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作品番号を持たない作品(Sans op. L-T)

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。


荘厳な行進曲 Sans op. L

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
SERGEEV, NikolaiUSSR Defence Ministry Band1970EMICSD 3782LP

N. Sergeev/USSR Defence Ministry Band
時間不詳
技術的に危なっかしい部分も少なくないが、いかにもな響きと端正に整えられた音楽に好感が持てる。ショスタコーヴィチのオーケストレイション技術を堪能するに不足はない。

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8つのイギリスとアメリカの民謡 Sans op. M

独唱者指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ABRAHAM, Christine (MS)DECORMIER, RobertOrchestra1996ArabesqueZ6708Nos. 6 and 2, Sung in English.
IVANOVA, Elena (S) & YAKOVENKO, Sergei (Br)ROZHDESTVENSKY, GennadiUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1989BMG74321 59057 2
IVANOVA, Elena (S) & YAKOVENKO, Sergei (Br)ROZHDESTVENSKY, GennadiUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1989Brilliant9019Live(4 Jan.)

C. Abraham, R. DeCormier/Orchestra
I:  
II: 2'03"
III:  
IV:  
V:  
VI: 2'06"
VII:  
VIII:   
歌詞が英語であったり、楽器編成が違うことなど、色々と問題はあるが、まず取り上げられる機会のない曲だけに、資料としての価値は大きい。演奏自体も、素直でソツのないもの。
E. Ivanova, S. Yakovenko, G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
I: 2'58"
II: 2'32"
III: 1'32"
IV: 2'55"
V: 0'50"
VI: 1'58"
VII: 2'00"
VIII: 2'06" 
独唱、伴奏共に充実した立派な演奏。平明な曲調とオーケストレイションの中に、時折顔を出すショスタコーヴィチ的な響きを逃さず捉えているのが嬉しい。資料としても大変貴重。
E. Ivanova, S. Yakovenko, G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
I: 3'15"
II: 2'37"
III: 1'34"
IV: 3'16"
V: 1'42"
VI: 2'00"
VII: 1'58"
VIII: 2'12" 
同時期のスタジオ録音とは別人のようなイヴァーノヴァの表情豊かな歌唱には、楽曲の軽さとは裏腹の迫真性すら感じられる。

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スコットランド民謡「アニーローリー」の編曲

独唱者指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
FINLEY, Gerald (B)SANDERLING, ThomasHelsinki Philharmonic Orchestra2013OndineODE 1235-2

G. Finley (B), T. Sanderling/Helsinki Philharmonic Orchestra
3'08" 
世界初録音。特に凝った編曲ではないが、しみじみとした情感に心惹かれる。素直な歌唱と品の良い伴奏が好ましい。

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ヴァイオリン・ソナタ(未完)

ヴァイオリンピアノ録音年レーベル番号備考評価
PARK, SueyeSTAVY, Nicolas2021BISBIS-2550
ROTH, LinusGALLARDO, José2015Challenge ClassicsCC72680
ROZHDESTVENSKY, SashaMENUHIN, Jeremy2015FHRFHR37

S. Park (Vn), N. Stavy (Pf)
4'49" 
演奏に不満はない。地味ではあるが、作品の姿を適正に描出している。
L. Roth (Vn), J. Gallardo (Pf)
5'25" 
本作品の世界初録音。提示部(の途中?)だけが書かれた状態の、文字通り“断片”なので、今後も実演はもちろんのこと、ごく限られたコンセプトのアルバムにしか収録されないだろう。ヴァーインベルグ風の歌謡的な弾き方のせいで、本作品の最大の特徴である交響曲第10番の影があまり感じられないのは残念だが、この録音が資料的に貴重な価値を有するであろうことは言うまでもない。
S. Rozhdestvensky (Vn), J. Menuhin (Pf)
5'03" 
ヴァイオリンの甘美な歌い回しはなかなか魅力的だが、油断していると、ふとこれがショスタコーヴィチの手によるものであることを忘れてしまいそうになる。

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陽気な行進曲 Sans op. O(i)

演奏者録音年レーベル番号備考評価
BABINSKY, Margarete & BUSCH, Holger2005Capriccio71 087/88
Duo Welle1998Meister MusicMM-1052
DUSSAUT, Thérèse & POLUSMIAK, Serge1997Suoni e ColoriSC 53008
LAUL, Piotr & SANDLER, Alexander2006Nothern FlowersNF/PMA 9941
MASHIKO, Tetsu & NISHIHARA, Masaki2006JASRACR0681077CD-R, Live(10 June)
YANNOULA, Vicky & FICHERT, Jakob2007ToccataTOCC 0034
ZURKOWSKAJA, Luisa Fanti & ALBERTI, Sabrina2004DynamicCDS 464

M. Babinsky & H. Busch
2'05" 
端正でありながらも歯切れの良い快活さに満ちた、上品で素敵な演奏。
Duo Welle
2'12" 
おそらく、この曲の世界初録音。丁寧な演奏で、資料的価値は抜群。
T. Dussaut & S. Polusmiak
1'53" 
明るく覇気に満ちた好演。少々やけくそ気味に聴こえる勢いの良さが素敵。
P. Laul & A. Sandler
1'54" 
硬質なタッチで勢いを感じさせる楽しい演奏である。
益子徹 & 西原昌樹
2'10" 
技術的な危なっかしさは感じられないが、いかにも安全運転といった雰囲気で、作品の持つ無邪気な快活さが表現されていない。
V. Yannoula & J. Fichert
2'01" 
“中庸”という形容がいかにも相応しい端正で上品な演奏で、美しく整えられた響きの中に漂う愉しげな情緒が心地よい。
L. F. Zurkowskaja & S. Alberti
2'28" 
丁寧な演奏で、模範的な仕上がりといえるだろう。ただ、もう少し勢いが欲しいところでもある。

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タランテラと前奏曲 Sans op. O(ii)

演奏者録音年レーベル番号備考評価
BABINSKY, Margarete & BUSCH, Holger2005Capriccio71 087/88‘Tarantella’ only.
KLAVIERDUO GENOVA & DIMITROV1998cpo999 599-2‘Tarantella’ only.
LAUL, Piotr & SANDLER, Alexander2006Nothern FlowersNF/PMA 9941‘Tarantella’ only.
MASHIKO, Tetsu & NISHIHARA, Masaki2006JASRACR0681077CD-R, Live(10 June)
VINNITSKAYA, Anna & RUDIN, Ivan2014AlphaALPHA 203‘Tarantella’ only.
YANNOULA, Vicky & FICHERT, Jakob2007ToccataTOCC 0034‘Tarantella’ only.
ZURKOWSKAJA, Luisa Fanti & ALBERTI, Sabrina2004DynamicCDS 464‘Tarantella’ only.

