ENGLISH


映画音楽

現在私が所有している録音の一覧です。ステレオまたはディジタルのスタジオ録音のCDをデフォルトとして表記し、それ以外の物については“備考”欄に記します。演奏者の名前をクリックすると、その録音についてのコメントを見ることができます。なお、印による評価は演奏と録音の両方を考慮しており、5点満点です。また、ディスク番号をクリックするとジャケット画像が別ウィンドウに表示されます。


映画音楽「新バビロン」作品18

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
JUDO, JamesBerlin Radio Symphony Orchestra1990Capriccio10 341/42delta-36 000(Part 1)
STROBEL, FrankSWR Rundfunkorvhester Kaiserslautern2005hänsslerCD 93.188
【組曲(G. Rozhdestvensky編)】
POLYANSKY, ValeriRussian State Symphony Orchestra1995ChandosCHAN 9600
ROZHDESTVENSKY, GennadySoloists from the Moscow Philharmonic Orchestra1975VictorVICC-2090Russian Disc-RD CD 11 064, EMI-ASD 3381, eurodisc-28 665 XHK(LP)

J. Judo/Berlin Radio Symphony Orchestra
Act 1: 9'02"
Act 2: 9'58"
Act 3: 8'55"
Act 4: 14'20"
Act 5: 10'25"
Act 6: 12'33"
Act 7: 10'47"
Act 8: 8'23"
真摯な演奏。資料としての価値が上回るが、特に聴き苦しいところはない。欲をいえば、もっとメリハリの効いた音楽にしてもらいたいところだが。
F. Strobel/SWR Rundfunkorvhester Kaiserslautern
Act 1: 8'37"
Act 2: 10'54"
Act 3: 12'03"
Act 4: 13'45"
Act 5: 10'38"
Act 6: 15'13"
Act 7: 11'28"
Act 8: 8'52"
DSCH社刊の新全集を用いた「新バビロン」全曲録音。端正に整えられた演奏で、ソロイスティックな鮮やかさには欠けるものの、鑑賞する上での不満は特にない。
V. Polyansky/Russian State Symphony Orchestra
I: 5'34"
II: 10'13"
III: 6'04"
IV: 7'02"
V: 6'26"
VI & VII: 9'00"
単独の音楽作品としては必ずしも一級品とはいえないこの曲を、異様なまでに磨き上げた演奏。アンサンブルの精度、響きの美しさ、いずれをとっても理想的なもの。初期ショスタコーヴィチの神経に障る響きも十全に再現されており、全く不満はない。これ以上を望む必要はないだろう。
G. Rozhdestvensky/Soloists from the Moscow Philharmonic Orchestra
I: 5'14"
II: 9'49"
III: 4'21"
IV: 6'30"
V: 6'35"
VI: 5'43"
VII: 2'56"
ロジデーストヴェンスキイ自身が自筆譜等を元に編集した演奏会用組曲。ロシアのアクの強い音色が魅力的。初期ショスタコーヴィチの特徴をよく理解した演奏で、聴いていて大変面白い。

 作品リストに戻る


映画音楽「女ひとり」作品26

指揮者オーケストラ独唱者合唱録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra

1998LondonPOCL-18741987 version, Excerpts.
FITZ-GERALD, MarkFrankfurt Radio Symphony OrchestraIrina Mataeva (S), Anna Kiknadze (MS), Dmitry Voropaev (T), Mark van Tongeren (overtone)Vokalensemble der HfMDK Frankfurt2006Naxos8.570316Score reconstruction by Mark Fitz-Gerald.
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, BerlinSwetlana Katchur (S), Wladimir Kazatchouk (T)Mitglieder des Rundfunkchores Berlin1995Capriccio10 5621987 version. delta-36 000(Galop)
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
Minsk Chamber Choir1995Russian DiscRD CD 10 0071987 version.
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic

2002ChandosCHAN 100231987 version, Excerpts.
【組曲(G. Rozhdestvensky編)】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Symphony Orchestra Soloists Ensemble1982BMG74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Olympia-OCD194, Icon-ICN-9415-2, Venezia-CDVE03220

R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
4: 0'28" 6: 3'15" 10: 0'43" 17: 2'57" 18: 3'54" 22:   26:  
29: 2'31" 35: 1'00" 36: 2'23" 37: 1'35" App. 2: 1'25" App. 4:   
きれいで楽しい演奏。全曲を通して聴くよりはずっと面白い。ただ、ショスタコーヴィチの初期作品がこんなに贅沢な響きで奏でられると、何となく違和感がある。
M. Fitz-Gerald/Frankfurt Radio Symphony Orchestra etc.
Total: 79'56"
映画の音声トラック全て(自筆譜が紛失している楽曲も含む)をフィッツ=ジェラルドが復元し、そのスコアを自身で指揮した録音。このスコアは新全集第123巻に採用されているので、最も真正な全曲盤ということもできるだろう。メタリックな質感を持つオーケストラの澄んだ響きと手堅く丁寧な演奏も素晴らしく、決定盤と言ってよいだろう。
M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin etc.
Total: 74'29"
全体にきれいに整えられた演奏。しかしあまりメリハリが感じられず、聴いていて退屈な感じがする。鈍重なテンポもそれに拍車をかけている。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra etc.
Total: 71'29"
全曲が収録されているが、全部を聴き通すのはあまり楽しくない。演奏自体は、水準以上のもので評価できる。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
4:   6: 2'06" 10:   17: 3'05" 18: 3'51" 22: 2'53" 26: 3'56"
29: 2'38" 35:   36:   37:   App. 2:   App. 4: 2'14" 
ツボをしっかりと押さえた、壮麗な秀演。多彩な響きが生かされながらも、音楽の流れが実に自然で素晴らしい。
G. Rozhdestvensky/USSR Symphony Orchestra Soloists Ensemble
I: 4'19" II: 2'18" III: 6'02 
全曲の中から、ロジデーストヴェンスキイ自らが抜粋した組曲。それほど優れた曲ではないが、それなりに面白く聴かせている。

 作品リストに戻る


映画音楽「黄金の丘」作品30

【組曲 作品30a】
指揮者オーケストラオルガン録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra
1995ManchesterCDMAN129No. 2 only.
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
1995Capriccio10 561delta-36 000(No. 2)
KALININ, NikolaiOssipov Russian Folk Orchestra
1983MelodiyaC20 20973 007No. 2 only.
KALININ, NikolaiOssipov Russian Folk Orchestra
1992ClavesCD 50-9623No. 2 only.
MNATSAKANOV, WalterState Cinematographic Symphony Orchestra
1997CitadelCTD 88129
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra
1999DelosDE 3257No. 2 only.
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony OrchestraLudmila Golub1985Russian DiscRD CD 11 064BMG-74321 59058 2, Melodiya-C10 31619 002(LP)
SAMOSUD, SamuelUSSR Radio Symphony Orchestra
1953Vista VeraVVCD-00132Live(11 Feb.), No. 2 only.
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony OrchestraKarol Golebiowsky
RCABVCC-30
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic
2003ChandosCHAN 10183
LUBOSHUTZ, Pierre & NEMENOFF, Genia (Pf)
VanguardVSD-2128LP, No. 2 only. Arr. by Pierre Luboshutz.

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
I:   II: 5'22" III:   IV:   V:   VI:   
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
I: 1'56" II: 5'17" III: 7'27" IV: 4'02" V: 2'19" VI: 2'25" 
トランペットの音量バランスが悪い上に、あまり上手くもない。全体にアンサンブルもあまり整ってなく、リズム感が非常に悪い。2曲目のワルツで普通のギターを使用しているのも、大きな減点材料。
N. Kalinin/Ossipov Russian Folk Orchestra
I:   II: 5'31" III:   IV:   V:   VI:   
録音状態の違いのせいで、新盤よりも野趣溢れているようにも感じられるが、解釈やアンサンブルの練度に大きな違いはない。ロシア情緒に満ちた旋律を気持ち良く歌い上げた、耳当たりの良い楽しい音楽である。
N. Kalinin/Ossipov Russian Folk Orchestra
I:   II: 5'30" III:   IV:   V:   VI:   
極めて原曲に忠実な編曲となっている。冒頭のメロディーはオリジナルでもハワイアン・ギターが使われているので違和感がない。バララーイカの切ない音色が曲調によくマッチしている。美しい仕上がり。
W. Mnatsakanov/State Cinematographic Symphony Orchestra
I: 1'16" II: 5'30" III: 6'38" IV: 4'12" V: 2'09" VI: 2'02" 
バランスのよく取れた佳演。オーケストラの音色にも不満はないし、全体に手堅くまとめられているのが好ましい。全体にもう少し早目のテンポが望ましいようにも思えるが(特にワルツ)。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II: 4'49" III:   IV:   V:   VI:   
冒頭のハワイアンギターの音色に不満が残るが、演奏としてはまあ真っ当なもの。しかし、この曲の場合には編成の小ささがマイナスとなってしまった。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
I: 1'22" II: 5'07" III: 8'27" IV-IV: 7'43" 
第2曲のワルツが超名演。ハアイアンギターの切ない音色と、ロシアン・ワルツの哀愁漂うリズム感が胸をかきむしる。他の曲も、適切なテンポで演奏されている。
S. Samosud/USSR Radio Symphony Orchestra
I:   II: 5'16" III:   IV:   V:   VI:   
テンポの強引な揺らしには賛否が分かれるだろうが、蕩けるようなハワイアンギターのねちっこさは格別。ソ連情緒を愛する人には、是非聴いてもらいたい。1953年のライヴ、しかもソ連の録音ということを考えるならば、驚異的と言ってよい音質である。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 1'17" II:   III: 7'15" IV:   V: 1'46" VI: 1'21" 
堅実な演奏。音が軽いのが気になるが、よくまとめられている。ワルツが収録されていないのは残念。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I: 1'21" II: 4'48" III:   IV: 4'01" V: 2'12" VI: 2'00" 
華麗かつ重厚な響きと、丁寧な音楽作りが素晴らしい。オルガン独奏の「フーガ」が収録されていないのは残念。
P. Luboshutz & G. Nemenoff (Pf)
I:   II: 4'51" III:   IV:   V:   VI:   
長く活動を続けたデュオだけに(この録音がどの時点のものかはわからないが)、安定した自在なアンサンブルはさすが。演奏、編曲ともに、ちょっと品のあるアンコールピースといった雰囲気で悪くない。

 作品リストに戻る


映画音楽「呼応計画」作品33

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
BELARSKY, Sidor (B), unnamed (Pf)1960Artistic EnterprisesB-109‘Song of the Counterplan’ only, Titled as ‘Morning Light’.
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874
FITZ-GERALD, MarkDeutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz2017Naxos8.573747
KARABITS, Kirill (BENEDETTI, Nicola (Vn))Bournemouth Symphony Orchestra2012Decca478 3529No. 2 only.
LICHTER, CharlesROBESON, Paul (B), Keynote Orchestra and Chorus1944KeynoteK 120010" 78rpm, ‘Song of the Counterplan’ only, Sung in English, Titled as ‘The United Nations’.
LUKONIN, Mikhail (Br), SEROV, Yuri (Pf)2002DelosDE 3313‘Song of the Counterplan’ only.
MININ, VladimirState Moscow Chamber Choir1995SacrambowSCW-1010‘Song of the Counterplan’ only.
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 018
ALL-UNION RADIO SONG ENSEMBLE
MKD 5062-310" mono, ‘Song of the Counterplan’ only.
【編曲】
BAMERT, MatthiasBBC Philharmonic1994ChandosCHAN 9349‘Song of the Counterplan’ only, Titled as ‘United Nations March’, Orchestrated by L. Stokowski.
LES COMPAGNONS DE LA MUSIQUE
Polydor560.14210" 78rpm, ‘Song of the Counterplan’ only, Titled as ‘Au devant de la vie’.
RUNGE, Eckart (Vc)AMMON, Jacques (Pf)2002-3Ars MusicAM 1370-2‘Andante’ only. Arr. by Eckart Runge and Jacques Ammon.

