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弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品122

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演奏者録音年レーベル番号備考評価
BEETHOVEN QUARTET (Dmitri Tsyganov, Nikolai Zabavnikov, Fyodr Druzhinin, Sergei Shirinsky)1969Consonance81-3009Melodiya-D 025115-16(LP)*****
BORODIN QUARTET (Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexsandrov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1967ShinsekaiSMK-7525-9LP, Chandos-CHAN10064(4)*****
BORODIN QUARTET (Mikhail Kopelman, Andrei Abramenkov, Dmitri Shebalin, Valentin Berlinsky)1981VictorVICC-40018/23
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BRODSKY QUARTET (Michael Thomas, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas)1989Teldec9031-73109-2
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CIURLIONIS QUARTET (Rimantas Siugzdnis, Saulius Kiskis, Aloyzas Grizas, Saulius Lipcius)1985MelodiyaC10 23563 000LP****
COULL QUARTET (Roger Coull, Philip Gallaway, David Curtis, John Todd)1988ASVCD DCA 631
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QUATUOR DANEL (Marc Danel, Gilles Millet, Tony Nys, Guy Danel)2001Fuga LiberaFUG512
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QUATUOR DEBUSSY (Christophe Collette, Anne Ménier, Vincent Deprecq, Yannick Callier)2002ArionARN 68596
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ÉDER QUARTET (György Selmeczi, Péter Szüts, Sándor Papp, György Éder)1996Naxos8.550977
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EMERSON QUARTET (Eugene Drucker, Philip Setzer, Lawrence Dutton, David Finckel)1994DG463 284-2Live****
FINE ARTS QUARTET (Ralph Evans, Efim Boico, Jerry Horner, Wolfgang Laufer)1989Ades14.161-2
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FITZWILLIAM QUARTET (Christopher Rowland, Jonathan Sparey, Alan George, Iaon Davis)1976LondonF00L-29155/60
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HAGEN QUARTET (Lukas Hagen, Rainer Schmidt, Veronika Hagen, Clemens Hagen)1994DG445 864-2
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JERUSALEM QUARTET (Alexander Pavlovsky, Sergei Bressler, Amichai Gross, Kyril Zlotnikov)2006harmonia mundiHMC 901953
