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ピアノ・ソナタ第1番 作品12

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。独奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。

ピアノ録音年レーベル番号備考評価
BABINSKY, Margarete2005Capriccio71 087/88
CHEN, Melvin2006Bridge9238
DONOHOE, Peter2015SignumSIGCD493
FAVORIN, Yury2016MelodiyaMEL CD 10 02459
GUGNIN, Andrey2018HyperionCDA68267
JONES, Martin1988AVMAVMCD 1003
KHUDOLEY, Igor1982MelodiyaC10 18977 007LP
MADGE, Geoffrey Douglas1979BVHaast025LP
OSIŃSKA, Ewa
MuzaSX 1502LP
PETRUSHANSKY, Boris2006stradivariusSTR 33748
POSTNIKOVA, Victoria1982MelodiyaC10 17985 004LP
PLESHAKOV, Vladimir1969OrionORS 6915LP
SCHERBAKOV, Konstantin2001Naxos8.555781
STONE, Colin1995OlympiaOCD 574Brilliant-7535, Brilliant-8128
STOUPEL, Vladimir2014Avi-music8553481
UEHARA, Ayako2002TritonDICC-25002Live
VARVAROVA, Elena1989Le Chant du MondeLDC 278 1012
VEDERNIKOV, Anatoly1968DenonCOCO-78872
VEDERNIKOV, Anatoly1992TeichikuTECC-28170Live(16 June)
VOLKOV, Oleg1987MelodiyaC10 30205 000LP
WEICHERT, Caroline1988Accord200252
ZILBERSTEIN, Lilya1988DGPOCG-4127

M. Babinsky
14'50" 
ロシア・アヴァンギャルド的な側面よりも、19世紀末的な抒情性を強調した解釈。聴きやすさは抜群だが、幾分の物足りなさも残る。
M. Chen
12'50" 
いささか堅苦しさを感じるほどの生真面目さで隅々まで丹念に弾き込まれた、良い意味での模範的な仕上がり。ただ、この作品にはもう少し八方破れな勢いが欲しいところ。
P. Donohoe
12'21" 
よく整えられた模範的な演奏。ただ、取り立てて印象に残るほどのものではない。この曲をこんな風にこじんまりとまとめても退屈なだけ。
Y. Favorin
11'31" 
安定して水準以上の技巧に支えられた程良いロマンティシズムが、作品の内容を適正に伝えてくれる。単に聴きやすい演奏というだけでなく、見通しの良い構成力に加えて、ショスタコーヴィチも時代の影響を受けていたことがよく分かる演奏なのが面白い。
A. Gugnin
13'03" 
疾走感のある快演。力任せではない、音楽の推進力から導かれる迫力に惹き込まれる。
M. Jones
時間不詳
やや勢いに任せた直線的な演奏だが、雰囲気は十分に出ている。まずは無難な演奏と言うことができるだろう。
I. Khudoley
14'54" 
過度の感情移入や飾り気といったものが排された、淡々とした音楽の運びながらも透明で澄んだ響きの多彩さをじっくりと聴かせる演奏である。ただ、楽曲の構造がクリアに呈示されていて悪くないものの、もう少し芝居がかった演出があってもよい。
G. D. Madge
12'00" 
確かな技巧で、勢い良く音楽が流れていく。硬質なタッチがいかにも現代作品らしい響きを作り出しているが、あまりに冷ややかな感じがするのも否めない。やや弾き飛ばしている部分もないとは言えないが、基本的に端正な譜読みが伺える若々しい佳演である。
E. Osińska
時間不詳
作品の前衛性をあまり意識させない、不思議な抒情性が漂う演奏。尖った推進力のようなものは感じられないので物足りなさもあるが、どこか穏やかですらある音楽の流れは、2世代くらい前の旧き佳き演奏流儀だからこそなし得たものかもしれない。
B. Petrushansky
14'53" 
重量感のある落ち着いた響きの美しさと、衒いのない端正な音楽作りがとても好ましい、地味ながらも魅力的な演奏である。
V. Postnikova
13'53" 
スケールの大きい安定した演奏。強弱のバランスがよく取れており、造形のしっかりとした仕上がりが素晴らしい。ただ、全体に老成したような表現になっており、若々しい激情はやや後退している。
V. Pleshakov
14'10" 
安全運転でソツなくまとめられているものの、音楽的内容の把握が十分でないためか、少々雑然とした印象が残る。技術面での不満はない。
K. Scherbakov
14'57" 
とても美しい仕上がり。これはこれで作品の内容をしっかりと捉えた佳演と言えるだろう。叩き付けるような音楽の奔流を期待する向きには、やや物足りなさが残るかも。
C. Stone
12'24" 
安定した演奏だが、これといったセールスポイントがなく面白味に欠ける。
V. Stoupel
13'25" 
最後期ロマン派的な叙情性が前面に出た演奏であり、風格が漂うスケールの大きな音楽である。
上原彩子
12'34" 
第7回チャイコーフスキイ国際コンクール第二次予選のライヴ録音。確かな技術と清潔な音楽性に加え、スケールの大きさを持った演奏。錯綜したスコアを丁寧にアナリーゼした跡の見える、実にわかりやすい演奏で好感が持てる。縦方向の構造よりも横方向の構造を重視したというような感じで、メロディックな作品に聴こえるのは面白いが、この作品の解釈としては一面的に感じられるのも確か。
E. Varvarova
15'37" 
冴えない演奏。音楽に生気がなく、ただ音を羅列しているだけの印象を受ける。表情付けやテンポ設定に首をかしげたくなる部分も多い。
A. Vedernikov
13'28" 
極めて明晰にスコアを読みきった名演。この混沌とした曲を、完璧にまとめあげている。密なテクスチュアを形成している厖大な数の音全てに意味が感じられる。加えて技術的な完璧さも特筆すべき出来。最晩年のライヴ録音もあまりに凄絶な名演であるが、この旧録音も決して無視してはいけない傑出した演奏である。
A. Vedernikov
14'16" 
とてつもない名演。最晩年(72歳)のライヴ録音とは思えない完璧な技術も凄いが、何よりも曲の価値を考えられないほど高めているその音楽的内容にはただただ驚愕する。背筋が凍りつくほどの透明感、どこか深淵を覗かされているかのような寂寥感、恐怖感。そしてロシア・ピアノ音楽になくてはならない、力強く圧倒的なタッチ。形容のしようがない、本当に凄い演奏である。
O. Volkov
14'02" 
淡々としていながらも覇気に満ちた、力強い演奏。技術的には立派な仕上がりだが、錯綜した音楽が十分に整理されていないのは残念。勢いで聴かせてしまうものの、中間部などは少々厳しいか。
C. Weichert
15'26" 
よくまとまった、なかなかの好演。推進力に満ちた若々しい勢いと、緩徐楽章の静謐感とが丁寧に描き分けられている。不満を感じる部分は特にないが、ヴェデールニコフ盤を聴いてしまうとさすがに分が悪い。
L. Zilberstein
13'12" 
端正な演奏だが、やや線が細い。模範的な演奏ということもできようが、若手の演奏家が珍しい曲を意欲的に取り上げた、という以上の意義はあまり感じられない。もっとも、うるさいことを言わなければ十分立派な演奏。他の凄い演奏を知らなければ満足できるだろう。

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Last Modified 2023.12.01

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