M. Babinsky & H. Busch
Tarantella: 1'23"
Prelude:   
端正でありながらも心地よい勢いに満ちた、上品で素敵な演奏。
Klavierduo Genova & Dimitrov
Tarantella: 1'24"
Prelude:   
珍しい録音。軽い小品なだけに、特に不満を述べる部分はない。なお、「馬あぶ」からの一曲というCDジャケットの表記は誤りで、正しくは「忘れがたき1919年」からの一曲である。
P. Laul & A. Sandler
Tarantella: 1'26"
Prelude:   
硬質なタッチで勢いを感じさせる楽しい演奏である。
益子徹 & 西原昌樹
Tarantella: 1'52"
Prelude: 3'54" 
「前奏曲」は、現時点で唯一の録音。鈍重なテンポで淡々と弾いているだけの演奏に不満が残る。「タランテラ」は、アンサンブルの精度に問題あり。
A. Vinnitskaya & I. Rudin
Tarantella: 1'19"
Prelude:   
快活な疾走感が素晴らしい、極めて模範的な優れた演奏。颯爽としつつも貫禄すら感じさせる佇まいにヴィニツカヤの才能の輝きが窺われる。
V. Yannoula & J. Fichert
Tarantella: 1'32"
Prelude:   
“中庸”という形容がいかにも相応しい端正で上品な演奏で、美しく整えられた響きの中に漂う愉しげな情緒が心地よい。
L. F. Zurkowskaja & S. Alberti
Tarantella: 1'57"
Prelude:   
少々落ち着きすぎているものの、丁寧できれいな演奏。なお、「馬あぶ」からの一曲というCDジャケットの表記は誤りで、正しくは「忘れがたき1919年」からの一曲である。

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バレエ組曲第1番(L. T. アトヴミャーン編) Sans op. P(i)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BERNARDI, MarioCBC Radio Orchestra2001CBCSMCD 5216Nos. 1 and 3.
GAUK, AleksandrUSSR Radio Symphony Orchestra1952VanguardVRS 6004LP, Original Suite No.1.
GORENSTEIN, MarkSymphonic Orchestra of Russia1996Saison RusseRUS 288149Saison Russe-RUS 788164
GUHL, Adolf FritzBerlin Radio Symphony Orchestra1955Eterna5 20 3057" 45rpm
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1988ChandosCHAN 8730
KHACHATURIAN, EminUSSR State Symphony Orchestra1980VeneziaCDVE03220
KITAENKO, DmitriRadio Sinfonie Orchester Frankfurt1996BMG09026 68304 2
KOSTEKANETZ, AndréHis Orchestra1965SonySBK 62 642‘Galop’, ‘Music Box Waltz’, and ‘Dance’.
KURTZ, EfremColumbia Symphony Orchestra
ColumbiaML 4671LP, Selection, Titled as ‘Ballet Russe’.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 1, 2, 3, 4 and 6.
SHOSTAKOVICH, MaximBolshoi Theatre Orchestra1966BMG/Melodiya74321 66981 2Melodiya-C 01427-8(LP)
YABLONSKY, DmitryRussian Philharmonic Orchestra2003Naxos8.557208

M. Bernardi/CBC Radio Orchestra
I: 2'30" II:   III: 2'55" IV:   V:   VI:   
つつがない演奏。特にコメントするほどの内容はない。
A. Gauk/USSR Radio Symphony Orchestra
時間不詳
アトヴミャーン編ではなく、ショスタコーヴィチ自身が選曲したもの。したがって、楽曲構成が異なる(各曲のオーケストレイションの詳細などは、わからない)。軽い作品の楽しい演奏……とは少し異なる、抒情と現代風の鋭利さとの間を不器用に漂うような音楽が面白い。特にワルツのリズム感が古風で、他の演奏では聴かれない独自の魅力がある。録音が古いこともあってダイナミックレンジが狭く、音楽の流れが平板に聴こえてしまうのは残念。
M. Gorenstein/Symphonic Orchestra of Russia
I: 2'38" II: 2'01" III: 2'48" IV: 1'44" V: 3'17" VI: 1'43" 
曲にふさわしく、力の抜けた楽しい演奏。録音も良い。
A. F. Guhl/Berlin Radio Symphony Orchestra
時間不詳
土臭いロシア情緒とは対極の、流麗で上品な音楽の流れが心地よい。上質のイージーリスニングといった雰囲気が、作品に相応しい。
N. Järvi/Scottish National Orchestra
I: 2'14" II: 1'38" III: 3'02" IV: 1'51" V: 2'57" VI: 1'36" 
響きもリズムも素晴らしい。この曲の魅力を知るには最適な録音だろう。ただ、4曲目のトランペットのように雑な部分が残っているのは惜しい。
E. Khachaturian/USSR State Symphony Orchestra
I: 2'28" II: 1'50" III: 2'54" IV: 1'48" V: 2'51" VI: 1'30" 
今ひとつ冴えない。第6曲などでは期待通りの勢いに満ちた音楽を聴かせてくれるが、全体にノリが悪いのか、演奏精度の粗さばかりが耳についてしまう。とはいえ、雰囲気は上々。
D. Kitaenko/Radio Sinfonie Orchester Frankfurt
I: 2'24" II: 1'43" III: 3'02" IV: 1'55" V: 3'09" VI: 1'32" 
落ち着いた美しい演奏。堅実な音楽の運びが、しっかりとしたリズム感に裏打ちされている。ただ、この曲にはもう少しアクの強い音色が欲しい。
A. Kostekanetz/His Orchestra
I:   II: 1'33" III:   IV:   V: 2'32" VI: 1'28" 
軽やかで楽しい演奏。強くアピールする部分はないが、リラックスして音楽を楽しむことができる。
E. Kurtz/Columbia Symphony Orchestra
時間不詳
組曲第一番と第二番とから抜粋して曲順を並び変えたもの。演奏は強烈なロシア臭とは無縁なものの、センスの良い素直な歌い回しがなかなか素敵。オーケストラの技術的な面には不満が残らなくもないが、十分に楽しい仕上がり。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I: 2'20" II: 1'46" III: 2'52" IV: 1'54" V:   VI: 1'35" 
小ぢんまりとしてはいるが、端正で好感の持てる演奏。この曲の持つ魅力をストレートに伝えてくれる。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre Orchestra
I: 2'12" II: 1'32" III: 2'24" IV: 1'50" V: 2'15" VI: 1'41" 
この強烈な色彩感に溢れ、力づくの歌に満ちていながらどこか貧乏臭い響きこそ、この曲に必要なものだろう。加えて、尋常ならざる推進力。非常に活きの良い音楽の中から、ショスタコーヴィチの抒情と皮肉が自然に現れてくる。
D. Yablonsky/Russian Philharmonic Orchestra
I: 2'07" II: 1'19" III: 2'46" IV: 1'47" V: 3'05" VI: 1'41" 
よく整った模範的な演奏。オーケストラには技術面で物足りない部分もあるが、このような作品でそれを事細かに指摘するのは野暮というものだろう。惜しむらくは、“つかみの一発”に力強さが足りないこと。