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MANHATTAN QUARTET (Eric Lewis, Roy Lewis, John Dexter, Judith Glyde)1990ESS.A.YCD1012
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MORGAUA QUARTET (Eiji Arai, Takashi Aoki, Hisashi Ono, Ryoichi Fujimori)1997EMITOCE-9496
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NOVÁK QUARTET (Antonin Novák, Dušan Pandula, Josef Podjukl, Jaroslav Chovanec)1969Eterna8 26 017LP****
PHILHARMONIA QUARTET BERLIN (Daniel Stabrawa, Christian Stadelmann, Neithard Resa, Jan Disselhorst)2003IPPNW-ConcertsCD 43Live(14 Jan.)*****
RASUMOWSKY QUARTET (Dora Bratchkova, Ewgenia Grandjean, Gerhard Müller, Alina Kudelevic)2005OEHMSOC 562
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RUBIO QUARTET (Dirk Van de Velde, Dirk Van den Hauwe, Marc Sonnaert, Peter Devos)2002Brilliant6429Brilliant-8128****
SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1984OlympiaOCD 534
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SHOSTAKOVICH QUARTET (Andrei Shishlov, Sergei Pishchugin, Alexander Galkovsky, Alexander Korchagin)1997SacrambowATCO-1018
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SOFIA QUARTET (V. Valchev, N. Gagov, V. Gerov, K. Bespalov)1994GegaGD 168
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SORREL QUARTET (Gina McCormack, Catherine Yates, Vicci Wardman, Helen Thatcher)1998ChandosCHAN 9769
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ST PETERSBURG QUARTET (Alla Aranovskaya, Ilya Teplyakov, Alexei Koptev, Leonid Shukaev)2000-1HyperionCDA67157
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TANEYEV QUARTET (Vladimir Ovcharek, Grigori Lutsky, Vissarion Soloviev, Iosif Levinzon)1978VictorVICC-40104/9
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VOGLER QUARTET (Tim Vogler, Frank Reinecke, Stefan Fehlandt, Stephan Forck)1993RCABVCY-1513
*****

Beethoven Quartet
Total Time: 15'08"
深い曲理解に基づいた、手堅くも模範的な秀演。奏法も録音も古めかしいが、鳴っている音楽そのものは実に新鮮。作品の持つ人間的なぬくもりを存分に感じさせてくれる。
Borodin Quartet
第1楽章: 2'14"
第2楽章: 2'41"
第3楽章: 1'22"
第4楽章: 1'18"
第5楽章: 1'01"
第6楽章: 4'14"
第7楽章: 3'14"
冒頭からいきなり濃密な音楽が聴こえてくる。すみずみまで意味深く、シンフォニックで充実した響きが聴き手を捉えて離さない。この演奏を聴いてはじめて、この作品の真価がわかるといっても過言ではない。超名演。
Borodin Quartet
第1楽章: 2'45"
第2楽章: 3'00"
第3楽章: 1'18"
第4楽章: 1'11"
第5楽章: 1'04"
第6楽章: 4'34"
