ENGLISH


弦楽四重奏曲第13番 変ロ短調 作品138

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

演奏者録音年レーベル番号備考評価
ALEXANDER QUARTET (Zakarias Grafilo, Frederick Lifsitz, Paul Yarbrough, Sandy Wilson)2006FoghornCD1991
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Nikolai Zabavnikov, Fyodr Druzhinin, Sergei Shirinsky)1971Consonance81-3008Praga-PRD 250 318
BORODIN QUARTET (Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexsandrov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1972VictorSMK-7860LP, Chandos-CHAN10064(4)
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1981VictorVICC-40018/23
BRODSKY QUARTET (Michael Thomas, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas)1989Teldec9031-73109-2
QUATUOR DANEL (Marc Danel, Gilles Millet, Tony Nys, Guy Danel)2005Fuga LiberaFUG512
QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Dominique Lonca, Vincent Deprecq, Yannick Callier)1998ArionARN 68461
ÉDER QUARTET (György Selmeczi, Péter Szüts, Sándor Papp, György Éder)1996Naxos8.550977
EMERSON QUARTET (Philip Setzer, Eugene Drucker, Lawrence Dutton, David Finckel)1994DG463 284-2Live
FITZWILLIAM QUARTET (Christopher Rowland, Jonathan Sparey, Alan George, Iaon Davis)1975LondonF00L-29155/60
FITZWILLIAM QUARTET (Lucy Russell, Marcus Barcham Stevens, Alan George, Sally Pendlebury)2019LinnCKD 612
MANDELRING QUARTET (Sebastian Schmidt, Nanette Schmidt, Roland Glassl, Bernhard Schmidt)2009audite21.411
MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde)1990ESS.A.YCD1012
PACIFICA QUARTET (Simin Ganatra, Sibbi Bemhardsson, Masumi Per Rostad, Brandon Vamos)2012CedilleCDR 90000 145
RAFAEL QUARTET (Ronald Hoogeveen, Rami Koch, Zoltan Benyacs, Henk Lambooy)1983Attacca Babel8416-1LP, Attacca-BABEL 8948-5
RASUMOWSKY QUARTET (Dora Bratchkova, Ewgenia Grandjean, Gerhard Müller, Alina Kudelevic)2005OEHMSOC 562
RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos)2002Brilliant6429Brilliant-8128
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1980OlympiaOCD 535
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1997SacrambowATCO-1018
SORREL QUARTET (Gina McCormack, Catherine Yates, Sarah-Jane Bradley, Helen Thatcher)2001ChandosCHAN 9955
STAMIC QUARTET (Bohuslav Matoušek, Josef Kekula, Jan Pěruška, Vladimir Leixner)1987panton81 0752-1LP, EMI-TOCE-7430
ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Alexei Koptev, Leonid Shukaev)2000-1HyperionCDA67157
SUK QUARTET (Antonín Novák, Vojtech Jouza, Karel Rehák, Jan Štros)1973panton11 0420 GLP
TANEYEV QUARTET (Vladimir Ovcharek, Grigori Lutsky, Vissarion Soloviev, Iosif Levinzon)1978VictorVICC-40104/9
Gidon Kremer, Thomas Zehetmair (Vn), Nobuko Imai (Vla), Boris Pergamentschikow (Vc)1985ECM1347/48Live
【編曲(A. Tchaikovsky編)】
BASHMET, Yuri (Va)/Moscow Soloists1998Sony ClassicalSK 60550Titled ‘Sinfonia for Viola & Strings’