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バレエ組曲第2番(L. T. アトヴミャーン編) Sans op. P(i)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BERNARDI, MarioCBC Radio Orchestra2001CBCSMCD 5216Nos. 4 and 1.
SONDECKIS, Vytautas (Vc), GERINGAS, DavidLithuanian Chamber Orchestra1999Naxos8.554381No. 2 only.
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1988ChandosCHAN 8730
KHACHATURIAN, EminUSSR State Symphony Orchestra1980VeneziaCDVE03220
KOSTEKANETZ, AndréHis Orchestra1965SonySBK 62 642‘Polka’ and ‘Galop’.
KURTZ, EfremColumbia Symphony Orchestra
ColumbiaML 4671LP, Selection, Titled as ‘Ballet Russe’.
MNATSAKANOV, WalterMinsk Symphony Orchestra1994Russian DiscRD CD 10 033
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 1 only.
SHOSTAKOVICH, MaximBolshoi Theatre Orchestra1966BMG/Melodiya74321 66981 2Melodiya-C 01427-8(LP)
YABLONSKY, DmitryRussian Philharmonic Orchestra2003Naxos8.557208
【編曲】
KLEINHAPL, Friedrich (Vc), PIEHLMAYER, RudolfWiener Concert Verein2018Ars ProduktionARS 38 272Nos. 4 and 5. Arr. by Alexander Wagendristel.
BAILLIE, Alexander (Vc) & LANE, Piers (Pf)1987UnicornUKCD 2083‘Adagio’ and ‘Spring Waltz’.
DÉSARBRE, Hervé (Org)2001MandalaMAN 5028No. 3 combined with No. 2 of Suite No. 4, Titled as ‘Waltz and Polka’.
BABINSKY, Margarete & BUSCH, Holger (Pf)2005Capriccio71 087/88‘Polka’ only.
YANNOULA, Vicky & FICHERT, Jakob (Pf)2007ToccataTOCC 0034‘Polka’ only.
ZURKOWSKAJA, Luisa Fanti & ALBERTI, Sabrina (Pf)2004DynamicCDS 464‘Polka’ only.

M. Bernardi/CBC Radio Orchestra
I: 2'29" II:   III:   IV: 2'50" V:   VI:   
いかにも西側風の洗練された響きといった趣き。悪くはないが、物足りない。
V. Sondeckis (Vc), D. Geringas/Lithuanian Chamber Orchestra
I:   II: 5'19" III:   IV:   V:   VI:   
旋律が内包するロシア情緒を品良く漂わせつつ、決して力任せにならない若々しくも渋い美しさを湛えたチェロの音色が非常に好ましい。
N. Järvi/Scottish National Orchestra
I: 2'13" II: 6'23" III: 2'13" IV: 2'56" V: 2'17" VI: 3'20" 
楽しそうに演奏している雰囲気がよく伝わってくる。屈託のない清らかな旋律が泉のように湧き出てくるような演奏。2曲目の「明るい小川」からのアダージョは、ややチェロ・ソロの線が細いものの、適切なフレージングで大変美しい仕上がりになっている。全体にリズム感も良く、素晴らしい出来。
E. Khachaturian/USSR State Symphony Orchestra
I: 2'19" II: 6'13" III: 2'02" IV: 2'57" V: 2'05" VI: 3'16" 
素晴らしい。溌剌と弾むような音楽の流れ、憚ることのない歌い込み、節操のない爆発力、いずれも理想的で第1曲から耳が釘付けになる。第2曲のチェロや第4曲のトランペットといった個人技も卓越している。
A. Kostekanetz/His Orchestra
I:   II:   III: 2'11" IV:   V:   VI: 3'22" 
手堅くまとめられた、溌剌とした演奏。ロシア色は強くないが、逆に曲の楽しさを素直に味わえるといえるかもしれない。
E. Kurtz/Columbia Symphony Orchestra
時間不詳
バレエ組曲第1番の項参照。
W. Mnatsakanov/Minsk Symphony Orchestra
I: 2'04" II: 7'46" III: 2'07" IV: 3'19" V: 1'53" VI: 3'14" 
覇気に満ちた楽しい演奏。やや荒っぽいものの、メリハリが利いていて作品の味わいを十分に堪能することができる。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I: 2'23" II:   III:   IV:   V:   VI:   
非常に心休まる演奏。肩の力が抜けた演奏が心地好い。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre Orchestra
I: 2'04" II: 5'42" III: 2'08" IV: 2'36" V: 1'55" VI: 3'26" 
何で、こんな軽い曲に命の限りを捧げているのだろう?この凄絶とも形容できる響きの魅力には、抗うことなどできる訳がない。全編に渡って、トランペットの凄まじさが耳につくが、第2曲のクライマックスと第4曲の頽廃的なソロが特筆すべき出来。
D. Yablonsky/Russian Philharmonic Orchestra
I: 2'17" II: 7'02" III: 2'07" IV: 2'44" V: 2'17" VI: 3'27" 
第2曲ではヤブロンスキー自らチェロを持って、やや細身ながらも美しく抒情的な独奏を聴かせている。オーケストラには技術面で物足りない部分もあるが、このような作品でそれを事細かに指摘するのは野暮というものだろう。惜しむらくは、“つかみの一発”に力強さが足りないこと。
F. Kleinhapl (Vc), R. Piehlmayer/Wiener Concert Verein
I:   II:   III:   IV: 2'36" V: 2'10" VI:   
チェロ独奏と吹奏楽という編成のための編曲は、耳当たりの良い旋律を独奏チェロに割り振っているが、吹奏楽のまろやかでふくよかな響きに対していかにも線が細く、全体の雰囲気自体はそう悪くないながらも楽しみきれないのが残念。
A. Baillie (Vc), P. Lane (Pf)
I:   II: 5'34" III:   IV:   V: 1'48" VI:   
寛いだ感じの楽しい演奏。編成ゆえに地味な印象は拭いきれないが、十分満足できる。
M. Babinsky & H. Busch (Pf)
I:   II:   III: 1'28" IV:   V:   VI:   
端正でありながら伸びやかな歌とリズムの愉しさのバランスがよくとれた、上品な気楽さが漂う素敵な演奏。
V. Yannoula & J. Fichert (Pf)
I:   II:   III: 1'37" IV:   V:   VI:   
“中庸”という形容がいかにも相応しい端正で上品な演奏で、美しく整えられた響きの中に漂う愉しげな情緒が心地よい。
L. F. Zurkowskaja & S. Alberti (Pf)
I:   II:   III: 1'48" IV:   V:   VI:   
軽やかな美しさが楽しい演奏。

