis)1977LondonF00L-29155/60
*****
GABRIELI QUARTET (Kenneth Sillito, Brendan O'Reilly, Ian Jewel, Keith Harvey)1973DeccaSTS 15396LP****
GEORGIA STATE RADIO QUARTET (Levan Chkheidze, Georgi Khintibidze, Archil Kharadze, Revaz Machabeli)1990MelodiyaC10 30589 007LP*****
GEWANDHAUS QUARTET (Frank-Michael Erben, Conrad Suske, Volker Metz, Jürnjakob Timm)1995NCAMA 95 08 812
*****
GLINKA QUARTET (Alexander Arenkov, Sergei Pishchugin, Misha Geller, Dmitri Ferschman)1977PragaPR 254 054
****
HAGEN QUARTET (Lukas Hagen, Rainer Schmidt, Veronika Hagen, Clemens Hagen)2005DG00289 477 6146
****
JERUSALEM QUARTET (Alexander Pavlovsky, Sergei Bressler, Amichai Gross, Kyril Zlotnikov)2000EMI7243 5 74349 2 8
****
JULLIARD QUARTET (Joel Smirnoff, Ronald Copes, Samuel Rhodes, Joel Krosnick)2000Sony82876-79018-2
*****
KOPELMAN QUARTET (Mikhail Kopelman, Boris Kuschnir, Igor Sulyga, Mikhail Milman)2005NimbusNI 5762
*****
LAFAYETTE QUARTET (Ann Elliott-Goldschmid, Sharon Stanis, Joanna Hood, Pamela Highbaugh)1994DorianDOR-90203
****
MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde)1984CentaurCRC 2020
****
MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde)1990ESS.A.YCD1007
****
MOSCOW QUARTET (Eugenia Alikhanova, Valentina Alykova, Tatyana Kokhanovskaya, Olga Ogranovitch)
Fine Arts ClassicalFAC 9804-2
****
MOYZES QUARTET (Stanislav Mucha, Frantisek Török, Alexander Lakatos, Ján Slávik)1986Opus9351 2025
*****
ORLANDO QUARTET (Arvid Engegard, Heinz Oberdorfer, Ferdinand Erblich, Stefan Metz)1994EmergoEC3956-2
****
PHILHARMONIA QUARTET BERLIN (Daniel Stabrawa, Christian Stadelmann, Neithard Resa, Jan Disselhorst)1994ThorofonCTH 2238
*****
RASUMOWSKY QUARTET (Dora Bratchkova, Ewgenia Grandjean, Gerhard Müller, Alina Kudelevic)2005OEHMSOC 562
****
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos)1997GlobeGLO 5171
****
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos)2002Brilliant6429Brilliant-8128****
