ディスク聴き比べ

現在僕が所有している「黄金時代」のディスクを聴き比べてみます。演奏者名をクリックすると、簡単な批評文を読むことができます。CD購入等の参考になれば幸いです。また、演奏時間などの情報を調べたい場合はこちらを参照して下さい。


全曲(オリジナル版)
指揮者オーケストラ録音年評価
G. RozhdestvenskyRoyal Stockholm Philharmonic Orchestra1993★★★★
全曲(1982年版)
A. LavrenyukBolshoi Theatre Orchestra1987★★★☆
Y. SimonovBolshoi Theatre Orchestra1982★★
組曲 作品22a
B. HaitinkLondon Philharmonic1979★★★
R. IrvingPhilharmonia Orchestra1960★★★★☆
N. JarviGothenburg Symphony Orchestra1990★★★★
T. KucharNational Symphony Orchestra of Ukraine2004★★★☆
E. KurtzPhilharmonia Orchestra1955★★★★☆
G. LevineCracow Philharmonic Orchestra1989★★★☆
C. Lyndon-GeeNew Zealand Symphony Orchestra1994★★★☆
J. MartinonLondon Symphony Orchestra1958★★★★
H. MitchellNational Symphony Orchestra of Washington, D.C.★★☆
中村ユリ東京佼成ウィンド・オーケストラ1993★★★★
M. ShostakovichUSSR Bolshoi Theatre Orchestra1966★★★★★
M. ShostakovichPrague Symphony Orchestra1996★★★★
L. StokowskiChicago Symphony Orchestra1968★★★★
ポルカのみ
L. BernsteinNew York Philharmonic1970★★★★
P. DervauxOrchestre de la Société des Concerts du Conservatoire
★★★☆
F. FennellEastman-Rochester POPS Orchestra1959★★★
A. FiedlerBoston Pops Orchestra★★★
P. JärviOrchestre Philharmonique de Radio France2002-3★★★★☆
A. KostelanezHis Orchestra1965★★☆
U. MayerEdmonton Symphony Orchestra1992★★★☆
I. MetzmacherPhilharmonisches Staatsorchester Hamburg1999★★★★
C. OrbelianMoscow Chamber Orchestra1999★★★★
E. OrmandyPhiladelphia Orchestra1966★★★★☆
J. WilliamsBoston Pops Orchestra1988★★★☆
ポルカの編曲
A. BrussilovskyEnsemble ``Ricercata de Paris''1996★★★☆
E. KleinHamburg Soloists1994★★★☆
V. SpivakovMoscow Virtuosi1991★★★★
V. SpivakovMoscow Virtuosi1994★★★★
J. SwensenTapiola Symphonietta1994★★★☆
V. Ashkenazy(piano)2003★★★★
S. Cherkassky(piano)1982★★☆
A. Foldes(piano)1950★★★
R. Hayroudinoff(piano)2000★★★☆
M. Jones(piano)1989★★★☆
L. Pennario(piano)
★★★
N. Petrov(piano)1989★★★
B. Petrushansky(piano)2003★★★☆
D. Shostakovich(piano)1947★★★★☆
I. Wikström(piano)1981★★★★
P. Luboshutz & G. Nemenoff(piano)