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バレエ組曲第3番(L. T. アトヴミャーン編) Sans op. P(i)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BERNARDI, MarioCBC Radio Orchestra2001CBCSMCD 5216No. 5 only.
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1988ChandosCHAN 8730
KITAENKO, DmitriRadio Sinfonie Orchester Frankfurt1996BMG09026 68304 2
KITAENKO, DmitriOrchestra Ensemble Kanazawa2006WarnerWPCS-12031Live(16 & 17 May)
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 3, 5 and 6.
SHOSTAKOVICH, MaximBolshoi Theatre Orchestra1966BMG/Melodiya74321 66981 2Melodiya-C 01427-8(LP)
STASEVICH, AbramUSSR Radio Symphony Orchestra1953MKD-01474-5LP, Original Suite No.3.
YABLONSKY, DmitryRussian Philharmonic Orchestra2003Naxos8.557208
【編曲】
KLEINHAPL, Friedrich (Vc), PIEHLMAYER, RudolfWiener Concert Verein2018Ars ProduktionARS 38 272Nos. 4 and 6. Arr. by Alexander Wagendristel.
SOMOV, Alexander (Vc)POPOVA, Bogdana (Pf)
Gega NewGD 307Nos. 4, 2, and 5.
BOBRITSKAYA, Rimma (Pf)1983MelodiyaC50 20749 006LP, No. 4 only, Arr. for piano.
BOBRITSKAYA, Rimma (Pf)1991Le Chant du MondeLDC 288 034No. 4 only, Arr. for piano.
MASLEEV, Dmitry (Pf)2017MelodiyaMEL CD 10 02517No. 4 only, Arr. by Dmitry Masleev.

M. Bernardi/CBC Radio Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V: 2'08" VI:   
音に力は感じられないが、小綺麗にまとめられているので、BGM的に聴く分には問題ないだろう。
N. Järvi/Scottish National Orchestra
I: 4'28" II: 2'28" III: 2'10" IV: 3'13" V: 2'06" VI: 3'07" 
1曲目の「人間喜劇」からのワルツが特に素晴らしい。荒っぽいまでの勢いと、高らかに歌い上げる抒情性とのバランスが理想的。華やかな金管の音色も好ましい。
D. Kitaenko/Radio Sinfonie Orchester Frankfurt
I: 2'28" II: 2'27" III: 2'07" IV: 3'34" V: 2'02" VI: 3'05" 
丁寧に演奏され、美しい仕上がりとなっている。リズムも疎かにはされていない。勢いだけではなく、しっとりとした歌が大事にされているのが良い。
D. Kitaenko/Orchestra Ensemble Kanazawa
I: 2'35" II: 2'22" III: 2'08" IV: 3'13" V: 2'29" VI: 3'05" 
キタエンコにとって、2回目の録音。こじんまりとまとまったアンサンブルは美しいが、やはり小編成のオーケストラでこの作品を聴くのは、率直に言って楽しいものではない。室内楽的な繊細な求心性を重視したアンサンブルの完成度は高いものの、伸びやかで大柄な歌の魅力が後退しているのは残念。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III: 2'06" IV:   V: 2'04" VI: 3'12" 
非常に楽しんで演奏していることが分かるような、どこか穏やかな雰囲気を湛えた演奏。アクの強さや刺激的な響きとは無縁の演奏だが、この曲にそれを求めるのは野暮というものかもしれない。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre Orchestra
I: 2'18" II: 2'20" III: 2'05" IV: 3'06" V: 2'39" VI: 3'20" 
理想的な演奏。この濃密な響きがあってこそ、ショスタコーヴィチの小品は活きてくるというものだ。加えて、早目のテンポが素晴らしい。凝った表情をつけるためにテンポが落されることなどは、あってはならないことだ。古き良き“ソヴィエト”を堪能できる演奏。
A. Stasevich/USSR Radio Symphony Orchestra
時間不詳
アトブミャーン編集の版ではなく、ショスタコーヴィチ自らが編纂した版で、収録曲が大分異なる。もっとも、いずれも3曲のバレエ組曲中に収められているので、そう大きな違和感はない。演奏は、土臭い雰囲気に満ちた立派なもの。アンサンブル等の細部には荒っぽさが目立つが、それよりむしろ、音楽の流れの中で自然に暴発する各楽器の個性的な音色の魅力が勝る。人によって評価はかなり分かれるだろうが、筆者は非常に好き。ただし、録音はかなり悪い。
D. Yablonsky/Russian Philharmonic Orchestra
I: 2'35" II: 2'11" III: 2'05" IV: 3'35" V: 1'50" VI: 3'03" 
よく整った模範的な演奏。オーケストラには技術面で物足りない部分もあるが、このような作品でそれを事細かに指摘するのは野暮というものだろう。惜しむらくは、第1曲などで“つかみの一発”に力強さが足りないこと。
F. Kleinhapl (Vc), R. Piehlmayer/Wiener Concert Verein
I:   II:   III:   IV: 3'10" V:   VI: 3'12" 
チェロ独奏と吹奏楽という編成のための編曲は、耳当たりの良い旋律を独奏チェロに割り振っているが、吹奏楽のまろやかでふくよかな響きに対していかにも線が細く、全体の雰囲気自体はそう悪くないながらも楽しみきれないのが残念。
A. Somov (Vc), B. Popova (Pf)
I:   II: 5'03" III:   IV: 2'20" V: 2'06" VI:   
際立った個性や特徴はないものの、幾分の武骨さを漂わせつつも正統派の高水準な演奏である。
R. Bobritskaya (Pf)
I:   II:   III:   IV: 3'03" V:   VI:   
新盤程表現に幅はないが、素直な演奏が心地よい。
R. Bobritskaya (Pf)
I:   II:   III:   IV: 3'01" V:   VI:   
実に抒情的で、美しい演奏。管弦楽で聴くよりも曲の魅力を堪能できる感じがする。
D. Masleev (Pf)
I:   II:   III:   IV: 3'08" V:   VI:   
達者で綺麗な仕上がりではあるものの、これと言った特徴のない演奏。