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1980OlympiaOCD 531
*****
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1996-7SacrambowATCO-1015
****
SIBELIUS ACADEMY QUARTET (Seppo Tukiainen, Erkki Kantola, Veikko Kosonen, Arto Noras)1994Finlandia4509-98997-2Finlandia-8573-81969-2*****
SMETANA QUARTET (Jirí Novák, Lubomír Kostecky, Milan Skampa, Antonín Kohout)1961Supraphon25CO-2554
****
SORREL QUARTET (Gina McCormack, Catherine Yates, Vicci Wardman, Helen Thatcher)1998ChandosCHAN 9769
****
ST LAWRENCE QUARTET (Geoff Nuttall, Barry Shiffman, Lesley Robertson, Christopher Costanza)2006EMI0946 3 59956 2 6
****
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Andrei Dogadin, Leonid Shukaev)1994SonySMK66592
*****
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Konstantin Kats, Leonid Shukaev)1999HyperionCDA67153
****
TANEYEV QUARTET (Vladimir Ovcharek, Grigori Lutsky, Vissarion Soloviev, Iosif Levinzon)1968VictorVICC-40104/9
*****
TCHAIKOVSKY QUARTET (Julian Sitokovetsky, Anton Sharoyav, Rudolf Barshai, Yakov Slobodkin)1948RevelationRV10016Dante-LYS 369-370, Melodiya-33D 028031-32(LP)*****
YGGDRASIL QUARTET (Henrik Peterson, Per Öman, Robert Westlund, Per Nyström)1997BISBIS-CD-913
****
【弦楽器と木管楽器のための交響曲 作品73a(R. Barshai編)】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BARSHAI, RudolfChamber Orchestra of Europe1989DGPOCG-1572
*****
BARSHAI, RudolfMito Chamber Orchestra1995SonySRCR 1675
*****
BARSHAI, RudolfOrchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi2005Brilliant8212Live, Brilliant-8128****
KANTOROW, Jean-JacquesTapiola Sinfonietta2001BISBIS-CD-1180
****
MARKIZ, LevNieuw Sinfonietta Amsterdam1992GlobeGLO 5093
*****
TURICH, MikhailNovosibirsk Chamber Orchestra2000BeauxBEAUX 2022
****
【室内交響曲第2番(V. Milman編)】
SPIVAKOV, VladimirMoscow Virtuosi1993RCA09026 68061 2
*****
【弦楽のための交響曲第3番(D. Sitkovetsky編)】
SITKOVETSKY, DmitryNew European Strings1996hänsslerCD 98.488
*****

Amati Quartet
第1楽章: 5'25"