S. Belarsky (B), unnamed (Pf)
時間不詳
甘く深い声質が、いかにもロシアン・ロマンスに相応しく、難しいことを抜きにして楽しめる。ただ、妙に人工臭のする録音には違和感がある。
R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
I: 2'08" II: 2'55" III: 3'07" Song of the Counterplan:   
非常に美しい。特に2曲目のヴァイオリン・ソロは良い感じ。ロシアの音色ではないが、落ち着いたサウンドで良質の演奏。
M. Fitz-Gerald/Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz
I: 2'46" II: 2'47" III: 3'45" Song of the Counterplan:   
地味ではあるが、耳馴染みの旋律が節度を持ちつつ楽しく歌われる様が心地好い。
N. Benedetti (Vn), K. Karabits/Bournemouth Symphony Orchestra
I:   II: 2'42" III:   Song of the Counterplan:   
ヴァイオリンの美しい音色を前面に押し出した、ごく聴き易いもの。それでいてイージーリスニングにまでは陥らない節度も持ち合わせている。ただ、全方位に上品なため、全方位に物足りなさも否めない。旋律の表面的な美観以上の表現を期待したかったところではある。
P. Robeson (B), C. Lichter/Keynote Orchestra etc.
時間不詳
英語歌詞による歌唱で、オーケストラ伴奏はショスタコーヴィチによるものではない。合唱はあまり明瞭にとらえられていない。若々しく深い声はロブソンならでは。
M. Lukonin (Br), Y. Serov (Pf)
I:   II:   III:   Song of the Counterplan: 2'09" 
「呼応計画の歌」のみの録音。溌剌とした歌心に満ちた、とても素敵な歌唱。この曲が流行歌となったことがよくわかる。
V. Minin/State Moscow Chamber Choir
I:   II:   III:   Song of the Counterplan: 2'37" 
女声合唱とピアノによる「呼応計画の歌」。非常に単純な曲だけに演奏上の不満は全くない。楽しい感じが素直に表出されている。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
I: 2'56" II: 3'31" III: 2'24" Song of the Counterplan:   
第3曲が有名な「呼応計画の歌」。ロシアの香りがする好ましい音色は評価に値するのだが、初期ショスタコーヴィチの作品を演奏するにはオーケストラの技量が不足しており、アンサンブルの乱れが気になる。雰囲気は良い。
All-Union Radio Song Ensemble
時間不詳
勢いのあるテンポ感、雑然としながらも雰囲気抜群の合唱。録音が悪くて伴奏はあまりよく聴こえてこないのが残念だが、実に捨て難い魅力を持った演奏。
M. Bamert/BBC Philharmonic
I:   II:   III:   Song of the Counterplan: 2'30" 
「呼応計画の歌」をストコフスキーが管弦楽のために編曲したもの。ショスタコーヴィチのオーケストレイションとは大分雰囲気が違うが、それなりに楽しむことができる。
Les compagnons de la musique
時間不詳
Jeanne Perretによる仏語詩の歌唱。伴奏はアコーディオンのみ。時代を感じさせる愛国的な大衆歌曲の雰囲気が楽しい。
E. Runge (Vc), J. Ammon (Pf)
I:   II: 2'23" III:   Song of the Counterplan:   
上品にまとめられた、なかなかお洒落な逸品。チェロとピアノという編成にも違和感がない。

 作品リストに戻る


映画音楽「司祭とその下男バルダの物語」作品36

独唱者合唱指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価

CORPORON, Eugen MigliaroNorth Texas Wind Symphony2004KlavierK 11145Edited by Vadim Bibergan.
Vladimir Pankratov (B, Balda), Sergei Safenin (B, Priest), Elena Ustinova (S, Priest's Daughter), Anatoli Manukhov (T, Bell-Ringer), Mikhail Kalinovsky (B, Devil), Nina Romanova (MS, Devil's Wife), Hermann Ludko (T, Devil's Son), Vladimir Matusov (narrator), Mikhai Senchurov (balalaika)Chorus of the Malyi Opera and Ballet Theatre of Leningrad (Chorusmaster: Mikhail Travkin)KOZHIN, ValentinOrchestra of the Malyi Opera and Ballet Theatre of Leningrad1982MelodiyaC10 19323 008LP, Opera(edited and with the addition of narrated text by Sofia Khentova). Boheme-CDBMR 012192
Dmitri Beloselsky (B, Balda), Dmitri Stepanovich (B, Priest), Sergei Balashov (T, Priest), Evgeniya Sorokina (S, Priest's Daughter), Herman Yukavsky (S, Priest's Wife), Dmitri Ulyanov (B, Devil), Irina Narskaya (MS, Devil's Wife), Fyodor Bakanov (T, Devil's Son), Andrei Suchkov (narrator)Moscow State Chamber Choir (Chorusmaster: Alexander Solovyov)SANDERLING, ThomasRussian Philharmonic Orchestra2005DG00289 477 6112Edited by Vadim Bibergan.
【組曲(G. Rozhdestvensky編)】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony Orchestra1997CitadelCTD 88129
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Symphony Orchestra1979BMG74321 59058 2Victor-VICC-40053/4, Venezia-CDVE03220

E. M. Corporon/North Texas Wind Symphony
1: 1'36" 2: 1'55" 3:   4:   5: 0'54" 6: 2'18" 7: 2'04" 8: 2'24" 9:   10: 1'30"
11:   12:   13:   14: 1'40" 15: 1'18" 16:   17:   18: 2'17" 19:   20:  
21: 1'07" 22:   23:   24:   25:   26:   27:   28:   29:   
Biberganが編集した版の中から数曲を抜粋し、吹奏楽用に編曲したもの。もともとフルオーケストラ用の作品ではないこともあって、編曲にはとりたてて違和感はない。才気走った強烈な色彩感はないものの、整然とまとめられた演奏なので、作品を楽しむには十分な内容といえるだろう。
V. Kozhin/Chorus and Orchestra of the Malyi Opera and Ballet Theatre of Leningrad etc.
Total Time: 44'00"
ショスタコーヴィチ研究家のヘーントヴァが台本を作成し、残された映画音楽をオペラ仕立てにしたもの。出版譜とは一部曲順が異なったり、削除があったりする。全体として初期の特徴的な作風に加え、後年のオペレッタ「モスクワよチェリョームシキよ」を彷佛とさせる雰囲気も感じられるのが面白い。歌、器楽ともに傑出した演奏者はいないものの、無難にまとめられた演奏は、作品の姿を適切に伝えてくれる。
T. Sanderling/Russian Philharmonic Orchestra etc.
1: 1'23" 2: 1'52" 3: 2'30" 4: 1'25" 5: 0'54" 6: 2'16" 7: 2'08" 8: 2'55" 9: 1'35" 10: 1'32"
11: 1'15" 12: 1'32" 13: 2'00" 14: 1'32" 15: 1'13" 16: 1'53" 17: 4'25" 18: 2'06" 19: 3'12" 20: 0'54"
21: 1'06" 22: 2'34" 23: 1'05" 24: 1'34" 25: 3'34" 26: 1'18" 27: 1'49" 28: 1'56" 29: 1'25" 
Bibergan版の全曲が収録されている。ロシア風のけばけばしい響きながらも、整然と洗練された流麗な音楽は極めて模範的なもの。
W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
I: 1'36" II: 1'50" III: 1'44" IV: 1'16" V: 2'50" VI: 1'35" Balda's Dialogue: 3'49" 
適切な音色が好ましい。全体にもう少しスピード感がほしいが、基本的なところはきちんと押えられており、不満なく聴き通すことができる。これでもっと伸びやかな歌に満ちていれば文句なしだったのだが。
G. Rozhdestvensky/USSR Symphony Orchestra
I: 1'28" II: 1'09" III: 1'51" IV: 1'26" V: 2'41" VI: 1'25" 
資料としても貴重だが、独特のチープな雰囲気を上手に醸し出しており、大変楽しめる。

 作品リストに戻る


映画音楽「マクシームの青年時代」作品41(i)

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin1995Capriccio10 561delta-36 000

M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
Prologue: 2'26" 
堅実なサウンド作りに加え、覇気に満ちた音楽が繰り広げられている。

 作品リストに戻る


映画音楽「女友達」作品41(ii)

指揮者オーケストラ独唱者合唱録音年レーベル番号備考評価
FITZ-GERALD, MarkPolish National Radio Symphony OrchestraCelia Sheen (Theremin)Camerata Silesia (Artistic Director: Anna Szostak)2008Naxos8.572138Score reconstruction by Mark Fitz-Gerald.
SEMYANNIKOV, Alexander, SHANIN, Alexander (Vn), MAKSHANTSEV, Nikolai (Va), MNOZHIN, Sergei (Vc), POSTNIKOVA, Victoria (Pf), PUSHKAREV, Vladimir (Tp)
MelodiyaC10 26307 004LP

M. Fitz-Gerald/Polish National Radio Symphony Orchestra etc.
Total Time: 46'33" 
映画の音声トラック全て(自筆譜が紛失している楽曲も含む)をフィッツ=ジェラルドが復元し、そのスコアを自身で指揮して録音したものである。弦楽四重奏曲第1番の第2楽章とほぼ同じ(正確に聴き比べたりしたわけではない)第1曲をはじめ、ほとんどが室内楽編成であり、ショスタコーヴィチらしさに貫かれながらも、抒情的で穏やかな美しい音楽が多い。また、サイレント時代の伴奏音楽を彷彿とさせる響きも面白い。演奏にも不満はない。テルミンによる「インターナショナル」なども、ネタとしては最高だろう。
A. Semyannikov, A. Shanin (Vn), N. Makshantsev (Va), S. Mnozhin (Vc), V. Postnikova (Pf), V. Pushkarev (Tp)
I: 2'08"
II: 3'07"
III: 2'20" 
安定したアンサンブルが光る。「3つの前奏曲」と題されている通り、映画音楽としてだけではなく純音楽的にも十分に楽しめる仕上がりとなっている。個人技が傑出するような部分はないものの、演奏される機会のほとんどない作品だけに、この録音の存在は嬉しい。

 作品リストに戻る


映画音楽「マクシームの帰還」作品45

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129‘Waltz’ only.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257‘Waltz’ only.

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
Waltz: 3'31" 
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
Waltz: 3'08" 
軽量級の演奏だが、端正でありながら遊び心が失われていない辺り、センスの良さを感じさせる。

 作品リストに戻る


映画音楽「ヴォロチャーエフカの日々」作品48

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2003ChandosCHAN 10183

V. Sinaisky/BBC Philharmonic
1: 2'05"
14: 3'34"
16: 3'36" 
世界初録音。響きといい、雰囲気といい、この1枚さえあれば十分と思わせる完成度を持った秀演。

 作品リストに戻る


映画音楽「ヴィボルグ地区」作品50

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin1995Capriccio10 561
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 018

M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
Overture: 1'52" 
堅実なサウンド作りに加え、覇気に満ちた音楽が繰り広げられている。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
Overture: 1'51" 
勢いに満ちた、壮麗な演奏。引き締まったテンポで一気呵成に聴かせる。

 作品リストに戻る


組曲「マクシーム三部作」作品50a

指揮者オーケストラ合唱録音年レーベル番号備考評価
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, BerlinRundfunkchor Berlin1995Capriccio10 561delta-36 000(Nos. 1, 6, 7, and 8)
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony OrchestraBelarus State Chorus1997CitadelCTD 88135
SINAISKY, VassilyBBC PhilharmonicSheffield Philharmonic Chorus2002ChandosCHAN 10023

M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
I: 4'15" II: 2'02" III: 6'00" IV: 3'10" V: 2'34" VI: 5'24" VII - VIII: 4'37" 
堅実なサウンド作りに加え、覇気に満ちた音楽が繰り広げられている。オーケストラが格別上手なわけではないのだが、曲がそれほどの技巧を要求しているわけでもないので特に気にならない。このコンビによるショスタコーヴィチの映画音楽はぱっとしないことがほとんどなのだが、この曲は例外。
W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
I: 4'05" II: 2'13" III: 6'32" IV: 3'10" V: 2'46" VI: 5'18" VII: 1'25" VIII: 2'26" 
落ち着いたオーケストラの響きが好ましい。技術的なアラは皆無とはいえないが、のびのびとした歌が心地好い。描写性が特に前面に押し出されているわけではないので、素直に音楽を楽しむことができる。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I: 4'18" II: 1'51" III: 5'58" IV: 3'17" V: 2'30" VI: 4'53" VII: 2'37" VIII: 1'30" 
重みがありながらも華麗な響き、覇気に満ちた音楽、実に素晴らしい演奏。この作品の真価を存分に味わうことができる。必聴。録音も素晴らしい。

 作品リストに戻る


映画音楽「銃をとる人」作品53

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 018
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2002ChandosCHAN 10023