★★★
A. Whittemore & J. Lowe(piano)
★★★
American Art Quartet
★★★
Borodin Quartet1994★★★★★
Borodin Quartet★★★★
Brodsky Quartet2001★★★☆
Eleonora Quartet1994★★★☆
Emerson Quartet1998★★★☆
Fitzwilliam Quartet1986★★★★
Jerusalem Quartet2000★★★★
Kocian Quartet★★★
Rasumowsky Quartet2005★★★★
Shostakovich Quartet1985★★★★
Quartetto d'Archi di Venezia1997★★★
G. Kremer, A. Bik(Vn), V. Hagen(Vla), T. Demenga(Vc)1986★★★☆
Z. Francescatti(vn), M. Lanner(pf)1945★★★
O. Kagan(vn), V. Skanavi(pf)1982★★☆
R. Kuisma(marimba)1979★★★☆
Chicago Symphony Woodwind Quintet
★★★☆
Moraguès Quintet2000★★★★☆
Budapester Blechblaser-Quintett
★★★
Dutch Brass Sextet
★★
Moscow Brass
★★☆
舞踏のみ
I. MetzmacherPhilharmonisches Staatsorchester Hamburg2001★★★★

G. Rozhdestvensky/Royal Stockholm PO(Chandos-CHAN 9251/2)
現在聴くことのできる、唯一のオリジナル全曲盤。資料的な価値は抜群だが、演奏にはやや粗い部分が散見される。たとえば、ジヴァのアダージョで、バリトンが入ってくる直前のアンサンブルの乱れなどは、ライブ盤ではない以上、きちんと編集をしてほしい。なお、ライナーの曲名が実際のバレエの場面と必ずしも対応していないのは、ショスタコーヴィチがスコアを作った後でもさらに台本が改変されていったためである。
A. Lavrenyuk/Bolshoi Theatre O(Pioneer-PILC-2306)
87年にボリショイ劇場で行なわれた公演を収めたレーザーディスク。当然1982年版であり、この曲の本当の姿を知ることはできないが、組曲に収められている曲は全て入っており、実際にバレリーナ達が踊っている姿を見ると、これらの曲がバレエ曲であったということを再認識することができる。演奏はさすがに粗っぽいものだが、ショスタコーヴィチの他の作品も取り込んでバレエ作品に転化しているこの映像、一度くらいは見ておいても損はないでしょう。
Y. Simonov/Bolshoi Theatre O(Russian Disc-RD CD 10 009)
82年版による初演のライブ録音。というだけの価値しか見い出せない。どうしてもこの版を知りたいのであればレーザーディスクになっている方を入手すべきで、音声だけのこの録音を選ぶ理由はどこにもない。
B. Haitink/London PO(LONDON-POCL-9255/8)
この曲を録音している団体の中では技術的に上手な部類に入るが、それ以外の部分で突出したものがなにもない。その上、第3曲「ポルカ」でのシロフォンの無様な演奏は許し難い。
R. Irving/Philharmonia O(EMI-CDM 7243 5 65922 2 3)
これは素晴らしい。指揮のアーヴィングは往年の名バレエ指揮者だということだが、この演奏は何よりも絶妙なテンポによって特徴付けられる。僕自身の好みと比べるとやや上品に過ぎるが、この曲で格調の高さを感じさせてくれる演奏というのも他にはない。第2曲のソロも、録音がやや遠めだが、皆魅力に溢れている。録音も申し分なく、当然満点を与えたいところなのだが、第2曲でバリトンの代わりにユーフォニウムを使用し、最高音であるD音の周辺数小節(練習番号40以降)をトランペットに吹かせていることで、0.5ポイント減点した。
N. Jarvi/Gothenburg SO(DG-POCG-1424)
ヤルヴィらしく、手堅い演奏。クルツ盤に匹敵するような第4曲のテンポが心地よい。録音も良く、ファースト・チョイスとして無難だと思われる。