Alexander Quartet
18'30" 
ヴィオラの音色は細身だが、全体のバランスがよくとれている。表現の振幅は大きくないが、中庸で手堅い音楽は悪くない。
Beethoven Quartet
18'08" 
ドルジーニンの味わい深い演奏が素晴らしい。この団体らしい太く暖かい音の中にも、胸を引き裂くような鋭さが際立つ。まさに、模範的な演奏である。
Borodin Quartet
18'43" 
完璧の上を更に行く、超名演。弦楽四重奏芸術の極致がここにある。個々の技量の高さもさることながら、四重奏として徹底的に磨き上げられた技術の素晴らしさは筆舌に尽くし難い。しかも、奏でられる音楽には人工臭は全くなく、楽譜に込められた全ての感情を余すところなく引き出し切っている。作品解釈についても非の打所はただの一点もない。この演奏を聴かずしてショスタコーヴィチの音楽は語れない。
Borodin Quartet
19'59" 
卓越した技術から引き出される澄み切った響きが大変素晴らしい。リズムや和声の処理、一瞬たりとも緊張感のとぎれない構成、いずれをとっても模範的な演奏と言うことができるだろう。ただ、あまりにも格調高く整然とまとまり過ぎのようにも思われ、突き抜けた昂奮や戦慄が感じられないのが物足りない。
Brodsky Quartet
20'54" 
手堅くまとめられた佳演。ヴィオラの線が細いのが惜しいものの、雰囲気はよく出ている。もう少し表現の幅が広ければ、一層切実な音楽になったかもしれない。
Quatuor Danel
21'43" 
堂々たる好演。簡素なスコアから多彩な表現を引き出す力量は賞賛に値する。ただ、重厚な表現のあまり、逆に作品の凝縮性が損なわれているのが残念。もっとも、一種の歌謡性を持った演奏なので、聴きやすいことは確かだろう。
Quatuor Debussy
19'17" 
ロシア臭は全くといってよいほどないが、むしろそれゆえにこの作品の持つ美しさと深さが素直に表出されている。徒に絶叫したり深刻ぶったりするようなところは皆無で、作品に対する真摯な取り組みが立派である。技術的にも、やや線は細いものの、不満はない。
Éder Quartet
20'38" 
この作品が持つ響きの美しさが最大限に引き出されている。一方で、肺腑を抉るような苦味は後退している。爽やかとすら言える音楽の流れは、この作品の魅力を十分に伝えてくれるが、表現はやや平板で深みに欠けるのが残念。
Emerson Quartet
19'08" 
技術的には無難な出来だが、音色が痩せていてあまり美しくない。アンサンブルの精度も決して低くはないのだが、鳴っている音楽に内容は感じられず、空虚な仕上がり。
Fitzwilliam Quartet
19'07" 
しっとりと落ち着いた端正な演奏。丁寧に仕上げられた響きの美しさが心を打つ。全体の構成を把握した的確な表現も素晴らしい。文字通り模範的な演奏といえるだろう。
Fitzwilliam Quartet
20'04" 
フィッツウィリアムQの結成50周年を記念した録音。かつての全集録音とは、Vaのアラン・ジョージ以外は全て異なるメンバーである。現代的な奏法による粒立ちの良い音と煌めくような響きが印象的で、楽曲に対する共感に満ちた抒情が胸を打つ。難解さはなく、むしろ旋律美すら感じるほど。
Mandelring Quartet
18'50" 
どの一瞬においても四重奏団としての意志が自然に統一されている、単なる手堅さとは異なる音楽的なアンサンブルが醸し出す研ぎ澄まされた緊張に満たされた静謐感が素晴らしい。
Manhattan Quartet
19'54" 
集中度の高い熱演。短いながらも難解なこの作品を一気に聴かせる音楽の力がある。惜しいのは、各奏者の表現力に限界があるため、テクスチャの薄い部分でやや散漫な感じがすること。響きも鋭いだけで美しさまでは表出し切れていない。
Pacifica Quartet
19'15" 
ライヴ録音でありながらも演奏には終始余裕があり、明晰な解釈と手慣れた音楽の運びは楽曲に対する深い理解を窺わせる。骨太で重量感のある響きが硬派な高揚感を導き出しており、後期作品の晦渋さが軽減されて聴きやすい音楽となっているが、この作品には一層の鋭い切実さを求めたいところ。
Rafael Quartet
18'28" 
技術的にも音楽的にもよく整った演奏ではあるが、それ以上の魅力は感じられない。やや金属的な音色も影響しているのかもしれないが、表現力に不足する感は否めない。
Rasumowsky Quartet
19'53" 
静謐感の表現が傑出している。抑制されたヴィヴラートは、ピリオド楽器も演奏する奏者から成るこの団体ならではのものだろう。冒頭の美しさは特筆すべき出来。
Rubio Quartet
20'44" 
無難にまとめられているが、鬼気迫るような集中度の高さはあまり感じられない。線は細いものの四重奏としての美しさはそれなりに感じられるが、表現の幅がそれほど広くはないためにモノクロの世界に留まっているのが惜しい。
Shostakovich Quartet
18'09" 
雰囲気豊かな佳演。楽譜の隅々にまで熱い共感が漲っていて、聴き手を力強く引き込むような力を持った音楽に仕上がっている。表現に多彩さはあまり感じられず、どちらかと言えば単色系の演奏ではあるものの、表現の振幅は非常に大きい。
Shostakovich Quartet
19'06" 
静謐な美しさが際立つ秀演。表現の線は細いが、懐の深い集中力はなかなかのもの。手慣れた感じで音楽が進められながらも、表面だけをなぞるような部分は皆無。地味ながらも聴き応えのある演奏に仕上がっている。
Sorrel Quartet
20'07" 
大きな破綻はないものの、何も表現できていない。勢いに任せるタイプの団体だけに、こういう曲には全くもって不向きなのだろう。
Stamic Quartet
18'06" 
いわゆるチェコ流儀の落ち着いた音色が心地好い。地味な響きながらもしっかりと音楽が構成されている。鬼気迫るものはあまり感じられず、後期作品独特の甘さが前面に出ているような感じ。
St Petersburg Quartet
18'47" 
作品の劇性よりは内省的な美しさをじっくりと聴かせる佳演。ボーゲン・フォルムの形式感はあまり伝わらないものの、聴けば聴くほど味が出てくる。
Suk Quartet
時間不詳
技術的には少々心もとない部分が目立つものの、作品の内容を手堅く把握したしっとりと落ち着いた佳演。特に全体を支配する弱奏部分の処理は模範的なもので、渋みと余裕をもって音楽が奏でられている。
Taneyev Quartet
15'26" 
典型的なロシアの音色、手堅い合奏能力、いずれを取っても模範的で立派な演奏。きびきびとした音楽の運びによるスマートな仕上げはこの団体の特徴だが、この作品でもその美質は十分に発揮されている。ただ、全体にややあっさりとし過ぎているような気がしなくもない。
G. Kremer, T. Zehetmair, N. Imai, B. Pergamentschikow
22'22" 
ロッケンハウス音楽祭でのライヴ録音。終始クレーメル流儀の音楽に仕上げられているが、ヴィオラの今井信子をはじめとする名手達は無難かつ模範的にアンサンブルをこなしている。徹底的に弱音を重視するスタイルは時に神経質なまでの美しさを漂わせるが、中間部などでアンサンブルに一体感が乏しいため、全体的に一本調子で地味な演奏になっているのが惜しい。
Y. Bashmet (Va)/Moscow Soloists
27'33" 
バシメート自身による、珍しい編曲。大編成の割には迫力よりも抒情性が勝っている辺りがバシメートらしい。技術的には申し分なく、非常に美しい演奏に仕上がっているが、この曲の持つ戦慄が走るような凄みが感じられないのが大きな欠点。

 作品リストに戻る


 ShostakovichのHome Pageに戻る

Last Modified 2022.06.22

inserted by FC2 system