W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
1: 1'36" 2: 3'34" 3: 2'07" 3a: 1'56" 4: 1'07" 
アクの強い音色で、高らかに歌い上げている。決して一流のオーケストラではないが、見事にショスタコーヴィチの響きを奏でている。音楽の流れも決して弛緩することがない。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
1: 1'54" 2: 3'25" 3: 1'49" 3a:   4: 1'02" 
壮麗な響きと力のある音楽の流れに身を任せることのできる名演。録音の良さも貢献している。

 作品リストに戻る


映画音楽「偉大なる市民・第2部」作品55

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 018

R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
Funeral March: 6'50" 
極上の響きが、こうした中期作品では非常に好ましい。あっさりと音楽は流れていくが、それなりに心地好い。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
Funeral March: 8'32" 
交響曲第11番でも使われた革命歌「同志は倒れぬ」を主題とした曲。オーケストレイションの違いを聴くだけでも興味深い。演奏も適切なフレージングと音色で優れているが、クライマックス時の金管の音程がやや気になる。

 作品リストに戻る


映画音楽「愚かな小ねずみ」作品56

独唱者指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony Orchestra1997CitadelCTD 88129
Celia Allarty (Baby Mouse), Anne-Catherine Picca (S, Mouse), Florence Barreau (S, Cat), Tatiana Martynova (MS, Duck), Valeri Drougovkoy (B, Toad), Alexis Konovaloff (B, Polkan, Dog), Patrick Nogues (T, Horse), Mathieu Bulot (Br, Swine), Elena Vassilieva (Recitation)PONKIN, VladimirOrchestra of the Republican Guard2002MandalaMAN 5039Live(16 Jan.)
Tamara Psareva (Baby Mouse), Nina Glinkina (S, Mouse), Tatiana Sharova (S, Cat), Galina Tishchenko (MS, Duck), Mikhail Fedorov (B, Toad), Mikhail Kalinovsky (B, Polkan, Dog), Mikhail Tesler (T, Horse), Anatoly Timofeev (Br, Swine), Boris Ulitin (Recitation)TILES, BorisSymphony Orchestra of the Opera Class of the Leningrad Conservatoire1981BohemeCDBMR 012192
【編曲(A. Cornall編)】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874

W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
Total Time: 15'10" 
ナレーションが入った形での世界初録音。時にはドラえもんのような声色まで使っての熱演が楽しい。音楽だけを取り出すと弱い部分も見られるが、ナレーションが加わることで、たとえ何をしゃべっているのか分からなくても雰囲気が増している。ファンには一聴を薦めたい。
V. Ponkin/Orchestra of the Republican Guard etc.
Total Time: 14'02" 
ライヴ録音だが、熱気や勢いよりは生真面目さが際立つ。オーケストラの精度は甘いが、特に気になって仕方がないほどではない。
B. Tiles/Symphony Orchestra of the Opera Class of the Leningrad Conservatoire etc.
Total Time: 14'44" 
この作品の決定盤。映画を見たことがある人ならば即座に各場面を思い浮かべることができるような、素直で適切な表現が素晴らしい。オーケストラも不満のない仕上がり。あえて難を言うならば子ねずみの声質が少々子供くさくないのが気になるものの、大した問題ではない。録音にも不満はなく、この作品を知るならばまずはこの録音を入手すべきであろう。
R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
Total Time: 12'13" 
楽しい音楽ではあるが、退屈な部分もある。シャイーの演奏は極上のサウンドで楽譜を音化したというような印象。何もしていないのを良しとするか悪しとするか。僕は資料的価値だけを評価しました。

 作品リストに戻る


映画音楽「コルジーンキナの出来事」作品59

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony Orchestra1997CitadelCTD 88129
POLYANSKY, ValeriRussian State Symphony Orchestra2003ChandosCHAN 10378
ROZHDESTVENSKY, GennadyUSSR Ministry of Culture Symphony Orchestra1984BMG74321 59058 2Olympia-OCD194, Melodiya-MCD 008(‘The Chase’ only.)
【編曲】
独奏者録音年レーベル番号備考評価
DÉSARBRE, Hervé (Org)2001MandalaMAN 5028‘The Chase’ only.
YANNOULA, Vicky & FICHERT, Jakob (Pf)2007ToccataTOCC 0034‘The Chase’ only.
UGORSKI, Anatol (Pf)Delian::Quartett (Adrian Pinzaru, Andreas Moscho, Aida-Carmen Soanea, Romain Garioud)2014OEHMSOC 451‘The Chase’ only. Arr. by Stefano Pierini.

W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
I: 0'35" II: 2'04" III: 2'51" IV: 3'02" V:   VI: 1'31" 
堅実にまとめられた秀演。やや落ち着き過ぎの印象もあるが、逆に曲の持つ騒がしさを気にすることなく聴くことができるともいえる。このコンビらしく、音色は秀逸。
V. Polyansky/Russian State Symphony Orchestra
I: 0'33" II: 2'01" III: 2'43" IV: 2'13" V:   VI: 1'37" 
肩の力が抜けた軽やかさと気の利いた多彩さが、作品の魅力を十分に伝えてくれる。
G. Rozhdestvensky/USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
I: 0'31" II: 1'55" III: 2'45" IV: 2'04" V: 0'34" VI: 1'26" 
生き生きとした演奏が好ましく、資料としては第1級のもの。フィナーレの合唱はなかなか良い。
H. Désarbre (Org)
I:   II:   III: 3'50" IV:   V:   VI:   
オルガンの可能性を探求する意欲的な試みとしては称賛に値するのかもしれないが、あまりにも鈍重に過ぎて、音楽としてそれほどの愉しみは感じられない。
V. Yannoula & J. Fichert (Pf)
I:   II:   III: 2'51" IV:   V:   VI:   
“中庸”という形容がいかにも相応しい端正で上品な演奏で、弾けるような勢いには欠けるものの、美しく整えられた響きの中に漂う愉しげな情緒が心地よい。
A. Ugorski (Pf), Delian::Quartett
I:   II:   III: 2'31" IV:   V:   VI:   
程良く肩の力が抜けた楽しいもの。屈託ない歌謡性が、楽曲に相応しい。

 作品リストに戻る


映画音楽「ゾーヤ」作品64

【組曲 作品64a】
指揮者オーケストラ合唱録音年レーベル番号備考評価
ASHKENAZY, VladimirHelsinki Philharmonic OrchestraState Choir “Latvija”2013OndineODE 1225-2
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, BerlinRIAS-Kammerchor1995Capriccio10 405delta-36 000(Nos. 4 and 5)
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony OrchestraMinsk Chamber Choir1995Russian DiscRD CD 10 002
SHOSTAKOVICH, MaximBolshoi Theatre OrchestraBolshoi Theatre Chorus1966BMG/Melodiya74321 66981 2eurodisc-28 665 XHK(LP)

V. Ashkenazy/Helsinki Philharmonic Orchestra
I: 8'10" II: 5'03" III: 5'22" IV: 4'24" V: 5'47" 
威圧的なところが全くない演奏で、M. ショスタコーヴィチの爆演と比較すれば物足りなさは否めないものの、旋律の楽しさを上品に伝えてくれる点で悪くはない。
M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
I: 6'10" II: 6'46" III: 6'53" IV: 3'25" V: 7'13" 
技術的には水準以上の出来なのだが、なんとも平板な音楽で退屈な演奏。録音も含めて大変綺麗な音がしているので、非常にもったいない。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
I: 7'59" II: 5'20" III: 6'24" IV: 4'28" V: 6'43" 
良い音色で気持ちの良い歌を聴かせてくれるが、金管楽器の音程の悪さが目立つ。合唱も弱い。この曲を楽しむ上では、それほど支障はないともいえるが。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre Orchestra
I: 9'05" II: 4'46" III: 6'30" IV: 4'36" V: 6'44" 
この異様なブチ切れ方。これぞ“ソ連のショスタコーヴィチ・サウンド”だ。嫌うならば嫌え。冒頭の、まるで50℃の湯船に浸った後でサウナに30分入っているかのような響きに耐えられないのであれば、この演奏を聴く必要はない。それにしても一体どうしたというのだろう、このテンションは?金管楽器も、これだけ好き放題やらせてもらえれば、演奏中に脳溢血で死んでも本望ではないだろうか?

 作品リストに戻る


映画音楽「若き親衛隊」作品75

【組曲 作品75a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
GAMBURG, GrigoriUSSR Cinematographic Orchestra1956OlympiaOCD 201
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 002
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2004ChandosCHAN 10361Nos. 2, 4, and 5.

G. Gamburg/USSR Cinematographic Orchestra
I: 4'35" II: 3'39" III: 4'03" IV: 2'55" V: 2'56" VI: 6'21" VII: 1'22" 
実に自然な抑揚をもって歌が歌われている。この時期の映画音楽が持つ特徴と魅力を十分に発揮した演奏ということができる。アンサンブルも丁寧で、アクの強いオーケストラの音が嫌味に聴こえない。録音の古さだけが残念。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
I: 5'40" II: 4'05" III: 5'03" IV: 3'32" V: 3'41" VI: 4'52" VII: 3'21" 
ロシアの音色にのって、覇気に満ちた演奏が繰り広げられている。特別魅力的な音楽ではないが、ツボを押えて丁寧に演奏されている。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I:   II: 4'02" III:   IV: 2'36" V: 3'20" VI:   VII:   
活き活きとした華麗な音楽は、この時期のショスタコーヴィチの作風をよく捉えている。3曲のみの抜粋であるのが残念。

 作品リストに戻る


映画音楽「ピロゴーフ」作品76

【組曲 作品76a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129 No. 3 only.
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874Nos. 4 and 5.
FEDOSEYEV, VladimirMoscow Radio Symphony Orchestra1992MUSICA classic780005-2No. 3 only.
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony Orchestra1997CitadelCTD 88135
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 3 only.
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra
RCA6603-2-RC
SHOSTAKOVICH, MaximBolshoi Theatre Orchestra1966BMG/Melodiya74321 66981 2eurodisc-28 665 XHK(LP)

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
I:   II:   III: 5'01" IV:   V:   
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
I:   II:   III:   IV: 2'26" V: 4'11" 
スケルツォのスピード感、フィナーレの盛り上げなど、手堅くきれいな演奏であることは確かだが、フィナーレの前半などを聴けば分かるように、表現力というものが全く感じられない。しかし曲の内容を考えると、あまり多くを期待せず素直に美しい響きを享受すべきなのかもしれない。
V. Fedoseyev/Moscow Radio Symphony Orchestra
I:   II:   III: 5'04" IV:   V:   
大編成のオーケストラによる、美しさに満ちた演奏。ロシアの音色としっかりとした低音のリズムにのって、繊細なワルツが流れていく。
W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
I: 3'54" II: 2'15" III: 4'54" IV: 2'37" V: 3'31" 
非常に模範的な演奏。テンポ、節回しなど、作品を適正に味わうことができる。ただし、強烈な印象が残るような爆演とは違う。一級の資料、といった感じか。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III: 4'36" IV:   V:   
小編成のためか、あまりにもあっさりと音楽が流れすぎる印象があるものの、肝心なツボはしっかりと押えたセンスの良い演奏。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 4'10" II: 3'19" III: 3'06" IV: 2'31" V: 3'34" 
特別魅力的ではないが、スコアに忠実にきちんと仕上げられた演奏。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre Orchestra
I: 4'04" II: 2'15" III: 5'16" IV: 2'15" V: 3'21" 
文句なし。これぞ、ショスタコーヴィチの音楽に求めたい響きそのもの。第3曲「ワルツ」の強烈な歌い上げには、誰しも席を立ち上がって踊り出したくなるだろう。この演奏を実演で聴いたら、涙を流しながら居ても立ってもいられなくなるかもしれない。

 作品リストに戻る


映画音楽「ミチューリン」作品78

【組曲 作品78a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129No. 3 only.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 3 only.
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra & Chorus
RCABVCC-30
SHOSTAKOVICH, MaximMoscow Radio Symphony Orchestra & Chorus1966BMG74321-32041-2Nos. 1, 2, 4, 6, and 7. eurodisc-28 665 XHK(LP), Angel/Melodiya-SR-40181(LP)
FRÜHWIRTH, David (Vn), CHERNYAVSKA, Milana (Pf)2010Delta ClassicsN 90 076No. 3 only, Arr. by Konstantin Fortunatov.