T. Kuchar/National Symphony Orchestra of Ukraine(Brilliant-6735)
そつなくまとめられてはいるものの、全体に精度があまり高くなくぱっとしない。
E. Kurtz/Philharmonia O(TESTAMENT-SBT 1078)
早めのテンポによるきびきびとした演奏が素晴らしい。オーケストラはアーヴィング盤と同じフィルハーモニアOだが、よほどこの曲と相性が良いのだろうか、各楽器のソロも絶妙で、録音の古さを差し引いても最高級の評価に値する。ただ、第2曲でのソプラノ・サックスが最高音のEs音を変えて吹いているのが大きな減点ポイント。それ以外は、かすれた音にさえ艶めかしさを感じるほどの素晴らしさだけに、大変残念。第3曲でコントラバスの最高音域のCis音がB音になっているのは、おそらく楽譜の線が一本足りなかったか、読み間違いのいずれかだろうが、なぜそのままになってしまったのか少し不思議である。また第4曲では、非常にショスタコらしくて良いとは思うのだが、もはや踊れないような速さでの演奏に、タンバリンが1小節ずれたり、トランペットがまともに吹けなかったりと、瑕が多くなってしまったことも残念である。しかし、第1曲に関しては文句無しにこの演奏が1番である。
G. Levine/Cracow Philharmonic Orchestra(Arabesque-Z6610)
丁寧に演奏されてはいるが、これといった魅力がない。アダージョが収録されていないのも残念。ポルカのシロフォンは柔らかい音色で、僕の好みには合わない。
C. Lyndon-Gee/New Zealand SO(Naxos-8.553126)
指揮者・オーケストラともに無名の団体だが、それだけに録音にあたってよく練習した跡が見受けられる。スコアを見ながら曲の勉強をするのには最適な演奏だろう。特に、アクセントや強弱については非常に丁寧に楽譜通りの演奏を心がけている。しかし、音楽とは不思議なもので、それだけでは第1級の演奏になる訳ではない。
J. Martinon/London SO(LONDON-POCL-9439)
第1曲目練習番号10の手前におけるアクセントの処理に象徴されるように、楽譜の細かい部分にもしっかりと光を当てた演奏。木管のアンサンブルが特に立派。第2曲のソプラノ・サックスも、やや細か過ぎるヴィブラートが気になるが、心のこもったソロである。なお、この演奏は92年にポリドール、93年にキングから発売されたが、音質は後者の方が聴きやすい(上記のCD番号はポリドールのもの)。
H. Mitchell/National SO(MCA-MCAD2-9823A)
特別瑕がある訳ではないが、オケの技量が低く(特に弦楽器のピッチ)解釈にもパッとしたところはない上に、録音も古めかしい。
中村ユリ/東京佼成ウィンドオーケストラ(Seven Seas-KICG 3062)
原曲の雰囲気を大切にした編曲。もともと管楽器主体の曲だけに、違和感は少ない。演奏も非常に真摯で、ショスタコーヴィチの響きがしている。この種の編曲物としては、相当良い出来。
M. Shostakovich/Bolshoi Theatre O(Victor-VICC-2090)
確かにアンサンブルは乱れているし、録音も非常に悪い。しかし、この演奏ほどショスタコーヴィチの精神を体現したものはない。第1曲の出だしからして、何と小気味の良い快速なテンポだろうか。幕が開く直前の不安と期待の入り乱れた気分が非常によく表現されている。そして、幕が開いた直後のワルツの素晴らしい後打ち。これぞロシアン・ワルツだ。この演奏で実現されているような、弦の強靭な響きとそれに対抗する強烈な金管の音色が、ショスタコーヴィチに不可欠なのである。第2曲のソプラノ・サックスも素晴らしい。最低音で音がひっくり返ろうが、大した問題ではない。ヴァイオリン・ソロも唯一納得のいく音がしている。クライマックスで第1トランペットが1小節ずれていようが、全く気にならない。何より満足できるのは、第3曲のシロフォンの音色。とても材質が木とは思えないようなこの音。これを聴いてしまうと、他の演奏には不満しか残らない。もはやヤケクソとしか思えない第4曲も含め、非常に素晴らしい演奏である。
M. Shostakovich/Prague SO(Supraphon-SU 3278-2 031)
最新のライブ録音。録音条件の違い、オーケストラの違い等々理由は色々と考えられるが、同じ指揮者の旧録と比べ、あまりにも常識的な音楽になっている。こうなると、マクシムのリズム感の悪さや、オーケストラの技量の弱さなど否定的な側面が気になってくる。まあ、それでもさすがに水準以上の出来ではある。