第2楽章: 5'12"
第3楽章: 4'07"
第4楽章: 5'48"
第5楽章: 8'51" 
素直な音楽作りと、すみずみまで磨き上げられた演奏が大変素晴らしい。外面的な派手さや、ロシア風のアクとは無縁だが、真摯に作品の内面を描き出している。隠れた名盤。
Quatuor Anton
第1楽章: 7'09"
第2楽章: 5'11"
第3楽章: 4'18"
第4楽章: 5'32"
第5楽章: 11'10" 
音の線が細いだけではなく、全体に整理がされているとは言い難い雑然とした演奏。単純な部分は退屈で、錯綜した部分は何をやっているかわからない。崩壊しているわけではないのだが、この作品の真価を味わうことはできない。
Beethoven Quartet
第1楽章: 6'51"
第2楽章: 4'41"
第3楽章: 3'59"
第4&5楽章: 14'13" 
テンポや基本的な解釈は、さすがに初演者だけあって極めてオーソドックスかつ納得のいくもの。抒情的な歌に満ちた雰囲気溢れる演奏。ただ、ポルタメントがやや多用される奏法と第一ヴァイオリン主導のバランスには、古めかしさを感じなくもない。
Borodin Quartet
第1楽章: 6'43"
第2楽章: 5'18"
第3楽章: 4'06"
第4楽章: 6'31"
第5楽章: 10'08" 
団体としても個人としても心技体共に絶頂期であったからこそ成し遂げられた、筆舌に尽くし難い凄演。決してひけらかしているわけではないのに耳を奪われる鮮やかな技術の切れ味や振幅の大きな表現力に加えて、4人が極めて高い次元で同一化していることに、ただただ圧倒させられる。全曲を貫く猛烈なテンションと鋭い緊張感も凄い。まさに完璧としか言い様がない。
Borodin Quartet
第1楽章: 6'28"
第2楽章: 5'22"
第3楽章: 4'05"
第4楽章: 6'28"
第5楽章: 11'16" 
曲を把握しきっている自信に満ちた、貫禄の演奏。ヴィオラ、チェロの深く落ち着いた響きにのって、コーペリマンの細身で透明な音色が美しく響き渡る。第3楽章の力強い響きと第4楽章の哀切極まる音楽との対比が絶妙。ボロディーンQの豊かな表現力に圧倒される。決して揺らぐことのないリズム感も特筆に値する。
Borodin Quartet
第1楽章: 6'35"
第2楽章: 5'21"
第3楽章: 4'14"
第4楽章: 5'51"
第5楽章: 10'33" 
安心感に満ちた手堅い演奏。いつもながらの透明で硬質な音色も美しいが、ヴィオラのシェバリーンにやや衰えが見られるのが惜しい。全体のテンションも今一つ高まっていないのも気になる。
Brodsky Quartet
第1楽章: 6'49"
第2楽章: 5'01"
第3楽章: 4'01"
第4楽章: 5'33"
第5楽章: 9'47" 
手堅くまとめられているものの、音楽が平坦に流れていくのが気になる。技術力の不足に起因する部分が大きいのだろうが、必要なメリハリが効いていない。
Cailin Quartet
第1楽章: 5'18"
第2楽章: 4'59"
第3楽章: 4'18"
第4楽章: 5'11"
第5楽章: 9'44" 
少々荒いものの、自然な高揚感と熱気を持ったなかなかの好演。心に沁みるような情感や瞑想性はあまり傑出していないが、全体によくバランスのとれた颯爽とした仕上がりが立派。作品の魅力を十分に伝えてくれる。
Ciurlionis Quartet
Total Time: 31'54" 
何とも弛緩した演奏。楽器の質や技術上の制約が大きいのか、この作品の真価が全く表現されていない。楽章毎の性格付けも曖昧で、ただただ漫然と音が流れていく。
Quatuor Danel
第1楽章: 3'32"
第2楽章: 5'28"
第3楽章: 4'08"
第4楽章: 5'07"
第5楽章: 10'21" 
消化不良の感が否めない。野生的なまでの表現意欲が空回りしていて、むしろ粗雑にすら聴こえてしまうのが惜しい。解釈の意図自体は正統的なもの。
Quatuor Debussy
第1楽章: 6'53"
第2楽章: 5'39"
第3楽章: 3'57"
第4楽章: 5'35"
第5楽章: 10'05" 
知的で整然とまとまったスタイリッシュな佳演。線は細いものの、技術的な不満はない。過度の思い入れを排しているところがいかにも現代的だが、作品に対する共感に不足するようにも聴こえてしまうのは惜しい。
Éder Quartet
第1楽章: 6'52"
第2楽章: 4'59"
第3楽章: 4'08"