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
I:   II:   III: 2'03" IV:   V:   VI:   VII:   
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III: 2'06" IV:   V:   VI:   VII:   
編成が小さいためか響きが軽いものの、リズム感と歌い回しがツボを押えていて心地好い。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 5'59" II: 5'12" III: 1'45" IV: 6'44" V: 1'51" VI: 6'12" VII: 2'18" 
全体に音が軽いが、丁寧に演奏されていて好感が持てる。中期作品の抒情性が素直に表現されているといえよう。「森の歌」の主題やバレエ曲、「呼応計画の歌」などが随所に現れるのを聴くだけでも面白いだろう。
M. Shostakovich/Moscow Radio Symphony Orchestra
I: 5'47" II: 5'08" III:   IV: 5'49" V:   VI: 5'03" VII: 2'09" 
典型的なロシアン・サウンドによる演奏だが、いつものマクシームと比べると、どこか肩の力が抜けているようだ。曲自体の平明な雰囲気とマッチしているので気にはならないが。
D. Frühwirth (Vn), M. Chernyavska (Pf)
I:   II:   III: 2'21" IV:   V:   VI:   VII:   
演奏は堅実で地味だが、そもそもが大向こうを唸らせるような楽曲ではないので、むしろこの慎ましやかさが良い意味で模範演奏然としていて好ましい。

 作品リストに戻る


映画音楽「エルベ河での出会い」作品80

【組曲 作品80a】
指揮者演奏団体録音年レーベル番号備考評価
AKUTAGAWA, YasushiCenter Choir & Japan Shinsei Symphony Orchestra1972ONGAKU CENTERCCD769No. 2 only (Japanese).
ALEKSANDROV, BorisRed Banner Ensemble(Soloist in No. 2: Georgi Vinogradov(T))1949SupraphonSU 5471-2 301Nos. 8 and 2.
ALEKSANDROV, BorisRed Banner Ensemble(Soloist in No. 2: Yevgeni Belyaev(T))
MKD 5062-310" mono, Nos. 8 and 2. Melodiya-D 6161-2(10" mono, No. 8 only)
BUSCH, Ernst

MelodiyaC60-13187-88LP, No. 8 only. Sung in German.
EVTODIEVA, Victoria (S) and LUKONIN, Mikhail (Br) & SEROV, Yuri (Pf)2002DelosDE 3313No. 8 and ‘The Dawn is Rising’
KRYLOV, AlexsandrLeningrad Electrotechnical Institute Students' Choir1987MelodiyaC10 26613 008Live(17 May), No. 8 only. LP
OBUKHOVA, Nadezhda (MS) & unknown performers (Pf Trio)
Melodiya33D-020517-8No. 2 only. LP
ROBESON, Paul (B) & EROKHSIN, A. (Pf)
MKD-04478-9Live, No. 8 only. LP

芥川也寸志/中央合唱団&新星日本交響楽団
I:   II: 5'28" III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   Daybreak:  
日本語歌詞による演奏。“ソビエト”を“ソヴェト”と発音している辺り、とてつもない胡散臭さを感じないでもないが、歌唱自体はしっかりしたもの。伴奏編曲も郷愁を漂わせていて、なかなか良い。名前が出てくる割には滅多に聴く機会がない曲なので、その意味でも貴重。
B. Aleksandrov/Red Banner Ensemble
I:   II: 3'03" III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 2'41" Daybreak:  
アレクサーンドロフ・アンサンブルによる同曲の演奏は、他にベリャーエフのテノール独唱(エルベ河)のものがある。このヴィノグラードフ独唱のものと演奏内容に大差はなく、盤起こしであるのは残念だが、マニアなら当然両方揃えておきたいところだ。
B. Aleksandrov/Red Banner Ensemble
時間不詳
ロシアの男声合唱の魅力を堪能することができる。第8曲の力強さ、第2曲の抒情、いずれもファンを納得させるに足るだけのもの。録音が悪くて伴奏がよく聴こえてこないのは残念だが、雰囲気は満点。
E. Busch (Vo)
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 1'56" Daybreak:  
ドイツ語による歌唱。エルンスト・ブッシュは旧東ドイツの歌手/俳優で、クラシカルな流儀とは無縁の歌唱だが、いかにも大衆歌らしい雰囲気を湛えた説得力に満ちたもの。明瞭な発音と、有無を言わせずに鼓舞するような訴求力とで、聴き手を旧東ドイツへと誘う。
V. Evtodieva (S) and M. Lukonin (Br) & Y. Serov (pf)
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 1'40" Daybreak: 3'05"
「平和の歌」と、組曲に収録されていない「夜明け」の2曲が収録されている。この類の歌曲に関して、この演奏以上の内容を求める必要はないだろう。実に気持ちよさそうに、肩の力がほどよく抜けて歌っている雰囲気は理想的。録音も良い。なお、ディスクの表記によると「平和の歌」が「ベルリン陥落」の一曲ということになっているが、これはおそらく1958年出版の楽譜における誤表記の影響だろうと思われる。
A. Krylov/Leningrad Electrotechnical Institute Students' Choir
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 1'18" Daybreak:  
勢いのある素直な歌唱が好ましい。やや男性に力強さが足りなく感じられるのが惜しい。
N. Obukhova (MS) & Unknown Performers
時間不詳
実際の映画でこの曲を歌っている歌手による演奏(映画で使用された音源であるかも?)。ピアノ・ヴァイオリン・チェロの三重奏による伴奏で、芸術的に云々するのは野暮だと言いたくなるくらい、感傷的で心に訴えかける演奏に仕上がっている。
P. Robeson (B) & A. Erokhsin (pf)
時間不詳
ゆったりとしたテンポ、朗々とした深い声、いずれも大変素晴らしい。録音が非常に悪いのが残念。

 作品リストに戻る


映画音楽「ベルリン陥落」作品82

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ADRIANOMoscow Symphony Orchestra2000Marco Polo8.223897Complete score edited by Adriano.
【組曲 作品82a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHMYREV, A.Kaliningrad Children's Choir of Moscow
MKD 5062-310" mono, ‘Beautiful Day’ only.
GAUK, AlexandrMoscow Radio Orchestra and Chorusc.1952Classic EditionsCE 9LP, Nos. 1, 4, 5, 6 and 8.
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin1995Capriccio10 405delta-36 000(Nos. 4 and 1)
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra & Chorus
RCABVCC-30

Adriano/Moscow Symphony Orchestra
Total Time: 45'34"
全曲スコアからアドリアーノが編集したもので、アトヴミャーン編の組曲とは異なる。演奏は、ロシアン・テイスト満載で、音楽そのものが持つ魅力を素直に伝えてくれる。深遠な内容の表出を求めるような作品ではないだけに、こうした打楽器の乱打が際立つような、感覚的に楽しい演奏(録音)は大変好ましい。
A. Chmyrev/Kaliningrad Children's Choir of Moscow
時間不詳
映画を知っている人ならば、この児童合唱を聴いてその場面を思い浮かべることだろうが、純粋に音楽鑑賞目的に聴くとなると、少々厳しいだろう。独特の雰囲気は、お好きな方にはたまらないはず。
A. Gauk/Moscow Radio Orchestra and Chorus
時間不詳
録音状態も悪いし、演奏精度も決して優れてはいない。しかしながら、暴力的とすらいえる響きは実に雰囲気満点。この種の音楽としては模範的といえる解釈および演奏である。やけくそのような合唱もなかなか魅力的。
M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
I: 2'30" II: 4'03" III: 1'19" IV: 2'23" V: 7'52" VI: 4'39" VII: 2'11" VIII: 5'51" Beautiful Day:  
きれいにまとめられた演奏なのだが、弦楽器の技量がやや低いためにところどころ貧相な響きがしている。また音楽も平板で魅力を感じない。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 1'59" II: 2'51" III: 1'17" IV: 2'11" V: 4'50" VI: 3'19" VII: 2'02" VIII: 4'57" Beautiful Day:  
全体にこじんまりとまとまっているが、きれいな演奏。ただし、フィナーレの合唱は下手。盛り上げ方も手堅く、曲を知るのには適しているだろう。

 作品リストに戻る


映画音楽「ベリーンスキイ」作品85

【組曲 作品85a】
指揮者オーケストラ合唱録音年レーベル番号備考評価
MNATSAKANOV, WalterBelarus RTV Symphony OrchestraBelarus State Chorus1997CitadelCTD 88135

W. Mnatsakanov/Belarus RTV Symphony Orchestra
I: 4'10" II: 11'13" III: 2'26" IV: 3'40" V: 3'10" VI: 4'08" VII: 3'26" 
現在のところ、唯一の録音。技術水準は超一流とは言いがたいものの、合唱の響きも含め、雰囲気は大変良い。良くも悪くも作品の真価を伝えてくれる演奏。資料的な価値は抜群。

 作品リストに戻る


映画音楽「忘れがたい1919年」作品89

【組曲 作品89a】
独奏者指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALEKSEYEVA, EllenaADRIANOMoscow Symphony Orchestra2000Marco Polo8.223897

GAUK, AlexanderState Radio Orchestra of the USSR1956monitorMC 2015LP, Nos. 1-4 and 7.
ALEXEEV, DmitriMAKSYMIUK, JerzyEnglish Chamber Orchestra1983Classics for PleasureCD-CFP 4547No. 5 only.
ROSCOE, MartinSINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2004ChandosCHAN 10361No. 5 only.

Adriano/Moscow Symphony Orchestra
I: 2'04" II: 4'52" III: 2'19" IV: 2'25" V: 7'00" VI: 5'03" VII: 6'06" 
組曲全曲の世界初録音。今まで録音のなかった第6曲も聴けるのは嬉しい。お好きな方にはたまらないロシアの響きに満ちあふれ、実に楽しい。第5曲では、もう少しピアノに力強さも欲しかったが、全体の印象にはさほど影響はない。
A. Gauk/State Radio Orchestra of the USSR
時間不詳
いかにも映画のサントラといった感じで、今一つ音楽としての面白さが前面に出てこない。曲自体の出来と録音の状態も影響しているのだろうが。
D. Alexeev(pf), J. Maksymiuk/English Chamber Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V: 7'31"  VI:   VII:   
雰囲気の良く出た好演。曲の魅力が素直に表現されていて心地好い。
M. Roscoe(pf), V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I:   II:   III:   IV:   V: 7'29"  VI:   VII:   
壮麗な魅力に満ちた秀演である。スケールの大きな力強い歌が、たまらなく素敵。

 作品リストに戻る


映画音楽「偉大な川の歌」作品95

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129‘Waltz’ only.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257‘Waltz’ only.
BABINSKY, Margarete & BUSCH, Holger (Pf)2005Capriccio71 087/88‘Waltz’ only.
YANNOULA, Vicky & FICHERT, Jakob (Pf)2007ToccataTOCC 0034‘Waltz’ only.
ZURKOWSKAJA, Luisa Fanti & ALBERTI, Sabrina (Pf)2004DynamicCDS 464‘Waltz’ only.