L. Stokowski/Chicago Symphony Orchestra(BMG-09026-62516-2)
非常に安定した演奏。技術的にも申し分ないし、解釈もしっかりとツボを押えている。ただ、上品過ぎるところが物足りない。スコアを見て勉強するのには最適かも。
L. Bernstein/New York PO(SONY-SRCR 9449)
極端なデフォルメなしにコミカルな雰囲気を出している点では申し分ない。ただ、テンポがちょっと遅過ぎるのが残念。ショスタコには、やはり一種独特のスピード感がないと。
P. Dervaux/Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire(Patheé Marconi-FALP 474)
非常に上品かつ堅実な仕上がり。いかにもなフランス的演奏で物足りないが、これはこれで決して悪くはない。もう少し録音の鮮度が高ければ良いのだが。
F. Fennell/Eastman-Rochester POPS Orchestra(Mercury-434 349-2)
中庸といえば聞こえは良いが、何のセールス・ポイントもない上に、演奏技術の不足が聴いた後の不満感を募らせる。ソプラノ・サクソフォンがトランペットで置き換えられているのも大きな減点材料。
A. Fiedler/Boston Pops O(BMG-09026-62577-2)
ちょっと上品に過ぎる。特にシロフォンなどは、M.ショスタコーヴィチ盤と比べると非常に物足りない。さらに、ソプラノ・サックスがトランペットに代えられているのも残念。
P. Järvi/Orchestre Philharmonique de Radio France(Virgin-7243 5 45609 2 7)
流麗な外見とロシア風のコクとのバランスが、非常によくとれている。小品としての魅力を存分に伝えてくれる快演。
A. Kostelanez/His Orchestra(SONY-SBK 62 642)
テンポは良い。練習番号51番第1小節2拍目の裏のホルン、練習番号53番3小節前のトロンボーンは素晴らしい。ただ、シロフォンがひど過ぎる。こんなにメロメロなら、ちゃんと録り直しゃいいのに…。
U. Mayer/Edmonton Symphony Orchestra(CBC-SMCD5169)
破綻のない、きちんとまとまめられた演奏。しかし、何も印象に残らない。
I. Metzmacher/Philharmonisches Staatsorchester Hamburg(EMI-7243 5 56970 2 8)
リラックスした雰囲気の、整然とまとまった演奏。悪くはないが、面白味には欠ける。
C. Orbelian/Moscow Chamber Orchestra(Delos-DE 3257)
ツボを押えた、ソツのない演奏。小編成のオーケストラだが、このスコアの場合は特に不都合を感じない。敢えて言えば、やや洗練され過ぎといえなくもないが。
E. Ormandy/Philadelphia Orchestra(Sony-SBK 53 261)
衒いのないスムーズな音楽の運びと、このコンビらしい華麗な響きが大変好ましい。最も安心して聴くことのできる演奏の一つ。
J. Williams/Boston Pops Orchestra(Philips-426 247-2)
デフォルメの仕方や音色の生かし方等、イイ線いっているのだが、テンポが遅すぎるために曲全体が弛緩してしまっている。テーマのシロフォンが間違っているのも気になる。
A. Brussilovsky/Ensemble ``Ricercata de Paris''(maison de la musique-SC 53006)
綺麗ではあるが、線が細いので物足りなさが残る。どちらかといえばムード音楽のような印象。
E. Klein/Hamburg Soloists(Arte Nova-74321 27759 2)
手堅いアンサンブルで、生真面目に演奏されているのが何ともつまらない。特徴的な和声の強調に主眼がおかれているようだが、音楽の流れが死んでしまっている。
V. Spivakov/Moscow Virtuosi(RCA-09026 61189 2)
弦楽四重奏の編曲をほぼそのまま生かして弦楽合奏で演奏したもの。少し趣味の悪さを感じさせる部分や、パート譜のミスがそのままになっていたりと問題もあるが、とにかく巧い!