第4楽章: 5'26"
第5楽章: 9'02" 
どこかリラックスした感じのゆったりとした美演。技術的に完全無比という訳でもないのだが、その響きの美しさは十分に聴き手を魅了する。研ぎ澄まされた緊張感はあまり感じられないところに好き嫌いは分かれるかもしれないが、非常に素敵で魅力的な演奏である。
Eleonora Quartet
第1楽章: 6'31"
第2楽章: 5'14"
第3楽章: 4'27"
第4楽章: 5'59"
第5楽章: 10'57" 
ややキツ目ながらも骨太の響きは好ましい。しかしながら、表現の幅が狭く、勢いに任せる部分があるのは残念。音楽としては平凡な出来に終始している。
Emerson Quartet
第1楽章: 6'52"
第2楽章: 4'22"
第3楽章: 3'50"
第4楽章: 4'44"
第5楽章: 8'18" 
この団体のショスタコーヴィチ演奏の中では最良の出来。第一ヴァイオリンがセッツァーであることも関係しているのか、この団体にありがちな雑な感じがあまりない。全体に芝居がかった表現でショスタコーヴィチのスタイルとは違うものの、十分面白く聴かせているところもこの団体の長所が発揮された結果だろう。
Fine Arts Quartet
時間不詳
乾いた響きがいかにも当時のアメリカの団体らしく、時代を感じさせる。思い入れのないあっさりとした音楽になっているが、特に違和感はない。テンポ設定など奇を衒った部分はなく、好感のもてる仕上がりである。
Fine Arts Quartet
第1楽章: 5'04"
第2楽章: 5'05"
第3楽章: 4'03"
第4楽章: 5'21"
第5楽章: 9'54" 
キツ目の音色がやや耳障りだが、手堅く安定した佳演。技術的にはほとんど不満はない。ただ、表現の底が浅く、勢いに任せる部分が多いのは残念。
Fitzwilliam Quartet
第1楽章: 6'53"
第2楽章: 5'18"
第3楽章: 4'12"
第4楽章: 5'18"
第5楽章: 9'49" 
端正な仕上がり。ロシア風のアクがないのは物足りないが、作品の内容をしっかりと把握した共感に満ちた音楽は、しっとりと心に沁みる。
Gabrieli Quartet
第1楽章: 5'05"
第2楽章: 5'15"
第3楽章: 4'10"
第4&5楽章: 14'55" 
整ったアンサンブルと、素直な解釈には好感が持てる。しかし、鬼気迫る迫力や、弱奏部における透徹感にはかなり物足りなさを感じる。良く言えば中庸な演奏ということになるのだろうが…。
Georgia State Radio Quartet
第1楽章: 6'52"
第2楽章: 5'06"
第3楽章: 4'19"
第4楽章: 5'00"
第5楽章: 10'17" 
グルジア語(?)とロシア語しかない胡散臭いジャケットとは裏腹に、演奏は正統派。使用楽器があまり良くないのか、若干がさついた音色のようにも聴こえるが、それが逆に硬派な印象を生み出している。骨太な秀演。
Gewandhaus Quartet
第1楽章: 4'50"
第2楽章: 4'40"
第3楽章: 4'13"
第4楽章: 4'50"
第5楽章: 9'30" 
派手さはないものの、堅実な足取りで力感に満ちたなかなかの秀演。技術的にも極めて清潔な出来。とりわけ、作品の劇的な側面を見事に描き出していることに感心させられる。
Glinka Quartet
第1楽章: 7'12"
第2楽章: 5'52"
第3楽章: 4'34"
第4楽章: 12'54"
第5楽章: 2'58" 
骨太で、ざらざらとした感触を持つ音色が魅力的。終楽章の高揚感などなかなか心に響くものを持っている。とはいえ、全体に音の肌理が荒いのは残念。美感を損なうとまではいわないが、もう少し洗練されていても良いように思う。やや重めのテンポ設定にも好き嫌いが分かれるかもしれない。ちなみに、このCDでは第4楽章と第5楽章の間のトラックが間違って挿入されている。
Hagen Quartet
第1楽章: 7'11"
第2楽章: 5'07"
第3楽章: 4'07"
第4楽章: 5'12"
第5楽章: 9'20" 
鼻歌のような抜いた音色は、この作品には全く相応しくない。楽曲のクライマックスが表面的な興奮によって表現されているために、単にささくれだっている以上の意味が感じられない。切々とした歌の踏み込みも浅い。
Jerusalem Quartet
第1楽章: 7'06"
第2楽章: 6'09"
第3楽章: 4'11"
第4楽章: 5'49"
第5楽章: 11'01" 