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バレエ組曲第4番(L. T. アトヴミャーン編) Sans op. P(i)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
JÄRVI, NeemeScottish National Orchestra1988ChandosCHAN 8630
YABLONSKY, DmitryRussian Philharmonic Orchestra2003Naxos8.557208
【編曲】
DÉSARBRE, Hervé (Org)2001MandalaMAN 5028No. 2 combined with No. 3 of Suite No. 2, Titled as ‘Waltz and Polka’.

Järvi/Scottish National Orchestra
I: 5'52"
II: 3'22"
III: 3'29" 
曲の出来の問題もあるのだろうが、それほどインパクトはない。中では第2曲がいかにもこのコンビらしい、元気が良くて歌に溢れた好演。他に録音のない作品だが、まずはこの演奏があれば十分だろう。
D. Yablonsky/Russian Philharmonic Orchestra
I: 5'03"
II: 3'31"
III: 3'38" 
よく整った模範的な演奏。オーケストラには技術面で物足りない部分もあるが、このような作品でそれを事細かに指摘するのは野暮というものだろう。惜しむらくは、“つかみの一発”に力強さが足りないこと。
H. Désarbre (Org)
‘Waltz and Polka’: 4'20" 
オルガンの可能性を探求する意欲的な試みとしては称賛に値するのかもしれないが、音楽としてそれほどの愉しみは感じられない。

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4つのワルツ(L. T. アトヴミャーン編) Sans op. P(ii)

演奏者録音年レーベル番号備考評価
ADORJÁN, András (Fl), BRUNNER, Eduard (Cl), LEVIN, Robert (Pf)1989Tudor727
GRAFENAUER, Irena (Fl), BRUNNER, Eduard (Cl), MAISENBERG, Oleg (Pf)1981ECM827 024-2Live, Nos. 3 and 4.
PRESCOTT, Duncan (Cl), MITCHELL, Scott (Pf)1989ChandosCHAN 8769No. 1 only.
NASH ENSEMBLE(Michael Collins (Cl), Philippa Davies (Fl), Ian Brown (Pf))1990VirginVC 7 59312 2

A. Adorján (Fl), E. Brunner (Cl), R. Levin (Pf)
I: 2'11"
II: 3'08"
III: 2'40"
IV: 2'09" 
それぞれフルートとクラリネットのソロである前半の2曲は今一つ冴えないが、デュオとなる後半2曲はなかなか楽しい。リラックスした余裕のある表情が、聴き手の心を和ませる。
I. Grafenauer (Fl), E. Brunner (Cl), O. Maisenberg (Pf)
I:  
II:  
III: 3'22"
IV: 2'32" 
ロッケンハウス音楽祭のアンコールで演奏されているようだ。軽い曲だけに、こうした名手が演奏すれば楽しく聴くことができる。
D. Prescott (Cl), S. Mitchell (Pf)
I: 2'01"
II:  
III:  
IV:   
音色の堅さと、余裕のない一本調子な表現が気にならなくもないが、特に不満は感じない。
Nash Ensemble
I: 2'10"
II: 2'53"
III: 2'34"
IV: 2'10" 
前半の2曲は考えすぎでどこか硬直したような演奏だが、後半2曲は勢いのある演奏で楽しい。どちらかといえば真剣な態度で曲に対しているのが面白い。

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3つのヴァイオリン二重奏曲(K. フォルトゥナートフ編) Sans op. P(iii)

演奏者録音年レーベル番号備考評価
AMIR & BISENGALIEV, Marat (Vn), LENEHAN, John (Pf)2000Black boxBBM1042‘Five pieces’ by L. Atovmyan.
BENEDETTI, Nicola & SITKOVETSKY, Alexander (Vn), GRYNYUK, Alexei (Pf)2012Decca478 3529‘Five pieces’ by L. Atovmyan. No. 1 only.
HAVERON, Andrew & BELTON, Ian (Vn), BLACKSHAW, Christian (Pf)2001Challenge ClassicsCC72093‘Five pieces’ by L. Atovmyan.
KHADEM-MISSAGH, Martha & Vahid (Vn), PRINZ, Meinhard (Pf)1998ORFCD 205
PERLMAN, Itzhak & ZUKERMAN, Pinchas (Vn), SANDERS, Samuel (Pf)1978EMI7243 5 65994 2 0
POULET, Gérard & MAMIYA, Misa (Vn), IKEDA, Tamayo (Pf)2019ContinuoCC 777.732‘Five pieces’ by L. Atovmyan.
RACHLIN, Julian & JANSEN, Janine (Vn), GOLAN, Itamar (Pf)2006OnyxONYX 4026Live(13 Dec.). ‘Five pieces’ by L. Atovmyan.
SIWY, André & Yaga (Vn), BLUMENTHAL, Daniel (Pf)
ArcobalenoAAOC-93262
STANKOV, Angel & RADIONOV, Yosif (Vn), NESTOROVA, Theodora (Pf)
BalkantonBKA 11268LP
BRODSKY QUARTET (Daniel Rowland, Ian Belton, Paul Cassidy, Jacqueline Thomas)2011ChandosCHAN 10708No. 1 only, Arr. by Ian Belton.