V. Spivakov/Moscow Virtuosi(RCA-09026 68185 2)
編曲も演奏も旧盤とほぼ同じ感じ。こちらの方が若干リラックスした感じか。
J. Swensen/Tapiola Symphonietta(Ondine-ODE 845-2)
Sikorskiから出版されている弦楽合奏用の編曲による演奏。楽譜に書いてあることが忠実に音化されている。愉悦感には乏しいが、その素直で伸びやかな演奏には好感が持てる。
V. Ashkenazy(Decca-UCCD-1105)
少々生真面目過ぎるようにも感じるが、音楽的に模範的な演奏と言えるだろう。
S. Cherkassky(Decca-433 651-2)
聴衆の笑い声や、曲が終った後の熱烈な拍手など、臨場感は抜群。全体のテンポも問題ないのだが、デフォルメの仕方が納得いかない。ショスタコ本人が聴いたら、眉をひそめるのではないだろうか。
A. Foldes(Remington-RLP-149-4)
わざとらしい表情付けにも閉口するが、全体に乱暴なのが気に入らない。
R. Hayroudinoff(Chandos-CHAN 9907)
安定した楽しい演奏。ただ、特筆するような特徴には欠ける。
M. Jones(AVM-AVZ-3020)
組曲第3曲と第4曲のピアノ用編曲。第4曲は、派手な編曲でなかなか面白い。一気呵成な弾きっぷりが作品の雰囲気をうまく引き出している。
L. Pennario(RCA-LSC-2714)
これといった特徴のない平凡な演奏。アゴーギグのやり方やちょっとした節回しもしっくりとこない。技術的な破綻はない。
N. Petrov(Yedang-YCC0130)
技術的には特に問題ないが、なぜか半音低く演奏されている。そういう編曲があるのかどうかわからないが、それだけで聴く気が失せる。
B. Petrushansky(stradivarius-STR 33727)
もったいぶった表情付けがないわけではないが、勢いの良さが上回っていてさほど不満は感じない。
D. Shostakovich(REVELATION-RV70008)
ようやく、作曲者本人の演奏がCD化された。期待に違わず素晴らしい演奏である。何と愉しい、心踊るような響きがしているのであろうか。ショスタコーヴィチにしてはめずらしくテンポを揺らしているが、曲の内容から考えて全く妥当であり、しかも滑稽な感じが絶妙に表出されている。録音が非常に悪いことだけが残念。
I. Wikström(Bluebell-BELL 126)
これといった個性は感じられないが、それなりに雰囲気の出た好演。
P. Luboshutz & G. Nemenoff(Vanguard-VSD-2128)
長く活動を続けたデュオだけに(この録音がどの時点のものかはわからないが)、安定した自在なアンサンブルはさすが。ただ、響きの厚い編曲のせいか、楽曲の皮肉っぽい洒脱さが伝わらない演奏になっているのが残念。元にした楽譜のせいなのか、音の間違いが多いのも気になる。
A. Whittemore & J. Lowe(RCA-CAL-1050)
子供向けの啓蒙的な構成のアルバムに収録されていることもあって、滑稽な雰囲気を強調し過ぎた解釈が気になる。技術的な精度が低いので、こうした解釈が上滑りしている感が否めない。
American Art Q(Victor-LBC-1086)
作曲者自身の手による「弦楽四重奏のための2つの小品」とは別物の編曲。妙に厚ぼったい響きと音の間違いがどうにも気になって仕方がない。
Borodin Q(Teldec-4509-94572-2)
音色の多彩さはオーケストラ版に全く引けをとらず、しかも弦楽四重奏ならではのツボを押えた絶妙の演奏。ポルカの弦楽四重奏版としては最高といえる。ただし、第2小節1拍目の裏でファースト・ヴァイオリンがE音を弾いているが、これはF音の間違い。Sikorskiのパート譜のミスなのだが、スコアは正しくプリントされているので、この確認を怠ったのは演奏者の責任。これが非常に惜しい。でも、満点をあげちゃおう。ちなみにこの演奏が収められているアルバムは、ちょっと凝った選曲も含めて、お薦めの逸品です。
Borodin Q(Philips-PHCP-5163)
ロッケンハウスでのライブ録音。同じ団体のスタジオ録音に比べより思い切ったデフォルメも見られるが、全体に粗く、曲の魅力を味わうことはできるものの、やはりスタジオ録音を取るべきであろう。
Brodsky Q(Challenge Classics-CC72093)
それほど悪くはないが、わざとらしい表情付けは少々気になる。
Eleonora Q(Etcetera-KTC 1182)
エレオノーラQはいかにもロシアの団体らしい音と、若い団体らしい爽やかさが好ましい。演奏は師事したボロディーンQの解釈と似てよく練られたものだが、全体にあまり“しつこさ”がないところが物足りない。
Emerson Q(DG-463 284-2)