第7楽章: 4'09"
卓越した技術にはいつもながら感心させられるものの、今一つ冴えない演奏。もったいぶったテンポ設定と過剰なまでに意味ありげな節回しに、不自然さを感じる。いたずらに考えすぎてしまった結果なのだろうか。
Brodsky Quartet
第1楽章: 2'22"
第2楽章: 2'42"
第3楽章: 1'24"
第4楽章: 1'16"
第5楽章: 1'03"
第6楽章: 4'30"
第7楽章: 4'03"
堅実に作品の雰囲気を描き出した秀演。第一ヴァイオリンの技術にやや不安定さも感じられるが、瑕に感じられるほどではない。際立った雄弁さはないものの、丁寧に響きを積み上げていくような音楽作りに好感が持てる。
Ciurlionis Quartet
Total Time: 18'20"
手堅くまとめられている上に、雰囲気もよく出ている。ただ、使用楽器のせいか音色に魅力がなく、技術的な切れ味にも乏しいのが残念。
Coull Quartet
第1楽章: 2'13"
第2楽章: 2'40"
第3楽章: 1'15"
第4楽章: 1'18"
第5楽章: 1'05"
第6楽章: 4'04"
第7楽章: 4'00"
作品の襞を骨太にしっかりとなぞっていくような演奏。浮わついた表面的な表現は皆無で、安心して作品を堪能することができる。
Quatuor Danel
第1楽章: 2'34"
第2楽章: 2'50"
第3楽章: 1'19"
第4楽章: 1'17"
第5楽章: 1'05"
第6楽章: 3'49"
第7楽章: 4'00"
各楽章の性格を適切に把握した、スケールの大きな演奏は立派なもの。ただ、勢いに任せて表現が単調になってしまう部分もあるのが惜しい。技術的にも、少々荒っぽい。
Quatuor Debussy
第1楽章: 2'19"
第2楽章: 2'36"
第3楽章: 1'24"
第4楽章: 1'14"
第5楽章: 1'07"
第6楽章: 3'56"
第7楽章: 3'37"
地味ながらも内面の燃焼度は高く、淀みなく流れる洗練された音楽ながらも、コクのある訴求力が全編に貫かれている。しっとりした余韻の残る秀演である。
Éder Quartet
第1楽章: 2'25"
第2楽章: 2'37"
第3楽章: 1'17"
第4楽章: 1'21"
第5楽章: 1'05"
第6楽章: 4'10"
第7楽章: 3'30"
端正な仕上がり。非常に流れが良く、難解さや晦渋さを感じさせない。ただ表現力には乏しく、物足りなさが残る。
Emerson Quartet
第1楽章: 2'11"
第2楽章: 2'41"
第3楽章: 1'08"
第4楽章: 1'14"
第5楽章: 1'01"
第6楽章: 4'12"
第7楽章: 3'38"
決してわかりやすいとは言えないこの作品を、あざといまでの思いきった表情付けで聴かせる。色彩感はないものの、その表現力はなかなか。ただ、深みには乏しい。
Fine Arts Quartet
第1楽章: 2'04"
第2楽章: 2'28"
第3楽章: 1'20"
第4楽章: 1'20"
第5楽章: 1'02"
第6楽章: 4'29"
第7楽章: 2'56"
早目のテンポであっさりとまとめた演奏。作品に対する過剰な思い入れや中途半端な色付けがない分、逆に聴きやすい演奏に仕上がっている。
Fitzwilliam Quartet
第1楽章: 1'58"
第2楽章: 2'40"
第3楽章: 1'19"
第4楽章: 1'15"
第5楽章: 0'57"
第6楽章: 4'02"
第7楽章: 3'52"
飾り気のない淡々とした演奏だが、それが作品の雰囲気と非常によくマッチしている。終楽章の最後など、その寂し気で意味深い響きはたまらなく素晴らしい。的確な解釈と丁寧な仕上げが光る好演。
Hagen Quartet
第1楽章: 2'19"
第2楽章: 2'47"
第3楽章: 1'10"
第4楽章: 1'18"
第5楽章: 1'05"
第6楽章: 4'27"
第7楽章: 4'07"
若々しい響きながらも、中低音の充実でしっとりと落ち着いた音楽に仕上がっている。勢いだけでは処理できない曲だけに、表現にやや底の浅さが感じられるのが惜しい。
Jerusalem Quartet
第1楽章: 2'28"
第2楽章: 2'42"
第3楽章: 1'18"
第4楽章: 1'14"
第5楽章: 1'03"
第6楽章: 4'17"
第7楽章: 3'36"
抒情的で透き通った音楽と響きの美しさが傑出した演奏である。滑らかに流れつつも、清冽な陰影のつけられた繊細な音楽の表情は、この団体の力量を示すに十分なものである。
Manhattan Quartet
第1楽章: 2'14"
第2楽章: 2'39"
第3楽章: 1'24"
第4楽章: 1'23"
第5楽章: 1'04"
第6楽章: 4'20"
第7楽章: 3'31"
深い曲理解と共感に支えられた、充実した秀演。技術的には音程や音色に不満もあるものの、適切な表情付けやテンポ設定がそれを補って余りある。内容で聴かせる硬派な演奏と言えるだろう。
Morgaua Quartet
第1楽章: 2'07"
第2楽章: 2'31"
第3楽章: 1'08"
第4楽章: 1'17"
第5楽章: 1'04"
第6楽章: 4'31"