Amir & M. Bisengaliev (Vn), J. Lenehan (Pf)
I: 1'54" II: 1'24" III:   (III): 2'45" (IV): 2'06" (V): 1'19" 
Sikorski版による5曲が演奏されている。カザフスタン出身の2人のヴァイオリン奏者による演奏だが、アミールの方は録音当時13歳ということもあってか音楽的にはまだまだ未熟で、率直に言ってあまり面白くはない。使用楽器のせいか音色にもあまり感心しないが、左手のテクニックは神童と言われるに値する水準に達している。
N. Benedetti & A. Sitkovetsky (Vn), A. Grynyuk (Pf)
I: 2'32" II:   III:   (III):   (IV):   (V):   
ヴァイオリンの美しい音色を前面に押し出した、ごく聴き易いもの。それでいてイージーリスニングにまでは陥らない節度も持ち合わせている。
A. Haveron & I. Belton (Vn), C. Blackshaw (Pf)
I: 2'26" II: 1'40" III:   (III): 2'47" (IV): 1'53" (V): 1'32" 
第1、2曲はこの作品だが、第3曲以降は別編曲。第3曲はバレエ組曲第1番第4曲、第4曲は映画音楽「司祭とその下男バルダの物語」からの一曲(未確認)、第5曲はバレエ組曲第3番第4曲が出典となる。本来であれば別項を設けなければならないところだが、便宜上この作品と並べて記載した。演奏は、ごく素直なもので好ましい。
M. & V. Khadem-Missagh (Vn), M. Prinz (Pf)
I: 2'38" II: 1'56" III: 2'44" (III):   (IV):   (V):   
楽器の技術にやや甘いところがあるとは言え、イージーリスニング的な寛いだ愉しさのある演奏。
I. Perlman & P. Zukerman (Vn), S. Sanders (Pf)
I: 2'19" II: 2'15" III: 2'34" (III):   (IV):   (V):   
パールマン独特の弾き崩しが気になるが、まずは気楽に楽しむことのできる演奏。技術的な問題は、当然ながら全くない。
G. Poulet & 間宮美紗 (Vn), 池田珠代 (Pf)
I: 1'52" II: 1'45" III:   (III): 2'01" (IV): 1'35" (V): 1'35" 
高雅な愉悦に満ちた寛ぎが何とも心地好い。2本のヴァイオリンが互いに寄り添うような、親密で音楽的な雰囲気が漂い、気持ちよく聴き通すことができる。
J. Rachlin & J. Jansen (Vn), I. Golan (Pf)
I: 2'44" II: 1'38" III:   (III): 2'49" (IV): 1'50" (V): 1'33" 
名手ならではの巧さを認めつつも、どうにも気に入らない。良く言えば情感たっぷりということになるのだろうが、安キャバレーのホステスの化粧みたいに過剰で下品な表情付けは、ショスタコーヴィチの音楽とは縁も所縁もないもの。
A. & Y. Siwy (Vn), D. Blumenthal (Pf)
I: 2'35" II: 1'50" III: 2'55" (III):   (IV):   (V):   
音色がやや垢抜けないことと節回しに若干不自然さが感じられるものの、まずは安定した演奏。甘く楽しい旋律美を素直に味わうことができる。
A. Stankov & Y. Radionov (Vn), T. Nestorova (Pf)
時間不詳
地味ながらも丁寧で好感の持てる演奏。息の合った伸びやかな音楽がなかなか素敵。
Brodsky Quartet
I: 2'44" II:   III:   (III):   (IV):   (V):   
技術的な問題はなく、大柄でシンフォニックな表現力のおかげで聴き応えのある仕上がりとなっている。ただ、過度にロマンティックであり、ムード音楽的に聴こえてしまうのが残念。

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10のロシア民謡 Sans op. Q

指揮者合唱ピアノ録音年レーベル番号備考評価
CHERNUSHENKO, VladislavLeningrad M. Glinka ChoirLyudmila Bogomolova1981YedangYCC-0162
POPOV, ViktorMoscow Academy of Choral SingingTamara Kravtchenko1998Saison RusseRUS 288 160

V. Chernushenko/Leningrad M. Glinka Choir
I: 2'36"
II: 2'17"
III: 2'19"
IV: 1'59"
V: 4'52"
VI: 3'35"
VII: 1'41"
VIII: 3'06"
IX: 4'22"
X: 2'26"
高い技量と伸びやかな歌心を持った、実に素敵な演奏。ロシア臭を感じさせながらも、十分に洗練されている辺りがいかにもレニングラードの団体らしい。間奏の挿入の仕方や、繰り返しの省略等があるのは残念。
V. Popov/Moscow Academy of Choral Singing
I: 2'05"
II: 1'11"
III: 2'34"
IV: 2'22"
V: 3'15"
VI: 3'35"
VII: 1'06"
VIII: 4'22"
IX: 4'16"
X: 2'40"
非常に洗練された合唱で、なおかつロシア情緒に不足しないところが素晴らしいが、間奏の省略やエンディングの改変、デュナーミクの変更などオリジナル通りとはいえないのが残念。確かに同じ節を10回近くも繰り返すのは退屈だろうが、せっかくの試みなのだから、資料的な価値も重視してほしかった。