非常に真摯で丁寧な音楽作りに感心させられる。技術的にも不満はない。まだ20代前半のメンバーから構成されているだけに今後に期待がもてるだろう。ただ惜しむらくは、音の線がいかにも細いこと。
Julliard Quartet
第1楽章: 7'35"
第2楽章: 4'44"
第3楽章: 4'11"
第4楽章: 5'36"
第5楽章: 9'45" 
きびきびとしたアンサンブルと交響的な広がりを持った表現意欲がなかなか魅力的で、充実した演奏に仕上がっている。
Kopelman Quartet
第1楽章: 6'49"
第2楽章: 4'58"
第3楽章: 4'04"
第4楽章: 5'44"
第5楽章: 10'57" 
コーペリマンQは、言わずと知れたボロディーンQの第2代第1Vn奏者のコーペリマンを中心に、熟練の室内楽奏者を集めた四重奏団。全員モスクワ音楽院の卒業生でもあり、2002年の結成からわずか3年後の録音とはいえ、極めて完成度の高いアンサンブルを聴かせている。彼らにとっては自家薬籠中のレパートリーでもあり、あらゆる音符に込められた表現意欲が空回りすることなく、非常に大きなスケール感を持った音楽を作り出している。名演である。
Lafayette Quartet
第1楽章: 7'28"
第2楽章: 5'32"
第3楽章: 4'30"
第4楽章: 6'08"
第5楽章: 10'09" 
ごく平凡な出来。技術的にも音楽的にも無難な仕上がりだが、取り立てて訴えかける力にも欠ける。
Manhattan Quartet
第1楽章: 5'01"
第2楽章: 4'35"
第3楽章: 4'02"
第4楽章: 5'10"
第5楽章: 8'23" 
表面的な盛り上がりでそれなりに聴かせるが、その中身は非常に底の浅いもの。アンサンブルもまだ十分に成熟しておらず、ただ荒っぽいだけで、耳に優しくない。
Manhattan Quartet
第1楽章: 5'06"
第2楽章: 4'50"
第3楽章: 4'11"
第4楽章: 5'30"
第5楽章: 9'02" 
平凡な出来。荒っぽい熱気が漲っているので、その雰囲気を好む聴き手もいるだろうが、ライヴならともかく録音で繰り返し聴きたくなるような魅力には欠ける。
Moscow Quartet
時間不詳
雰囲気のある音色と堅実な音楽の運びが立派だが、妙な間を入れる節回しの違和感が強く、素直に楽しむことができなかった。全体としては水準以上の仕上がりだけに、残念。
Moyzes Quartet
第1楽章: 5'10"
第2楽章: 4'57"
第3楽章: 4'10"
第4楽章: 5'33"
第5楽章: 9'13" 
熱い共感に満ちた、端正で真摯な音楽作りが素晴らしい。圧倒的な技巧があるわけではないものの、隅々まで丁寧に弾き込まれた安定感に好感が持てる。鋭さと深い抒情のどちらも模範的に再現されており、実に雰囲気豊かな秀演。人工的な残響が耳につく録音状態が惜しい。
Orlando Quartet
第1楽章: 7'01"
第2楽章: 4'55"
第3楽章: 4'10"
第4楽章: 5'03"
第5楽章: 9'20" 
ロシア色はあまり感じられないものの、無難にまとめられた演奏。やや表面的に感じられる瞬間もあるが、それなりに意味深い響きが聴かれる。決して美しい音色ではないが、内面の燃焼が熱く伝わってくる。
Philharmonia Quartet Berlin
第1楽章: 5'27"
第2楽章: 4'50"
第3楽章: 3'55"
第4楽章: 6'22"
第5楽章: 9'59" 
ベルリン・フィルのメンバーによる、安定した佳演。彼ら独特の甘い弾き方がだらしなく聴こえる瞬間もあるが、基本的には格調高く仕上がっている。まずは模範的な演奏と言って良いだろう。
Rasumowsky Quartet
第1楽章: 7'03"
第2楽章: 4'51"
第3楽章: 4'07"
第4楽章: 4'17"
第5楽章: 9'00" 
軽やかで古典的な形式感を持ち、あまり旋律的ではない第1楽章は、なかなかの好演。しかし、第3楽章などでは土俗的な雰囲気には欠け、ショスタコーヴィチ特有のやみくもに叩きつけるような力強さの表出には不足しているのが惜しい。
Rubio Quartet
第1楽章: 6'51"
第2楽章: 4'50"
第3楽章: 4'04"
第4楽章: 5'29"
第5楽章: 10'08" 
技術的には無難な出来だが、音には全く魅力がない。音楽自体も平凡なもの。
Rubio Quartet
第1楽章: 6'40"
第2楽章: 4'54"