どこかリラックスした雰囲気が楽しいが、表情付け(特に第一ヴァイオリン)にセンスの悪さが感じられる。アンサンブルの精度は決して悪くないが、全体としての印象は意外に平凡。
Fitzwilliam Q(LONDON-F35L-50441)
「弦楽四重奏のための二つの小品」の世界初録音盤。演奏自体もなかなか素晴らしいが、ファースト・ヴァイオリンのピッチカートが弱い。原曲のシロフォンにも強い音が必要なだけに、これは残念。ちなみに、第2小節1拍目の裏の音は、この録音でも間違って弾かれている。要するに、初めから間違って録音されていたということか。
Jerusalem Quartet(EMI-7243 5 74349 2 8)
実に丁寧で好感の持てる佳演。線は細いものの、これほど弦楽四重奏として磨き上げられたこの曲の演奏は珍しい。生真面目に過ぎるので好き嫌いは分かれるだろうが、一聴の価値がある。
Kocian Q(Bonton-0120-2 131)
わずかながら大胆な表現もみられるが、基本的に端正な演奏。
Rasumowsky Q(OEHMS-OC 562)
生真面目ながらも肩の力が抜けた颯爽さが心地好い。
Shostakovich Q(Olmpia-OCD 531)
ロシアの団体らしい野太く、荒っぽい音が小気味よい。特に圧倒させられるものはないが、全体に水準に達した演奏。
Quartetto d'Archi di Venezia(Dynamic-CDS 195)
ほぼ模範的な演奏といえる。ただ、これといったセールス・ポイントもない。
G. Kremer, A. Bik(Vn), V. Hagen(Vla), T. Demenga(Vc)(ECM-1347/48)
ロッケンハウス音楽祭でのライブ録音。クレーメルのファンなら楽しめるだろうが、彼の弾き崩しはショスタコのスタイルとは相容れないもののように思われる。ただ、この演奏だけが楽譜の間違いをきちんと訂正して演奏している(もっとも、その他のミスも結構多かったりするのだが)。その心意気に0.5ポイント上乗せしておこう。
Z. Francescatti(vn), M. Lanner(pf)(Pearl-GEMM CD 9250)
編曲には疑問が残るものの、フランチェスカッティの演奏は上品な嫌味たっぷりで悪くない。こうした華麗な演奏スタイルはショスタコーヴィチに似つかわしくないような気もするが、カガン盤よりは楽しめる。
O. Kagan(vn), V. Skanavi(pf)(Live Classics-DMCC-24544)
やたらとヴィルトゥオージックな装句ばかりが散りばめられた編曲も酷いが、そうした側面ばかりを強調するようなカガンの演奏ではこの曲本来の諧謔が全く味わえない。ただし、カガンの切味鋭い技術は素晴らしい。
R. Kuisma(marimba)(BIS-CD-149)
達者な技術で、清潔に演奏している。マリンバの響きも面白い。もっとも、ただそれだけなのだが…。
Chicago Symphony Woodwind Quintet(Audiophile-AP-14)
腕達者のメンバーによる軽妙な佳演。あざとい表情付けなどもなく、実に楽しい演奏に仕上がっている。これを上品に過ぎるととるかどうかは聴き手の趣味の問題だろう。
Moraguès Quintet(Le Chant du Monde-LDC 2781137)
木管五重奏のための編曲だが、なかなかよく出来ている。雰囲気をよく押さえたデフォルメを施しながらも、決して品を失わないセンスの良さがいかにもこの団体らしい。もちろん、技術的には全く不満を感じることはない。
Budapester Blechblaser-Quintett(Signum-SIG 011-00)
切れ味の良いアンサンブルは楽しいが、音の変更やコーダでの勝手な繰り返しなど気になるところも多い。曲よりも金管五重奏自体に興味がある人が聴くべき演奏。
Dutch Brass Sextet(DHM-DHM 5001.3)
主題の音形にやや不正確な部分が見られることと、音域の都合で旋律の動きが不自然なことが残念。しっかりとした技術をもったアンサンブルであることは分かるが、センスの悪い編曲と相まってあまり価値の感じられない演奏になってしまった。
Moscow Brass(MMC-CDMB 958101)
溌剌とした勢いのあるアンサンブルは好ましいが、編曲の出来が悪い。コーダの勝手な繰り返しなどは堪えがたい。
I. Metzmacher/Philharmonisches Staatsorchester Hamburg(Sony-SXP 130081)
肩の力が抜けた、寛いだ雰囲気を持つ楽しい演奏。もう少し躁状態のお祭り騒ぎのような勢いが欲しい。

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Last Modified 2010.01.16

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