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
Waltz: 3'34" 
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
Waltz: 3'32" 
非常に感じの良い演奏。聴き手を圧倒するようなスケール感はないが、曲の雰囲気によく合った歌い回しが気持ち良い。
M. Babinsky & H. Busch (Pf)
Waltz: 1'35" 
端正でありながら伸びやかな歌とリズムの愉しさのバランスがよくとれた、上品な気楽さが漂う素敵な演奏。
V. Yannoula & J. Fichert (Pf)
Waltz: 1'51" 
“中庸”という形容がいかにも相応しい端正で上品な演奏で、美しく整えられた響きの中に漂う愉しげな情緒が心地よく、感傷的な節回しが心に響く。
L. F. Zurkowskaja & S. Alberti (Pf)
Waltz: 2'15" 
少々鈍重な感じもするが、楽しくきれいな演奏。

 作品リストに戻る


映画音楽「馬あぶ」作品97

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoPhiladelphia Orchestra1995LondonPOCL-1688Score Nos. 1, 2, 3, 7, 9, 13, 14, 16 - 20 and 23. Decca-475 004-2(No. 3 only).
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874Score No. 3 only. Decca-UCCD-3597.
FITZ-GERALD, MarkDeutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz, Bachchor Mainz (Choirmaster: Ralf Otto)2017Naxos8.573747Score reconstruction by Mark Fitz-Gerald.
KARABITS, Kirill (BENEDETTI, Nicola (Vn))Bournemouth Symphony Orchestra2012Decca478 3529Score No. 3 only.
【編曲】
独奏者録音年レーベル番号備考評価
ABRAMISA, I.Violin Ensemble of Emīla Dārziņa Musical School, Peteris Sipolniek (Org)1963MelodiyaD 12651-5210" mono, Score No. 3 only.
AMIR & BISENGALIEV, Marat (Vn), LENEHAN, John (Pf)2000Black boxBBM1042Score No. 16 only, Titled as ‘Spanish dance’, Arr. for 2 violins and piano.
ASHKENAZY, Vladimir (Pf)2003DeccaUCCD-1105Score Nos. 15 and 16, Arr. for piano.
AZARKHIN, Rodion (Cb), ALEXANDROVA, Yelena (Pf)1967Melodiya149 009LP, Score No. 3 only, Arr. by R. Azarkhin.
BADKHEN, AnatoliLeningrad Concert Orchestra1980Melodiya33 C60-15069-70Paraphrase on a theme from the film “The Gadfly” by A. Kalvarsky.
BOBRITSKAYA, Rimma (Pf)1983MelodiyaC50 20749 006LP, Score Nos. 13, 23, and 16, Arr. by the composer.
BOBRITSKAYA, Rimma (Pf)1991Le Chant du MondeLDC 288 034Score Nos. 13, 16, and 23, Arr. for piano. Saison Russe-RUS 788164
COBER, JanRundfunk-Blasorchester Leipzig2003Amos5995Score No. 16 only, Arr. by Gerhard Baumann.
FRÜHWIRTH, David (Vn), CHERNYAVSKA, Milana (Pf)2010Delta ClassicsN 90 076Score No. 3 only, Arr. by Konstantin Fortunatov.
FRÜHWIRTH, David (Vn), CHERNYAVSKA, Milana (Pf)2010Delta ClassicsN 90 076Score No. 3 only, Arr. by Donald Fraser.
GALWAY, James (Fl), FUJIKAKE, Hiro (Synthesizers)
RCA09026-61379-2Score No. 3 only, Arr. by H. Fujikake.
GAVRILOVA, Natalia (Pf)1983RCDRCD 16238Score No. 3 only, Arr. by M. Sagradova.
GERHARDT, Alban (Vc), OSBORNE, Steven (Pf)2005HyperionCDA67534Score No. 23 only, Arr. by Lev Atovmyan.
GLUKHOV, Oleg (Balalayka), AZOV, Valeri (Bajan)1976Melodiya33 C 20-08387-88LP, Score No. 13 only, Arr. for balalaika and bayan.
GREGOR-SMITH, Bernard (Vc), WRIGLEY, Yolande (Pf)1996ASVCD WHL 2103Score No. 3 only, Arr. by Otty.
KLIEGEL, Maria (Vc), HAVENITH, Raymund (Pf)1990Marco Polo8.223403Score No. 16 only.
KREMER, Gidon (Vn), MAISENBERG, Oleg (Pf)1996TeldecWPCS-6177Score No. 3 only, Arr. by Konstantin Fortunatov.
LITTLE, Tasmin (Vn), LANE, Piers (Pf)1991EMICDM 7 64507 2Score No. 3 only.
MORGAUA QUARTET (Eiji Arai, Takashi Aoki, Hisashi Ono, Ryoichi Fujimori)1997EMITOCE-9496Score No. 23 only, Arr. for String Quartet by Eiji Arai.
MOSCOW BRASS
MMCCDMB 958101Score No. 3 only, Arr. for Brass Quintet.
REJENTOWITSCH, JulijViolin-Ensemble des Bolshoi-Theaters, Irina Saizewa (Pf)
DG423 776-2Score No. 3 only, Arr. by G. Saborow. Melodiya-CM 02925-26(LP)
ROZHKOV, Michail (Balalaika), Minyaev, G. (G)1961RCDRCD 16202Score No. 3 only.
RUNGE, Eckart (Vc), AMMON, Jacques (Pf)2002-3Ars MusicAM 1370-2Score Nos. 3 and 23, Arr. by Eckart Runge and Jacques Ammon
SHEYNKMAN, Emanuil (Mandolin), MACALUSO, Vincenzo (G)1982Nonesuch78019LP, Score Nos. 3 and 16. Arr. by Emanuil Sheynkman.
SHOSTAKOVICH, Dmitry (Pf)1955RevelationRV70002Score No. 15, Titled as ‘Main Theme’, Arr. by the composer.
SIMON, GeoffreyThe 48 First Violins1994CALACACD0105Score No. 3 only, Arr. by Julian Milone.
SOMOV, Alexander (Vc), POPOVA, Bogdana (Pf)
Gega NewGD 307Score Nos. 13, 3, and 23.
STENBERG, Berdien (Fl)Harry van Hoof/Orchestra1986Philips822 667-1Score No. 3 only, Arr. by Harry van Hoof.
STOLL, Klaus (Cb), OGURA, Keiko (Pf)1976camerata20CM-61Score No. 3 only.
THOMAS-MIFUNE, Werner (Vc), PIAZZINI, Carmen (Pf)1996OrfeoC 443 961 AScore No. 3 only.
WIKSTRÖM, Inger1981BluebellBELL 126LP, Score No. 15 only, Titled as ‘Melodic Moment’'.
WILLIAMS, John, KAIN, Timothy (G)1995SonySRCR1676Score No. 15 only, Arr. by Larichev.
YABLONSKY, Dmitry (Vc)Russian Philharmonic Orchestra2004Naxos8.557722Score Nos. 3 and 23, Arr. by Dmitry Yablonsky.
YAKOVLEV, Vladimir (domra), Instrumental Quintet
Melodiya33D 00033835-367" mono, Score No. 16 only.
YAKOVLEV, Vladimir (domra), Instrumental Quintet
MelodiyaC 01747-8LP, Score No. 16 only.
【組曲 作品97a】
AHRONOVITCH, YuriLondon Symphony Orchestra1981Carlton Classics30368 01247No. 3 only.
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129No. 5 only.
ERMLER, MarkBolshoi Theatre Orchestra1980MelodiyaC10-17233-6LP, No. 8 only.
FEDOSEEV, VladimirMoscow Radio Symphony Orchestra1998ReliefCR 991047No. 8 only.
FEDOSEYEV, VladimirMoscow Radio Symphony Orchestra2000Saison RusseRUS 288 170Nos. 1, 2, 3, 5, 6, 7, 8, 10, 11, and 12.
FREEMAN, PaulChicago Sinfonietta1990FANFARECDD 551Nos. 1, 8, and 6.
GOSMAN, LazarTchaikovsky Chamber Orchestra1988CBSMK 45529No. 3, Arr. by Lazar Gosman.
GRAŽINYTĖ-TYLA, Mirga (KANNEH-MASON, Sheku (Vc))City of Birmingham Symphony Orchestra2017Decca483 2948No. 10 only. Live(7 & 8 Nov.).
GRIN, LeonidBerlin Radio Symphony Orchestra1988Capriccio10 298delta-36 000(Nos. 1, 8, 10, 3, and 7)
HUGHES, Owain ArwelHallé Orchestra1984Classics For PleasureCFP 41 4474 1LP, No. 8 only.
JANSONS, MarissLondon Philharmonic Orchestra1997EMI7243 5 56591 2 5Nos. 8 and 3.
JORDANIA, VakhtangKBS Symphony Orchestra1994Koch3-7247-2H1
KHACHATURIAN, EminUSSR Cinema Symphony Orchestra1961EMICD-CFP 4463eurodisc-28 665 XHK(LP)
KOSTEKANETZ, AndréHis Orchestra1965SonySBK 62 642Nos. 5, 10, 3, 6, and 7.
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine1995Naxos8.553299
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine2004Brilliant6735Brilliant-8128
MAKAROVA, Maria (Org)1996OLYMPIAOCD 585Nos. 7, 5, 2, 8, and 3, Arr. for Organ.
MANN, Paul (HANSLIP, Chloë Elise (Vn))London Symphony Orchestra2001WarnerWPCS-11201No. 8 only.
MARRINER, NevilleAcademy of St. Martin-in-the-Fields1986EMITOCE-9912Nos. 5 and 8.
MEYLEMANS, IvanBrass of the Royal Concertgebouw Orchestra2014RCO LiveRCO 14010Live(14 Mar.), Nos. 1, 5, 6, 8, and 12. Arr. by Steven Verhaert.
MINAMI, YasuoSonore Chamber Ensemble1992ColumbiaGES-10030No. 8 only.
MIROPOLSKY, MichaelSeattle Chamber Orchestra2002AmbassadorARC1028No. 3 only, Titled as ‘Spanish dance’, Arr. by Lazar Gosman.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1998DelosDE 3244No. 10 only.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257Nos. 3 and 5.
KLEINHAPL, Friedrich (Vc), PIEHLMAYER, RudolfWiener Concert Verein2018Ars ProduktionARS 38 272Nos. 2, 6, 8, and 3. Arr. by Alexander Wagendristel.
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra
RCA6603-2-RC
SHIPWAY, FrankRoyal Philharmonic Orchestra1995Quadromania222171-444Nos. 1, 8, and 11.
SHOSTAKOVICH, MaximLondon Symphony Orchestra1990Collins12062Nos. 1, 2, 3, 5, 6, 7, 8, 10, and 12.
SHOSTAKOVICH, Maxim (Daniel Hope (Vn))BBC Symphony Orchestra2005Warner2564 62546-2No. 8 only.
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2003ChandosCHAN 10183
SMIRNOV, ViktorUSSR Cinema Symphony Orchestra1957-8Marans-Nos. 1, 7, 2, 6, 9, 8, 5, 10, and 3.
SVETLANOV, EvgeniUSSR State Symphony Orchestra1977VictorVIC-2288LP, No. 8 only.
TOMTER, Lars Anders (Va), GIMSE, Håvard (Pf)2003SommSOMMCD 030Nos. 11, 9, 3, and 8, Arr. by Vadim Borisovsky.
TORTELIER, Yan-PascalLondon Symphony Orchestra1985KenwestKNEWCD 511No. 8 only.