第3楽章: 4'01"
第4楽章: 5'41"
第5楽章: 10'40" 
旧盤とそう大きな印象の違いはない。アンサンブルは十分まとまっているので、聴き苦しい部分は特にない。
Shostakovich Quartet
第1楽章: 6'33"
第2楽章: 4'52"
第3楽章: 3'53"
第4&5楽章: 15'55" 
大柄でどこか余裕のある骨太の力感溢れる音楽の流れが素晴らしい。技術的にも十分に磨きあげられていて、間然とするところがない。あらゆる表現が板についていて、全くと言ってよいほど不自然さが感じられない名演。
Shostakovich Quartet
第1楽章: 7'03"
第2楽章: 5'17"
第3楽章: 4'09"
第4楽章: 5'51"
第5楽章: 9'46" 
ローカル色豊かな音色で、柔らかい抒情性に満ちた音楽が展開されている。やや表現の幅が狭く、線の細い音がする割には音楽自体の鋭さには不足している。気持ちは十分に込められているだけに、技術的な部分が惜しい。
Sibelius Academy Quartet
第1楽章: 6'55"
第2楽章: 5'31"
第3楽章: 4'09"
第4楽章: 5'10"
第5楽章: 9'11" 
派手さはないものの、聴きごたえ十分の秀演。チェロのノラスの渋い名技には耳を惹きつけられる。全体に音色が今一つ垢抜けないが、爽やかで上品な抒情は十分な魅力を持っている。
Smetana Quartet
第1楽章: 4'40"
第2楽章: 5'05"
第3楽章: 4'05"
第4楽章: 5'25"
第5楽章: 9'20" 
手堅く堅実なアンサンブルと、独特の音色で楽しめる。ショスタコーヴィチらしいアクはあまり感じられないが、さすがに模範的な処理がなされていると言って良いだろう。何より、お好きな方にはたまらない音の質感がなかなか素敵。
Sorrel Quartet
第1楽章: 7'18"
第2楽章: 5'52"
第3楽章: 4'13"
第4楽章: 6'39"
第5楽章: 10'50" 
丁寧に仕上げられてはいるが、表現の幅が狭く、全体に平坦な印象。高音域の音程の悪さは非常に気になる。
St Lawrence Quartet
第1楽章: 5'13"
第2楽章: 5'19"
第3楽章: 3'54"
第4楽章: 5'40"
第5楽章: 9'30" 
溌剌とした生気に満ちた演奏で、技術水準も高いが、幾分攻撃的に過ぎて聴いていて疲れる。響きの調子が陽性一辺倒であるのも少し気になる。聴き手の好み次第で評価が分かれるだろう。
St Petersburg Quartet
第1楽章: 6'45"
第2楽章: 4'43"
第3楽章: 3'57"
第4楽章: 5'43"
第5楽章: 10'37" 
安定した技術に加え、時に荒っぽいまでの若々しい勢いが立派。表現が表面的なものになる瞬間もないわけではないが、十分に説得力を持って聴かせてくれる。
St Petersburg Quartet
第1楽章: 6'58"
第2楽章: 4'52"
第3楽章: 3'52"
第4楽章: 5'25"
第5楽章: 10'38" 
美しく手堅い仕上がり。技術的な不満はなく、解釈も真っ当なものなのだが、聴き手に印象を残すような音楽の力はない。
Taneyev Quartet
第1楽章: 6'59"
第2楽章: 4'27"
第3楽章: 3'42"
第4楽章: 5'37"
第5楽章: 10'38" 
早目のテンポと猛烈なテンションで、否が応にも引き込まれてしまう。全ての音が聴き手の心に鋭く突き刺さり、鮮烈な印象を残さずにはおかない。作品の持つ暴力的なまでの力強さを余すところなく表現しきった名演。
Tchaikovsky Quartet
第1楽章: 7'02"
第2楽章: 4'54"
第3楽章: 4'08"
第4楽章: 5'50"
第5楽章: 9'19" 
若々しい表情を見せながらも、引き締まった演奏が素晴らしい。録音(1948年)当時で、これだけ洗練されたアンサンブルは他になかったのではないか?緩徐楽章の抉り込みに若干の浅さを感じなくもないが、非常に立派で適切な解釈である。
Yggdrasil Quartet
第1楽章: 6'54"
第2楽章: 5'19"
第3楽章: 3'58"
第4楽章: 6'30"
第5楽章: 9'48" 
早目のテンポで颯爽とした演奏だが、技術・解釈の両面で練り上げ不足の感が否めない。単に弾き飛ばしているだけの瞬間が多く、何度も繰り返し聴きたくなるような魅力には乏しい。
R. Barshai/Chamber Orchestra of Europe