第7楽章: 4'01"
しっかりと弾き込んだ安定感のある佳演。ただ、作品とこの団体の芸風の相性がそれほどでもないように感じられるのが惜しい。雰囲気はなかなかであるものの、表現の幅もあまり広くない。
Novák Quartet
時間不詳
全体に速めのテンポで熱気を孕んだ音楽が展開されていて、なかなか面白い。ときにショスタコーヴィチとしては過度にロマンティックになる部分も少なからずあるが、全体を貫くテンションの高さゆえに、違和感を抱く間もなく一気に聴かされてしまう。良い意味で聴きやすい仕上がりである。
Philharmonia Quartet Berlin
第1楽章: 2'18"
第2楽章: 2'45"
第3楽章: 1'21"
第4楽章: 1'15"
第5楽章: 1'01"
第6楽章: 3'57"
第7楽章: 3'37"
丹念に楽譜を辿って積み上げたような響きが、この作品に相応しい。四重奏としても熟した完成度を持ち、細やかな呼吸の合い方に貫禄すら感じる。いわゆるドイツの音色がとても心地よい。
Rasumowsky Quartet
第1楽章: 2'20"
第2楽章: 2'44"
第3楽章: 1'06"
第4楽章: 1'19"
第5楽章: 1'13"
第6楽章: 4'06"
第7楽章: 3'45"
凝縮された形式感を適切に表現している。ゆったりとしたテンポで奏でられる上品で集中度の高い音楽は、知情意のバランスがよくとれた名演である。
Rubio Quartet
第1楽章: 2'15"
第2楽章: 2'57"
第3楽章: 1'18"
第4楽章: 1'19"
第5楽章: 1'08"
第6楽章: 4'15"
第7楽章: 3'41"
雰囲気はなかなか良いのだが、技術的な精度が今一つ。第4楽章などは、左手と右手の動きが同期していない。それほど難しい訳ではないのだが、勢いだけではなく、もう少し丁寧に演奏して欲しい。
Shostakovich Quartet
第1楽章: 2'11"
第2楽章: 2'40"
第3楽章: 1'27"
第4楽章: 1'16"
第5楽章: 1'09"
第6楽章: 4'31"
第7楽章: 3'22"
全ての音に熱い共感が込められた名演。この作品が内包する精神の力強さが、振幅の大きい表情をもって完全に表出されている。弱奏部の音色がやや粗いものの、比較的地味な印象しかない本作品の魅力を明らかにする傑出した演奏といえるだろう。
Shostakovich Quartet
第1楽章: 2'38"
第2楽章: 2'47"
第3楽章: 1'32"
第4楽章: 1'23"
第5楽章: 1'10"
第6楽章: 4'31"
第7楽章: 3'31"
音色や技術など特に傑出しているわけではないが、しみじみとした抒情が印象に残る好演。荒々しい爆発力はないものの、音楽の襞を丁寧になぞるような姿勢が立派。この作品の魅力を十分に引き出している。
Sofia Quartet
Total Time: 15'23"
ざらついた感触を持つ男らしい音色が魅力的。真摯に真正面から取り組んだ解釈も、実に骨っぽくて良い。派手さはないが、作品の内容を十分に引き出した秀演である。
Sorrel Quartet
第1楽章: 2'24"
第2楽章: 3'17"
第3楽章: 1'42"
第4楽章: 1'17"
第5楽章: 0'59"
第6楽章: 5'22"
第7楽章: 3'40"
悪くはないが、この演奏を特徴づける魅力にも欠ける。作品の内容を今一つ捉えきっていないようだ。
St Petersburg Quartet
第1楽章: 2'13"
第2楽章: 2'55"
第3楽章: 1'05"
第4楽章: 1'19"
第5楽章: 1'10"
第6楽章: 4'27"
第7楽章: 3'56"
ゴツゴツとした哀感を漂わせる好演。後期作品が持つ不可思議な深さを真摯に表出している。少々美観に欠ける印象がなくもないが、こういうハードボイルドな演奏も悪くない。
Taneyev Quartet
第1楽章: 1'56"
第2楽章: 2'33"
第3楽章: 1'32"
第4楽章: 1'21"
第5楽章: 0'59"
第6楽章: 4'38"
第7楽章: 3'11"
そっけないまでに淡々とした音楽の運びにもかかわらず、一つ一つの音に十分な意味が込められている。各楽章の表情付けも実に明解で、この作品が決して難解な曲ではないことを認識させてくれる。名演。
Vogler Quartet
第1楽章: 2'12"
第2楽章: 2'34"
第3楽章: 1'23"
第4楽章: 1'20"
第5楽章: 1'04"
第6楽章: 4'29"
第7楽章: 3'34"
美しい音と安定した技術、そして見事な合奏力が光る名演。晦渋で謎めいた雰囲気が支配するこの曲に、若々しい息吹を吹き込んだ演奏と言えるだろう。第5楽章の鋭くも熱い音楽に、この演奏の魅力がよく表われている。典型的なドイツ風の落ち着いた音色も、雰囲気豊かで素晴らしい。

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Last Modified 2009.07.06

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