R. Chailly/Philadelphia Orchestra
1: 2'52" 2: 1'57" 3: 2'57" 4:   5:   6:   7: 2'34" 8:   9: 1'06" 10:   11:   12:  
13: 1'36" 14: 2'13" 15:   16: 2'34" 17: 2'32" 18: 2'10" 19: 2'00" 20: 3'18" 21:   22:   23: 3'18" 24:  
組曲ではなく、オリジナルのスコアから直接13曲を抜粋したもの。3曲目と5曲目に繰り返しの変更が加えられている。オーケストラの華やかな音色を駆使してリラックスした雰囲気で演奏されているが、単に楽譜をなぞった以上のものではない。響きも歌い回しも楽しむには十分過ぎるほどの出来だが、どこか空虚な印象が残る。
R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
1:   2:   3: 3'47" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
綺麗ではあるが、ただそれだけ。何も訴えかけてこない。
M. Fitz-Gerald/Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz, Bachchor Mainz
Total Time: 52'28"
DSCH社の新全集第138巻に基づいた「全曲版」である。基本的に資料的価値の方が勝るアルバムであり、全てを通して鑑賞するのはいささか退屈な瞬間もあるものの、各曲の旋律的な美しさや楽しさを十分に味わうに不足しない、よく整った演奏である。
N. Benedetti (Vn), K. Karabits/Bournemouth Symphony Orchestra
1:   2:   3: 3'41" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ヴァイオリンの美しい音色を前面に押し出した、ごく聴き易いもの。それでいてイージーリスニングにまでは陥らない節度も持ち合わせている。ただ、全方位に上品なため、全方位に物足りなさも否めない。旋律の表面的な美観以上の表現を期待したかったところではある。
I. Abramisa/Violin Ensemble of Riga Musical School
時間不詳
オルガンの存在感があまりないが、まずは無難な仕上がり。ヴァイオリン・アンサンブルの技術精度はそれほど高くないものの、聴き苦しいという程のことはない。
Amir & M. Bisengaliev (Vn), J. Lenehan (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16: 2'00" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
カザフスタン出身の2人のヴァイオリン奏者による演奏だが、アミールの方は録音当時13歳ということもあってか音楽的にはまだまだ未熟で、率直に言ってあまり面白くはない。使用楽器のせいか音色にもあまり感心しないが、左手のテクニックは神童と言われるに値する水準に達している。
V. Ashkenazy (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15: 2'03" 16: 2'19" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
情感たっぷりの「小品」と、軽やかな「スペイン舞曲」のどちらも楽しい仕上がり。
R. Azarkhin (Cb), Y. Alexandrova (Pf)
時間不詳
確かな技術と幅広い歌が素晴らしい。全体に重厚な仕上がりになっていることに好き嫌いが分かれるかもしれないが、ロシア情緒満点のリラックスした音楽は大変魅力的。
A. Badkhen/Leningrad Concert Orchestra
Total Time: 4'59"
ロマンスをムード音楽仕立てにしたもので、編曲ではなく、旋律の残骸だけが残っているパラフレーズである。この曲だけ単独に取り出して論じることには、全く意味がないだろう。
R. Bobritskaya (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13: 2'42" 14:   15:   16: 1'56" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 3'00" 24:  
新盤と比較すると表現力に若干の不満を感じなくもないが、真摯な演奏態度に好感を持つことのできる、魅力を持った演奏。
R. Bobritskaya (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13: 2'15" 14:   15:   16: 2'00" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 2'38" 24:  
堅実な技術と美しい音色で、これらの曲の魅力を丁寧に紡ぎ出している。大変好感の持てる素晴らしい演奏。
J. Cober/Rundfunk-Blasorchester Leipzig
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16: 2'36" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
吹奏楽編曲。原曲でも管楽器が活躍するので、それほど違和感はないが、やはり切味に不足する。
D. Frühwirth (Vn), M. Chernyavska (Pf)
1:   2:   3: 2'41" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
演奏は堅実で地味だが、そもそもが大向こうを唸らせるような楽曲ではないので、むしろこの慎ましやかさが良い意味で模範演奏然としていて好ましい。
D. Frühwirth (Vn), M. Chernyavska (Pf)
1:   2:   3: 2'36" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
技術的に平易であること以外に魅力を感じられない編曲。演奏は堅実で地味だが、そもそもが大向こうを唸らせるような楽曲ではないので、むしろこの慎ましやかさが良い意味で模範演奏然としていて好ましい。
J. Galway (Fl), H. Fujikake (Synthesizers)
1:   2:   3: 4'22" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
シンセサイザーとのデュオだが、イージーリスニング的な仕上がりが逆に心地好い。ゴールウェイも伸び伸びと歌っており、こういう演奏にケチをつけるのは野暮というものだろう。もっとも、編曲はあまりセンスが良いとは言えないが…。
N. Gavrilova (Pf)
1:   2:   3: 2'46" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
典型的なロシア流儀の演奏で、全体にロマンティックで大時代的な弾きぶりである。かなり派手な編曲がなされており、ガヴリロヴァの演奏スタイルにはよく合致しているものの、ショスタコーヴィチならではの味わいには欠ける。
A. Gerhardt (Vc), S. Osborne (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 3'06" 24:  
もう少し伸びやかな歌心が欲しいところではあるが、密やかな美しさの表現は優れている。
O. Glukhov (Balalayka), V. Azov (Bajan)
時間不詳
民俗楽器による楽しい演奏。曲と編成とが違和感なく結びついている。
B. Gregor-Smith (Vc), Y. Wrigley (Pf)
1:   2:   3: 2'12" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
太い良い音で演奏されているが、軽く弾きながしているようなやや落ち着かない印象。編曲には感心しない。
M. Kliegel (Vc), R. Havenith (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16: 3'03" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
渋く太いハリのある音がなかなか魅力的だが、編曲自体はパッとしない。
G. Kremer (Vn), O. Maisenberg (Pf)
1:   2:   3: 2'50" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
クレーメルは、相変わらず多彩な音色を駆使して、憎らしいまでの表現力を見せ付けている。ロシア的な情緒とか気品とかいうことではなく、ひたすらヴァイオリンの美しさを堪能させてくれる。
T. Little (Vn), P. Lane (Pf)
1:   2:   3: 3'12" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
太く暗めの音色で、しっとりと歌い上げた佳演。美しい仕上がりなのだが、粘着質の歌い回しがいやらしく聴こえなくもない。
Morgaua Quartet
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 4'24" 24:  
雰囲気のある好演。洒落たアンコールピースといった感じ。程よく力の抜けた感じがなかなか。
Moscow Brass
1:   2:   3: 2'20" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
金管五重奏による演奏。旋律を生かした自由な構成の編曲だが、金管の輝かしくも柔らかい音色の魅力を存分に味わうことができる。
J. Rejentowitsch/Violin-Ensemble des Bolshoi-Theaters
1:   2:   3: 2'52" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ピアノとヴァイオリン合奏による演奏。ロシア流儀の太く厚い音色が、素晴らしい雰囲気を醸し出している。自然なフレージングも好ましい。
M. Rozhkov (balalaika), G. Minyaev (G)
1:   2:   3: 3'17" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
“バララーイカのパガニーニ”と呼ばれる名手とギターとのデュオ。ギターの方に若干安っぽい響きも散見されるが、撥弦楽器の美しい音色が心に残る。
E. Runge(Vc), J. Ammon (Pf)
1:   2:   3: 2'44" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 2'22" 24:  
歌のスケールがもう少し大きくても良いと思うが、なかなかの美演。曲もチェロ編曲にふさわしい。
E. Sheynkman (Mandolin), V. Macaluso (G)
1:   2:   3: 2'22" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16: 2'27" 17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
サロン風の明るさを湛えたマンドリンの響きが、楽曲に独特の風味を与えている。ただ、息の長いフレーズにおいて持続音を出すことのできない撥弦楽器の不利を感じる瞬間も少なくはなく、全体の印象は微妙。
D. Shostakovich (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15: 2'29" 16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ショスタコーヴィチの抒情性を堪能できる録音。作為的な部分は一つもないのに、実に心に沁みる。ショスタコーヴィチがロシアの作曲家であったことを再認識させられる。
G. Simon/The 48 First Violins
1:   2:   3: 2'38" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ボリショイ劇場ヴァイオリン・アンサンブルの編曲と同種の演奏だが、こちらは人数が多いために少し鈍い感触がある。
A. Somov (Vc), B. Popova (Pf)
1:   2:   3: 2'20" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13: 3'14" 14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 3'02" 24:  
際立った個性や特徴はないものの、幾分の武骨さを漂わせつつも正統派の高水準な演奏である。
K. Stenberg (Fl), H. van Hoof/Orchestra
1:   2:   3: 4'20" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
いわゆるイージーリスニングの類だが、演奏と編曲のどちらにも興味を惹かれない。ちなみに本盤のジャケットでは、イギリスで放送されたTVドラマ「Reilly, Ace of Spies」の主題曲としてクレジットされている。
K. Stoll (Cb), 雄倉恵子 (Pf)
1:   2:   3: 2'28" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
コントラバスという制約を感じさせない、豊かな演奏。軽々と楽器を操る様には大変感心させられる。問題は演奏者のシュトール自身による曲目解説。「このロマンツェは彼の初期の創作によるものである。20世紀初頭の名高いベース奏者が、この作品を書かせたと言われている。」ここには、ただの一つも正しいことがない。
W. Thomas-Mifune (Vc), C. Piazzini (Pf)
1:   2:   3: 3'06" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
テンポやフレージングはごくオーソドックスなもの。技術的な破綻もない。しかし、歌い上げ方にかなりクサさがあるのが気になる。中低音は心地好い響きなのだが、高音が少しキツい。ピアノは可もなく不可もなく、といったところ。
I. Wikström (Pf)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15: 2'03" 16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ややあっさりし過ぎのようにも感じられるが、美しい抒情に満ちた旋律は十分に味わえる。
J. Williams, T. Kain (G)
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15: 2'35" 16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23:   24:  
ギター2台のための編曲。大変美しい音色で、心に沁みる音楽を奏でている。あっという間に終わってしまうのが非常に残念。
D. Yablonsky (Vc)/Russian Philharmonic Orchestra
1:   2:   3: 2'59" 4:   5:   6:   7:   8:   9:   10:   11:   12:  
13:   14:   15:   16:   17:   18:   19:   20:   21:   22:   23: 4'00" 24:  
旋律の美しさを前面に出した、とても聴きやすい音楽。ただ、わざわざこのような編曲をする意義は感じられない。
V. Yakovlev (domra), Instrumental Quintet
時間不詳
この奏者がドムラ界でどのレベルの名手なのかはよくわからないが、少なくとも聴き苦しい箇所は皆無。伴奏もリラックスした雰囲気を醸し出していて、なかなか楽しい演奏に仕上がっている。
V. Yakovlev (domra), Instrumental Quintet
時間不詳
打楽器も入ったアンサンブルで、より民族色の強い楽しい演奏である。
Y. Ahronovitch/London Symphony Orchestra
I:   II:   III: 2'53" IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX:   X:   XI:   XII:  
3曲目だけの演奏。木管楽器にアバウトな部分が多いのと、全体的にリズムが鈍重なために、聴いていてあまり楽しくない。
V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V: 2'12" VI:   VII:   VIII:   IX:   X:   XI:   XII:  
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
M. Ermler/Bolshoi Theatre Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 7'02" IX:   X:   XI:   XII:  
機能的であっさりとした演奏で、歌い回しにはもう少し纏綿とした情緒が欲しいところだが、ローカル色の強いオーケストラならではの、鈍重さを伴った盛り上がりの破壊力のおかげで、根なし草のコスモポリタンに陥ることを免れている。
V. Fedoseev/Moscow Radio Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 8'02" IX:   X:   XI:   XII:  
非常な美演かつ名演。ゆったりとしたテンポで濃厚な抒情を歌い上げていくところに、フェドセーエフの真骨頂がある。全く手抜きをせずに最初から最後まで充実した響きが聴かれ、聴いた後の満足感は筆舌に尽くしがたい。ロシアの音楽以外の何ものでもないのだが、極めて洗練された音楽になっているところが特徴的。
V. Fedoseyev/Moscow Radio Symphony Orchestra
I: 2'28" II: 2'45" III: 2'52" IV:   V: 2'10" VI: 2'04" VII: 4'36" VIII: 4'41" IX:   X: 4'08" XI: 2'54" XII: 3'13"
組曲中、第4曲「前奏曲」と第9曲「間奏曲」が省略されている他、第8曲「ロマンス」の中間部がカットされている。ロマンスの中間部は旧盤では演奏されているので、カットの理由はよくわからない。演奏は、きびきびとしたテンポ感でダイナミックに抒情を歌い上げるこのコンビならではの立派な仕上がり。大編成オーケストラの魅力が存分に発揮されている。それだけに、上述したカットは残念だ。
P. Freeman/Chicago Sinfonietta
I: 2'50" II:   III:   IV:   V:   VI: 1'56" VII:   VIII: 5'46" IX:   X:   XI:   XII:  
聴き苦しい部分がある訳ではないのだが、おそらく小編成のオーケストラによる響きはあまりに軽く、曲の魅力を表現するには至っていない。ロマンスのヴァイオリン・ソロにも、これといった情感は感じられない。
L. Gosman/Tchaikovsky Chamber Orchestra
I:   II:   III: 2'03" IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX:   X:   XI:   XII:  
ゴスマンの編曲がとても凝っている。いささか軽やかで淡々とした節回しの合間から、お洒落な雰囲気が漂ってくる。
S. Kanneh-Mason (Vc), M. Gražinytė-Tyla/City of Birmingham Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX:   X: 5'05" XI:   XII:  
ライヴ録音とのことだが、録音バランスをはじめとしてかなり編集や修正が施されているようで、ライヴの雰囲気は微塵も感じられない。技術的には十分に鮮やかな演奏で、お手本通りといったところではあるが、音楽的な魅力を感じさせる段階には、残念ながらまだ至っていないと言わざるを得ない。
L. Grin/Berlin Radio Symphony Orchestra
I: 3'21" II: 2'51" III: 2'32" IV: 3'18" V: 1'14" VI: 2'02" VII: 6'28" VIII: 5'50" IX: 6'33" X: 4'08" XI: 2'09" XII: 3'33"
曲に対する熱い共感と愛情に満ちた好演。オーケストラの響きや節回しにロシアとは少し違った雰囲気も感じるが、決して悪いものではない。全ての旋律とリズムを楽しみながら演奏しているのがよく伝わってくる。細部に瑕がないわけではないが、非常に健闘していると評価できるだろう。
O. A. Hughes/Hallé Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'32" IX:   X:   XI:   XII:  
やや濃口の表情付けがされているものの、基本的には奇を衒うことのない真面目な演奏である。
M. Jansons/London Philharmonic Orchestra
I:   II:   III: 2'54" IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'14" IX:   X:   XI:   XII:  
徹底してきれいに仕上げた演奏。第8曲は他にもこういうアプローチの演奏があるが、第3曲についてはここまで上品な響きにこだわった演奏も珍しい。
V. Jordania/KBS Symphony Orchestra
I: 3'51" II: 2'46" III: 2'33" IV: 2'50" V: 2'01" VI: 2'08" VII: 7'40" VIII: 4'08" IX: 6'02" X: 3'26" XI: 2'37" XII: 3'47"
演奏自体はそれほど悪くないのだが、使っている楽器が悪いのだろうか、オーケストラの音が良くない。ホルンなど管楽器の技量も足りないので、実演ならともかく録音で楽しむレベルには達していない。第8曲のヴァイオリン・ソロも冴えない。
E. Khachaturian/USSR Cinema Symphony Orchestra
I: 2'50" II: 2'46" III: 2'27" IV & V: 4'28" VI: 1'43" VII: 6'44" VIII: 6'17" IX: 4'52" X: 4'11" XI: 2'23" XII: 2'54"
快速のテンポ設定といい、華やかで豊かなロシアの響きといい、どれを取っても最高の名演。この曲のあるべき姿を理想的に聴かせてくれる。抒情的な部分での哀愁を漂わせながらも骨太な音楽は、非常に魅力的である。
A. Kostelanetz/His Orchestra
I:   II:   III: 2'31" IV:   V: 2'00" VI: 1'46" VII: 1'53" VIII:   IX:   X: 3'51" XI:   XII:  
オーケストラの編成があまり大きくないためか迫力には欠けるが、リラックスした雰囲気が楽しい演奏。抜粋の方針はよく分からないが、いずれの曲も素直に魅力を味わうことができる。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
I: 3'05" II: 2'38" III: 2'42" IV: 2'41" V: 1'57" VI: 2'04" VII: 6'19" VIII: 5'52" IX: 5'51" X: 4'10" XI: 3'20" XII: 3'12"
美しく整えられた演奏。オーケストラの技量のためか強烈な押しには欠けるが、その分落ち着いて音楽を楽しむことができる。録音も良い。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
I: 2'58" II: 2'27" III: 2'38" IV: 2'49" V: 1'54" VI: 1'57" VII: 6'04" VIII: 6'23" IX: 5'32" X: 3'52" XI: 3'21" XII: 3'07"
旧盤から10年ほどの経っているが、演奏の傾向に大きな違いはない。オーケストラの仕上がりはこちらの方が上。
M. Makarova (Org)
I:   II: 2'49" III: 3'25" IV:   V: 1'52" VI:   VII: 6'55" VIII: 6'10" IX:   X:   XI:   XII:  
確かにきれいなのだが、単調さは否めない。おそらく技術的な問題からもたつく箇所もある。
C. E. Hanslip (Vn), P. Mann/London Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'30" IX:   X:   XI:   XII:  
13歳のヴァイオリニスト、クロエのデビュー・アルバムに収録されている。音色や歌い回しは単調なものの、素直で伸び伸びとした音楽は決して悪くない。オーケストラも立派な出来。作品の美しさを十分に堪能できる。
N. Marriner/Academy of St. Martin-in-the-Fields
I:   II:   III:   IV:   V: 2'16" VI:   VII:   VIII: 6'24" IX:   X:   XI:   XII:  
非常に端正な美しい演奏。ショスタコーヴィチが書いたこの種の音楽の解釈としては、模範的なものである。作為的な部分はなく、マリナーの巧さが光る好演。
I. Meylemans/Brass of the Royal Concertgebouw Orchestra
I: 3'16" II:   III:   IV:   V: 2'15" VI: 1'49" VII:   VIII: 3'16" IX:   X:   XI:   XII: 3'21"
ロイヤル・コンセルトへボウ管の金管セクションによるアンサンブルは、このオーケストラの魅力を凝縮したようなまろやかな響きと余裕のある自在な演奏で、金管アンサンブルの理想形と言ってもよい。ただ、楽器の機能的な制約は如何ともし難く、編曲にはあまり満足できない。
南安雄/ソノーレ室内アンサンブル
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'08" IX:   X:   XI:   XII:  
ムード音楽のように聴きやすい演奏ではあるが、オリジナルのスコアに若干手が加えられているようで、これがまたあまりよろしくない。小編成であることも影響しているのだろうが音色も痩せ気味で、旋律を歌い上げるフレージングの息の短さも気になる。
M. Miropolsky/Seattle Chamber Orchestra
I:   II:   III: 2'11" IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX:   X:   XI:   XII:  
非常に寛いだ感じの演奏で、可もなく不可もなくといった感じ。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX:   X: 3'35" XI:   XII:  
骨太で伸びやかな独奏チェロが美しい。甘く切ない曲の雰囲気が素直に表出されている。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III: 2'41" IV:   V: 2'12" VI:   VII:   VIII:   IX:   X:   XI:   XII:  
編成の小ささを感じさせることなく、繊細な美しさを表出した佳演。曲の雰囲気をよく捉えた演奏。
F. Kleinhapl (Vc), R. Piehlmayer/Wiener Concert Verein
I:   II: 2'32" III: 2'58" IV:   V:   VI: 2'15" VII:   VIII: 6'08" IX:   X:   XI:   XII:  
チェロ独奏と吹奏楽という編成のための編曲は、耳当たりの良い旋律を独奏チェロに割り振っているが、吹奏楽のまろやかでふくよかな響きに対していかにも線が細く、全体の雰囲気自体はそう悪くないながらも楽しみきれないのが残念。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 3'45" II: 2'52" III: 2'54" IV: 2'36" V: 1'57" VI: 2'05" VII: 6'54" VIII: 6'05" IX: 6'15" X: 3'41" XI: 2'29" XII: 3'20"
軽い音だが、この曲では特に欠点にはならない。全体に手堅くきれいにまとめられた演奏。なかなか全曲がとりあげられることもないので、十分に存在価値を持っているといえるだろう。
F. Shipway/Royal Philharmonic Orchestra
I: 3'03" II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 7'16" IX:   X:   XI: 2'17" XII:  
明らかにオーケストラが潜在能力以下の演奏しかしていない。技術的にもアラが目立ち、有名なロマンスですらも美しさを感じさせる部分がない。
M. Shostakovich/London Symphony Orchestra
I: 3'11" II: 2'59" III: 2'30" IV:   V: 2'10" VI: 1'42" VII: 8'25" VIII: 6'30" IX:   X: 4'27" XI:   XII: 3'39"
ホルンの強奏くらいしか特徴らしいものはないが、非常に安定した美しい演奏。音楽が自然に流れているので、安心して聴くことができる。バランスのよくとれた好演。
D. Hope (Vn), M. Shostakovich/BBC Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 5'56" IX:   X:   XI:   XII:  
肩の力が程よく抜けた音楽には雰囲気があるものの、オーケストラのアンサンブルはわりといい加減。そこまで力を抜かなくても… 逆に独奏は音色の使い分けに随分と凝っている。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I: 2'45" II: 2'46" III: 2'32" IV: 2'18" V: 2'04" VI: 1'56" VII: 6'23" VIII: 6'33" IX: 5'07" X: 3'42" XI: 2'51" XII: 3'16"
華麗かつ重厚な響きと、奇を衒うことのない丁寧な音楽作りは、文字通り理想的な演奏の名に値する。録音も優れている。
V. Smirnov/USSR Cinema Symphony Orchestra
I: 3'23" II: 2'49" III: 2'41" IV:   V: 3'06" VI: 1'58" VII: 7'27" VIII: 6'04" IX: 7'21" X: 4'23" XI:   XII:  
録音状態はすぐれないし、オーケストラは技術的にめっぽう荒い。しかしそうした欠点は、隅々まで甘美で悲劇的な情感と力感に満ちた、大柄で壮大な音楽の前では問題にすらならない。どこか肩の力が抜けた感じで始まる第1曲「序曲」が数小節進んだ時には、もうこの演奏の虜である。ショスタコーヴィチというより、ロシア音楽を代表する映画音楽を聴いた、とでも言いたくなるような充足感が得られる。決定盤である。
E. Svetlanov/USSR State Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'16" IX:   X:   XI:   XII:  
ロシア情緒たっぷりの、素晴らしい演奏。ヴァイオリン・ソロも美しいが、特に主部に戻ってからの弦楽合奏がたまらないほど美しい。このコンビならではの豪快な美しさが堪能できる名演。
L. A. Tomter (Va), H. Gimse (Pf)
I:   II:   III: 2'39" IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 4'46" IX: 5'02" X:   XI: 2'07" XII:  
有名なロマンスの他に3曲が選ばれ、それぞれに技巧的な見せ場も盛り込まれた意欲的な編曲。アンコール・ピースとしてもっと取り上げられても良いのではないだろうか。
Y. P. Tortelier/London Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 6'03" IX:   X:   XI:   XII:  
管楽器の音程が気にならなくもないが、ホルンの効かせ方などに工夫が見られる。ただし、とりたてて印象深い演奏ではない。