第1楽章: 7'44"
第2楽章: 5'29"
第3楽章: 4'34"
第4楽章: 5'16"
第5楽章: 10'12" 
ロシア流儀のアクの強い響きとは異なり、非常に洗練された透明な響きが聴かれる。そのことが決してマイナスには作用せず、曲の骨格と意味をくっきりと描き出す結果になっているのが素晴らしい。原曲に対する深い理解に基づいた編曲も素晴らしく、原曲の雰囲気を損なわずに新たな魅力を付加しているとすら言えよう。
R. Barshai/水戸室内管弦楽団
第1楽章: 7'51"
第2楽章: 5'30"
第3楽章: 4'22"
第4楽章: 5'06"
第5楽章: 10'06" 
旧盤にさらなる鮮烈さと深さを加えた名演。全ての楽器がスコアを完璧に音化し、全員がその音の意味を理解して演奏している。バルシャーイの指揮も衒いのない、極めて誠実なものだが、決して単調になることなく最初から最後まで素晴らしい緊張感を維持している。大変洗練された響きだが、鳴っている音の意味深さは比類なく、非常に完成度の高い演奏である。
R. Barshai/Orchestra Sinfonica di Milano Giuseppe Verdi
第1楽章: 8'20"
第2楽章: 5'26"
第3楽章: 4'41"
第4楽章: 5'14"
第5楽章: 10'48" 
まず、どうにもぼやけた録音に不満が残る。そして、そのぼやけた印象は演奏そのものにも当てはまる。室内オーケストラではなく、普通のオーケストラということで、バルシャーイならではの凝集した響きへの志向が実現されていないように感じられる。こうした外向的な響きの印象には、アンサンブルの精度がいまひとつであることも少なからず影響している。バルシャーイの音楽作り自体は、ショスタコーヴィチ作品の劇性と響きをよく理解した模範的なもの。それだけに、物足りなさが残る。
J.-J. Kantorow/Tapiola Sinfonietta
第1楽章: 7'07"
第2楽章: 5'36"
第3楽章: 4'06"
第4楽章: 5'31"
第5楽章: 10'07" 
どこか浮遊感のある透明な響きと、奇を衒うことなく丹念に音楽を紡いでいる様が心地好い。楽曲の根底にある深刻な主題に対する内なる共感も十分に伝わってくるのだが、主として技術水準に起因する表現力の不足ゆえに、結果として表面的なきれい事に終始しているのが残念。
L. Markiz/Nieuw Sinfonietta Amsterdam
第1楽章: 7'10"
第2楽章: 4'52"
第3楽章: 3'50"
第4楽章: 7'00"
第5楽章: 11'17" 
勢いに満ちた演奏。全体に線が細いものの、それが大編成による重苦しさを感じさせない方向に作用している。管楽器を強めに押し出すバランスが、この編曲の特徴を明らかにすると共に、曲名通り“交響曲”を感じさせるところが非常に個性的。
M. Turich/Novosibirsk Chamber Orchestra
第1楽章: 6'37"
第2楽章: 4'56"
第3楽章: 3'42"
第4楽章: 4'59"
第5楽章: 10'24" 
共感に満ちた熱い音楽作りは立派だが、演奏技術のレベルが少々低い。強引なまでの力強いクライマックスがなかなかだけに、響きの緻密さに欠けるのは残念。
V. Spivakov/Moscow Virtuosi
第1楽章: 7'33"
第2楽章: 5'54"
第3楽章: 4'11"
第4楽章: 5'06"
第5楽章: 10'00" 
弦楽合奏用の編曲。いつもながらの鮮やかな合奏を聴かせるが、やや緻密さに欠ける。安定した立派な演奏だが、この曲の場合は弦楽四重奏でもスケールの大きな響きがするだけに、弦楽合奏に編曲した意義があまり感じられないのが残念。
D. Sitkovetsky/New European Strings
第1楽章: 7'15"
第2楽章: 5'52"
第3楽章: 4'13"
第4楽章: 5'41"
第5楽章: 12'16" 
ふくよかな美しさが際立つ演奏。作品の切実な訴えが流麗さに覆われているような印象が若干なくもないが、テンポ設定等の解釈も極めて真っ当で、価値のある仕上がりとなっている。

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Last Modified 2009.10.08

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