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ギリシャの歌 Sans op. R

独唱者ピアノ録音年レーベル番号備考評価
GRITSKOVA, Margarita (MS)PRINZ, Maria2019Naxos8.574031Nos. 2 & 3.
LUKONIN, Mikhail(Br)SEROV, Yuri2001DelosDE 3304

M. Gritskova, M. Prinz
I:

II: 1'35"
III: 3'28"
IV:
 
手堅く生真面目な歌唱に好感が持てる。技術的にも非常に立派な仕上がりだが、ピアノ伴奏は物足りない。
M. Lukonin, Y. Serov
I: 2'14"
II: 1'37"
III: 3'38"
IV: 1'07" 
世界初録音。ごく自然な演奏は、作品の姿を等身大に描き出している。

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人形たちの踊り Sans op. S(i)

演奏者録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, Vladimir2003DeccaUCCD-1105No. 1 only.
BASLAWSKAYA, Mila1992GlobeGLO 5082
BOBRITSKAYA, Rimma1983MelodiyaC50 20749 006LP, No. 7 only.
BOBRITSKAYA, Rimma1991Le Chant du MondeLDC 288 034No. 7 only.
CHEN, Melvin2006Bridge9238
CHERSHINTSEVA, Maria2007NCA60190
GATEV, Krassimir
BalkantonBKA 10294LP, Nos. 4 - 6.
GRINBERG, Mariya1961Vista VeraVVCD-00119Nos. 5, 3, and 7.
HEIFETZ, Inna1993SonoraS022563CD
JONES, Martin1988AVMAVMCD 1003
KOBATA, Ritsuko1994VictorVICC-5044No. 5 only.
MALIKOVA, Anna2005Classical RecordsCR-056
MARGALIT, Israela1992Koch3-7159-2H1
PETRUSHANSKY, Boris2003stradivariusSTR 33727
TIMOFEYEVA, Lyubov1973VictorVICC-2092
TRYON, Valerie1995Fanfare1418No. 6 only.
WANG, Serena2013Channel ClassicsCCS 81014
WEICHERT, Caroline1993Accord202812
【編曲】
BATIASHVILI, Lisa (Vn), SALONEN, Esa-Pekka/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks2010DG477 9299No. 1 only, Arr. by Tamas Batiashvilli.
ERDELI, Olga (Hp)1974Melodiya33C 04705-06LP, No. 1 only, Arr. by O. Erdeli.
FRÜHWIRTH, David (Vn), CHERNYAVSKA, Milana (Pf)2010Delta ClassicsN 90 076Nos. 6 and 7, Arr. by Konstantin Fortunatov.
GERHARDT, Alban (Vc), OSBORNE, Steven (Pf)2005HyperionCDA67534No. 6 only, Arr. by Lev Atovmyan.
STIER, Charles (Cl), NEWTON, Molly (Pf)1993ÉlanCD 82246No. 1 only, Arr. for clarinet and piano.
SEWEN, Marek/Capella Arcis Varsoviensis1975PronilSX 1556LP, Arr. chamber ensemble.

V. Ashkenazy
I: 1'41" II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   
軽やかな楽しい演奏。
M. Baslawskaya
I: 1'45" II: 1'37" III: 2'47" IV: 1'29" V: 2'41" VI: 0'49" VII: 0'36" 
曲が曲だけに大きな不満を感じるわけではないが、やや音に響きがなく乾いた感じがすることと、表現に若干作為的な部分のあるのが気になる。
R. Bobritskaya
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII: 0'44" 
ややゆっくり目の丁寧な演奏。今一つ面白味には欠けるが、無難な演奏と言えるだろう。
R. Bobritskaya
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII: 0'36" 
丁寧で理想的な演奏。録音も良い。第7曲しか収録されていないのが残念である。
M. Chen
I: 1'47" II: 1'29" III: 2'19" IV: 1'17" V: 2'38" VI: 0'48" VII: 0'42" 
いささか堅苦しさを感じるほどに生真面目な演奏で、まるでピアノのお稽古で使うお手本の録音のような雰囲気。悪いとは言わないが、愉しくはない。
M. Chershintseva
I: 2'04" II: 1'16" III: 3'07" IV: 1'23" V: 3'09" VI: 0'57" VII: 0'37" 
静的でありながらも滲み出る情感が秀逸で、これほどまでに丁寧に処理された真面目な演奏は聴いたことはないが、それはこの作品に求めるものでないように思われる。
K. Gatev
時間不詳
肩肘張らず、伸びやかに歌う素直な音楽は、とても楽しい。愉悦に満ちたきれいな仕上がりで不満はない。
M. Grinberg
I:   II:   III: 2'37" IV:   V: 2'29" VI:   VII: 0'32" 
特筆すべき解釈などが施されているわけではないが、あっさりと弾き切っているにも関わらず、ロシア・ピアニズムの極致である強靭で温かな響きが音楽全体に「ロシア音楽」としか形容しようのない彩りを加えている。
I. Heifetz
I: 1'50" II: 1'37" III: 2'35" IV: 1'34" V: 2'01" VI: 0'35" VII: 0'34" 
別に聴き流すこともできるのだが、やや技術的な鮮やかさに欠ける。丁寧に弾き過ぎているだけなのかもしれないが、どこかもたついたような鈍重さが良くない。
M. Jones
時間不詳
溌剌とした勢いに満ちた佳演。少々弾き飛ばし気味に感じる部分もないわけではないが、曲が曲だけに問題ではない。
木幡律子
I:   II:   III:   IV:   V: 2'51" VI:   VII:   
「お手本」として申し分はなく、音楽的にも上品にまとめられている。
A. Malikova
I: 1'47" II: 1'35" III: 2'11" IV: 1'18" V: 2'56" VI: 0'40" VII: 0'40" 
技術面の問題は皆無である一方、全ての楽曲が同じ色、それも無彩色で塗られているような単調さを感じるのが残念。また、全体に生真面目に過ぎる。
I. Margalit
I: 1'45" II: 1'26" III: 1'49" IV: 1'24" V: 2'49" VI: 0'34" VII: 0'29" 
この曲にこ難しいものを求めることはないが、軽い曲だと手を抜くことなく丁寧に楽譜を読んで演奏しているのが大変好ましい。良い意味でのお手本的な演奏である。
B. Petrushansky
I: 1'53" II: 1'32" III: 2'30" IV: 1'23" V: 3'11" VI: 0'41" VII: 0'37" 
もったいぶった表情付けが楽曲の魅力を損なっているように思われる。もっと素直に弾き飛ばしてしまう方が、むしろ好ましいだろう。
L. Timofeyeva
I: 1'44" II: 1'13" III: 2'10" IV: 1'27" V: 2'32" VI: 0'36" VII: 0'33" 
理想的な名演。余計な味付けを排しながらも、作品が本来持っている愉悦的な雰囲気を鮮やかに表出しているのが見事。音色そのものも典型的なロシアン・サウンドで魅力的。
V. Tryon
I:   II:   III:   IV:   V:   VI: 0'46" VII:   
楽器を習っている子供のためのお手本アルバムに収録されている。演奏はお手本の範疇を出ることはなく、残念ながら正確ではあるものの退屈という典型的な例。
S. Wang
I: 1'56" II: 1'39" III: 2'25" IV: 1'21" V: 2'18" VI: 0'40" VII: 0'49" 
奏者の9歳という年齢を考えると驚くべき仕上がりである。「お手本通り」の楷書的な見事さであり、湧き立つような即興的な自在さはない一方で、これほど楽譜に忠実な演奏も他にない。
C. Weichert
I: 1'23" II: 1'11" III: 2'06" IV: 1'14" V: 2'19" VI: 0'48" VII: 0'40" 
早目のテンポでキビキビとまとめた快演。少しそっけないところが、逆にショスタコーヴィチらしさを醸し出していて良い。
L. Batiashvili, E.-P. Salonen/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
I: 3'25" II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   
バティアシヴィリのヴァイオリンは十分に魅力的だが、編曲に難がある。
O. Erdeli (Hp)
時間不詳
ハープの美しい音色を楽しむことができる。作品と編曲の相性も悪くない。
D. Frühwirth (Vn), M. Chernyavska (Pf)
I:   II:   III:   IV:   V:   VI: 0'58" VII: 0'49" 
演奏は堅実で地味だが、そもそもが大向こうを唸らせるような楽曲ではないので、むしろこの慎ましやかさが良い意味で模範演奏然としていて好ましい。
A. Gerhardt (Vc), S. Osborne (Pf)
I:   II:   III:   IV:   V:   VI: 0'44" VII:   
もう少し伸びやかな歌心が欲しいところではあるが、十分に楽しい演奏である。
C. Stier (Cl), M. Newton (Pf)
I: 1'39" II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   
旋律の楽しさが素直に表出された演奏。特筆するような個性は感じられない。
M. Sewen/Capella Arcis Varsoviensis
時間不詳
信頼のできない楽譜を元に編曲したのか、不正確な音が散見されるのは残念だが、原曲の雰囲気をよく伝える立派な編曲。技術的に平易であるため寛いだ伸びやかな雰囲気が好ましい。原曲との間にそれほど違和感もなく、なかなか楽しい演奏である。