 作品リストに戻る


映画音楽「第1軍用列車」作品99

【組曲 作品99a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ALTSHULER, VladimirSt. Petersburg Symphony Orchestra1995ManchesterCDMAN129No. 8 only.
ORBELIAN, ConstantineMoscow Chamber Orchestra1999DelosDE 3257No. 8 only.
ALL-UNION RADIO SONG ENSEMBLE
MKD 5062-310" mono, No. 3 only.
EVTODIEVA, Victoria (S) and SHKIRTIL, Ludmila (MS) & SEROV, Yuri (Pf)2002DelosDE 3313No. 9 only.
LAZAREVA, L. and LOBACHEVA, R. (Vo) & YAKUSHEV, A. and GRITSENKO, Y. (G)
MKD 5062-310" mono, No. 9 only.

V. Altshuler/St. Petersburg Symphony Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 2'56" IX:   X:   XI  
ソツのない演奏で、楽しんで聴くことができる。血沸き肉踊るような乱舞ではなく、わりと上品な仕上がりなので、これといったインパクトには欠けるところで好き嫌いが分かれるだろう。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII: 2'47" IX:   X:   XI  
ごく自然に音楽を楽しんでいるかのような演奏が好ましい。
All-Union Radio Song Ensemble
時間不詳
典型的なロシア合唱の響きと、楽しげな雰囲気が魅力的。
V. Evtodieva (S) and L. Shkirtil (MS) & Y. Serov (Pf)
I:   II:   III:   IV:   V:   VI:   VII:   VIII:   IX: 2'37" X:   XI  
肩の力が抜けた美しい歌に魅了される。ただ、伴奏はピアノよりもギターの方が、僕にはしっくりとくる。
L. Lazareva and R. Lobacheva (Vo) & A. Yakushev and Y. Gritsenko (G)
時間不詳
清らかな抒情は極めて魅力的。哀愁漂うギターの響きと、伸びやかなソプラノ二重唱との絡みが実に心地よい。入手するのは決して容易ではないが、ファンならば一度は聴いておきたい佳曲。

 作品リストに戻る


映画音楽「5日5晩」作品111

【組曲 作品111a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
FEDOSEEV, VladimirMoscow Radio Symphony Orchestra2006ReliefCR991082Nos. 1-3. Live(21-23 Aug.).
FREEMAN, PaulChicago Sinfonietta1990FANFARECDD 551Nos. 2 and 3.
JUDO, JamesBerlin Radio Symphony Orchestra1990Capriccio10 341/42delta-36 000(No. 3)
KHACHATURIAN, EminUSSR Cinematograph Symphony Orchestra
MelodiyaD 11327-2810" mono.
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine1995Naxos8.553299
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra1987RCA7763-2-RC
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2004ChandosCHAN 10361

V. Fedoseev/Moscow Radio Symphony Orchestra
I: 5'08" II: 5'49" III: 6'03" IV:   V:   
卓越した演奏技術に立脚した流麗な音楽であることに加え、洗練されてはいるもののロシアを強く感じさせる華やかな響きなど、このコンビの魅力が存分に発揮されている。このロシアを代表する団体による高水準の演奏は、全曲でないことを踏まえても現時点での決定盤として差し支えないだろう。
P. Freeman/Chicago Sinfonietta
I:   II & III: 4'58" IV:   V:   
アンサンブルに乱れはないが、曲への共感が全く感じられない演奏。響きも安っぽい。
J. Judo/Berlin Radio Symphony Orchestra
I: 5'05" II: 5'38" III: 6'30" IV: 5'35" V: 7'39" 
渋い音色でなかなかに美しい。後期作品独特の響きもそれなりに表出できている。ただ音の力強さに欠けるために、音楽が平坦なものになっているのが惜しい。
E. Khachaturian/USSR Cinematograph Symphony Orchestra
時間不詳
情感たっぷりの歌心やロシアン・テイスト満載の響きなど、このコンビの魅力が余すところなく発揮されている。音楽の流れも自然なもので、ベートーヴェンの「第九」の引用が出てくる箇所では、不思議と違和感なく聴こえてしまうほど。この作品の決定盤と言って構わない内容。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
I: 7'16" II: 5'12" III: 6'48" IV: 6'02" V: 7'21" 
実に丁寧に演奏されている。やや線は細いが美しい響きに満ちていて、曲を再認識させるような出来映えだ。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I:   II: 5'33" III & IV: 9'55" V: 3'26" 
手堅い演奏。単独の曲として魅力を感じさせるほどではないが、この種の曲としては十分な出来だろう。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I: 6'32" II: 6'19" III: 6'04" IV: 5'48" V: 8'05" 
磨き上げられた輝かしい響きと、緊張感に貫かれた大柄な音楽の流れが、作品の完成度の高さを余すところなく伝えてくれる。まさに決定盤。

 作品リストに戻る


映画音楽「ハムレット」作品116

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ARIHASHI, Sumina (Cemb)2002tamayuraKKCC 3004‘Dance of Ophelia’ only.
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874Score Nos. 1, 11, 5, 8, 19, 3, and 21.
RUNGE, Eckart (Vc)AMMON, Jacques (Pf)2002-3Ars MusicAM 1370-2Score No. 1, titled as ‘Largo con sordino’, Arr. by Eckart Runge and Jacques Ammon.
YABLONSKY, DmitryRussian Philharmonic Orchestra2003Naxos8.557446Published film score.
【組曲 作品116a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
FREEMAN, PaulChicago Sinfonietta1990FANFARECDD 551Nos. 1, 2, 4, 5, and 8.
GRIN, LeonidBerlin Radio Symphony Orchestra1988Capriccio10 298delta-36 000(Nos. 2 and 4)
HERRMANN, BernardNational Philharmonic Orchestra1974London455 156-2Nos. 1, 2, 3, 5, 6, and 8.
JORDANIA, VakhtangKBS Symphony Orchestra1994Koch3-7247-2H1Nos. 1, 3, and 4.
KUCHAR, TheodoreNational Symphony Orchestra of Ukraine2004Brilliant6735Brilliant-8128
RABINOVICH, NikolaiMoscow Radio Symphony Orchestra1966MelodiyaD 17691-210" mono, Nos. 1, 2, 3, 4, 5, 7, and 8. eurodisc-28 665 XHK(LP), Great Musicians of Palmira Du Nord-2003-005
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra1986RCA7763-2-RCRCA-74321 24212 2
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2004ChandosCHAN 10361Nos. 1-3, and 5-8.
SONDECKIS, SauliusLithuanian Chamber Orchestra1996Cugate ClassicsCGC025-2

有橋淑和 (cemb)
  0'44"
ショスタコーヴィチが書いた(恐らく)唯一のチェンバロ作品。未出版なので、自筆譜を使用して演奏している。非常に短い曲だが、ほんの数音を聴いただけでショスタコーヴィチの作品だとわかる、強烈な個性が刻み込まれている。演奏を云々するような作品ではないが、丁寧に弾いているので、世界初録音の名に恥じない出来だと言って構わないだろう。
R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
1: 2'28" 3: 0'42" 5: 2'58" 8: 0'57" 11: 1'04" 19: 2'16" 21: 6'33" 
美しい響きは魅力的だが、ショスタコーヴィチのものとは異質である。表面的な仕上がりは極上だが、音楽作品としての価値を認識させるレベルには達していない。
E. Runge (Vc), J. Ammon (Pf)
I: 3'41" 
達者な演奏ではあるが、さすがにこの編曲には無理がある。
D. Yablonsky/Russian Philharmonic Orchestra
Total Time: 62'28"
出版譜に基づいた初の全曲盤。演奏もツボを押さえた立派なもの。全体に後期作品特有の線的な響きが多いだけに、序曲などではもっと荘厳な音響を望みたいところだが、逆にこの作品の特徴を丹念に洗い出しているとも言え、この辺は好みの問題だろう。
P. Freeman/Chicago Sinfonietta
I: 1'58" II: 3'34" III:   IV: 2'13" V: 5'56" VI:   VII:   VIII: 5'13"   
ただ譜面をなぞっただけという、何の感動もない演奏の見本。
L. Grin/Berlin Radio Symphony Orchestra
I: 2'46" II: 3'13" III: 5'27" IV: 2'10" V: 8'15" VI: 2'04" VII: 4'23" VIII: 6'49"   
アンサンブルなど細部に乱れはあるが、全体に緊張感が張り詰めた壮大な演奏。音楽の運びも自然でありながら、決して平板ではない。これでロシアの音色がしていれば最高だっただろう。
B. Herrmann/National Philharmonic Orchestra
I: 3'28" II: 3'03" III: 5'16" IV:   V: 4'17" VI: 2'52" VII:   VIII: 2'35"   
録音が素晴らしい。壮麗な響きが楽しめるが、オーケストラの技術上のアラもはっきりととらえられてしまっているのが皮肉。演奏自体はなかなか雰囲気を出していて良い。
V. Jordania/KBS Symphony Orchestra
I: 2'01" II:   III: 5'47" IV: 2'42" V:   VI:   VII:   VIII:     
それらしい響きはしているが、オーケストラの力量が足りないために痩せた音しかしていない。結果として平坦な音楽にしかなっていない。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine
I: 2'18" II: 3'41" III: 1'20" IV: 3'03" V: 3'51" VI: 2'11" VII: 7'26" VIII: 3'57"   
大柄で推進力のある立派な演奏。時折聞こえてくる指揮者の気合いの入った唸り声に、オーケストラがよく応えている。
N. Rabinovich/Moscow Radio Symphony Orchestra
I: 2'58" II: 2'38" III: 3'50" IV: 2'18" V: 3'20" VI:   VII: 3'05" VIII: 3'22"   
引き締まった音楽の流れと、アクの強さと表裏一体の硬質で輝きのあるオーケストラの音色が極めて魅力的。録音の鮮度はあまり良くないものの、この作品を語る上ではずすことのできない演奏。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
I: 2'17" II: 3'16" III: 4'41" IV: 2'03" V: 6'03" VI: 1'59" VII: 3'15" VIII: 5'54"   
スケールは大きくないが、手堅くまとめられた演奏。ハーモニーの微妙なニュアンスや壮麗なオーケストレイションの妙などはあまり感じられないが、後期作品の雰囲気は結構出ている。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
I: 2'46" II: 2'56" III: 4'38" IV:   V: 6'47" VI: 1'50" VII: 3'32" VIII: 6'02"   
少し地味な仕上がり。端正で流れの良い音楽作りは水準が高いが、それほど柄の大きさが感じられない。晩年の作品とはいえ、もう少し華やかさがあっても良いと思う。
S. Sondeckis/Lithuanian Chamber Orchestra
I: 2'37" II: 3'03" III: 4'15" IV: 2'40" V: 5'47" VI: 1'40" VII: 4'29" VIII: 6'21"   
こぢんまりとしていてスケール感には乏しいものの、的確な響きと手堅く引き締められたアンサンブルは上質である。

 作品リストに戻る


映画音楽「生涯のような一年」作品120

【組曲 作品120a】
指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
SHOSTAKOVICH, MaximMoscow Radio Symphony Orchestra1966MelodiyaCM 02523-4LP, eurodisc-28 665 XHK(LP, No. 1 and ‘Morning’), Angel/Melodiya-SR-40181(LP)
STROBEL, FrankSWR Rundfunkorvhester Kaiserslautern2006hänsslerCD 93.188

M. Shostakovich/Moscow Radio Symphony Orchestra
時間不詳
静かな部分で音楽が若干弛緩するものの、このコンビらしい覇気に満ちた秀演に仕上がっている。金管楽器の咆哮や打楽器の乱打には、否が応にも昂奮させられる。
F. Strobel/SWR Rundfunkorvhester Kaiserslautern
I: 4'32"
II: 4'51"
III: 5'51"
IV: 15'25"
V: 2'49"
VI: 7'39"
VII: 3'12"
Morning:   
端正に整えられた演奏で、単にクリアな録音で聴けるという以上の仕上がりではあるが、M. ショスタコーヴィチ盤のやみくもな熱狂とは対極にある落ち着いた演奏であるがゆえに、少々物足りなくもある。

 作品リストに戻る


映画音楽「ソーフィヤ・ペローフスカヤ」作品132

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
CHAILLY, RiccardoRoyal Concertgebouw Orchestra1998LondonPOCL-1874‘Waltz’ only.
MNATSAKANOV, WalterByelorussian Radio and TV Symphony Orchestra1995Russian DiscRD CD 10 018

R. Chailly/Royal Concertgebouw Orchestra
March:   Execution:   1:   3:   Waltz: 2'31" 4:   5:   7:  
8:   9:   10:   11:   12:   13:   14:   15:  
大変美しい演奏。アクの強さは求められないが、十分に曲の魅力を味わうことができる。
W. Mnatsakanov/Byelorussian Radio and TV Symphony Orchestra
March: 1'13" Execution: 1'31" 1: 2'48" 3: 1'27" Waltz: 2'17" 4: 1'19" 5: 1'45" 7: 4'13"
8: 0'31" 9: 4'41" 10: 0'48" 11: 6'47" 12: 0'43" 13: 0'42" 14: 1'32" 15: 2'45"
演奏自体は悪くないが、曲がそれ自身で鑑賞に値するようなものではないため、聴いていてそれほど楽しくはない。中では、5曲目のワルツがきれいな曲で魅力的だ。

 作品リストに戻る


映画音楽「リア王」作品137

指揮者オーケストラ録音年レーベル番号備考評価
ABBADO, ClaudioBerliner Philharmoniker2003Live SupremeLSU1061-2CD-R, Live(25 Apr.).
JUROWSKI, MichailRundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin1990Capriccio10 397delta-36 000(No. 58)
SEREBRIER, JoséBelgian Radio Symphony Orchestra1987RCA7763-2-RC
SINAISKY, VassilyBBC Philharmonic2002ChandosCHAN 10023

C. Abbado/Berliner Philharmoniker
Total Time: 70'55"
アバドのベルリンPO音楽監督退任特別コンサートのライヴ録音。コージンツェフの映画の抜粋を上映しつつ、それに合わせてオーケストラがショスタコーヴィチの音楽を演奏するという企画。劇音楽と、晩年に書いた同名の映画音楽とを組み合わせて70分強の作品に仕立てたもの。ベルリンPOの分厚く豪華な響きもあって、不思議と違和感なくまとまっている。演奏も、流麗さと壮大さが素晴らしく共存した立派なもの。ショスタコーヴィチが喜ぶかどうかはわからないが。
M. Jurowski/Rundfunk-Symphonie-Orchester, Berlin
1 - 5: 0'58" 6 - 9: 1'41" 10: 0'27"
50: 2'41" 51: 2'46" 52: 0'26" 53: 2'59" 54: 3'23" 55: 2'09" 56: 4'12" 57: 2'51" 58: 2'02" 70: 1'05"
特に悪いとも思わないが、印象に残らない演奏。アンサンブルも整っているし、後期作品独特の響きを表出するには至らないものの、美しさは十分感じられる。
J. Serebrier/Belgian Radio Symphony Orchestra
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8: 0'40" 9:   10:  
50: 1'54" 51: 2'32" 52:   53: 2'13" 54: 2'42" 55: 1'47" 56: 2'31" 57: 1'48" 58: 2'23" 70: 0'43"
ツボを押えた演奏で、結構後期作品らしい響きがしている。はっとさせるような美しさを表出するにはオーケストラの技量が足りないが、曲を楽しむには十分だろう。
V. Sinaisky/BBC Philharmonic
1:   2:   3:   4:   5:   6:   7:   8: 0'41" 9:   10:  
50: 2'33" 51: 2'39" 52:   53: 2'53" 54: 3'04" 55: 2'21" 56:   57: 2'44" 58:   70: 0'52"
スコアが適切に音化されたという感じの好演。決して勢いだけではない充実した響きが立派。

 作品リストに戻る


 ShostakovichのHome Pageに戻る

Last Modified 2024.01.06

inserted by FC2 system