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ムルズィルカ Sans op. S(ii)

独奏者録音年レーベル番号備考評価
JONES, Martin1989AVMAVZ-3020
PETRUSHANSKY, Boris2006stradivariusSTR 33748
POSTNIKOVA, Victoria
MelodiyaC10 26307 004LP
SCHERBAKOV, Konstantin2005Naxos8.570092

M. Jones
0'32" 
勢いのある演奏が楽しい。
B. Petrushansky
0'38" 
重量感のある落ち着いた響きが魅力的な演奏。
V. Postnikova
0'35" 
模範的に楽譜を再現した演奏。曲自体断片的でとりとめのないものだが、資料として十分価値のある録音といえるだろう。
K. Scherbakov
0'49" 
勢いの良さが作品の性格と相まって好結果につながっている。

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2つの小品(L. T. アトヴミャーン編)

チェロピアノ録音年レーベル番号備考評価
GERHARDT, AlbanOSBORNE, Steven2005HyperionCDA67534No. 2 only.
PEREIRA, DavidBOLLARD, David1994Tall PoppiesTP078
SKOCIC, Adalbert丹生谷佳惠2006Art UnionART-3106

A. Gerhardt (Vc), S. Osborne (Pf)
I:

II: 1'46" 
もう少し伸びやかな歌心が欲しいところではあるが、密やかな美しさの表現は優れている。
D. Pereira (Vc), D. Bollard (Pf)
I: 6'10"
II: 2'01" 
線が細いのか、全体にメリハリがあまり感じられない演奏である。優しい歌はそれなりに素敵だが、さして魅力的とは言えない。技術的には特に不安を感じない。
A. Skocic (Vc), 丹生谷佳惠 (Pf)
I: 6'21"
II: 2'21" 
左手の技術的な切れ味はあまりないながらも、端正に整った佇まいを終始崩すことなく、自然な雰囲気のある演奏。特に、自然なイントネーションを通して自ずからロマンチックな香りが立ち上ってくる第1曲目はとても美しい。

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映画音楽からのワルツ集(L. T. アトヴミャーン編)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
SANDERLING, ThomasRussian Philharmonic Orchestra2005DG00289 477 6111‘Waltz’ only.

T. Sanderling/Russian Philharmonic Orchestra
I: 3'18" II: 5'20" III: 2'12" IV: 5'17" V: 2'24" VI: 3'13" VII: 3'42" VIII: 2'44" 
伸びやかに旋律を歌い上げ、ためらうことなく壮麗で感傷的な響きに溺れているような、素直で自然な演奏が好ましい。

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グリーンカのテーマによる変奏曲 Sans op. T

独奏者録音年レーベル番号備考評価
JONES, Martin1990AVMAVZ-3020Theme and Nos. 8, 9, and 11.
PETRUSHANSKY, Boris2006stradivariusSTR 33748

M. Jones
6'31" 
主題とショスタコーヴィチが担当した3つの変奏が収録されている。演奏は丁寧で模範的なもの。
B. Petrushansky
6'50" 
重量感のある落ち着いた響きの美しさと、衒いのない端正な音楽作りがとても好ましい、地味ながらも魅力的な演奏である。

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Last Modified 2024.01.06

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